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「モストロラウンジでもバレンタインってするんですか」
そう聞いたら、当たり前ですよと言われた。
「男性から、女性から、の差はあれどどの国でも成り立つ食のイベントがそこにあれば、そこに乗らない手はありません」
なるほど。食事を扱うお店なんだから当たり前の回答だ。
「出身国によって多少の違いはあるので、最も定番とされるチョコレート菓子と薔薇の花をこうして手配済みです!」
ラウンジのレジ横に所狭しと並べられた本日用の品は、美味しそうだったり綺麗だったり、目を奪われてしまう。
「すごーい!お店で売ってそうだぁ!」
キラキラしたセンスの良い小箱に詰められた小粒のチョコはジェイド先輩とフロイド先輩を筆頭に寮生たちが夜な夜な作ったものだそう。アズール先輩曰く、学生が手間暇かけて作ったところに付加価値がつくのだとか。
「私も一つ買わせてもらってもいいですか?」
「え?」
「へ?だから、このチョコレート。皆さんが頑張って作ったんでしょう。私も少し貢献したいなと思って」
アズール先輩なら二言返事でOKを出してくれると思ったので、その返答に少し違和感を覚えた。
「…だめ、ですか?予約制とか?それなら諦めますけど…」
「…少し、待ってもらえますか」
予想外の言葉にポカンとしながら立ち尽くしていると、暫くして先輩が戻ってきた。
その手には、小さな紙袋とブーケが乗っている。
「貴女は、僕からのプレゼントを受け取ってください」
「…あの、これ、」
「僕の出身国では、この日は男性が改めて愛を伝えるんです。…受け取って、くれますよね」
ほとんど照明の落ちたラウンジに私と先輩の声が密やかに響く。シェルランプがゆらりと揺れて、二人の影を色濃く映し出した。
「ありがとうございます…とっても嬉しいです。でも、私の国では、女性が男性に告白する日で」
「え、」
「だから、これできっと、末永く先輩と歩んでいけるかなって」
アズール先輩の手からプレゼントを受け取ると同時に、少し背伸びをしてその唇に触れるだけの口付けを。
「大好きです」
そう言って微笑むと、先輩はそのまま私をぎゅっと抱きしめた。
今夜、終わらないバレンタインを君と。
そう聞いたら、当たり前ですよと言われた。
「男性から、女性から、の差はあれどどの国でも成り立つ食のイベントがそこにあれば、そこに乗らない手はありません」
なるほど。食事を扱うお店なんだから当たり前の回答だ。
「出身国によって多少の違いはあるので、最も定番とされるチョコレート菓子と薔薇の花をこうして手配済みです!」
ラウンジのレジ横に所狭しと並べられた本日用の品は、美味しそうだったり綺麗だったり、目を奪われてしまう。
「すごーい!お店で売ってそうだぁ!」
キラキラしたセンスの良い小箱に詰められた小粒のチョコはジェイド先輩とフロイド先輩を筆頭に寮生たちが夜な夜な作ったものだそう。アズール先輩曰く、学生が手間暇かけて作ったところに付加価値がつくのだとか。
「私も一つ買わせてもらってもいいですか?」
「え?」
「へ?だから、このチョコレート。皆さんが頑張って作ったんでしょう。私も少し貢献したいなと思って」
アズール先輩なら二言返事でOKを出してくれると思ったので、その返答に少し違和感を覚えた。
「…だめ、ですか?予約制とか?それなら諦めますけど…」
「…少し、待ってもらえますか」
予想外の言葉にポカンとしながら立ち尽くしていると、暫くして先輩が戻ってきた。
その手には、小さな紙袋とブーケが乗っている。
「貴女は、僕からのプレゼントを受け取ってください」
「…あの、これ、」
「僕の出身国では、この日は男性が改めて愛を伝えるんです。…受け取って、くれますよね」
ほとんど照明の落ちたラウンジに私と先輩の声が密やかに響く。シェルランプがゆらりと揺れて、二人の影を色濃く映し出した。
「ありがとうございます…とっても嬉しいです。でも、私の国では、女性が男性に告白する日で」
「え、」
「だから、これできっと、末永く先輩と歩んでいけるかなって」
アズール先輩の手からプレゼントを受け取ると同時に、少し背伸びをしてその唇に触れるだけの口付けを。
「大好きです」
そう言って微笑むと、先輩はそのまま私をぎゅっと抱きしめた。
今夜、終わらないバレンタインを君と。