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急用があるので、と呼び出されてVIPルームに向かった私の目の前に静かに置かれたそれを見て、少しだけ時が止まった。
「これは…なんですか」
「見ての通りです」
「なるほど?」
「何に見えますか」
「そうですね、猫ちゃんの耳、ですかね」
「正解です」
それは俗に言う猫耳。
カチューシャ型のそれ。
ご丁寧に尻尾まで用意してあるが、それは意地でも見ないフリをした。
「それで、これをどうしろと」
「嫌ですね、使い方を知らないとでも?」
「いえ、使い方くらいはわかりますけど…これをつけて接客しろとか、そういう?」
その台詞を聞いたアズール先輩は、瞬間、ピキリと固まった。んん。何かを間違えたようである。
「接客、ではないんですね」
「貴女、どうしてそんなに金儲けに目がないんですか」
「褒められたんでしょうか?」
「鈍感だと言っているんです!」
今度こそ、顔を真っ赤にして呆れたように怒る先輩。それを見て、ああ、と合点がいった。なるほど、つまりこれは。
徐にカチューシャをつけて、先輩の手を取って、ありったけの可愛い声を作ってみる。
「にゃん」
「!」
「甘える?それとも、甘えさせてくれるのかにゃん?」
「っ…」
今度の対応は正解だったようで、悪戯な顔をしてみせたら、ぎゅっと抱きしめられたので、うにうにと甘えておいた。
「ふふっ。先輩も、こういう俗な行事が好きなんですね」
「貴女のせいで行事には敏感になってしまったんですよ」
「?私のせい?」
「ちょっとしたことでも、一緒に楽しめたらと思ってしまうんです…」
なんて可愛い。
私だって同じ気持ちですよ。
でもそれなら。
「先輩も、猫耳つけてもらえませんか?」
「っなんで僕が!男がつけてもなんともないじゃないですか!」
「でも、一緒に楽しむなら二人ととしないと…だにゃん?」
「くっ…!あざとい…!」
等価交換ってやつですよ、と笑ってみせる。彼が猫耳をつけるまで、あと何秒?
「これは…なんですか」
「見ての通りです」
「なるほど?」
「何に見えますか」
「そうですね、猫ちゃんの耳、ですかね」
「正解です」
それは俗に言う猫耳。
カチューシャ型のそれ。
ご丁寧に尻尾まで用意してあるが、それは意地でも見ないフリをした。
「それで、これをどうしろと」
「嫌ですね、使い方を知らないとでも?」
「いえ、使い方くらいはわかりますけど…これをつけて接客しろとか、そういう?」
その台詞を聞いたアズール先輩は、瞬間、ピキリと固まった。んん。何かを間違えたようである。
「接客、ではないんですね」
「貴女、どうしてそんなに金儲けに目がないんですか」
「褒められたんでしょうか?」
「鈍感だと言っているんです!」
今度こそ、顔を真っ赤にして呆れたように怒る先輩。それを見て、ああ、と合点がいった。なるほど、つまりこれは。
徐にカチューシャをつけて、先輩の手を取って、ありったけの可愛い声を作ってみる。
「にゃん」
「!」
「甘える?それとも、甘えさせてくれるのかにゃん?」
「っ…」
今度の対応は正解だったようで、悪戯な顔をしてみせたら、ぎゅっと抱きしめられたので、うにうにと甘えておいた。
「ふふっ。先輩も、こういう俗な行事が好きなんですね」
「貴女のせいで行事には敏感になってしまったんですよ」
「?私のせい?」
「ちょっとしたことでも、一緒に楽しめたらと思ってしまうんです…」
なんて可愛い。
私だって同じ気持ちですよ。
でもそれなら。
「先輩も、猫耳つけてもらえませんか?」
「っなんで僕が!男がつけてもなんともないじゃないですか!」
「でも、一緒に楽しむなら二人ととしないと…だにゃん?」
「くっ…!あざとい…!」
等価交換ってやつですよ、と笑ってみせる。彼が猫耳をつけるまで、あと何秒?