10年越しの再会
ジェラールは王様だから、
私だけに構っていられない……
ちょっと寂しかったけれど、
ジェラールの後ろ姿を見送った。
「……………」
…まだ私の部屋が無いからジェラールの部屋で
一月程過ごすことになるらしいけど………
それって、寝る時も…だよね…?
……幼い頃は毎日一緒に寝ていたけど、
今…一緒に…寝れるのかな…?
想像したら、目の前が真っ暗になった…
*~*~*~*~*~*~*
「…ディ……ウェンディ…」
「っ……?」
「大丈夫か?」
映ったのは、超至近距離のジェラールの顔
「……!!」
逃げようとしたけど、動けない……
理由は、お姫様抱っこされてるからで…
「ただいま、ウェンディ」
「……おかえり、なさい…」
ソファーに降ろしてもらえたから、気絶する直前に
考えた事を話すことにしたんだけど…
「ジェラール…」
「なんだ?」
「あの、本当に……
この部屋で一月も……一緒なの?」
「…嫌なのか?」
「い、嫌じゃないけど……
すごく…恥ずかしいから…っ」
「…ウェンディの意思次第で
別の部屋にすることもできる」
「!じゃ、じゃあ…」
「だが、そうなると俺は寂しいな…」
「!!」
少し悲しそうなジェラール……
そんな顔されたら断るなんて出来ないよ…っ
「ジェ、ジェラール…」
「どうした?」
「わ、私……一緒の部屋が、いいな…」
勇気を出してそう言うと
ジェラールは微笑んでくれた…
「ウェンディ…」
「…?」
「食事と入浴、どっちを先にしたい?」
「?…食事…」
「わかった、…入って来てくれ」
部屋に入って来たのは…
専属のコックさん?と豪華な料理で…
「陛下、この女性が…?」
「ああ」
「綺麗な御方ですね……
この方が王妃となるなら、皆も納得でしょう…」
王妃?……私が?王妃って何だったかな…?
…あ、王様のお嫁さんだ!
………ジェラールって、本当に王様なんだね…
「ようやく御結婚相手を決められましたか、
皆の苦労も浮かばれますな…」
「そうだな…」
「…ジェラールって、
どうして今まで結婚しなかったの?」
「…それは、」
「陛下が見合い話を断り続けたからですよ」
「え!?」
「『初恋の少女が忘れられない』と
言っておりましてな…」
「…あの、まさか……ジェラール…?」
「君の事に決まっているだろう?ウェンディ…」
「…!!」
体温が一気に急上昇した気がする。
「お熱いですな、
では邪魔物は退散するとしましょうか…」
ジェラールの顔を見てられなくて、
食事に集中することにした…
*~*~*~*~*~*~*
「美味しかった…」
「それはよかった」
「………」
ジェラールは食事をしている間、
殆ど私の顔だけを見ていた気がする…。
「ウェンディ」
「…?」
「一緒に入るか?」
「………何に?」
…なんとなく、答えはわかってた。
けど、当たらないで欲しかったの…
「バスルームだ」
当たって欲しくなかったのに…!!
「…え、遠慮します…」
「何故だ?」
「…アースランドから、
何も持って来れなかったから…」
要するに『着替えが無い』ということで……
『きっと諦めてくれる』
……この時の私はそう思っていた…
「………」
何か考えている様子のジェラール
「…ココの服を借りて来る」
「……えぇ!?」
ジェラールは部屋から出て行ってしまった。
…そんなに私と入りたいの!?
―数分後―
「ウェンディ……ウェンディ?」
とりあえず私はベッドの下に隠れていた。
…けれど、すぐに見つかってしまって…
「ココに何着か貸して貰った」
「ジェ、ジェラール……私、
今日はお風呂は…いいから…っ」
「…?」
「私、もう眠たくて…」
「…じゃあ、俺も寝ることにする」
どこに行っても爆弾しかない!!
確実に毎日これが続くんだよね…!?
…慣れないと、ダメ…だよね…
「………ジェラール」
「どうした?」
「先にお風呂、入ってて欲しいな…。
私、少し時間が経ったら入るから…」
「…わかった」
―数分後―
少し破れてしまったローブと下着を脱いで、
バスタオルを体に巻き付けてバスルームに向かった…
少し広い浴槽に浸かったジェラールがいた…。
………ジェラールも、オトコノヒトなんだね。
改めて実感して少し赤くなった…
「……………」
「ウェンディ、体でも流そうか?」
「だ、大丈夫!!」
ジェラールに背を向けて、スポンジに
ボディーソープを垂らした後、
泡立てて体に擦りつける。
…ただ、それだけの行為なのに
ジェラールの視線を感じる…。
ちょっと後ろを向いたら視線が合った。
…なんとなく気まずくなって体を洗う作業に戻った。
…暫くして、シャワーで体中の泡を落とした。
次は髪を洗わないと……シャンプーと
コンディショナーは見つかった。……頑張らないと!
*~*~*~*~*~*~*
シャワーで髪を洗い流して、
顔に付いた水滴を払うように
数回顔を横に振った。すると…
「…色っぽいな」
ジェラールがそう呟くのを聞いた。
…浴槽に入りたいけど、それはジェラールの傍に
行くということで……だけど、こういう事は
毎日続くだろうから慣れないといけなくて…っ
「っ…ジェラール」
「なんだ?」
「…私がそこにいる間、後ろ向いてて…」
「……………わかった…」
私はほっとして浴槽に体を沈めた。
ジェラールは言われた通りに
後ろを向いていてくれてる。…記憶にある限り、
彼の髪は跳ねてたけれど今のジェラールの髪は
まとまっていた。その髪に触れてみたいという衝動を
抑えて、浴槽から上がった。
「先に上がらせてもらうね…」
「ああ」
バスルームから出て着替えを済ませる。
部屋で暫く待ってるとジェラールが
バスローブ姿で上がってきた。
それを見た私は瞼を指で擦った…
「眠いのか?」
「……うん…」
「じゃあ、もう寝るか?」
「……うん…」
頷くとベッドに入るように促されたから、
ゆっくりと布団を体にかぶせた。
眠る為に瞼を閉じて……頭に何か硬い物が当たった。
何かと思ってみると、ジェラールの胸板…
「…俺の事は気にしなくていい」
「……………」
絶句する私をどう思ったのか、私を抱き寄せて…
頭を何度も撫でてくれた…。すごく恥ずかしいけれど
それと同時に同じくらい幸せ……
少しウトウトしてきて、瞼が重い…
「…おやすみ……ジェラー…ル……」
私はそう言って眠りについた…。
「おやすみ、ウェンディ…」
ジェラールがとても優しげな声で
そう言った事を私は知らない……
私だけに構っていられない……
ちょっと寂しかったけれど、
ジェラールの後ろ姿を見送った。
「……………」
…まだ私の部屋が無いからジェラールの部屋で
一月程過ごすことになるらしいけど………
それって、寝る時も…だよね…?
……幼い頃は毎日一緒に寝ていたけど、
今…一緒に…寝れるのかな…?
想像したら、目の前が真っ暗になった…
*~*~*~*~*~*~*
「…ディ……ウェンディ…」
「っ……?」
「大丈夫か?」
映ったのは、超至近距離のジェラールの顔
「……!!」
逃げようとしたけど、動けない……
理由は、お姫様抱っこされてるからで…
「ただいま、ウェンディ」
「……おかえり、なさい…」
ソファーに降ろしてもらえたから、気絶する直前に
考えた事を話すことにしたんだけど…
「ジェラール…」
「なんだ?」
「あの、本当に……
この部屋で一月も……一緒なの?」
「…嫌なのか?」
「い、嫌じゃないけど……
すごく…恥ずかしいから…っ」
「…ウェンディの意思次第で
別の部屋にすることもできる」
「!じゃ、じゃあ…」
「だが、そうなると俺は寂しいな…」
「!!」
少し悲しそうなジェラール……
そんな顔されたら断るなんて出来ないよ…っ
「ジェ、ジェラール…」
「どうした?」
「わ、私……一緒の部屋が、いいな…」
勇気を出してそう言うと
ジェラールは微笑んでくれた…
「ウェンディ…」
「…?」
「食事と入浴、どっちを先にしたい?」
「?…食事…」
「わかった、…入って来てくれ」
部屋に入って来たのは…
専属のコックさん?と豪華な料理で…
「陛下、この女性が…?」
「ああ」
「綺麗な御方ですね……
この方が王妃となるなら、皆も納得でしょう…」
王妃?……私が?王妃って何だったかな…?
…あ、王様のお嫁さんだ!
………ジェラールって、本当に王様なんだね…
「ようやく御結婚相手を決められましたか、
皆の苦労も浮かばれますな…」
「そうだな…」
「…ジェラールって、
どうして今まで結婚しなかったの?」
「…それは、」
「陛下が見合い話を断り続けたからですよ」
「え!?」
「『初恋の少女が忘れられない』と
言っておりましてな…」
「…あの、まさか……ジェラール…?」
「君の事に決まっているだろう?ウェンディ…」
「…!!」
体温が一気に急上昇した気がする。
「お熱いですな、
では邪魔物は退散するとしましょうか…」
ジェラールの顔を見てられなくて、
食事に集中することにした…
*~*~*~*~*~*~*
「美味しかった…」
「それはよかった」
「………」
ジェラールは食事をしている間、
殆ど私の顔だけを見ていた気がする…。
「ウェンディ」
「…?」
「一緒に入るか?」
「………何に?」
…なんとなく、答えはわかってた。
けど、当たらないで欲しかったの…
「バスルームだ」
当たって欲しくなかったのに…!!
「…え、遠慮します…」
「何故だ?」
「…アースランドから、
何も持って来れなかったから…」
要するに『着替えが無い』ということで……
『きっと諦めてくれる』
……この時の私はそう思っていた…
「………」
何か考えている様子のジェラール
「…ココの服を借りて来る」
「……えぇ!?」
ジェラールは部屋から出て行ってしまった。
…そんなに私と入りたいの!?
―数分後―
「ウェンディ……ウェンディ?」
とりあえず私はベッドの下に隠れていた。
…けれど、すぐに見つかってしまって…
「ココに何着か貸して貰った」
「ジェ、ジェラール……私、
今日はお風呂は…いいから…っ」
「…?」
「私、もう眠たくて…」
「…じゃあ、俺も寝ることにする」
どこに行っても爆弾しかない!!
確実に毎日これが続くんだよね…!?
…慣れないと、ダメ…だよね…
「………ジェラール」
「どうした?」
「先にお風呂、入ってて欲しいな…。
私、少し時間が経ったら入るから…」
「…わかった」
―数分後―
少し破れてしまったローブと下着を脱いで、
バスタオルを体に巻き付けてバスルームに向かった…
少し広い浴槽に浸かったジェラールがいた…。
………ジェラールも、オトコノヒトなんだね。
改めて実感して少し赤くなった…
「……………」
「ウェンディ、体でも流そうか?」
「だ、大丈夫!!」
ジェラールに背を向けて、スポンジに
ボディーソープを垂らした後、
泡立てて体に擦りつける。
…ただ、それだけの行為なのに
ジェラールの視線を感じる…。
ちょっと後ろを向いたら視線が合った。
…なんとなく気まずくなって体を洗う作業に戻った。
…暫くして、シャワーで体中の泡を落とした。
次は髪を洗わないと……シャンプーと
コンディショナーは見つかった。……頑張らないと!
*~*~*~*~*~*~*
シャワーで髪を洗い流して、
顔に付いた水滴を払うように
数回顔を横に振った。すると…
「…色っぽいな」
ジェラールがそう呟くのを聞いた。
…浴槽に入りたいけど、それはジェラールの傍に
行くということで……だけど、こういう事は
毎日続くだろうから慣れないといけなくて…っ
「っ…ジェラール」
「なんだ?」
「…私がそこにいる間、後ろ向いてて…」
「……………わかった…」
私はほっとして浴槽に体を沈めた。
ジェラールは言われた通りに
後ろを向いていてくれてる。…記憶にある限り、
彼の髪は跳ねてたけれど今のジェラールの髪は
まとまっていた。その髪に触れてみたいという衝動を
抑えて、浴槽から上がった。
「先に上がらせてもらうね…」
「ああ」
バスルームから出て着替えを済ませる。
部屋で暫く待ってるとジェラールが
バスローブ姿で上がってきた。
それを見た私は瞼を指で擦った…
「眠いのか?」
「……うん…」
「じゃあ、もう寝るか?」
「……うん…」
頷くとベッドに入るように促されたから、
ゆっくりと布団を体にかぶせた。
眠る為に瞼を閉じて……頭に何か硬い物が当たった。
何かと思ってみると、ジェラールの胸板…
「…俺の事は気にしなくていい」
「……………」
絶句する私をどう思ったのか、私を抱き寄せて…
頭を何度も撫でてくれた…。すごく恥ずかしいけれど
それと同時に同じくらい幸せ……
少しウトウトしてきて、瞼が重い…
「…おやすみ……ジェラー…ル……」
私はそう言って眠りについた…。
「おやすみ、ウェンディ…」
ジェラールがとても優しげな声で
そう言った事を私は知らない……