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幸福の天使

二人分の体重で軋むベッド… 
ジェラールの深い口付けに必死で応える…。 

「…ンっ、んぅ……!」 
「………」 

……少し息苦しいけれど、 
なんだか頭がぼ~っとしてきた… 
私の表情を見たらしいジェラールは 
唇を離して胸を揉み始めた。 

「……んっ、ゃ…ぁあ…!」 
「…嫌じゃ、ないだろう…?」 

ジェラールは意地悪な笑みを浮かべていた… 
胸を揉みながら、耳朶を甘噛み… 

「っ、や……やめ…!」 
「ここまで来て、止める筈ないだろう…?」 
「ジェラー…っ、んん…!」 

鎖骨から胸元に舌を這わせられて、 
背筋がゾクゾクした… 

「…我慢強いのは結構だが、 
そういう表情は相手を欲情させるだけだ…」 
「っ…よ、欲情って……!?」 
「…俺だけがウェンディのそういう一面を 
知っているのだと思うと、少し…興奮するな…」 
「…興奮、って……ひゃ!」 

ジェラールの舌が胸の先で止まっていた。 

「……ジェラー…ル?」 
「………愛している…」 
「…わ、私も…だよ……ジェラー…っ」 

私が言い終わっていないのに 
言葉はいらないとでも言うかのように唇を塞がれた… 

*~*~*~*~*~*~* 

今日もジェラールより早く目が覚めた。 
理由は……昨晩そういう事をやったからで… 
そういう事をした翌日は決まって早く目が覚めて…… 

現在、抱き枕状態の私は違和感を感じた。 
腰が痛いのは……いつもの事だから 
いいんだけど、今朝はなんだか 
頭が酷くぼんやりとしてて…… 
暑いのか寒いのか、よくわからなくて… 

「…ジェラー…ル…」 
「……………ウェンディ…?」 
「頭がぼんやりするの…」 
「………」 

ジェラールが私の額に手を当てた。 
あ、少しひんやりしてる… 

「…熱があるな」 
「熱…?」 
「ああ、少し待っていてくれ…」 

ベッドから抜け出て、私の傍から 
離れて行こうとするジェラールの腕を掴んだ。 

「…ウェンディ?」 
「…行かないで…」 
「……すぐに戻る」 

私の手を振り解いて 
部屋から出て行ったジェラール… 

「………ジェラール…」 

少し寂しく思ったけど、眠る事にした… 

「……ジェラール、早く…戻ってきて…」 

*~*~*~*~*~*~* 

「ウェンディ、今戻っ…」 
「………」 

俺が部屋に戻った時、ウェンディは眠っていたが、 
その顔には涙の痕があった… 

「…すまない…」 

そう言って、冷え〇タを彼女の額に乗せた。 

*~*~*~*~*~*~* 

「…っ……?」 
「…大丈夫か?」 
「ジェラール…」 
「…食事は出来そうか?」 
「…うん」 

*~*~*~*~*~*~* 

お粥を食べて、水に溶けた粉薬を凝視中… 

「これ、苦い…?」 
「ああ、かなり苦い」 
「………」 
「自分では飲めないようだな。 
俺が飲ませてやろう…」 
「え?」 

飲ませる…? 
あれ?なんでジェラールが薬飲んで……? 
………なんとなく意味がわかったから、 
とにかく逃げようとしたけれど……… 
腕を掴んだ後、後頭部に手を添えられて…… 
ジェラールが行ったのは、口移し… 
とても苦かったけど、なんとか飲めました。 

「…ちゃんと飲めたな…」 
「……うん…」 
「…どうだった?」 
「……何が…?」 
「口移しの感想だ」 
「………びっくりした…」 
「そうか…」 
「…あの…眠っても、いい…?」 
「ああ…」 

そう言ったジェラールは 
私の口端に付いていた水を舐めて、 
私を抱き上げてベッドに降ろした… 

「ゆっくりと眠るといい…」 
「……おやすみ、ジェラール…」 

額に口付けられて、指を一本一本絡められた。 

「ジェラール…」 
「今日はずっと君の傍にいるから、安心してくれ…」 
「うん…!」 

幸せを感じて、目を閉じた… 
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