SS
名前変換設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
バースデーの前日、夜中の0時。
今年はどんなサプライズが来ても驚かないぞと心に決めてランプの灯りを絞った直後にそれは起こった。
例の家と自室をつなぐ秘密の鏡の表面が揺れて、誰かが入ってきた…と言っては失礼か。
この鏡を通れるのは彼女しかいないのだから。
「アズールさん、アズールさん…もう寝ちゃいましたか…?」
小さな声が聞こえてきて、少なからず驚いた。
彼女には誕生日のことは意識して伝えるのをやめていた。
光の中で生まれ、いずれ散っていくと表現された彼女の命。
すると、彼女は誕生日という概念を持たないだろう。
そんな彼女にこれを説明するのは、なんとなしに躊躇われたのだ。
だから、彼女は誕生日のことを知らないはずだったし、そもそも彼女側から寮に戻ってくることは確実にない。
するともしかしなくとも、彼女がここに来ること自体、リーチ兄弟が仕掛けたサプライズの可能性がある。
だとしたら、反応したら負けになると、そう言う訳で一旦言葉を返すのを保留にし、次のセリフを待った。
「やっぱり、寝てますよね…」
呟きとともにベッドに乗り上げたのだろうか。マットレスがふわりと揺れた。
僕の横髪にゆっくりと触れて、それを耳にかけるとそのまま頬に掌が這った。
このまま眠ったふりをしていたら、キスの一つでももらえるだろうかと邪な考えが頭をよぎる。
「どうして教えてくれなかったんですか…?私では何もできないから…?」
(ん?なんの話だ?)
「ジェイドさんから連絡をもらわなかったら私、大切な人に言葉もかけられなかった…」
(ジェイド?やっぱりあの二人が企んだのか?)
「私、私…確かにこの身一つしか持っていないけれど…それでも何か…何か渡したかった…」
瞬間、コツンと頬に落ちてきたのは宝石の粒だった。
彼女が泣いている?どうして?僕はまた何かを間違えてしまったのだろうか。
「どうして泣いているんですか…?」
「っ!」
「ほら、こちらにきて。顔を見せて」
「ぁ…ッ」
起き上がって彼女の顔を見ようとすると、それを振りほどいてギュゥっと縋るように抱きつかれる。
こういう時は何か悲しいことがあった時だと、なんとなしにわかっているので、よしよしと頭を撫でるにとどめた。
暫く、ポツリと吐き出された言葉は、なんとも可愛い内容。
「…お誕生日おめでとうございますって、一番に言いたかったから、遅い時間ですけど、きてしまいました」
「どうしてそれを…」
「聞いてないんですかって、ジェイドさんとフロイドさんに連絡をもらって…私、寂しかったです…。何もできないけど、でも、言葉くらいはかけれたのに」
「つかぬ事を聞きますが、ジェイドとフロイドには何か他に言われましたか?」
「他のこと…?いいえ、何も…私が勝手に来ただけですから」
「じゃあ僕が勘ぐり過ぎただけか…」
「何かあったんですか?」
「いえ、こちらの話です。ごめんなさい、また悩ませてしまいました。誕生日のことは、その、毎年のことなのでお伝えするのを失念していたんです。意図があったわけではなく…」
「いいの、いいんです、大丈夫…」
ゆるりと首を振って、瞳の端を赤く染めながらえへへと笑う彼女の愛おしいことこの上ない。
いろんな謝罪の気持ちを込めて触れるだけのキスを一つ贈ると、離れた直後にもう一度その柔らかい熱を押し付けられた。
「ッン!」
「ん、ぅ…ふ、」
当たり前のように深く暴かれる咥内。求められるのが嬉しくて、彼女を抱く腕が知らず強まった。
口付けながら僕の上に跨るように誘導すれば、素直に移動してきた身体から、薄ぺらい寝巻きを捲りとって素肌を撫でる。
敏感に反応が返ってくることに、ただ幸せで満たされる心。
ああもう、プレゼントをもらうだけと言うのはあまり好きではないのだけどと考えながらも、そのまま夜に溺れてしまったのは仕方のないことだった。
なお、次の日の早朝になって、少し悪戯を仕掛ければ初々しく反応を返してくる彼女が可愛くて、もう少しだけ誕生日の朝を堪能するかと彼女を囲った瞬間に、ジェイドとフロイドが測ったように部屋に乗り込んできて「あ〜〜〜〜お邪魔しました!」とニコニコ出て行ったのは知る人ぞ知る未来である。
今年はどんなサプライズが来ても驚かないぞと心に決めてランプの灯りを絞った直後にそれは起こった。
例の家と自室をつなぐ秘密の鏡の表面が揺れて、誰かが入ってきた…と言っては失礼か。
この鏡を通れるのは彼女しかいないのだから。
「アズールさん、アズールさん…もう寝ちゃいましたか…?」
小さな声が聞こえてきて、少なからず驚いた。
彼女には誕生日のことは意識して伝えるのをやめていた。
光の中で生まれ、いずれ散っていくと表現された彼女の命。
すると、彼女は誕生日という概念を持たないだろう。
そんな彼女にこれを説明するのは、なんとなしに躊躇われたのだ。
だから、彼女は誕生日のことを知らないはずだったし、そもそも彼女側から寮に戻ってくることは確実にない。
するともしかしなくとも、彼女がここに来ること自体、リーチ兄弟が仕掛けたサプライズの可能性がある。
だとしたら、反応したら負けになると、そう言う訳で一旦言葉を返すのを保留にし、次のセリフを待った。
「やっぱり、寝てますよね…」
呟きとともにベッドに乗り上げたのだろうか。マットレスがふわりと揺れた。
僕の横髪にゆっくりと触れて、それを耳にかけるとそのまま頬に掌が這った。
このまま眠ったふりをしていたら、キスの一つでももらえるだろうかと邪な考えが頭をよぎる。
「どうして教えてくれなかったんですか…?私では何もできないから…?」
(ん?なんの話だ?)
「ジェイドさんから連絡をもらわなかったら私、大切な人に言葉もかけられなかった…」
(ジェイド?やっぱりあの二人が企んだのか?)
「私、私…確かにこの身一つしか持っていないけれど…それでも何か…何か渡したかった…」
瞬間、コツンと頬に落ちてきたのは宝石の粒だった。
彼女が泣いている?どうして?僕はまた何かを間違えてしまったのだろうか。
「どうして泣いているんですか…?」
「っ!」
「ほら、こちらにきて。顔を見せて」
「ぁ…ッ」
起き上がって彼女の顔を見ようとすると、それを振りほどいてギュゥっと縋るように抱きつかれる。
こういう時は何か悲しいことがあった時だと、なんとなしにわかっているので、よしよしと頭を撫でるにとどめた。
暫く、ポツリと吐き出された言葉は、なんとも可愛い内容。
「…お誕生日おめでとうございますって、一番に言いたかったから、遅い時間ですけど、きてしまいました」
「どうしてそれを…」
「聞いてないんですかって、ジェイドさんとフロイドさんに連絡をもらって…私、寂しかったです…。何もできないけど、でも、言葉くらいはかけれたのに」
「つかぬ事を聞きますが、ジェイドとフロイドには何か他に言われましたか?」
「他のこと…?いいえ、何も…私が勝手に来ただけですから」
「じゃあ僕が勘ぐり過ぎただけか…」
「何かあったんですか?」
「いえ、こちらの話です。ごめんなさい、また悩ませてしまいました。誕生日のことは、その、毎年のことなのでお伝えするのを失念していたんです。意図があったわけではなく…」
「いいの、いいんです、大丈夫…」
ゆるりと首を振って、瞳の端を赤く染めながらえへへと笑う彼女の愛おしいことこの上ない。
いろんな謝罪の気持ちを込めて触れるだけのキスを一つ贈ると、離れた直後にもう一度その柔らかい熱を押し付けられた。
「ッン!」
「ん、ぅ…ふ、」
当たり前のように深く暴かれる咥内。求められるのが嬉しくて、彼女を抱く腕が知らず強まった。
口付けながら僕の上に跨るように誘導すれば、素直に移動してきた身体から、薄ぺらい寝巻きを捲りとって素肌を撫でる。
敏感に反応が返ってくることに、ただ幸せで満たされる心。
ああもう、プレゼントをもらうだけと言うのはあまり好きではないのだけどと考えながらも、そのまま夜に溺れてしまったのは仕方のないことだった。
なお、次の日の早朝になって、少し悪戯を仕掛ければ初々しく反応を返してくる彼女が可愛くて、もう少しだけ誕生日の朝を堪能するかと彼女を囲った瞬間に、ジェイドとフロイドが測ったように部屋に乗り込んできて「あ〜〜〜〜お邪魔しました!」とニコニコ出て行ったのは知る人ぞ知る未来である。