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僕等の春。

春の日差しとともに桜が舞い落ちる。
数メートルもつゞく桜並木。俺は春を感じながらゆっくりと進む。
「おはよう」
聴き慣れた声。その声と同時に春の香りをかき消すように柔軟剤の匂いが周りに広がった。
「やっぱり名井だったか。」
「バレてた……。」
名井は微笑む。そんな名井に俺はキュンとしてしまった。

新学期が始まる。新一年生は新しい制服に身を包み少し緊張してる様に見える。
「二人共おはよう。急がないと遅れるよ!」
話しかけてきたのはひとつ上のナヨン先輩。ルックスもスタイルも良い。学校内の女子で1位、二位を争う程だ。
「おはよう。遅れたら、校長に怒られるぞ。」
「ジョン先輩、お早うございます。」
ジョンヨン先輩は、学校一のイケメン。男子達の憧れでもある。
そうこうしているうちに時間が過ぎて行く。
「名井、急ごうぜ。校長だりぃから。」
「そうだな。」
−数分後−

「ギリギリ間に合った……。よかった。」
「名井、おまえ足速すぎな。」
「そうでもないよ。」
いやお前、気づいていないだけでめっちゃ速いからな。

遅刻になる2分前。教室に着き自分の席に座る。
鞄から本を取り出し読みはじめるのだが、本を忘れてしまった。
「平井くん。本忘れたの?」
「忘れてしまった……」
「貸してあげるよ。面白そうなのある?」
そう言うと名井はリュックを探る。いや、何冊あるんだよ。
名井のリュックには十冊以上の本が溢れ返っていた。多過ぎ。
「こんなのとかどうかな?」
そう言って俺に渡したのは、官能小説だった。
渡すと同時に名井は
「はい、平井くんの好きそうなエッチなやつ。」
俺、そんなにエロいの好きそうか? いや好きなんだけどね。
名井に借りた本を読む。読み終わるころには俺の息子は元気になっていた。
どうしてくれるんだよ。
「平井くん? 号令するのに立ってよ。」
もう勃ってるよ。お前のせいでな。
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