ワードパレット
名前変換設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今年のNRCのハロウィンは例年よりも盛り上がったせいで彼女と戯れる時間が減ってしまった。
オクタヴィネルは自分の持ち場だけでなくモストロ・ラウンジも同時に運営しているため忙しさもひとしお。
想定外のことは好きだけれど、僕の予定通りに行かないことは嫌いだ。
ハロウィン期間は一週間もあって、しかもその間にずっと皆にお菓子をねだっている彼女を見ているだけなのだから、好きになれるはずもない。
「トリート!トリート!」
「しっかたねぇな…、オラ小動物、これやるからあっちいけ」
「やったー!レオナさんありがと〜!あっ!カリム先輩!トリート!トリート!」
「おっ監督生!今日も元気だなー!またスカラビアの宴にくるか?」
「トリート!」
「カリム、無駄だ…こいつは甘いものにしか興味がない…俺もこの期間中散々ねだられている」
「何?そうなのか!ははは!かわいいおばけだなー!俺は…おっ、チョコレートがあるぞ!ほら!」
「やたー!カリム先輩ありがとうございます!」
会う生徒会う生徒にトリートし続ける彼女。
彼女のポジションは僕の隣だけのはずなのに。
甘いものに目がないからと言って誰彼構わず猛トリートアタックを仕掛けているなど。
なぜその相手が僕じゃないんですか?
彼女なりの気遣いなのでしょうけれど、別の誰かの顔を見て微笑む貴女を側から見ているだけなのは耐えられません。
顔には出さずとも心の中では常時凄じい突風が吹き荒れている。それはもう真冬の雪原で吹くような冷たい荒んだ風が。
この嵐をどう処理しようかと考えていると、突然、ネジが切れたようにポテッと木陰に座り込んだ彼女の姿が目に入った。
それを機に、僕は少しだけ持ち場を離れることに決める。
「はぁ、疲れた…久しぶりに動き回ったからかな…。でもみんなの衣
装かわいかったなーこんなハロウィンは初めて!」
「そんなにニコニコして、どうしたんです?」
背後から近づいて声を掛けたのにあまり驚かれないのは、きっとそれだけ同じ時間を過ごしてきた証なんでしょうね。
「あ!ジェイド先輩!お仕事は大丈夫なんですか?」
「はい。少しだけ抜けさせてもらいました」
「忙しそうだったので、オクタヴィネルに近づくのはやめていたんですが…」
「おや、待っていたのに僕には言いにきてくれなかったのはそのせいですか…貴女ならいつでも大歓迎ですのに」
「え、待っててくれたんですか?」
「もちろん。貴女からの言葉を待っていないわけもないでしょう?」
そう言ってから彼女の目の前にしゃがみ込み、その手を取った。
「可愛らしいお化けさん、HappyHalloween」
「…!BOO!!お菓子をくれなきゃイタズラするぞ!トリックオアトリート!」
この場で襲ってしまいたい気持ちをなんとか抑えて、僕はフッとマジカルペンを振る。
「はい。貴女だけに、特別なTreatです」
「うわぁ!!かぼちゃマフィンだ!かわい〜!ありがとうございます、ジェイド先輩!」
作っておいた特製マフィンには、たっぷりとチョコレートを添えておいた。彼女好みの一品に仕上がっているに違いない。
「甘〜いTreatをご用意いたしましたから、お返しにTrickもさせていただきますよ」
「え、でも、っ」
「シー…今はまだ、Treatだけ」
彼女の唇に僕の指を当てれば、それで何かを察したのか、ごくんと言葉を飲み込んでポッと頬を染めながら頷いた。ああ可愛らしい。
「TreatしたのになぜTrick?という質問には、きちんと回答を差し上げましょう」
たくさん嫉妬したので、その、お返しをいただきに参ります。
覚悟しておいてくださいね、僕のかわいいお化けさん。
オクタヴィネルは自分の持ち場だけでなくモストロ・ラウンジも同時に運営しているため忙しさもひとしお。
想定外のことは好きだけれど、僕の予定通りに行かないことは嫌いだ。
ハロウィン期間は一週間もあって、しかもその間にずっと皆にお菓子をねだっている彼女を見ているだけなのだから、好きになれるはずもない。
「トリート!トリート!」
「しっかたねぇな…、オラ小動物、これやるからあっちいけ」
「やったー!レオナさんありがと〜!あっ!カリム先輩!トリート!トリート!」
「おっ監督生!今日も元気だなー!またスカラビアの宴にくるか?」
「トリート!」
「カリム、無駄だ…こいつは甘いものにしか興味がない…俺もこの期間中散々ねだられている」
「何?そうなのか!ははは!かわいいおばけだなー!俺は…おっ、チョコレートがあるぞ!ほら!」
「やたー!カリム先輩ありがとうございます!」
会う生徒会う生徒にトリートし続ける彼女。
彼女のポジションは僕の隣だけのはずなのに。
甘いものに目がないからと言って誰彼構わず猛トリートアタックを仕掛けているなど。
なぜその相手が僕じゃないんですか?
彼女なりの気遣いなのでしょうけれど、別の誰かの顔を見て微笑む貴女を側から見ているだけなのは耐えられません。
顔には出さずとも心の中では常時凄じい突風が吹き荒れている。それはもう真冬の雪原で吹くような冷たい荒んだ風が。
この嵐をどう処理しようかと考えていると、突然、ネジが切れたようにポテッと木陰に座り込んだ彼女の姿が目に入った。
それを機に、僕は少しだけ持ち場を離れることに決める。
「はぁ、疲れた…久しぶりに動き回ったからかな…。でもみんなの衣
装かわいかったなーこんなハロウィンは初めて!」
「そんなにニコニコして、どうしたんです?」
背後から近づいて声を掛けたのにあまり驚かれないのは、きっとそれだけ同じ時間を過ごしてきた証なんでしょうね。
「あ!ジェイド先輩!お仕事は大丈夫なんですか?」
「はい。少しだけ抜けさせてもらいました」
「忙しそうだったので、オクタヴィネルに近づくのはやめていたんですが…」
「おや、待っていたのに僕には言いにきてくれなかったのはそのせいですか…貴女ならいつでも大歓迎ですのに」
「え、待っててくれたんですか?」
「もちろん。貴女からの言葉を待っていないわけもないでしょう?」
そう言ってから彼女の目の前にしゃがみ込み、その手を取った。
「可愛らしいお化けさん、HappyHalloween」
「…!BOO!!お菓子をくれなきゃイタズラするぞ!トリックオアトリート!」
この場で襲ってしまいたい気持ちをなんとか抑えて、僕はフッとマジカルペンを振る。
「はい。貴女だけに、特別なTreatです」
「うわぁ!!かぼちゃマフィンだ!かわい〜!ありがとうございます、ジェイド先輩!」
作っておいた特製マフィンには、たっぷりとチョコレートを添えておいた。彼女好みの一品に仕上がっているに違いない。
「甘〜いTreatをご用意いたしましたから、お返しにTrickもさせていただきますよ」
「え、でも、っ」
「シー…今はまだ、Treatだけ」
彼女の唇に僕の指を当てれば、それで何かを察したのか、ごくんと言葉を飲み込んでポッと頬を染めながら頷いた。ああ可愛らしい。
「TreatしたのになぜTrick?という質問には、きちんと回答を差し上げましょう」
たくさん嫉妬したので、その、お返しをいただきに参ります。
覚悟しておいてくださいね、僕のかわいいお化けさん。