幸福の天使
検査が終わって…
「…陛下、王妃様…」
「……早く言ってくれ」
「………おめでとうございます!」
「…!」
ジェラールは、私を抱きしめた。
私は真っ赤になった……だって、
少し前まで抱きしめられてたから…
「っ……!」
「ウェンディ…!」
腕に力が込められた…
「…陛下。嬉しいのはわかりますが、
王妃様の意識がありません…」
「!ウェンディっ!?」
*~*~*~*~*~*~*
「…ん……」
何故かベッドに横たわっていた私…
「大丈夫か?」
「…ジェラール…っ」
また、抱きしめられた…
「……ウェンディ…」
「……どうしたの…?」
「…愛している…」
頬に片手を添えられた後、ジェラールの顔が
近づいてきて……ゆっくりと唇を重ねられた…
すぐに唇は離れて、お腹を撫でられた。
「…ウェンディ」
「…?」
「寂しい思いはさせたくない…
だから、できるだけ早く戻るようにする………
仕事に行ってもいいか…?」
「いってらっしゃい、私…待ってるね…」
「ああ、行ってくる」
部屋を出て行ったジェラール…
「……ウェンディを、頼んだ…」
「…?」
ジェラールの姿が見えなくなると、
長い緋色の髪が視界に映った…
「…エルザ、さん…」
「…エルザ・ナイトウォーカーだ。王妃よ、
貴女はアースランドの私を知っているのか…?」
「はい、私は妖精の尻尾の魔導士でしたから…」
「…エルザは、元気か…?」
「幸せに暮らしてますよ」
「そうか…」
「……あの…エルザさんはジェラールに
頼み事でもされたんですか…?」
「陛下のいない間、
貴女の世話と護衛をするようにと…」
「そうですか…」
エルザさんは私に跪いた…
「あ、あの…」
「誠心誠意、貴女に仕えることを誓う…」
「仕える…?………じゃあ、普段通りに過ごして……
友達になって下さい」
こんなことを言い出した理由は、
国の皆が私を王妃扱いして
『ただのウェンディ』として見てくれないから……
ジェラールしか、そういう風に見てくれないから……
友達を一人でも作りたかったから…
「……は?」
「これは王妃としての命令じゃなくて、
ただのウェンディとしてのお願いです」
「しかし…」
「ダメ…ですか…?」
「………」
「エルザさん……」
「……わかり……わかった」
「ありがとうございますっ!」
*~*~*~*~*~*~*
「ウェンディ、今戻っ………」
「あっ、ジェラール!」
「陛下…」
ジェラールが目を白黒させていた。
「ナイトウォーカー…?」
「なんでしょうか」
「…ウェンディ?」
「友達になってもらったの!」
「……そうか…」
ほんの少し、微笑んだジェラール…
「では、これにて失礼します」
「また来て下さいね、エルザさん!」
「ああ、ウェンディ…」
エルザさんが見えなくなると、
突然ジェラールに抱きしめられた…
「……ジェラール?」
「…寂しくなかったか…?」
「エルザさんが友達になってくれたから、大丈夫…」
「そうか…」
一瞬、唇を重ねられた…
「ジェラール…?」
「…ナイトウォーカーに
嫉妬するとは、俺も重症だな…」
「…嫉妬…?」
「ああ、…食事は済んだか?」
「うん」
私は俯いていたから、ジェラールが
笑みを浮かべているのに気付かなかった…
「先に入って待っている…」
「うん、わかった…」
ジェラールがバスルームに行って、
私はジェラールが少し前に増設した…
私専用の衣装室(ジェラールには無い)で
下着とパジャマを選ぶ…
…そういえば、ここにはプレゼントされた服以外に
膨大な量の下着と衣服があるけれど、
私はその殆どを自分で選んだ覚えがない。
つまり、ジェラールが買って来ているということで…
…しかもサイズがぴったり合っていて……
………ジェラール、凄いね…
「…これとこれにしよう…」
シルクのパジャマと
レースがあしらわれた下着を選んで脱衣所に向かった
下着まで脱いで、自分の身体を見た。
…衣服で隠せる部分のあちこちに
無数のキスマークが刻まれている。
これは……あの、ジェラールと
そういうことをした時に基本的にされることで……
タオルを身体に巻き付けて、
バスルームに足を踏み入れた。
「………」
「ジェラール?」
「!ウェンディか…」
「どうかしたの…?」
「…いや」
「?」
少し不思議に思いながらも、
私は巻き付けていたタオルを取ってから
シャワーで身体を流して……
ザバ…ッ
「え」
振り向く前に、後ろから抱きしめられた…
「……ジェラー…ル…?」
「…ウェンディ」
耳元で囁かれて、吐息が……っ
「ジェ…ジェラール?私、今…裸…っ」
「知っている」
「ならっ、離れて…」
「ああ、少し待ってくれ…」
「…?……っ!!」
項のほんの少し下…多分衣服を着ても
見えるか見えないか…という場所に唇を落とされた。
「ジェラー………んっ!」
少しの間そこを吸われて、
唇が離れると同時に身体も離れた…
「……俺は上がることにする」
「……うん」
バスルームから出て行ったジェラール。
私は暫くシャワーを浴びて、きちんと身体を洗って、
少し浴槽に浸かった後、脱衣所に向かった。
身体を拭いて、頭を乾かして、パジャマを着て……
部屋に戻るとジェラールは本を読んでいた…
「…ジェラール」
「案外、早かったな…」
「そう…?」
「…寝るか?」
「うん」
二人でベッドに横たわる…
「ねぇ、ジェラール…」
「どうした?」
「腕枕、して…?」
「…わかった」
ジェラールが私の方に腕を伸ばしてきたから、
少し頭を上げて……腕枕をしてもらった。
「…ふふ」
「幸せそうだな…」
「うん、……グランディーネに、
ジェラールを紹介…したい…な…」
「……ああ、俺も君の母親に会ってみたい…」
「……ジェラー…ル…」
「眠いなら、眠った方がいい」
「…ん……おやすみ…ジェラー…」
「おやすみ、ウェンディ」
唇を重ねられた記憶を最後に、
私は眠りに落ちていった…
「…陛下、王妃様…」
「……早く言ってくれ」
「………おめでとうございます!」
「…!」
ジェラールは、私を抱きしめた。
私は真っ赤になった……だって、
少し前まで抱きしめられてたから…
「っ……!」
「ウェンディ…!」
腕に力が込められた…
「…陛下。嬉しいのはわかりますが、
王妃様の意識がありません…」
「!ウェンディっ!?」
*~*~*~*~*~*~*
「…ん……」
何故かベッドに横たわっていた私…
「大丈夫か?」
「…ジェラール…っ」
また、抱きしめられた…
「……ウェンディ…」
「……どうしたの…?」
「…愛している…」
頬に片手を添えられた後、ジェラールの顔が
近づいてきて……ゆっくりと唇を重ねられた…
すぐに唇は離れて、お腹を撫でられた。
「…ウェンディ」
「…?」
「寂しい思いはさせたくない…
だから、できるだけ早く戻るようにする………
仕事に行ってもいいか…?」
「いってらっしゃい、私…待ってるね…」
「ああ、行ってくる」
部屋を出て行ったジェラール…
「……ウェンディを、頼んだ…」
「…?」
ジェラールの姿が見えなくなると、
長い緋色の髪が視界に映った…
「…エルザ、さん…」
「…エルザ・ナイトウォーカーだ。王妃よ、
貴女はアースランドの私を知っているのか…?」
「はい、私は妖精の尻尾の魔導士でしたから…」
「…エルザは、元気か…?」
「幸せに暮らしてますよ」
「そうか…」
「……あの…エルザさんはジェラールに
頼み事でもされたんですか…?」
「陛下のいない間、
貴女の世話と護衛をするようにと…」
「そうですか…」
エルザさんは私に跪いた…
「あ、あの…」
「誠心誠意、貴女に仕えることを誓う…」
「仕える…?………じゃあ、普段通りに過ごして……
友達になって下さい」
こんなことを言い出した理由は、
国の皆が私を王妃扱いして
『ただのウェンディ』として見てくれないから……
ジェラールしか、そういう風に見てくれないから……
友達を一人でも作りたかったから…
「……は?」
「これは王妃としての命令じゃなくて、
ただのウェンディとしてのお願いです」
「しかし…」
「ダメ…ですか…?」
「………」
「エルザさん……」
「……わかり……わかった」
「ありがとうございますっ!」
*~*~*~*~*~*~*
「ウェンディ、今戻っ………」
「あっ、ジェラール!」
「陛下…」
ジェラールが目を白黒させていた。
「ナイトウォーカー…?」
「なんでしょうか」
「…ウェンディ?」
「友達になってもらったの!」
「……そうか…」
ほんの少し、微笑んだジェラール…
「では、これにて失礼します」
「また来て下さいね、エルザさん!」
「ああ、ウェンディ…」
エルザさんが見えなくなると、
突然ジェラールに抱きしめられた…
「……ジェラール?」
「…寂しくなかったか…?」
「エルザさんが友達になってくれたから、大丈夫…」
「そうか…」
一瞬、唇を重ねられた…
「ジェラール…?」
「…ナイトウォーカーに
嫉妬するとは、俺も重症だな…」
「…嫉妬…?」
「ああ、…食事は済んだか?」
「うん」
私は俯いていたから、ジェラールが
笑みを浮かべているのに気付かなかった…
「先に入って待っている…」
「うん、わかった…」
ジェラールがバスルームに行って、
私はジェラールが少し前に増設した…
私専用の衣装室(ジェラールには無い)で
下着とパジャマを選ぶ…
…そういえば、ここにはプレゼントされた服以外に
膨大な量の下着と衣服があるけれど、
私はその殆どを自分で選んだ覚えがない。
つまり、ジェラールが買って来ているということで…
…しかもサイズがぴったり合っていて……
………ジェラール、凄いね…
「…これとこれにしよう…」
シルクのパジャマと
レースがあしらわれた下着を選んで脱衣所に向かった
下着まで脱いで、自分の身体を見た。
…衣服で隠せる部分のあちこちに
無数のキスマークが刻まれている。
これは……あの、ジェラールと
そういうことをした時に基本的にされることで……
タオルを身体に巻き付けて、
バスルームに足を踏み入れた。
「………」
「ジェラール?」
「!ウェンディか…」
「どうかしたの…?」
「…いや」
「?」
少し不思議に思いながらも、
私は巻き付けていたタオルを取ってから
シャワーで身体を流して……
ザバ…ッ
「え」
振り向く前に、後ろから抱きしめられた…
「……ジェラー…ル…?」
「…ウェンディ」
耳元で囁かれて、吐息が……っ
「ジェ…ジェラール?私、今…裸…っ」
「知っている」
「ならっ、離れて…」
「ああ、少し待ってくれ…」
「…?……っ!!」
項のほんの少し下…多分衣服を着ても
見えるか見えないか…という場所に唇を落とされた。
「ジェラー………んっ!」
少しの間そこを吸われて、
唇が離れると同時に身体も離れた…
「……俺は上がることにする」
「……うん」
バスルームから出て行ったジェラール。
私は暫くシャワーを浴びて、きちんと身体を洗って、
少し浴槽に浸かった後、脱衣所に向かった。
身体を拭いて、頭を乾かして、パジャマを着て……
部屋に戻るとジェラールは本を読んでいた…
「…ジェラール」
「案外、早かったな…」
「そう…?」
「…寝るか?」
「うん」
二人でベッドに横たわる…
「ねぇ、ジェラール…」
「どうした?」
「腕枕、して…?」
「…わかった」
ジェラールが私の方に腕を伸ばしてきたから、
少し頭を上げて……腕枕をしてもらった。
「…ふふ」
「幸せそうだな…」
「うん、……グランディーネに、
ジェラールを紹介…したい…な…」
「……ああ、俺も君の母親に会ってみたい…」
「……ジェラー…ル…」
「眠いなら、眠った方がいい」
「…ん……おやすみ…ジェラー…」
「おやすみ、ウェンディ」
唇を重ねられた記憶を最後に、
私は眠りに落ちていった…