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ジェイド先輩と山に登ることにも慣れてきたある日の部活中。
ぽろりと、考えていたことがそのまま口をついて出た。
「私、思うんです。自然って言葉を持たないじゃないですか。だからこそ、こちらは目を閉じて、必死で感じようとしますよね」
「そうですね」
「感じることは人それぞれですけど、ほとんどの人は癒しをもらって帰る。月並みな言葉でお恥ずかしいですが、こちらが感じとることで自然と人間との間でコミュニケーションが成立する。それってとてもすごいなって」
言葉って、本当に必要なのかな。
そんな呟きは幾重にも重なる落ち葉のクッションに飲み込まれていった。
「貴女の言いたいことはよくわかります。が、コミュニケーションは何も言葉だけで取るものではありませんよ」
「へ?」
私がジェイド先輩の方に顔を向ければ、グッと屈み込んできた先輩の唇が、私のそれに重なった。
数秒合わさって、暫く。
ちゅ、と可愛らしい音を立てて離れた、熱。
「唇から、愛情が伝わるでしょう?」
「…っ…!」
「これだって立派なコミュニケーションですが、足りませんでしたか?」
「つっ、伝わってます!充分!」
「ふふっ、それはよかったです」
サワサワと木々が音を立て、木漏れ日が私たちを包む。キラキラと深い緑が眩しいはずなのに、私の瞳にはジェイド先輩しか映らない。
「ジェイド先輩は、」
「はい」
「先輩の本心は…読み取るのに苦労することもよくありますが…」
「僕は意外と素直ですよ?」
「行動は、思うがままに、かもしれませんけど」
「貴女は、目は口ほどにものを言うタイプですね」
「!」
「今だって」
ツ、と、ジェイド先輩の指が私の唇を思わせぶりに伝えば、ふるりと私の身体が反応し、先輩はくすくす笑った。
「もっと、と。目が言っています」
先輩がそんなことをするから、という小言は、再び重なった吐息に呑み込まれてしまった。
ぽろりと、考えていたことがそのまま口をついて出た。
「私、思うんです。自然って言葉を持たないじゃないですか。だからこそ、こちらは目を閉じて、必死で感じようとしますよね」
「そうですね」
「感じることは人それぞれですけど、ほとんどの人は癒しをもらって帰る。月並みな言葉でお恥ずかしいですが、こちらが感じとることで自然と人間との間でコミュニケーションが成立する。それってとてもすごいなって」
言葉って、本当に必要なのかな。
そんな呟きは幾重にも重なる落ち葉のクッションに飲み込まれていった。
「貴女の言いたいことはよくわかります。が、コミュニケーションは何も言葉だけで取るものではありませんよ」
「へ?」
私がジェイド先輩の方に顔を向ければ、グッと屈み込んできた先輩の唇が、私のそれに重なった。
数秒合わさって、暫く。
ちゅ、と可愛らしい音を立てて離れた、熱。
「唇から、愛情が伝わるでしょう?」
「…っ…!」
「これだって立派なコミュニケーションですが、足りませんでしたか?」
「つっ、伝わってます!充分!」
「ふふっ、それはよかったです」
サワサワと木々が音を立て、木漏れ日が私たちを包む。キラキラと深い緑が眩しいはずなのに、私の瞳にはジェイド先輩しか映らない。
「ジェイド先輩は、」
「はい」
「先輩の本心は…読み取るのに苦労することもよくありますが…」
「僕は意外と素直ですよ?」
「行動は、思うがままに、かもしれませんけど」
「貴女は、目は口ほどにものを言うタイプですね」
「!」
「今だって」
ツ、と、ジェイド先輩の指が私の唇を思わせぶりに伝えば、ふるりと私の身体が反応し、先輩はくすくす笑った。
「もっと、と。目が言っています」
先輩がそんなことをするから、という小言は、再び重なった吐息に呑み込まれてしまった。