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この学園のどこにいたって、この耳でなら聞き分けられる、たった一つの足音。
初めて聴いたときから忘れられない、その声。
今日もまた、俺の後ろからついてくる、それに、ちょっと意地悪したくなって、少しだけ早歩きして、角を曲がる。
いわゆる待ち伏せ。
君は気づかないまま、俺を追って、ほら、そこを曲がってくる。
「監督生くん、捕まえたっスよ」
「わ!?あ!?」
何の疑いもなく俺の腕の中に飛び込んできた華奢な身体を抱きとめて、行き先を阻む。
「バレバレだって言ってるのに、どーしてついてくるんスか?」
「えっ!?」
「あのねぇ、ハイエナの耳、ナメない方がイイっス」
「あんなに静かに歩いてきたのに…。周りの声の方が煩くなかったですか?」
「音を聞き分けるくらい、俺たちにとっちゃ朝飯前。簡単っスよ」
「どのくらい遠くまで聞こえるんですか?」
「さぁね!ま、監督生くんはそんなこと気にしなくていいっスから、もう俺のあとつけ回すのはやめてくださいねっ」
ぽん、と肩を叩いてヒラヒラ手を振ってお別れ。俺は忙しいんスよ。主にレオナさんのパシリで。
そんなことがあってから、幾日か経ったある日。
久しぶりに太陽の元でお昼寝タイムを決め込んでいた俺の耳に、いつもの足音が届いた。
ぱたぱた…
(まーた監督生くんの足音。ほんっとなんであんなにわかりやすい音を立てられるんスかねぇ…)
起き上がる気はさらさらなくて、見つからないことを祈って瞳は閉じたまま。太陽が目蓋の上から赤と黄色の光を注いでくれるこの時間を邪魔されてなるものか。
(あっラギー先輩だ!…大好きですよー)
「!?!?」
思いもよらない言葉が耳に届いて、驚きのあまり飛び起きる。
バッと声の方に顔を向ければ、そこは二階の廊下。
俺を見下ろす監督生くんが、信じられない、という表情でこちらを見ていた。
「か、監督生くん…アンタ…」
(こんなにも離れているのに、聞こえちゃったの?!)
「だから言ったのに…!ハイエナの耳、ナメんなって…!」
真っ赤に染まるお互いの顔を見つめ合いながらも、俺は気づいてしまった。
足音も、声も。
出会ったときから耳について離れない。
もしかしなくともとっくの昔に俺はアンタに堕ちてたんじゃないか、って。
「気づかせた罪は重いっスよ…」
俺たちハイエナは、獲物を逃したりはしないんスから、覚悟して待ってな。
昼寝は一時中断。
続きは、彼女 を捕まえてからで。
初めて聴いたときから忘れられない、その声。
今日もまた、俺の後ろからついてくる、それに、ちょっと意地悪したくなって、少しだけ早歩きして、角を曲がる。
いわゆる待ち伏せ。
君は気づかないまま、俺を追って、ほら、そこを曲がってくる。
「監督生くん、捕まえたっスよ」
「わ!?あ!?」
何の疑いもなく俺の腕の中に飛び込んできた華奢な身体を抱きとめて、行き先を阻む。
「バレバレだって言ってるのに、どーしてついてくるんスか?」
「えっ!?」
「あのねぇ、ハイエナの耳、ナメない方がイイっス」
「あんなに静かに歩いてきたのに…。周りの声の方が煩くなかったですか?」
「音を聞き分けるくらい、俺たちにとっちゃ朝飯前。簡単っスよ」
「どのくらい遠くまで聞こえるんですか?」
「さぁね!ま、監督生くんはそんなこと気にしなくていいっスから、もう俺のあとつけ回すのはやめてくださいねっ」
ぽん、と肩を叩いてヒラヒラ手を振ってお別れ。俺は忙しいんスよ。主にレオナさんのパシリで。
そんなことがあってから、幾日か経ったある日。
久しぶりに太陽の元でお昼寝タイムを決め込んでいた俺の耳に、いつもの足音が届いた。
ぱたぱた…
(まーた監督生くんの足音。ほんっとなんであんなにわかりやすい音を立てられるんスかねぇ…)
起き上がる気はさらさらなくて、見つからないことを祈って瞳は閉じたまま。太陽が目蓋の上から赤と黄色の光を注いでくれるこの時間を邪魔されてなるものか。
(あっラギー先輩だ!…大好きですよー)
「!?!?」
思いもよらない言葉が耳に届いて、驚きのあまり飛び起きる。
バッと声の方に顔を向ければ、そこは二階の廊下。
俺を見下ろす監督生くんが、信じられない、という表情でこちらを見ていた。
「か、監督生くん…アンタ…」
(こんなにも離れているのに、聞こえちゃったの?!)
「だから言ったのに…!ハイエナの耳、ナメんなって…!」
真っ赤に染まるお互いの顔を見つめ合いながらも、俺は気づいてしまった。
足音も、声も。
出会ったときから耳について離れない。
もしかしなくともとっくの昔に俺はアンタに堕ちてたんじゃないか、って。
「気づかせた罪は重いっスよ…」
俺たちハイエナは、獲物を逃したりはしないんスから、覚悟して待ってな。
昼寝は一時中断。
続きは、