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幸福の天使

暗い、暗い…。此処はどこ…? 

―グランディーネっ!― 

あれは、幼い私と……グランディーネ… 
ああ、私は夢を見ているんだ… 

グランディーネ……私の、お母さん… 

―グランディーネ、ずっと一緒にいようね…― 

その言葉に頷いてくれたのを、 
私は今でも覚えている… 

(グランディーネ…) 

『……ディ…』 
(…え…?) 
『ウェンディ…』 
(グランディーネ…?) 
『…ウェンディ?』 
(グランディーネ……私は元気だよ) 
『そうみたいね… 
とても幸せそうな顔をしているから』 
(グランディーネは、寂しくない…?) 
『大丈夫よ、ウェンディ』 
(グランディーネ、私ね…) 
『……子供でもいるの?』 
(えっ!!?) 
『貴女から違う命の気配がしたのよ』 
(本当…?) 
『私が貴女に嘘をつく必要があるのかしら…』 
(うれしい…っ) 
『そっちで上手くやっているようで安心したわ…』 
(妖精の尻尾の皆は…) 
『…シャルル、と言ったかしら… 
その子が私に貴女の近況を聞いてきたの』 
(シャルル…) 
『今日貴女から聞いたことを伝えておくわ』 
(ありがとう、グランディーネ…) 
『幸せにね、ウェンディ……』 

*~*~*~*~*~*~* 

「…ん……」 
「…もう起きたのか」 
「…ジェラール…」 
「おはよう、ウェンディ」 
「…っ…おはよう…」 

夢でグランディーネに 
言われた事を思い出して、赤くなった… 

「…ウェンディ?」 
「ジェラール、あのね…… 
言わないといけない事があるの…」 
「…?」 
「私……妊娠、してるみたい…」 
「……本当、か?」 
「うん、グランディーネも言ってたよ」 
「……どうやって、グランディーネに会ったんだ?」 
「…夢だけど、しっかり覚えてるの」 
「…そうか」 

何故か、右手首を掴まれて… 

「ジェラール?」 
「…ウェンディ」 

そのまま、押し倒された… 

「……あ、の…?」 
「…暫く、見れなくなるからな…」 
「…何が?」 
「ウェンディの『可愛い』姿だ」 
「っ!!?」 

ジェラールの言葉の意味は、理解できた。 
だからこそ、身の危険を感じた… 

その直後、唇を塞がれて…… 
舌が侵入してきたのがわかった。 

「…ん……ッ」 

執拗に…何度も何度も舌を絡められて…… 
その間、私は目を強く閉じていた。 
呼吸が苦しくなってきた頃に舌を吸われて、 
唇が離れた後に目を開けた… 

「…可愛い姿が見れた…」 
「…ジェラー……ル…」 
「暫く、我慢できそうだ…」 
「…ここから先は、しないんだね…」 
「妊娠しているのだから、 
そんなことをする筈ないだろう…?」 
「よかった…」 
「皆が起きる時間になったら、医者に診せに行こう」 
「…うんっ」 
「ゆっくり過ごそうか…」 
「…ベッドで…?」 
「ああ」 
「………」 
「……………」 

ジェラールに抱きしめられて長時間過ごしたので…… 
私はまともに頭が働かず、ぎこちない動きしか 
できない状態でお医者さんに 
診てもらうことになりました… 
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