未入力の場合は、あなた、が設定されます
Azul
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ここは深海のオクタヴィネル寮の一室。僕の部屋だ。
だから、朝になったからといっても陸上のようにハッキリと朝を感じることはない。
でもルーティンは身に染み付いているもので、目が覚めたということはきっともう朝なのだろう。
そっと横を見やれば、愛しのあなたの寝顔が一つ。昨日の情事を思い出すと目尻が緩んだ。
もう何度になるかわからないが、どれだけ身体を重ねても消えることがない欲に正直自分が驚いているが、これが恋とか愛とか、そういう気持ちなんだろう。
嫌だ嫌だといいながら上に乗って腰を揺らすその様も、僕の下で喘ぐ姿も、僕に縋ってうわ言のように呟かれる自身の名前も数々の言葉も、全部鮮明に覚えていられたらいいのに時間の経過と共に薄れていく。その記憶を上書きするかの如く、何度も何度も求めてしまうのは、少しばかりの恐怖のせいもあるのかもしれない。
そんなことを取り留めなく考えていると、見つめていた寝顔が、ふと歪んだので、反射的に目を閉じてしまった。
「ん…ふぁあ…」
気怠げなあくびが聞こえて、ついで伸びをしたのだろう、被っていた薄手のシーツがズレた感覚がした。
「んん…せんぱい?…アズール先輩…?」
少し掠れた声が僕を呼ぶ。
ああ、もっと水を飲ませてやるべきだったと反省するも、それはもはや後の祭り。次回の改善点として頭の中にメモをした。
「まだ寝てる、かな…」
もぞ、とあなたが起き上がったのを感じとって薄らと目蓋を開くと、シーツで身体を隠しながら器用に昨日脱がせて散らかした下着を拾い上げた様子。
華奢な背中。肉付きの少ない腕。その割に柔らかそうな臀部。
昨日は背中から抱きしめて求めたせいか、ポツリと残ったままの鬱血痕が目に留まって、ドクリとあからさまに心臓が跳ねた。
空調が効いてるはずなのにじっとりと汗ばんだ背中のラインが、まぶたの奥にフラッシュバックする。
枕に吸い込まれきれなかった甘く甲高い喘ぎ声が耳の奥から響いてくる。
快楽からくる震えは、重ねた手と腹を支えた僕の腕にも伝わっていた。
目の前では、ブラジャーのホックをかけようと、背中に回された腕が視界を占めている。
そのホックが止まると、次に、それに収めるようにして、胸に手が添えられて内側に寄せた。
なんとなく、男の僕が見てはいけないような。そんな行為に喉が鳴る。
それでも欲望には抗えず、今しがた止められたばかりのホックをぷつ、と外して、そのままツーと背骨をなぞった。
「ひゃ!?」
突然のことに驚いたのか、昨日とはまた異なった高い声を響かせてこちらを振り向いたあなた。
「起きてたんですか?!」との言葉は、そのまま腕を引いて口付けた僕の咥内に飲み込まれた。
そのままバランスを崩してベッドに落ちてきた身体を組み敷いて跨って、執拗に舌を追い掛ければすぐに力が抜けて従順になる。そんなところすら僕を煽るとも知らずに。
すっかりその気になってしまった僕ではあるけれど、あなたの方はどうだろう、こんな朝からあからさまな態度を取られたら、女性としては嫌なものかもしれないなと警鐘が鳴る。嫌われたくない、その一心で、名残惜しい気持ちを抑えつけて、ちゅ、と最後に唇を吸う。
それから、少しだけ身体を離した刹那。
あなたの細指が僕の横腹を撫でて、そのままぎゅっと引き寄せられた。その力はとても弱々しいのに、絶対に抗えない魔法のよう。
「もっと…ッ」
「!」
「っ…き、昨日、その、顔が、見えなかった、から」
「は、」
「今度は、あ、アズール、先輩の、顔、見て、シたい、です」
「…ッ…あなた、…どうなっても、知りませんよ?」
「そんなこと言っても、先輩、いつも優しいから、へーきです」
へにゃ、と笑った僕だけの天使。
そういうことなら手加減しませんからね、とは耳元で囁いて。
今日も一日、二人深海で。互いの体温に溺れる。
だから、朝になったからといっても陸上のようにハッキリと朝を感じることはない。
でもルーティンは身に染み付いているもので、目が覚めたということはきっともう朝なのだろう。
そっと横を見やれば、愛しのあなたの寝顔が一つ。昨日の情事を思い出すと目尻が緩んだ。
もう何度になるかわからないが、どれだけ身体を重ねても消えることがない欲に正直自分が驚いているが、これが恋とか愛とか、そういう気持ちなんだろう。
嫌だ嫌だといいながら上に乗って腰を揺らすその様も、僕の下で喘ぐ姿も、僕に縋ってうわ言のように呟かれる自身の名前も数々の言葉も、全部鮮明に覚えていられたらいいのに時間の経過と共に薄れていく。その記憶を上書きするかの如く、何度も何度も求めてしまうのは、少しばかりの恐怖のせいもあるのかもしれない。
そんなことを取り留めなく考えていると、見つめていた寝顔が、ふと歪んだので、反射的に目を閉じてしまった。
「ん…ふぁあ…」
気怠げなあくびが聞こえて、ついで伸びをしたのだろう、被っていた薄手のシーツがズレた感覚がした。
「んん…せんぱい?…アズール先輩…?」
少し掠れた声が僕を呼ぶ。
ああ、もっと水を飲ませてやるべきだったと反省するも、それはもはや後の祭り。次回の改善点として頭の中にメモをした。
「まだ寝てる、かな…」
もぞ、とあなたが起き上がったのを感じとって薄らと目蓋を開くと、シーツで身体を隠しながら器用に昨日脱がせて散らかした下着を拾い上げた様子。
華奢な背中。肉付きの少ない腕。その割に柔らかそうな臀部。
昨日は背中から抱きしめて求めたせいか、ポツリと残ったままの鬱血痕が目に留まって、ドクリとあからさまに心臓が跳ねた。
空調が効いてるはずなのにじっとりと汗ばんだ背中のラインが、まぶたの奥にフラッシュバックする。
枕に吸い込まれきれなかった甘く甲高い喘ぎ声が耳の奥から響いてくる。
快楽からくる震えは、重ねた手と腹を支えた僕の腕にも伝わっていた。
目の前では、ブラジャーのホックをかけようと、背中に回された腕が視界を占めている。
そのホックが止まると、次に、それに収めるようにして、胸に手が添えられて内側に寄せた。
なんとなく、男の僕が見てはいけないような。そんな行為に喉が鳴る。
それでも欲望には抗えず、今しがた止められたばかりのホックをぷつ、と外して、そのままツーと背骨をなぞった。
「ひゃ!?」
突然のことに驚いたのか、昨日とはまた異なった高い声を響かせてこちらを振り向いたあなた。
「起きてたんですか?!」との言葉は、そのまま腕を引いて口付けた僕の咥内に飲み込まれた。
そのままバランスを崩してベッドに落ちてきた身体を組み敷いて跨って、執拗に舌を追い掛ければすぐに力が抜けて従順になる。そんなところすら僕を煽るとも知らずに。
すっかりその気になってしまった僕ではあるけれど、あなたの方はどうだろう、こんな朝からあからさまな態度を取られたら、女性としては嫌なものかもしれないなと警鐘が鳴る。嫌われたくない、その一心で、名残惜しい気持ちを抑えつけて、ちゅ、と最後に唇を吸う。
それから、少しだけ身体を離した刹那。
あなたの細指が僕の横腹を撫でて、そのままぎゅっと引き寄せられた。その力はとても弱々しいのに、絶対に抗えない魔法のよう。
「もっと…ッ」
「!」
「っ…き、昨日、その、顔が、見えなかった、から」
「は、」
「今度は、あ、アズール、先輩の、顔、見て、シたい、です」
「…ッ…あなた、…どうなっても、知りませんよ?」
「そんなこと言っても、先輩、いつも優しいから、へーきです」
へにゃ、と笑った僕だけの天使。
そういうことなら手加減しませんからね、とは耳元で囁いて。
今日も一日、二人深海で。互いの体温に溺れる。