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ジェイド先輩は私に対してとても優しく接する。
いつかマブ達にそう話したら「真綿で首を絞められてるみたいだな」と言われて驚いた。
私が望んだことは正にそれだったのかもしれない。
きっと、ジェイド先輩に溺れてからというもの、私はそう思っていた。
首輪こそないかもしれないが、ジェイド先輩が用意した箱なりガラス瓶なりに閉じ込めてほしかったのだ。
私をそこから、逃さないでほしかったのだ。
ジェイド先輩から頂いた手作りのマフィンに目を輝かせながら、ポロリとそんな話をすれば、いつもの困ったような表情でクスクスと笑った。
「僕は、僕に貴女を縛ろうとは思っていませんよ」
「ふふ、ジェイド先輩らしい。はい。私も『されてる』なんて思ってないですけど、でもそう見えるんだなって、新しい発見だったので」
「ただ、貴女がそれを望むなら、なんの迷いもなくしますけれどね」
そう語られて、先輩ならそう言うと思った、と呟いた。
「そうやって、マブに言い返したらね、『こわっ!やべぇよ!』って言われたんです。でもジェイド先輩は受け入れてくれましたね」
「僕は…そうですね。人の意見に口出しするのは好きではないのです」
「他人の意見というか…価値観を否定しないって、すごいことだと思うんです。否定しない…それはたぶん、一つの意見として受け入れてるのでしょうけど、そうやって認めるというのは、それだけでも十分甘やかされている気持ちになるから」
「そうですか?」
「はい、そうなんです」
にこりと笑って先輩に向き直る。すると紅茶を淹れていた手が止まり、私の頬に伸びてきた。
すりすりと撫でられて気持ちよくて、ふふっと相貌を崩した私を愛おしそうに見つめる二つの瞳。
とっても綺麗なオッドアイは、私を虜にしてやまない。
「ジェイド先輩、好きです」
「僕も貴女を愛していますよ」
ジェイド先輩は私の全てを観察しつくした上で、全てを受け入れた。
私がほしいときに、私がほしい言葉を、私の心にしみこませてくれる。
不安になると好きと口に出して、返ってくる言葉に安堵して。
ふらりとその胸に身体を預ければ、いつでもギュッと抱き留めてくれるから。
ああ私はここにいていいんだと。
よしよしと頭を撫でてもらって、満足いくまでジェイド先輩の優しさをもらった私が少し身体を離せば、それでは、と先輩は砂糖とミルクポットを手に取った。
「あっ、砂糖は」
「えぇ、存じておりますよ。角砂糖は三つ。ミルクはたっぷりと、ですね?」
「…正解ですっ!でも今日は四つで!」
「ということは、」
「もっと甘えてもいいですか?」
「もちろん。貴女が思う以上に、僕は貴女を甘やかしたいと思っていますから」
私は知らない。
私が一人で何もできなくなるくらいに、私のことを甘やかしたいと考えているジェイド先輩がいることを。
ジェイド先輩は知らない。
私がもう、ジェイド先輩なしには生きられないことを。
いつかマブ達にそう話したら「真綿で首を絞められてるみたいだな」と言われて驚いた。
私が望んだことは正にそれだったのかもしれない。
きっと、ジェイド先輩に溺れてからというもの、私はそう思っていた。
首輪こそないかもしれないが、ジェイド先輩が用意した箱なりガラス瓶なりに閉じ込めてほしかったのだ。
私をそこから、逃さないでほしかったのだ。
ジェイド先輩から頂いた手作りのマフィンに目を輝かせながら、ポロリとそんな話をすれば、いつもの困ったような表情でクスクスと笑った。
「僕は、僕に貴女を縛ろうとは思っていませんよ」
「ふふ、ジェイド先輩らしい。はい。私も『されてる』なんて思ってないですけど、でもそう見えるんだなって、新しい発見だったので」
「ただ、貴女がそれを望むなら、なんの迷いもなくしますけれどね」
そう語られて、先輩ならそう言うと思った、と呟いた。
「そうやって、マブに言い返したらね、『こわっ!やべぇよ!』って言われたんです。でもジェイド先輩は受け入れてくれましたね」
「僕は…そうですね。人の意見に口出しするのは好きではないのです」
「他人の意見というか…価値観を否定しないって、すごいことだと思うんです。否定しない…それはたぶん、一つの意見として受け入れてるのでしょうけど、そうやって認めるというのは、それだけでも十分甘やかされている気持ちになるから」
「そうですか?」
「はい、そうなんです」
にこりと笑って先輩に向き直る。すると紅茶を淹れていた手が止まり、私の頬に伸びてきた。
すりすりと撫でられて気持ちよくて、ふふっと相貌を崩した私を愛おしそうに見つめる二つの瞳。
とっても綺麗なオッドアイは、私を虜にしてやまない。
「ジェイド先輩、好きです」
「僕も貴女を愛していますよ」
ジェイド先輩は私の全てを観察しつくした上で、全てを受け入れた。
私がほしいときに、私がほしい言葉を、私の心にしみこませてくれる。
不安になると好きと口に出して、返ってくる言葉に安堵して。
ふらりとその胸に身体を預ければ、いつでもギュッと抱き留めてくれるから。
ああ私はここにいていいんだと。
よしよしと頭を撫でてもらって、満足いくまでジェイド先輩の優しさをもらった私が少し身体を離せば、それでは、と先輩は砂糖とミルクポットを手に取った。
「あっ、砂糖は」
「えぇ、存じておりますよ。角砂糖は三つ。ミルクはたっぷりと、ですね?」
「…正解ですっ!でも今日は四つで!」
「ということは、」
「もっと甘えてもいいですか?」
「もちろん。貴女が思う以上に、僕は貴女を甘やかしたいと思っていますから」
私は知らない。
私が一人で何もできなくなるくらいに、私のことを甘やかしたいと考えているジェイド先輩がいることを。
ジェイド先輩は知らない。
私がもう、ジェイド先輩なしには生きられないことを。