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「ねぇデュース、プールってこっちの世界にもあるの?」
「ああ、あるぞ。興味あるのか?でもどこのプールもそんなに変わらないんじゃないか?」
「絶対そんなことないよ!ところ変われば、っていうじゃない?楽しそうだもん。デュースと行きたいなぁ〜って思って…ダメかな?」
「い、いや、ダメじゃ、ない、けど…でも、水着は持ってるのか?」
「水着?今から買いに行くんだよ」
「え?」
今日は久しぶりにデュースと街へお出かけに繰り出している。世間でいう、デートというやつだ。
観光をしたりカフェに行ったり…そういうことももちろんいいのだけれど、私としては、デュースとショッピングができるのが何より楽しい。ショッピングは、デュースの趣味を知る絶好のチャンスだからだ。恋する乙女は彼氏の趣味を知って、それに合わせたアクセサリや差し色など、ちょっとしたアクセントを盛り込むのも幸せだったりする、なんて恥ずかしいことはもちろん、黙っておくのだけれど。
そんな下心があったので、もちろん私は、この世界にプールがあることも知っていた。けれど、デュースを水着売り場に連れて行くハードルを考えたら、今、このタイミングでこういった話題を振って、直接連行するしかないと踏んでいたのだ。
結果は大成功。しどろもどろのデュースを、事前に調べておいた大きなお店の水着フェア会場まで引っ張っていく。この時期の水着売り場は私がいた世界と同様、人で溢れかえっていたが、様々な水着を見せてはどれがいい?とうまい具合に趣味嗜好を聞き出して、その一枚を選び出した。
その上で、どうにか試着室にたどり着き、デュースにはカーテンの前で待ってもらうよう頼む。
「デュース、絶対そこ動かないでね!」
「わかった、入口は死守するから大丈夫だ」
「え、いや、そういうわけじゃ…」
心配なのは、はぐれてしまうことなんだけどな、と思ったが、こういうところでは覗きも横行していると聞くし、彼氏が入り口を守ってくれているのはとても安心するかもしれないなとくすぐったい気持ちになった。
デュースと一緒に選んだ水着ーーそれはボーイレッグ型のビキニだったが、紺と白のボーダーが真夏の空に映えるだろうなと想起される大人びたデザインで、少しだけ、私に似合うだろうかと不安だった。でも、デュースが「あなたに似合うと思う」と言って選んでくれたものだから、できればこれを着て一緒にプールに出かけたい。
どうか似合って、と願うような気持ちで服を脱いでそれを試着してみる。
下のショートパンツ型のビキニは、割と安心して履きこなせる感じがすごくいい。この形を選んで正解だったかもしれない。
しかし、問題は上の…ブラの方だ。見た感じ、ホルターネックっぽくはあるが背中と胸の真ん中にリボンがあって、一体どっちを解いてつけるべきなのか一見しただけでは不明である。とりあえず大きなリボンは首に通して、背中でも紐を結んで見る。でも、何かゆるい気がする。私の胸が小さいせいか?と遣る瀬無くなったが、残念ながらこの胸は突然成長するものでもない。どこで調整するかと考えたときに、少しでも大きくみせたいという欲が首をもたげた。それなら、胸の真ん中にあるリボンをもう少しきつく結べばちょっと盛れるんじゃないか、そんな妙案が浮かんだので、早速紐を解いて結び直そうとした、ちょうどその時だった。
「ちょっ…押さないでくださいっ」
「なぁにこの子!仕方ないでしょ狭いんだから!」
「だから、おさ、あっ!?」
「え?」
カーテンの向こうから控えめだけれど強張った声が聞こえた。
と、同時にカーテンが揺れて、人影がこちらに倒れ込んでくる。
「う、わ!」
「?!」
ドスン!
勢いよく背中から倒れこんできたその人は、私の背中にぶつかって。
あまりに突然のことに驚いて、単純な私の脳みそは締めようとしていた紐のことをすっかり頭から飛ばしてしまった。
何事もなかったかのようにふわりとカーテンは元の位置に戻り、また周りの喧騒は雑踏に飲み込まれる。
静寂を取り戻したのは、私と、倒れこんできたその人、デュースだけ。
衝撃で床に寝転んだままのデュースを上から覗き込んで、声を掛ける。
「いたッ…あんのおばさん…全身で体当たりして…。男だったらやり返したのに…!」
「デュース、だ、大丈夫?!すごい音がしたけど、腰とか痛めなかった…!?」
「あぁ、あなた…うん、僕は大丈夫だ、それよりもあなたにぶつかった気がしたが、そっちこそだ、っ?!!!」
「うん、大丈夫だよ私は。立てる?」
「っ!!」
私の方をしっかりと見たデュースは、その瞬間に両腕で顔を覆ってしまった。そこから少しだけ見えた顔と耳は真っ赤に染まっている。
どうしてそんなそぶりをするのだろう。瞬間的には理由がわからず、クエスチョンマークを浮かべて目線を下げた。刹那、視界の端に自分の身体を捉えて驚愕してしまった。
自分の行動を思い返してみれば、確かに、胸の真ん中のリボンを解いた気がする。
私の胸は、大っぴらげに空いており、そこからは乳房がのぞいているではないか。信じられない。私は痴女か何かか。自分の彼氏に、しかも特に一線を超えたわけでもないピュアピュアな彼氏に、こんなモノを見せてしまうだなんて。頭が真っ白になるが、それに反して首から上は恥からくる熱で真っ赤に染まる。
あっ、わ、わぁっっっっっっ?!?!、と声にならない奇声をあげて、狭い更衣室の中、デュースから距離をとって背中を向ける。互いが恥ずかしさを処理できずに、しばしの沈黙。
それからしばらくして、どうにもならなくなったのか、デュースが身体を起こした気配がした。
私はそれでも、胸を押さえたまま動けない。すると、背後から「あのさ…」と小さな声が聞こえてくる。
「ご、ごめん、な」
「っ、デュースのせいじゃ、ない、でしょ!だい、じょうぶではないけど、き、気にしないでっ!」
「いや、だって、僕、見るつもりは」
「い、いい、あの、み、見たくないもの見せて、こっちが本当にごめんだし、ね?!」
「っそんなことない!」
「え?」
その言葉につい振り返ってしまって、目があったデュースは、あ、と口を開けたまま、固まっていた。
そんなことないって、どういう意味?
目線で問うと、手で口を覆ったままだけど、モゴモゴと言ってくれた。
「す、好き、な、女の子の、裸を、見たくない男なんて、い、いない」
「?!」
「だ、だからっ!!」
こんな風に、見たくなかったんだ、ちゃんとそういう雰囲気を作って、ちゃんと、したかったんだ。
なんていうものだから、目を見開いてしまった。
デュースでもそういう欲があるのか、と。私の中のデュース像が少しだけ変わった気がした。
好きだから手を繋ぎたくて、好きだから抱きしめたくて、好きだからキスしたくて、きっと、好きだから、その先もしたいって思ってくれてるんだろう。
それがどんなに嬉しいことか、ねぇ、私の気持ちはデュースに伝わってるのかな。伝わっているといいのだけれど、なんて甘えたらいけないのかもしれない。
デュースがこうして私に想いを伝えてくれているのだから、私だって返さないといけない。それでこそマブであって彼女ってものだ。
急ぎ、解けていたリボンを簡単に結び直して、そのままデュースに抱きついた。こういうのは勢いが肝心だ。
ビクッと大きく跳ねたデュースの身体をさらにぎゅぅと腕に閉じ込めて、その耳元で小さく呟いたのは、本人以外に聞かれちゃいいけない秘密の話。
「私、デュースになら何されたって構わないよ」
「、…ッ?!」
「いつか、ちゃんと私のこと、見て、それで、したいこと、教えて、ね」
そこまで言って、少しだけ身体を離して彼の顔をみれば、嬉しいやら恥ずかしいやらもどかしいやら、いろんな感情が入り混じっているのか大層複雑な表情をして固まっていた。それから発されたのは、デュースらしい一言。
「その水着、似合ってるぞ…」
ねぇデュース、それは今いうことじゃないよ!
二人額をくっつけあってクスクスと笑い合う。
目下の問題は、どうやってこの更衣室から出て行くか、それだけ。
「ああ、あるぞ。興味あるのか?でもどこのプールもそんなに変わらないんじゃないか?」
「絶対そんなことないよ!ところ変われば、っていうじゃない?楽しそうだもん。デュースと行きたいなぁ〜って思って…ダメかな?」
「い、いや、ダメじゃ、ない、けど…でも、水着は持ってるのか?」
「水着?今から買いに行くんだよ」
「え?」
今日は久しぶりにデュースと街へお出かけに繰り出している。世間でいう、デートというやつだ。
観光をしたりカフェに行ったり…そういうことももちろんいいのだけれど、私としては、デュースとショッピングができるのが何より楽しい。ショッピングは、デュースの趣味を知る絶好のチャンスだからだ。恋する乙女は彼氏の趣味を知って、それに合わせたアクセサリや差し色など、ちょっとしたアクセントを盛り込むのも幸せだったりする、なんて恥ずかしいことはもちろん、黙っておくのだけれど。
そんな下心があったので、もちろん私は、この世界にプールがあることも知っていた。けれど、デュースを水着売り場に連れて行くハードルを考えたら、今、このタイミングでこういった話題を振って、直接連行するしかないと踏んでいたのだ。
結果は大成功。しどろもどろのデュースを、事前に調べておいた大きなお店の水着フェア会場まで引っ張っていく。この時期の水着売り場は私がいた世界と同様、人で溢れかえっていたが、様々な水着を見せてはどれがいい?とうまい具合に趣味嗜好を聞き出して、その一枚を選び出した。
その上で、どうにか試着室にたどり着き、デュースにはカーテンの前で待ってもらうよう頼む。
「デュース、絶対そこ動かないでね!」
「わかった、入口は死守するから大丈夫だ」
「え、いや、そういうわけじゃ…」
心配なのは、はぐれてしまうことなんだけどな、と思ったが、こういうところでは覗きも横行していると聞くし、彼氏が入り口を守ってくれているのはとても安心するかもしれないなとくすぐったい気持ちになった。
デュースと一緒に選んだ水着ーーそれはボーイレッグ型のビキニだったが、紺と白のボーダーが真夏の空に映えるだろうなと想起される大人びたデザインで、少しだけ、私に似合うだろうかと不安だった。でも、デュースが「あなたに似合うと思う」と言って選んでくれたものだから、できればこれを着て一緒にプールに出かけたい。
どうか似合って、と願うような気持ちで服を脱いでそれを試着してみる。
下のショートパンツ型のビキニは、割と安心して履きこなせる感じがすごくいい。この形を選んで正解だったかもしれない。
しかし、問題は上の…ブラの方だ。見た感じ、ホルターネックっぽくはあるが背中と胸の真ん中にリボンがあって、一体どっちを解いてつけるべきなのか一見しただけでは不明である。とりあえず大きなリボンは首に通して、背中でも紐を結んで見る。でも、何かゆるい気がする。私の胸が小さいせいか?と遣る瀬無くなったが、残念ながらこの胸は突然成長するものでもない。どこで調整するかと考えたときに、少しでも大きくみせたいという欲が首をもたげた。それなら、胸の真ん中にあるリボンをもう少しきつく結べばちょっと盛れるんじゃないか、そんな妙案が浮かんだので、早速紐を解いて結び直そうとした、ちょうどその時だった。
「ちょっ…押さないでくださいっ」
「なぁにこの子!仕方ないでしょ狭いんだから!」
「だから、おさ、あっ!?」
「え?」
カーテンの向こうから控えめだけれど強張った声が聞こえた。
と、同時にカーテンが揺れて、人影がこちらに倒れ込んでくる。
「う、わ!」
「?!」
ドスン!
勢いよく背中から倒れこんできたその人は、私の背中にぶつかって。
あまりに突然のことに驚いて、単純な私の脳みそは締めようとしていた紐のことをすっかり頭から飛ばしてしまった。
何事もなかったかのようにふわりとカーテンは元の位置に戻り、また周りの喧騒は雑踏に飲み込まれる。
静寂を取り戻したのは、私と、倒れこんできたその人、デュースだけ。
衝撃で床に寝転んだままのデュースを上から覗き込んで、声を掛ける。
「いたッ…あんのおばさん…全身で体当たりして…。男だったらやり返したのに…!」
「デュース、だ、大丈夫?!すごい音がしたけど、腰とか痛めなかった…!?」
「あぁ、あなた…うん、僕は大丈夫だ、それよりもあなたにぶつかった気がしたが、そっちこそだ、っ?!!!」
「うん、大丈夫だよ私は。立てる?」
「っ!!」
私の方をしっかりと見たデュースは、その瞬間に両腕で顔を覆ってしまった。そこから少しだけ見えた顔と耳は真っ赤に染まっている。
どうしてそんなそぶりをするのだろう。瞬間的には理由がわからず、クエスチョンマークを浮かべて目線を下げた。刹那、視界の端に自分の身体を捉えて驚愕してしまった。
自分の行動を思い返してみれば、確かに、胸の真ん中のリボンを解いた気がする。
私の胸は、大っぴらげに空いており、そこからは乳房がのぞいているではないか。信じられない。私は痴女か何かか。自分の彼氏に、しかも特に一線を超えたわけでもないピュアピュアな彼氏に、こんなモノを見せてしまうだなんて。頭が真っ白になるが、それに反して首から上は恥からくる熱で真っ赤に染まる。
あっ、わ、わぁっっっっっっ?!?!、と声にならない奇声をあげて、狭い更衣室の中、デュースから距離をとって背中を向ける。互いが恥ずかしさを処理できずに、しばしの沈黙。
それからしばらくして、どうにもならなくなったのか、デュースが身体を起こした気配がした。
私はそれでも、胸を押さえたまま動けない。すると、背後から「あのさ…」と小さな声が聞こえてくる。
「ご、ごめん、な」
「っ、デュースのせいじゃ、ない、でしょ!だい、じょうぶではないけど、き、気にしないでっ!」
「いや、だって、僕、見るつもりは」
「い、いい、あの、み、見たくないもの見せて、こっちが本当にごめんだし、ね?!」
「っそんなことない!」
「え?」
その言葉につい振り返ってしまって、目があったデュースは、あ、と口を開けたまま、固まっていた。
そんなことないって、どういう意味?
目線で問うと、手で口を覆ったままだけど、モゴモゴと言ってくれた。
「す、好き、な、女の子の、裸を、見たくない男なんて、い、いない」
「?!」
「だ、だからっ!!」
こんな風に、見たくなかったんだ、ちゃんとそういう雰囲気を作って、ちゃんと、したかったんだ。
なんていうものだから、目を見開いてしまった。
デュースでもそういう欲があるのか、と。私の中のデュース像が少しだけ変わった気がした。
好きだから手を繋ぎたくて、好きだから抱きしめたくて、好きだからキスしたくて、きっと、好きだから、その先もしたいって思ってくれてるんだろう。
それがどんなに嬉しいことか、ねぇ、私の気持ちはデュースに伝わってるのかな。伝わっているといいのだけれど、なんて甘えたらいけないのかもしれない。
デュースがこうして私に想いを伝えてくれているのだから、私だって返さないといけない。それでこそマブであって彼女ってものだ。
急ぎ、解けていたリボンを簡単に結び直して、そのままデュースに抱きついた。こういうのは勢いが肝心だ。
ビクッと大きく跳ねたデュースの身体をさらにぎゅぅと腕に閉じ込めて、その耳元で小さく呟いたのは、本人以外に聞かれちゃいいけない秘密の話。
「私、デュースになら何されたって構わないよ」
「、…ッ?!」
「いつか、ちゃんと私のこと、見て、それで、したいこと、教えて、ね」
そこまで言って、少しだけ身体を離して彼の顔をみれば、嬉しいやら恥ずかしいやらもどかしいやら、いろんな感情が入り混じっているのか大層複雑な表情をして固まっていた。それから発されたのは、デュースらしい一言。
「その水着、似合ってるぞ…」
ねぇデュース、それは今いうことじゃないよ!
二人額をくっつけあってクスクスと笑い合う。
目下の問題は、どうやってこの更衣室から出て行くか、それだけ。