幸福の天使
今日の城は少し騒がしく感じる…
いや、理由はわかっている。
わかってはいるんだが………
*~*~*~*~*~*~*
―今朝の出来事―
『よろしくね。ジェラール…』
目が、全く笑っていない…
「……ああ…」
一応そう言ったが、この女性(竜)は
ウェンディの母親で……
「…俺は貴女をどう呼べばいいんだ…?」
『好きに呼べばいいんじゃないかしら…』
やはり、全く笑っていない…
「では、……義母上…」
『そうね、それでいいわ』
………平行世界のアースランドから
妻の母(姑)がやって来た…
*~*~*~*~*~*~*
ウェンディがミスティを抱いて
義母上が城を見て回っている…
城の皆にウェンディが自分の母だと紹介した結果、
『祖母』にしては明らかに
若すぎる容姿(恐らく20代後半)の彼女に対する
疑問の声が聞こえる…
「グランディーネは
私を育ててくれたお母さんなんです!」
ウェンディのその言葉に納得したらしい城の者達…
*~*~*~*~*~*~*
問題は、義母上がウェンディの前では
にこやかに表情を変えるのに対し、俺と二人になると
あまり表情を変えなくなることで…
「…義母上」
『何かしら』
「………俺の何が気に食わないのかを
教えてもらいたいのだが…」
『そう…ね。私も
人の事を言える立場ではないけれど、過去に
ウェンディを泣かせた事があるから…かしらね』
「………」
幼い彼女にギルドへ預ける事を話したあの日の事か…
『私も、同じ事をしたのだけれど…』
そういえば、初めて出会った彼女は
何かを探しながら泣いていた…
『自分の事を棚に上げるのもどうかと思うけど、
他人がそうしたのを聞くと何か……
怒りが込み上げてね…』
「……そう、か…」
『ジェラール、貴方はウェンディを…
私の子を幸せにしてくれるの?』
「ああ、約束する」
『それを聞いて安心したわ……
もし、違う答えだったら『咆哮』を
使っていたかもしれないわね…』
「………」
この人は、恐ろしい…
『…貴方の子供の教育方針は?』
「…それなりに自由に育てて、
少しずつ王族としての教育を…」
『……魔力があったとしても使う事ができないのは、
私としては悲しいけれど……仕方ないわね…』
「………」
『とりあえず、自由に育てるといいわ。
……そして、あの子達を絶対に幸せにしてあげて…』
「!」
義母上の思念体が僅かに歪んだ
『この私は思念体……
私は一旦消えるけど、また時々来るわ…』
「…ああ」
『本当の私に会いたくなったら、
あの場所へ来なさい………
ウェンディを、よろしく頼むわ…』
「…勿論だ」
綺麗な笑顔を見せた後、
義母上の思念体は掻き消えた…
「ジェラール!
グランディー……あれ?」
「ウェンディ」
「グランディーネは?」
「一旦アースランドへ戻るらしい」
「そう…」
「また来ると言っていた。
本来の姿の自分に会いたくなったら、
あの場所に来い……とも言っていた」
「いつでも会えるんだねっ!」
「ああ…」
「?」
俺はウェンディを抱きしめた…
「…ジェラール?」
「絶対に幸せにする。
もう君の泣き顔は見たくない…」
「……私、幸せだよ?
ジェラールと結婚できて、子供もできて……」
ウェンディの唇に自分のソレを重ねた……
ウェンディの顔は相変わらず真っ赤で…
「…俺も、幸せだ…」
「……不意打ちは卑怯だよ…」
「……そうか」
俺はウェンディを抱きしめたまま、
ベッドに倒れ込んだ。
「!」
「不意打ちでなければ、いいんだろう?」
「……ジェラールの意地悪…」
再び唇を重ね、抱きすくめた…
『二人目』の子供ができるのは、
もう少し先の話―――…
いや、理由はわかっている。
わかってはいるんだが………
*~*~*~*~*~*~*
―今朝の出来事―
『よろしくね。ジェラール…』
目が、全く笑っていない…
「……ああ…」
一応そう言ったが、この女性(竜)は
ウェンディの母親で……
「…俺は貴女をどう呼べばいいんだ…?」
『好きに呼べばいいんじゃないかしら…』
やはり、全く笑っていない…
「では、……義母上…」
『そうね、それでいいわ』
………平行世界のアースランドから
妻の母(姑)がやって来た…
*~*~*~*~*~*~*
ウェンディがミスティを抱いて
義母上が城を見て回っている…
城の皆にウェンディが自分の母だと紹介した結果、
『祖母』にしては明らかに
若すぎる容姿(恐らく20代後半)の彼女に対する
疑問の声が聞こえる…
「グランディーネは
私を育ててくれたお母さんなんです!」
ウェンディのその言葉に納得したらしい城の者達…
*~*~*~*~*~*~*
問題は、義母上がウェンディの前では
にこやかに表情を変えるのに対し、俺と二人になると
あまり表情を変えなくなることで…
「…義母上」
『何かしら』
「………俺の何が気に食わないのかを
教えてもらいたいのだが…」
『そう…ね。私も
人の事を言える立場ではないけれど、過去に
ウェンディを泣かせた事があるから…かしらね』
「………」
幼い彼女にギルドへ預ける事を話したあの日の事か…
『私も、同じ事をしたのだけれど…』
そういえば、初めて出会った彼女は
何かを探しながら泣いていた…
『自分の事を棚に上げるのもどうかと思うけど、
他人がそうしたのを聞くと何か……
怒りが込み上げてね…』
「……そう、か…」
『ジェラール、貴方はウェンディを…
私の子を幸せにしてくれるの?』
「ああ、約束する」
『それを聞いて安心したわ……
もし、違う答えだったら『咆哮』を
使っていたかもしれないわね…』
「………」
この人は、恐ろしい…
『…貴方の子供の教育方針は?』
「…それなりに自由に育てて、
少しずつ王族としての教育を…」
『……魔力があったとしても使う事ができないのは、
私としては悲しいけれど……仕方ないわね…』
「………」
『とりあえず、自由に育てるといいわ。
……そして、あの子達を絶対に幸せにしてあげて…』
「!」
義母上の思念体が僅かに歪んだ
『この私は思念体……
私は一旦消えるけど、また時々来るわ…』
「…ああ」
『本当の私に会いたくなったら、
あの場所へ来なさい………
ウェンディを、よろしく頼むわ…』
「…勿論だ」
綺麗な笑顔を見せた後、
義母上の思念体は掻き消えた…
「ジェラール!
グランディー……あれ?」
「ウェンディ」
「グランディーネは?」
「一旦アースランドへ戻るらしい」
「そう…」
「また来ると言っていた。
本来の姿の自分に会いたくなったら、
あの場所に来い……とも言っていた」
「いつでも会えるんだねっ!」
「ああ…」
「?」
俺はウェンディを抱きしめた…
「…ジェラール?」
「絶対に幸せにする。
もう君の泣き顔は見たくない…」
「……私、幸せだよ?
ジェラールと結婚できて、子供もできて……」
ウェンディの唇に自分のソレを重ねた……
ウェンディの顔は相変わらず真っ赤で…
「…俺も、幸せだ…」
「……不意打ちは卑怯だよ…」
「……そうか」
俺はウェンディを抱きしめたまま、
ベッドに倒れ込んだ。
「!」
「不意打ちでなければ、いいんだろう?」
「……ジェラールの意地悪…」
再び唇を重ね、抱きすくめた…
『二人目』の子供ができるのは、
もう少し先の話―――…