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10年越しの再会

………私は今、 
ウェディングドレスを脱いでいる最中です。 
り、理由は……ジェラールと、その… 
結婚、したからで……っ 

ジェラールが結婚を決めるまでの時間が 
すごく早かった気が………決断して、 
行動して……もう、あっという間で… 

「終わりましたよ、ウェンディ様」 
「!ありがとうございます…」 
「是非、陛下と幸せになって下さいね!」 
「はい…!」 

元の服に着替えて外に出ると 

「お姉さん、一人?」 
「…?」 

現れたのは、白髪の青年だった。 

「ねぇ、一人?」 
「…大切な人を待っている最中です」 
「そんな奴よりさぁ、俺と遊ばない?」 
「嫌です」 
「そんな冷たい事言わないでさぁ…」 
「っ!」 

左腕を強く掴まれた。 
振り解こうとしても、全然ダメで… 

「…遊ぶって、何をするんですか?」 

嫌な予感しかしないけど、聞いてみた。 

「ん?ラブホでヤるに決まってんじゃん♪」 
「は、離して!」 
「離す訳ないだろ?」 

気付かれないように懐からナイフを抜いて…… 

「あ…っ!」 

気付かれてナイフを奪われた。 

「せっかくお姉さん綺麗なんだから、 
こんなの物騒なの持ってちゃダメじゃん♪ 
罰として、ここでヤらせてもらお~♪」 
「!!」 

青年が私を押し倒して服に手を伸ばす… 

「…ジェラール…っ」 
「…ん?なんで王様の事、呼び捨てにしてんの? 
あっ!もしかして王様の彼女!?」 
「ジェラール、たすけて…っ」 
「そんな人を襲えるなんて光栄だな~♪」 

上着が切り裂かれた… 

「っっ―――…!!」 
「じゃ、いただきま~…」 
(ジェラール…っ) 

目を閉じてジェラールの事を思い浮かべた。 
………すると… 

「がっ!?」 

青年が倒れてきた。 

「………?」 

誰かが青年を持ち上げて道端に放り投げた。 
見えたのは青色の髪と 
顔の右側の特徴的な赤い刺青… 

「…大丈夫か?ウェンディ」 
「ジェラー…ル…っ!」 

すごく嬉しくて…思わずジェラールに抱き着いた。 

「……帰ろう」 

そう言ってジェラールは 
羽織っていた上着を私にかけてくれた… 

「…心配かけて、ごめんなさい…」 
「………」 
「…ジェラール、やっぱり怒ってるの?」 
「……いや…」 
「………」 

お互い、ほぼ無言で城に帰った… 

*~*~*~*~*~*~* 

―バスルーム― 

ジェラールに後ろから抱きしめられてます… 

「ジェラール……何か喋ろう…?」 
「………ウェンディ」 
「?」 
「君を誰かに取られるのは、我慢ならない」 
「…私も、ジェラールじゃないと嫌…」 
「…嬉しい事を言ってくれるな…」 
「私…ジェラールと結婚できて、すごく幸せ…」 
「…結婚、か…」 
「…?」 
「…もう、我慢しなくていいだろう…?」 
「っ!」 

ジェラールの手が胸に触れた… 

「ジェ、ジェラー…っ」 
「…こっちを向いてくれるか?」 
「う、うん…」 

ジェラールの方を向くと、一瞬キスをされた… 

「…続きはベッドで…」 
「……っっ」 

*~*~*~*~*~*~* 

私が先に上がって待つ事になりました。 
……これまでにない程にドキドキしてます… 
体温が急上昇している気さえして… 

「待たせたな…」 
「っ!」 

そこにいたのはバスローブ姿のジェラール… 
ジェラールは私の前に立つと 
瞼、頬、額、そして…唇にキスをしてきた。 
唇にキスをした時、ジェラールは 
私の後頭部に手を添えて…ベッドに押し倒した。 
ベッドのスプリングが軋んだ気がした。 
私に深い口付けをしながらも、 
片手で器用に私の服を脱がしてくジェラール… 

「…ン……んん…っ」 
「………」 

唇を離す際に、舌を強く吸われて、 
私は少しびっくりして固まってしまった… 
唇が離れると、舌同士が 
銀色の糸で繋がってるのがわかった… 

ジェラールはコツン、と額を合わせて 

「…ウェンディ…」 
「…ジェラー…ル…」 

彼の仄暗い瞳が眼前に広がってる… 

「覚悟は、できているか?」 
「………」 

私は返事の代わりに 
一瞬、唇を押し当てて精一杯笑った… 

「…あまり優しくできないかもしれない…」 
「…それでも、大丈夫だよ…」 
「……ありがとう…」 

…それから先は、覚えてはいるけれど、 
恥ずかしくて…幸せな時間でした…。 
…ジェラールは、すごく…激しかったです。 

彼とずっと一緒にいられる。 
そう思うと、とても幸せで… 

例え何があっても、ずっと大好き… 
ううん、愛してるからね?ジェラールっ! 

*~*~*~*~*~*~* 

「……………」 

ウェンディは初めてだろうから 
出来れば優しくしたかったのだが、 
途中から歯止めが効かなくなった。 
途中から…………… 
いや、思い出すのは止めておこう… 

「…ウェンディ…」 

堪らなく愛しい存在……大切に、したい… 
眠るウェンディを抱き寄せ、瞼を閉じる。 

「…おやすみ…」 

そう呟いて、俺も眠りについた。 
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