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「人の子、今週末、共に海に行こう」
「へ?ツノ太郎ってそういうところ行くの?」
「僕をなんだと思っているんだ。その程度の人間の風習の心得はある」
そのお誘いに乗って、私は今日、海に来ている。
お誘いとあって二人きりなのではと気合を入れて、セパレートタイプの可愛い水着を奮発して買ったというのに。
「はぁ〜…」
「人間!!浮かれているんじゃないぞ!!」
「…浮かれてるのはセベクでしょ…」
「若様が連れてきてくださったのだ!!もう少し楽しそうにしろ!!」
「いや、うん、君の顔を見るまではもう少し楽しい気分だったよ」
「すまぬな。本当ならばお主とマレウスの二人で楽しませてやりたかったんじゃが、こやつらの耳にも入ってしまっての」
「いいんですよリリア先輩。そのお気遣いだけで十分です。あとシルバー先輩が寝ているからって砂に埋めて胸作るのはやめてあげてください。」
「グゥ…」
多少の落胆はあれど、ツノ太郎と一緒に、休日を過ごせるだけで私からしたらだいぶ進歩だ。今日こそ少しでも意識してもらわないと!!そして今日からマレウスって呼ばせてもらうんだ!!
気を取り直して、シュシュで髪をくくる。薔薇の谷はどうか知らないけど、男の人はうなじに弱いって聞いたことがある。
思わせぶりにふるりと頭を振って後ろを振り向けば、ツノ太郎がこちらを凝視していた。
あれ?もしかして結構みてくれてる!?意識してくれてる?!とこちらも負けじと見返すと、砂浜に足を取られたのか、ツノ太郎の膝がガクン、と落ちた。
「!」
「あっ!!」
「若様っ!!」
私がそちらに駆け出す前に、セベクがツノ太郎をつかもうと手を伸ばした。
が。
その手はツノ太郎の腕や体を掴むことはなく。
掴んだのは、ツノ太郎の、水着、だった。
「はっ!!!!?」とはセベク
「は、」とはリリア先輩
「は!!」とはシルバー先輩
「ふむ」とは、ツノ太郎
私は前からツノ太郎のその姿を直視してしまったため、「はぁ!!?」と叫びつつ手で目を覆った。
けれど、好奇心が私を突き動かして、手で顔を覆いつつも、パッと指が開いてしまう。
「お主、それでは見ておるのと変わらんぞ」
とリリア先輩に笑われてしまった。
この海岸には、私たち以外の誰もいないので大ごとにはならないが、それでもこんな公の場で一国の王が大切な場所をボロリされてしまうなどと誰が考えただろうか。
しかし当の本人は格別気にもしていない様子で、仁王立ちになって突っ立ったままである。
「つ、ツノ、ツノ太郎!!早く、履いて!!」
「ん?」
「それ!!脱げてるから!!水着!!」
「大事はないだろう」
「え?!いや大事な部分が丸見えだよ!!いや見てないけど!!」
大慌てで目を瞑って私が見てないアピールをすると、リリア先輩が苦笑まじりに何か呪文を唱えた。
その瞬間、ツノ太郎の腰回りには、新しい水着が。
「仕方ないのぅ、わしがなんとかしてやったぞ」
「!!」
「…リリア、余計なことを」
「余計とはなんじゃ。愛しい子が慌てておるのに、お前ときたら」
「え!?」
「人の子、お前の反応、楽しかったぞ」
理解したくてもすぐに理解に至らない、その言葉の意味。
なんだろう。愛しいって、どう言う意味だっけ。
「あの、ツノ太郎、」
「なんだ」
「私、この水着、ツノ太郎に見て欲しくて」
「僕のために選んでくれたのか?」
「うん、それで、あの、」
私の頭はフリーズしてしまって、なぜこのタイミングでこの言葉が出てしまったのかもわからない。が、今日一番言いたかったことが口をついて出たことは確かだ。
「似合ってるかな…?」
「そうだな…」
「っ…」
「これまで見てきた服の中でも、大層お前の魅力を引き出していると思う」
「!!」
「可愛い、と、そう言ったらいいのだろうか」
掛けてもらえたその言葉が、本音なのかどうかはパッと見たその表情からは読み取れないが、少なくとも嫌がられてはいないようで安心だ。
今度は砂に足を取られることなく、私に歩み寄ってきたツノ太郎は、そのまま私の腰をとって、こう言った。
「僕と二人きりになりたかったんだろう?あちらの岩場まで歩こう」
「…!!は、い…!」
不敵に笑ったツノ太郎はやっぱり誰よりもかっこいい。いつか絶対振り向かせてみせるから、と気合を入れつつ、しかしながら心のどこかで、付き合ったとして、いざそう言う雰囲気になったら、あの大きさのものを受け入れられるのだろうか、と不安に思ったことは、秘密である。
さて、その後、残された3人はといえば。
「ところでセベク」
「?!!!」
「お主は、この件に関して反省しておるのか?」
「り、りり、リリア様!!それはもう、どうしたら、」
「そうじゃのう…では、この…反省の度合いが見えると言う、魔法の水着を着て、反省具合を見せてみると良い」
「!!仰せのままに!!」
パチン、と指を鳴らしたリリア先輩の手には、一枚のメンズビキニが握られていたと言う。
それは、ディアソムニアの寮にふさわしい、蛍光の黄緑色。
セベクはそれを着せられて、リリア先輩から一日中笑われたとの話だ。
「シルバーお主もあれを着てみたらどうじゃ?」
「結構です」
「へ?ツノ太郎ってそういうところ行くの?」
「僕をなんだと思っているんだ。その程度の人間の風習の心得はある」
そのお誘いに乗って、私は今日、海に来ている。
お誘いとあって二人きりなのではと気合を入れて、セパレートタイプの可愛い水着を奮発して買ったというのに。
「はぁ〜…」
「人間!!浮かれているんじゃないぞ!!」
「…浮かれてるのはセベクでしょ…」
「若様が連れてきてくださったのだ!!もう少し楽しそうにしろ!!」
「いや、うん、君の顔を見るまではもう少し楽しい気分だったよ」
「すまぬな。本当ならばお主とマレウスの二人で楽しませてやりたかったんじゃが、こやつらの耳にも入ってしまっての」
「いいんですよリリア先輩。そのお気遣いだけで十分です。あとシルバー先輩が寝ているからって砂に埋めて胸作るのはやめてあげてください。」
「グゥ…」
多少の落胆はあれど、ツノ太郎と一緒に、休日を過ごせるだけで私からしたらだいぶ進歩だ。今日こそ少しでも意識してもらわないと!!そして今日からマレウスって呼ばせてもらうんだ!!
気を取り直して、シュシュで髪をくくる。薔薇の谷はどうか知らないけど、男の人はうなじに弱いって聞いたことがある。
思わせぶりにふるりと頭を振って後ろを振り向けば、ツノ太郎がこちらを凝視していた。
あれ?もしかして結構みてくれてる!?意識してくれてる?!とこちらも負けじと見返すと、砂浜に足を取られたのか、ツノ太郎の膝がガクン、と落ちた。
「!」
「あっ!!」
「若様っ!!」
私がそちらに駆け出す前に、セベクがツノ太郎をつかもうと手を伸ばした。
が。
その手はツノ太郎の腕や体を掴むことはなく。
掴んだのは、ツノ太郎の、水着、だった。
「はっ!!!!?」とはセベク
「は、」とはリリア先輩
「は!!」とはシルバー先輩
「ふむ」とは、ツノ太郎
私は前からツノ太郎のその姿を直視してしまったため、「はぁ!!?」と叫びつつ手で目を覆った。
けれど、好奇心が私を突き動かして、手で顔を覆いつつも、パッと指が開いてしまう。
「お主、それでは見ておるのと変わらんぞ」
とリリア先輩に笑われてしまった。
この海岸には、私たち以外の誰もいないので大ごとにはならないが、それでもこんな公の場で一国の王が大切な場所をボロリされてしまうなどと誰が考えただろうか。
しかし当の本人は格別気にもしていない様子で、仁王立ちになって突っ立ったままである。
「つ、ツノ、ツノ太郎!!早く、履いて!!」
「ん?」
「それ!!脱げてるから!!水着!!」
「大事はないだろう」
「え?!いや大事な部分が丸見えだよ!!いや見てないけど!!」
大慌てで目を瞑って私が見てないアピールをすると、リリア先輩が苦笑まじりに何か呪文を唱えた。
その瞬間、ツノ太郎の腰回りには、新しい水着が。
「仕方ないのぅ、わしがなんとかしてやったぞ」
「!!」
「…リリア、余計なことを」
「余計とはなんじゃ。愛しい子が慌てておるのに、お前ときたら」
「え!?」
「人の子、お前の反応、楽しかったぞ」
理解したくてもすぐに理解に至らない、その言葉の意味。
なんだろう。愛しいって、どう言う意味だっけ。
「あの、ツノ太郎、」
「なんだ」
「私、この水着、ツノ太郎に見て欲しくて」
「僕のために選んでくれたのか?」
「うん、それで、あの、」
私の頭はフリーズしてしまって、なぜこのタイミングでこの言葉が出てしまったのかもわからない。が、今日一番言いたかったことが口をついて出たことは確かだ。
「似合ってるかな…?」
「そうだな…」
「っ…」
「これまで見てきた服の中でも、大層お前の魅力を引き出していると思う」
「!!」
「可愛い、と、そう言ったらいいのだろうか」
掛けてもらえたその言葉が、本音なのかどうかはパッと見たその表情からは読み取れないが、少なくとも嫌がられてはいないようで安心だ。
今度は砂に足を取られることなく、私に歩み寄ってきたツノ太郎は、そのまま私の腰をとって、こう言った。
「僕と二人きりになりたかったんだろう?あちらの岩場まで歩こう」
「…!!は、い…!」
不敵に笑ったツノ太郎はやっぱり誰よりもかっこいい。いつか絶対振り向かせてみせるから、と気合を入れつつ、しかしながら心のどこかで、付き合ったとして、いざそう言う雰囲気になったら、あの大きさのものを受け入れられるのだろうか、と不安に思ったことは、秘密である。
さて、その後、残された3人はといえば。
「ところでセベク」
「?!!!」
「お主は、この件に関して反省しておるのか?」
「り、りり、リリア様!!それはもう、どうしたら、」
「そうじゃのう…では、この…反省の度合いが見えると言う、魔法の水着を着て、反省具合を見せてみると良い」
「!!仰せのままに!!」
パチン、と指を鳴らしたリリア先輩の手には、一枚のメンズビキニが握られていたと言う。
それは、ディアソムニアの寮にふさわしい、蛍光の黄緑色。
セベクはそれを着せられて、リリア先輩から一日中笑われたとの話だ。
「シルバーお主もあれを着てみたらどうじゃ?」
「結構です」