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とある日、彼女はVIPルームに来るなり興奮したように言った。
「通販のお手伝いをさせてほしいんです!」
話を聞いてみれば、ここのところ毎日忙しそうだから仕事を一部でも手伝いたいとのことだった。僕は自分の仕事を人に任せるのがめっぽう苦手だ。それが新しい仕事となれば言わずもがな。手順も確立できていないのに人に仕事を回すことなどできるはずもない。
「そう言っていただけるのは嬉しいのですが、お任せできるような作業がないので」
「む!アズール先輩、そういうのはよくないですよ!とりあえず任せてみるというのも一つのやり方です」
「そうは言ってもですね…。忙しいとはいえ、手が回らないわけでも営業後も残らなければいけないわけでもないですから」
「先輩は確かに経営者として才能もあれば努力も実って結果がついてきていると思います。でも、だからこそ、少し手があく時間を作って、何かあったらすぐに取り掛かれるようにすべきじゃないでしょうか?」
「…貴女、言いますね…」
素人が、とは思わなかった。彼女なりに経営のことも考えてくれているのだろう。だからこその言葉に聞こえた。
だが、これだけでは到底、話を聞くまでには達していない。
「では、貴女のプレゼンをしていただけますか?」
「え?」
「ですから、貴女がどう僕の役に立てるのか、PRしてください」
こちらとて軽い気持ちで事業をしているわけではない。
彼女の地頭の良さは理解しているが、それと同時にかなり不器用なことも把握済みだ。何ができるのか、したいのか、言ってもらってから判断するくらい許されるだろう。
ただ…、二人三脚も、たまには悪くないかもしれない。一緒に様々なことを成し遂げながら、番という意識も高まっていくんだろうかと、ぼんやりとしてから、ふと、何を考えているんだと顔が熱くなった。
「?どうしたんですか、先輩」
「っ、な、なんでもありません!」
ほら早くPRしてください、とまくし立てながらも、ふっと笑みがこぼれる。
「お客様には心から感謝をお伝えしなければなりません。利用してよかったと、笑顔になっていただくことが重要です」
「真心を込めて作業するのは得意です!」
元気の良いその台詞には、さて、どう返事するのが得策でしょうね。
「通販のお手伝いをさせてほしいんです!」
話を聞いてみれば、ここのところ毎日忙しそうだから仕事を一部でも手伝いたいとのことだった。僕は自分の仕事を人に任せるのがめっぽう苦手だ。それが新しい仕事となれば言わずもがな。手順も確立できていないのに人に仕事を回すことなどできるはずもない。
「そう言っていただけるのは嬉しいのですが、お任せできるような作業がないので」
「む!アズール先輩、そういうのはよくないですよ!とりあえず任せてみるというのも一つのやり方です」
「そうは言ってもですね…。忙しいとはいえ、手が回らないわけでも営業後も残らなければいけないわけでもないですから」
「先輩は確かに経営者として才能もあれば努力も実って結果がついてきていると思います。でも、だからこそ、少し手があく時間を作って、何かあったらすぐに取り掛かれるようにすべきじゃないでしょうか?」
「…貴女、言いますね…」
素人が、とは思わなかった。彼女なりに経営のことも考えてくれているのだろう。だからこその言葉に聞こえた。
だが、これだけでは到底、話を聞くまでには達していない。
「では、貴女のプレゼンをしていただけますか?」
「え?」
「ですから、貴女がどう僕の役に立てるのか、PRしてください」
こちらとて軽い気持ちで事業をしているわけではない。
彼女の地頭の良さは理解しているが、それと同時にかなり不器用なことも把握済みだ。何ができるのか、したいのか、言ってもらってから判断するくらい許されるだろう。
ただ…、二人三脚も、たまには悪くないかもしれない。一緒に様々なことを成し遂げながら、番という意識も高まっていくんだろうかと、ぼんやりとしてから、ふと、何を考えているんだと顔が熱くなった。
「?どうしたんですか、先輩」
「っ、な、なんでもありません!」
ほら早くPRしてください、とまくし立てながらも、ふっと笑みがこぼれる。
「お客様には心から感謝をお伝えしなければなりません。利用してよかったと、笑顔になっていただくことが重要です」
「真心を込めて作業するのは得意です!」
元気の良いその台詞には、さて、どう返事するのが得策でしょうね。