◆聖夜の星に願い事
「もうだめだ…間に合うわけない……」
私は今になって頭を抱えていた。なぜならプレゼントの目星がつかないからだ。これでは本当にプレゼントはわ♡た♡し♡になってしまう。本人もそれがいいと言っていたのでOKなのかもしれないけど、万が一にでも「本気にしたのか」なんて笑われたらどうする?それだったら一生立ち直れない。なにせ出会ってから初めてのクリスマス。忘れられない時間になることは間違いない。誤ちだけは犯せない。
「あれー?こんな時間にそんな難しい顔してどうしたのー?」
「ん……ああ……アスモ……」
「なになに?可愛い君の悩みなら僕が聞いてあげちゃうよー!」
「ん?ああ、君が珍しく書斎にいるかと思ったら、本を読んでたわけじゃなかったのか」
「んん……?なぁに……みんなうるさい……」
「ねー!二人ともひどくない!?目の前に悩んでる女の子がいてよくそんな態度取れるねっ」
「あ、アスモ、大丈夫だから、でもありがと」
「僕が力になってあげる!ほら!話してみてっ!」
引っ付くように隣に腰を落ち着けて私を覗き込むアスモが美しすぎてウッと息が詰まってしまう。顔面偏差値がこれだけ高かったらなーんにも気にせずにプレゼントはわたしもできちゃうんだろうなと少し凹んだ。そうしているうちにベルフェも反対側に移動してきて私の肩にこてんと頭を預けてくる。うーんあざとい。せめてこんなことでも通常モードでできたら何か変わるかもしれないのに。極め付けのようにサタンも私の背中側に回ってきて、横に腕をついて『無視したわけじゃなかったんだ。すまない。俺にも教えてごらん』なんて言ってくる。もうだめだ、この兄弟はもう少しでも自身のスペックを理解しろ。私に勝ち目はなかった。
「は、話す……話すから少し離れて……こんなんじゃ落ち着かないから…!」
「言ってくれたら離れるよぉ」
「んも……!わかった!わかったよ!悩みはルシファーへのクリスマスプレゼントのことなんだけど!」
「なんだって?ルシファーへの?」
「そんなんびっくり箱とかでいいよ。ねぇサタン」
「ああ、アンチルシファー同盟としてはだな」
「もー!みんなにもちゃんとしたもの用意してるからちゃんと相談にのってよぉっ!」
その言葉にアスモが、ルシファーのことだったらこの二人に相談は間違いだったかもねー、と苦笑した。
「ルシファーには聞かなかったの?僕たちにはリクエスト取ってたじゃない」
「聞いたんだけど、その、なんていうか、用意できないものを言われたっていうか……」
「君が用意できないもの?うーん?大きなお菓子の家とか?って、ベールじゃあるまいしないかぁ」
「なんてやつだ。君にそんな無理難題を押し付けるなんて」
「僕だったらそんなこと絶対しないなぁ〜。あんたがいてくれたらそれだけで充分なのに」
「っ……二人とも……なんて優しい……」
「と言うわけでクリスマスは僕と過ごさない?」
「もう!二人はちょっと黙りなってぇ〜!」
「え?クリスマスはみんなと過ごすよ?だって家族の行事だもん」
「は……はぁっ!?何言ってるの?クリスマスだよ?恋人と二人きりで過ごさなきゃダメだよっ!」
アスモに詰め寄られて、あれ?もしや魔界のクリスマスイメージは日本式なのかな?と驚いた。元天使たちなのだからクリスチャン式のが主流かと思っていたのに。
「いや、でもルシファーだって魔界初めてのクリスマスでそんなの困るでしょ……?だからプレゼントだけでもと思ったんだけど……。何かアイデアないかな?」
「ダメダメ!っもー!そういうことなら僕のとっておきを教えてあげるっ!えっとね……これだよ!」
すぐさまD.D.D.の画面を操作して、私の前にずいっと出された画面には、こんな文字が表示されていた。
淫乱なサキュバスちゃんたち御用達!これで彼もイチコロ!リボンドレスは9999グリムから!
そのままスクロールすると、出てきた画像に目を見開いてしまう。ボンキュッなオネェ様サキュバスがうっふんなポーズをキメて、大事な場所を上手くリボンで隠した際どい衣装を身につけていたからだ。
「っちょ、こ、これ、えっ!?」
「アスモちゃんプレゼンツ!スパイシーなドッキリクリスマス♡プレゼントはア♡タ♡シ♡作戦だよ!これならルシファーも文句なーー」
「だめだめだめぇッッ!だ、だいたい私こんなにスタイル良くないし!それに」
「これを見るのがルシファーというのが許せないが」
「これを見たルシファーがどんな顔をするのかは気になるし、後々笑える写真が撮れるかも」
「二人も賛成?よーし買っちゃえー!ポチり!」
「えええっ!?」
「「「そう言うことだから当日はがんばって」」」
とんでもないことになってしまった。
この抗う暇もない強引さ、やはり彼らも悪魔なのだと悟った、クリスマスイブまであと三日の夜七時。
私は今になって頭を抱えていた。なぜならプレゼントの目星がつかないからだ。これでは本当にプレゼントはわ♡た♡し♡になってしまう。本人もそれがいいと言っていたのでOKなのかもしれないけど、万が一にでも「本気にしたのか」なんて笑われたらどうする?それだったら一生立ち直れない。なにせ出会ってから初めてのクリスマス。忘れられない時間になることは間違いない。誤ちだけは犯せない。
「あれー?こんな時間にそんな難しい顔してどうしたのー?」
「ん……ああ……アスモ……」
「なになに?可愛い君の悩みなら僕が聞いてあげちゃうよー!」
「ん?ああ、君が珍しく書斎にいるかと思ったら、本を読んでたわけじゃなかったのか」
「んん……?なぁに……みんなうるさい……」
「ねー!二人ともひどくない!?目の前に悩んでる女の子がいてよくそんな態度取れるねっ」
「あ、アスモ、大丈夫だから、でもありがと」
「僕が力になってあげる!ほら!話してみてっ!」
引っ付くように隣に腰を落ち着けて私を覗き込むアスモが美しすぎてウッと息が詰まってしまう。顔面偏差値がこれだけ高かったらなーんにも気にせずにプレゼントはわたしもできちゃうんだろうなと少し凹んだ。そうしているうちにベルフェも反対側に移動してきて私の肩にこてんと頭を預けてくる。うーんあざとい。せめてこんなことでも通常モードでできたら何か変わるかもしれないのに。極め付けのようにサタンも私の背中側に回ってきて、横に腕をついて『無視したわけじゃなかったんだ。すまない。俺にも教えてごらん』なんて言ってくる。もうだめだ、この兄弟はもう少しでも自身のスペックを理解しろ。私に勝ち目はなかった。
「は、話す……話すから少し離れて……こんなんじゃ落ち着かないから…!」
「言ってくれたら離れるよぉ」
「んも……!わかった!わかったよ!悩みはルシファーへのクリスマスプレゼントのことなんだけど!」
「なんだって?ルシファーへの?」
「そんなんびっくり箱とかでいいよ。ねぇサタン」
「ああ、アンチルシファー同盟としてはだな」
「もー!みんなにもちゃんとしたもの用意してるからちゃんと相談にのってよぉっ!」
その言葉にアスモが、ルシファーのことだったらこの二人に相談は間違いだったかもねー、と苦笑した。
「ルシファーには聞かなかったの?僕たちにはリクエスト取ってたじゃない」
「聞いたんだけど、その、なんていうか、用意できないものを言われたっていうか……」
「君が用意できないもの?うーん?大きなお菓子の家とか?って、ベールじゃあるまいしないかぁ」
「なんてやつだ。君にそんな無理難題を押し付けるなんて」
「僕だったらそんなこと絶対しないなぁ〜。あんたがいてくれたらそれだけで充分なのに」
「っ……二人とも……なんて優しい……」
「と言うわけでクリスマスは僕と過ごさない?」
「もう!二人はちょっと黙りなってぇ〜!」
「え?クリスマスはみんなと過ごすよ?だって家族の行事だもん」
「は……はぁっ!?何言ってるの?クリスマスだよ?恋人と二人きりで過ごさなきゃダメだよっ!」
アスモに詰め寄られて、あれ?もしや魔界のクリスマスイメージは日本式なのかな?と驚いた。元天使たちなのだからクリスチャン式のが主流かと思っていたのに。
「いや、でもルシファーだって魔界初めてのクリスマスでそんなの困るでしょ……?だからプレゼントだけでもと思ったんだけど……。何かアイデアないかな?」
「ダメダメ!っもー!そういうことなら僕のとっておきを教えてあげるっ!えっとね……これだよ!」
すぐさまD.D.D.の画面を操作して、私の前にずいっと出された画面には、こんな文字が表示されていた。
淫乱なサキュバスちゃんたち御用達!これで彼もイチコロ!リボンドレスは9999グリムから!
そのままスクロールすると、出てきた画像に目を見開いてしまう。ボンキュッなオネェ様サキュバスがうっふんなポーズをキメて、大事な場所を上手くリボンで隠した際どい衣装を身につけていたからだ。
「っちょ、こ、これ、えっ!?」
「アスモちゃんプレゼンツ!スパイシーなドッキリクリスマス♡プレゼントはア♡タ♡シ♡作戦だよ!これならルシファーも文句なーー」
「だめだめだめぇッッ!だ、だいたい私こんなにスタイル良くないし!それに」
「これを見るのがルシファーというのが許せないが」
「これを見たルシファーがどんな顔をするのかは気になるし、後々笑える写真が撮れるかも」
「二人も賛成?よーし買っちゃえー!ポチり!」
「えええっ!?」
「「「そう言うことだから当日はがんばって」」」
とんでもないことになってしまった。
この抗う暇もない強引さ、やはり彼らも悪魔なのだと悟った、クリスマスイブまであと三日の夜七時。