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10年越しの再会

…目が覚めた。 
少し暗いが、どうやら朝になったらしい… 
隣に寝ているウェンディを見た。 
………昨晩、襲いかけたからか 
罪悪感しか沸いて来ない… 
もう少し一緒に眠っていたいが、 
……俺が何をするかわからない… 
名残惜しいが、ベッドから起き上がり、 
衣服を着替え、書き置きを残して部屋から立ち去った 

*~*~*~*~*~*~* 

「……ん…」 

目覚めると、隣にいたジェラールがいない… 

「………」 

少し沈んでたら、書き置きを見つけた… 

「『行ってくる 
昨晩はすまなかった』…?」 

昨晩?昨晩、昨ば……… 
………絶対、思い出さない方がよかった…! 
とりあえず、買って貰った服に着替えたけど 

「………」 

退屈で…否応なしに思い出してしまうのは 
昨晩……寝る直前に、襲われかけた時の事… 

「………っっ」 

お風呂では、まだ大丈夫だったのに…! 
……あれ?私、お風呂で何かされたような… 

―君が俺のだという証拠だ― 

「っ……!!」 

確認の為にキャミソールの下の肌、 
胸元を見ると…紅い痕があった… 

「これって………キスマーク、だよ…ね?」 

普段は見えない場所に付けてくれた事は 
嬉しいけど、その…気付くと恥ずかしい…! 

多分、私の顔は耳まで真っ赤だと思う… 
今日、ジェラールとどんな顔して話せばいいの…!? 

*~*~*~*~*~*~* 

今日分の仕事が終わって私室に戻るところなんだが… 
ウェンディにどのような 
顔をすればいいのか全くわからない… 
……共に入浴する事や寝る事は 
はっきり言って、かなり……きつい… 
まだ初日は大丈夫だった。 
だが、昨晩から非常にまずい事になっている。 

「………」 

あれこれ考えている間に 
私室に着いてしまった。仕方ない… 

「…ウェンディ、いるか?」 

扉を開けてそう言った瞬間、 
窓の外から僅かに音がした。 

「……………」 

ウェンディは確実にベランダにいる。 
…一応、話をしなくては… 
出来る限り平常心を保つんだ… 

*~*~*~*~*~*~* 

「………ジェラール」 
「ウェンディ」 
「…どうかしたの?」 

私は笑ってみた。 
けど、絶対上手く笑えてない… 

「…別の部屋に移りたいか?」 
「……え?どうして…?」 
「(…そんな風に聞かれても困るんだが…) 
…また昨晩のような事が起こりかねない」 
「…!」 
「まだ、嫌だろう…?」 
「………………ジェラールの事は大好き… 
だけど、離れるのは寂しいから嫌だよ…」 
「また、ああいう事になってもいいのか?」 
「……一緒にお風呂に入るのも眠るのも、 
すごく恥ずかしいけれど、ジェラールの事が 
大好きって気持ちの方が強いから…」 
「(…すぐにでも押し倒したい…) 
……このままで、いいんだな?」 
「……うん」 
「………結婚するまでは、何とか我慢する」 
「……け、結婚…」 
「…どうした?」 
「…私が赤くなる原因とか 
わかってて聞いてる、よね…?」 
「…どうだろうな…」 
「ジェラールのいじわ…っ」 

体を抱き寄せられて、一瞬キスをされた… 

「…部屋に戻ろう 
(何とか、我慢しなくては…!)」 
「………うん」 

ジェラールは本当に意地悪というか… 
少し、Sなのかな…? 
まあ、どんなジェラールでも大好きだけど、 
やり過ぎないでね…? 
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