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Jade
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「あなたさん、怪我でもなさったんですか」
「へ?」
早朝。オンボロ寮にて。
珍しく早起きした私は、珍しく朝食を摂る気になったので、キッチンに立っていた。
そんな時ごろに、ここにいるはずもないジェイド先輩に話しかけられて、うっかり手に持っていた卵を落としてしまいそうになった。
「驚かせてしまいましたか?」
「あ…いえ…朝早くからどうしましたか?」
「昨日はこちらに寄ることができなかったので、様子を見にきました」
寝起きの働かない頭では、そういって近づいてくるジェイド先輩を見つめることしかままならない。
「それで、その脚」
「脚…、あ、これですか?」
脚、と言われて一瞬なんだかわからなかったが、ジェイド先輩の目線の先を見つけて、あぁ、と。
いくら空調が効いていると言っても、夏に長袖長ズボンで眠る人間はいないと信じているのだけれど、どうだろう。
ちなみに私は、ホットパンツにタンクトップに近いくらい袖が短くて、でも裾は長いダラけたTシャツで夜を過ごしている。
なのでほとんどお尻に近いその場所に貼られた『それ』がジェイド先輩の目にも止まったのだろう。
「バンソーコーとは、傷の上に貼るものでは?」
「あはは、一般的には、そうですね。私はケガをしたのではないので、大丈夫ですよ」
「では、どうして?」
「これは、虫刺されがあまりにも痒くて。掻いちゃうの防止というか。跡が残ったりするのも嫌じゃないですか」
「なるほど」
そんな話をしているうちに、背中からシュウウ…とお湯が吹きこぼれた音がしたので、慌てて火元に向き直る。
「わ!!あぶな…!…えっと、そう、それで、だからバンソーコーを貼ってるんで、ひぁ!?」
「…僕があなたさんの足を気に入っていること、ご存知ですよね」
「ひ、ちょ、撫でないでくださ…っいッ!!」
いつの間に背後まで詰め寄ったのか。
身長差もなんのその、そのバンソーコーを撫で上げるように剥ぎ取られたので、少し肌が引っ張れて変に体が反応してしまった。
「ふふ、朝から従順ですね」
「っ…!せ、先輩が、変なこと、するからっ!」
「おや、僕のせいですか?それは失礼しました。責任を取らなければなりませんね」
「?!」
そうして私はジェイド先輩の腕の中に抱かれて、お部屋に逆戻り。
自室にはグリムがいるので、行き先はおそらく別の、『そういう時のため』に掃除してある部屋だ。
湧いたはずのお湯は、また冷めてしまうのだろう。
珍しく作る予定だった朝食は、今日も出来上がらないまま。
淀みなくベッドに寝かされて、私に跨がろうとしたジェイド先輩は、ふと何かに気づいたそぶりで私に話しかけてきた。
「そういえば」
「…な、なんですか?」
「僕は今から朝食なのですが、貴女は?」
「わ、たしの、朝ごはん、は」
楽しそうに返答を待つ、ジェイド先輩の首を引き寄せて、小さな声で呟いた。
『じぇいどせんぱいが、くれる、んでしょう?』
返ってきたのは、もちろん、この清々しい朝に似合わないほど妖艶な微笑み。
「えぇもちろん。お望みとあらば、ブランチもご用意いたしましょう」
「へ?」
早朝。オンボロ寮にて。
珍しく早起きした私は、珍しく朝食を摂る気になったので、キッチンに立っていた。
そんな時ごろに、ここにいるはずもないジェイド先輩に話しかけられて、うっかり手に持っていた卵を落としてしまいそうになった。
「驚かせてしまいましたか?」
「あ…いえ…朝早くからどうしましたか?」
「昨日はこちらに寄ることができなかったので、様子を見にきました」
寝起きの働かない頭では、そういって近づいてくるジェイド先輩を見つめることしかままならない。
「それで、その脚」
「脚…、あ、これですか?」
脚、と言われて一瞬なんだかわからなかったが、ジェイド先輩の目線の先を見つけて、あぁ、と。
いくら空調が効いていると言っても、夏に長袖長ズボンで眠る人間はいないと信じているのだけれど、どうだろう。
ちなみに私は、ホットパンツにタンクトップに近いくらい袖が短くて、でも裾は長いダラけたTシャツで夜を過ごしている。
なのでほとんどお尻に近いその場所に貼られた『それ』がジェイド先輩の目にも止まったのだろう。
「バンソーコーとは、傷の上に貼るものでは?」
「あはは、一般的には、そうですね。私はケガをしたのではないので、大丈夫ですよ」
「では、どうして?」
「これは、虫刺されがあまりにも痒くて。掻いちゃうの防止というか。跡が残ったりするのも嫌じゃないですか」
「なるほど」
そんな話をしているうちに、背中からシュウウ…とお湯が吹きこぼれた音がしたので、慌てて火元に向き直る。
「わ!!あぶな…!…えっと、そう、それで、だからバンソーコーを貼ってるんで、ひぁ!?」
「…僕があなたさんの足を気に入っていること、ご存知ですよね」
「ひ、ちょ、撫でないでくださ…っいッ!!」
いつの間に背後まで詰め寄ったのか。
身長差もなんのその、そのバンソーコーを撫で上げるように剥ぎ取られたので、少し肌が引っ張れて変に体が反応してしまった。
「ふふ、朝から従順ですね」
「っ…!せ、先輩が、変なこと、するからっ!」
「おや、僕のせいですか?それは失礼しました。責任を取らなければなりませんね」
「?!」
そうして私はジェイド先輩の腕の中に抱かれて、お部屋に逆戻り。
自室にはグリムがいるので、行き先はおそらく別の、『そういう時のため』に掃除してある部屋だ。
湧いたはずのお湯は、また冷めてしまうのだろう。
珍しく作る予定だった朝食は、今日も出来上がらないまま。
淀みなくベッドに寝かされて、私に跨がろうとしたジェイド先輩は、ふと何かに気づいたそぶりで私に話しかけてきた。
「そういえば」
「…な、なんですか?」
「僕は今から朝食なのですが、貴女は?」
「わ、たしの、朝ごはん、は」
楽しそうに返答を待つ、ジェイド先輩の首を引き寄せて、小さな声で呟いた。
『じぇいどせんぱいが、くれる、んでしょう?』
返ってきたのは、もちろん、この清々しい朝に似合わないほど妖艶な微笑み。
「えぇもちろん。お望みとあらば、ブランチもご用意いたしましょう」