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「アズール先輩って疲れたって言いませんよね」
ラウンジのお仕事が終わって、ふと、気になったことを聞くと、何を当たり前なことを、と言う顔をされた。
「トップが『疲れた』なんていう事業が繁盛するとでも思ってるんですか?」
「もしかして意識的に言わないようにしているんですか?」
「スタッフの士気ややる気を上げることが、果ては利益へと結びつくのですから、当たり前でしょう」
「なるほど…でも…それなら、」
「?なんですか?」
それなら、先輩は。トップにいるアズール先輩は、誰に士気を上げてもらうんだろう。やる気を、与えてもらうんだろう。
じっと先輩の顔を見つめていたら、暫くしてその眼鏡の奥で二つの瞳が柔らかく細められた。
「貴女の考えていること、当ててみましょうか?…僕の気持ちはどうなるんだ、でしょう」
「!」
「図星ですね?…はぁ、貴女ね。僕のことをなんだと思っているのです?自分のケアが自分でできないはずないでしょう」
確かに、アズール先輩の気分が上下するのを私は見たことがない。単純に付き合ってからの月日が短いから、と言うわけでもなさそうだ。
「すごいですね…。セルフケアって難しいのに」
「そんなことはないですよ?貴女だってよく言うじゃないですか」
「?なにをです」
「『アズール先輩に会えば元気が出ます』」
にこり、その笑顔がこちらに向いて、ゆっくりと近づいてくる。そう理解したときには先輩の唇は私のそれに触れ、ぺろりと食まれる。パッと口を覆ってももう遅い。頬が熱くなったのが何よりの証拠だ。
「っ…!」
「これが僕のセルフケア、ですよ」
「そ、んな、っ、だって、それ、セルフじゃ、なっ、」
「自分自身で行うメンタルケアなんですから、これだって立派なケアですよ」
疲れも嫌なことも何もかも、キス一つでどこかに行ってしまうなんて。
なんて甘くて唯一無二の関係なのかしら。
ラウンジのお仕事が終わって、ふと、気になったことを聞くと、何を当たり前なことを、と言う顔をされた。
「トップが『疲れた』なんていう事業が繁盛するとでも思ってるんですか?」
「もしかして意識的に言わないようにしているんですか?」
「スタッフの士気ややる気を上げることが、果ては利益へと結びつくのですから、当たり前でしょう」
「なるほど…でも…それなら、」
「?なんですか?」
それなら、先輩は。トップにいるアズール先輩は、誰に士気を上げてもらうんだろう。やる気を、与えてもらうんだろう。
じっと先輩の顔を見つめていたら、暫くしてその眼鏡の奥で二つの瞳が柔らかく細められた。
「貴女の考えていること、当ててみましょうか?…僕の気持ちはどうなるんだ、でしょう」
「!」
「図星ですね?…はぁ、貴女ね。僕のことをなんだと思っているのです?自分のケアが自分でできないはずないでしょう」
確かに、アズール先輩の気分が上下するのを私は見たことがない。単純に付き合ってからの月日が短いから、と言うわけでもなさそうだ。
「すごいですね…。セルフケアって難しいのに」
「そんなことはないですよ?貴女だってよく言うじゃないですか」
「?なにをです」
「『アズール先輩に会えば元気が出ます』」
にこり、その笑顔がこちらに向いて、ゆっくりと近づいてくる。そう理解したときには先輩の唇は私のそれに触れ、ぺろりと食まれる。パッと口を覆ってももう遅い。頬が熱くなったのが何よりの証拠だ。
「っ…!」
「これが僕のセルフケア、ですよ」
「そ、んな、っ、だって、それ、セルフじゃ、なっ、」
「自分自身で行うメンタルケアなんですから、これだって立派なケアですよ」
疲れも嫌なことも何もかも、キス一つでどこかに行ってしまうなんて。
なんて甘くて唯一無二の関係なのかしら。