10年越しの再会
眠りについたウェンディ……
穏やかな寝息を立てて眠る彼女を見て
ふと昔の事を思い出した。
(そういえば、17年前も
こうして一緒に眠っていたな…)
紺色の髪に触れ、口付けた…
(随分と、大きくなったものだ…
あんなに幼かったというのに…)
思い出されるのは幼い彼女と旅した日々
そして…彼女をギルドに預け、別れたあの日………
仕方がなかった。自分はアニマを塞ぐ為に
アースランドに来ていたのだから……
まだ幼いウェンディを危険な事に巻き込むのは
駄目だと思った。だから……離別を選んだ。
「………すまなかった…」
だが、もう何があっても手放さない…
そう強く誓って眠りについた…
*~*~*~*~*~*~*
鳥の囀りで目が覚めた
腕の中にいるのは、幸せそうな寝顔のウェンディ……
自然と笑みが浮かぶのがわかった
「………さて」
ウェンディが起きてしまう前に
色々とやらなければならない事がある
早く済ませなければ…
*~*~*~*~*~*~*
「…っ………」
「起きたか?ウェンディ」
「…ジェラー…ル…?…あれ?ここは……」
「…まだ寝ぼけているようだな
顔を洗って、これに着替えて来るといい…」
「…うん」
*~*~*~*~*~*~*
蛇口を捻って水を出し、顔を洗った
(そうだ……私、エドラスに来たんだ…)
顔と手に付着した水滴をタオルで拭き取って
服を着替えた後、部屋に戻った。
「おはよう、ジェラール」
「…おはよう、ウェンディ」
ジェラールは余所行きと思われる服装で
サングラスをかけていた。
「ジェラール、どこかに出掛けるの?」
「ああ、ウェンディも来るだろう?」
「え……いいの?」
「というより、来てくれないと困るんだ
今日は君の為に出掛けるのだから…」
「私の為…?」
「主に君の衣服や下着を買おうと思っている」
「し、下着!?」
「君の下着を俺が買うのは流石に嫌だろう?」
「私も一緒に行く!」
「では、行こうか…」
「うん!」
差し延べられたジェラールの手を握った…
*~*~*~*~*~*~*
―城下街―
なんか、道行く人々に
ジロジロと見られている私達…
「……ジェラール。もしかして
私達の事…ばれてるの?」
「…ああ、私の事は確実にばれている。
だが、ウェンディ…君の事は知らないはずだ
だから…私と一緒にいる君が珍しいのだろう」
「そ、そっか…」
「………ウェンディ…」
「どうしたの?ジェラー…」
握っている手を突然引き寄せられて
バランスを崩した隙に唇を重ねられた。
………街中で、公衆の目の前で…
「ジェ、ジェラー……ル…っ」
唇を離された直後、私は体を離そうとしたけれど
ジェラールの力が弱まることはなくて…
施された2回目のキス
…けど、それは凄く荒々しくて……
舌を侵入させて絡ませる…
所謂ディープキスと呼ばれるものだった
「…ン………ふ…ッ」
離れたくても後頭部は押さえられていて……
角度を変えながら施される濃厚な口付け…
だんだん白い靄みたいのが見えてきて……って、
ダメ!このままじゃダメ!
躊躇ったけど、ジェラールの舌を少し強く噛んだ…
「っ……!」
ようやく離れてくれたジェラール
「…ジェ、ジェラールの…いじわる…っ」
「……すまない。だが、君が
あまりにも可愛らしかったのでな…」
「いきなりなんて、ひどいよ…」
「…例え街中であっても、
君に了承さえ得ればいいのか?」
「!!」
「…どうした?」
…ジェラールは、意地悪だ…
この10年で凄く意地悪になってる…
「…ウェンディ?」
「…いきなりで、いいけど……
あまり人目が無い所がいいな…」
そう言うとジェラールは嬉しそうに微笑んだ
「わかった」
「じゃあ、早く行こう…?」
一刻も早く、この好奇の視線から抜け出したくて
私は速足で歩き始めた…
*~*~*~*~*~*~*
衣服(と下着)を買ったんだけど、
とにかく私は一刻も早く帰りたかった
いや、だって衣服を買うのはともかく、
ジェラールはランジェリーショップにまで
着いて来たんだよ!?
恥ずかしいし恥ずかしいし恥ずかしいし……
下着を選ぶ所も見られるし………
ジェラールは『男性が女性に
服のプレゼントをするのは脱がせたいから』って……
帰っても何をされるかわからないよ~!!
助けて、グランディーネ…!
そんな事を思っていると…
「…大丈夫だ。君が
了承するまでは、絶対に手を出さないから…」
「…うん!」
安心してジェラールに抱きつくと、
離れようとした時に一瞬だけ唇を重ねられた。
「ウェンディ、愛している…」
「…私もだよ、ジェラール…」
二人で手を繋いで、帰る為に歩き出した…
(正直に言うと手を出したいのは山々だが、
こちらの一方的な気持ちでそういう事をするのは……
やはり互いの合意の上でなくてはな…)
ジェラールがそんな事を考えていたなんて、
私は知る由もなかった…
穏やかな寝息を立てて眠る彼女を見て
ふと昔の事を思い出した。
(そういえば、17年前も
こうして一緒に眠っていたな…)
紺色の髪に触れ、口付けた…
(随分と、大きくなったものだ…
あんなに幼かったというのに…)
思い出されるのは幼い彼女と旅した日々
そして…彼女をギルドに預け、別れたあの日………
仕方がなかった。自分はアニマを塞ぐ為に
アースランドに来ていたのだから……
まだ幼いウェンディを危険な事に巻き込むのは
駄目だと思った。だから……離別を選んだ。
「………すまなかった…」
だが、もう何があっても手放さない…
そう強く誓って眠りについた…
*~*~*~*~*~*~*
鳥の囀りで目が覚めた
腕の中にいるのは、幸せそうな寝顔のウェンディ……
自然と笑みが浮かぶのがわかった
「………さて」
ウェンディが起きてしまう前に
色々とやらなければならない事がある
早く済ませなければ…
*~*~*~*~*~*~*
「…っ………」
「起きたか?ウェンディ」
「…ジェラー…ル…?…あれ?ここは……」
「…まだ寝ぼけているようだな
顔を洗って、これに着替えて来るといい…」
「…うん」
*~*~*~*~*~*~*
蛇口を捻って水を出し、顔を洗った
(そうだ……私、エドラスに来たんだ…)
顔と手に付着した水滴をタオルで拭き取って
服を着替えた後、部屋に戻った。
「おはよう、ジェラール」
「…おはよう、ウェンディ」
ジェラールは余所行きと思われる服装で
サングラスをかけていた。
「ジェラール、どこかに出掛けるの?」
「ああ、ウェンディも来るだろう?」
「え……いいの?」
「というより、来てくれないと困るんだ
今日は君の為に出掛けるのだから…」
「私の為…?」
「主に君の衣服や下着を買おうと思っている」
「し、下着!?」
「君の下着を俺が買うのは流石に嫌だろう?」
「私も一緒に行く!」
「では、行こうか…」
「うん!」
差し延べられたジェラールの手を握った…
*~*~*~*~*~*~*
―城下街―
なんか、道行く人々に
ジロジロと見られている私達…
「……ジェラール。もしかして
私達の事…ばれてるの?」
「…ああ、私の事は確実にばれている。
だが、ウェンディ…君の事は知らないはずだ
だから…私と一緒にいる君が珍しいのだろう」
「そ、そっか…」
「………ウェンディ…」
「どうしたの?ジェラー…」
握っている手を突然引き寄せられて
バランスを崩した隙に唇を重ねられた。
………街中で、公衆の目の前で…
「ジェ、ジェラー……ル…っ」
唇を離された直後、私は体を離そうとしたけれど
ジェラールの力が弱まることはなくて…
施された2回目のキス
…けど、それは凄く荒々しくて……
舌を侵入させて絡ませる…
所謂ディープキスと呼ばれるものだった
「…ン………ふ…ッ」
離れたくても後頭部は押さえられていて……
角度を変えながら施される濃厚な口付け…
だんだん白い靄みたいのが見えてきて……って、
ダメ!このままじゃダメ!
躊躇ったけど、ジェラールの舌を少し強く噛んだ…
「っ……!」
ようやく離れてくれたジェラール
「…ジェ、ジェラールの…いじわる…っ」
「……すまない。だが、君が
あまりにも可愛らしかったのでな…」
「いきなりなんて、ひどいよ…」
「…例え街中であっても、
君に了承さえ得ればいいのか?」
「!!」
「…どうした?」
…ジェラールは、意地悪だ…
この10年で凄く意地悪になってる…
「…ウェンディ?」
「…いきなりで、いいけど……
あまり人目が無い所がいいな…」
そう言うとジェラールは嬉しそうに微笑んだ
「わかった」
「じゃあ、早く行こう…?」
一刻も早く、この好奇の視線から抜け出したくて
私は速足で歩き始めた…
*~*~*~*~*~*~*
衣服(と下着)を買ったんだけど、
とにかく私は一刻も早く帰りたかった
いや、だって衣服を買うのはともかく、
ジェラールはランジェリーショップにまで
着いて来たんだよ!?
恥ずかしいし恥ずかしいし恥ずかしいし……
下着を選ぶ所も見られるし………
ジェラールは『男性が女性に
服のプレゼントをするのは脱がせたいから』って……
帰っても何をされるかわからないよ~!!
助けて、グランディーネ…!
そんな事を思っていると…
「…大丈夫だ。君が
了承するまでは、絶対に手を出さないから…」
「…うん!」
安心してジェラールに抱きつくと、
離れようとした時に一瞬だけ唇を重ねられた。
「ウェンディ、愛している…」
「…私もだよ、ジェラール…」
二人で手を繋いで、帰る為に歩き出した…
(正直に言うと手を出したいのは山々だが、
こちらの一方的な気持ちでそういう事をするのは……
やはり互いの合意の上でなくてはな…)
ジェラールがそんな事を考えていたなんて、
私は知る由もなかった…