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Azul
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ぱた、と汗が落ちていく。触れた掌から伝う体温が熱い。
アズール先輩、アズール先輩…すきっ…
そんな甘い声が脳裏で聞こえてーーー
「ん…」
引き上げられた意識。
うっすら目を開ければ、ぼや、とベッドサイドランプのオレンジ色が目の端に見えた。
一度目蓋を閉じれば、気怠さが自身を襲う。
手を動かそうとした刹那、腕に触れたそれをみて、頬が緩んだ。
「あなた…」
あどけない寝顔を見ると眠りに落ちる前まで行っていた情事が嘘のことのように思えるが、その肌の感触がありありと思い出せるので、全ては現実ということだ。
寝る前に手でも繋いでいたのだろうか。自分の腕に重ねられていた手を静かに持ち上げると、反射的にだと思うが、あなたの指がきゅっと丸まって絡みついてきて悶絶しそうになった。
すんでのところでグッと腹に力を入れて声を上げるのを耐え、ほぅと息をついた。
「…っ本当に…無意識だから困りますね…」
陸に上がってくることは、それ相応の努力が必要だった。呼吸、服を着る、歩く、走る、飛ぶ…挙げればキリがない。
しかしながら、好きな相手と、交尾…もとい性行為という、愛情の育み方があったことを知れただけでも、本当に良かったと思う。
人魚は、基本的な身体のつくりが魚と同じなため、生殖行為に幸せだとかそういう感情が湧かないのが常ではあるのだが、ヒトは違うんだなと。
本で得た知識ではよくわからなかったが、実際に体験すると、それはもう抜け出せない快感やら心を満たす気持ちやらで堪らないものがあった。
「僕は幸運でしたね」
あなたに出会えて想いを通わせられたのだから。
その指にキスを一つ。
それから、自分よりも一回り小さなあなたの身体にかぶさるようにして、その顔を見つめる。
あなたは、一度寝たら滅多なことでは起きない。それを良いことに、さらりと髪を退けて、そのまま首筋に吸い付いてみる。
夜を共にすることも多くなり、このベッドにもあなたの香りがしっかりと染み付いているのに、こうして首筋に顔を埋めれば、その香りは僕のコロンと同じで、愛おしさが増す。
一つついた赤い印。
本当は、このキスマークというものもたくさん付けたいのだけれど、それは内出血の痕なのだと聞いてから控え目にするようになった。
あなたは自分のものだという証に満足するのは自分だけだし、少しでも痛い思いはして欲しくない。あなた自身は、特に気にしていないどころか、もっと付けてくれていいのに、なんて小さい声で呟いていたのも、しっかり聞こえていたのだけれど、だからこそ、大事に大事に付けたいと思うのも事実なのだ。
もう一度、グ、と顔を埋めてその痕に触れるだけの口づけをするのと同時、僕の髪をふわりと撫でる感触がして、次いで聞こえる控え目な笑い声。
『…ふふっ…』
「!」
『おはようございます、にはまだ早いですよね…?アズール先輩、どうしたんです…?』
「珍しい…起きていたんですか…」
『いいえ、今起きました』
身体を重ねて、この距離感。触れ合う素肌は気持ちがいい。
別に何をしているわけでもないのに、無性に恥ずかしくてそこから動けなくなってしまった。
『…先輩?』
「なんですか」
『…恥ずかしがってます?』
「、べ、つに」
『ふふ、今更変なの…』
そっと頭を起こせば、柔らかに笑うあなたの顔がそこにあって、惹かれるままにキスをした。
最初はついばむみたいに。それからどんどん深く。
「ん、はッン…ん…ふ、」
『、ふ…、はっぁ…、ん、ぁ、』
僕の髪で遊んでいた手をそっと掴んで、指を絡めたまま布団に縫い付けた。
本当に、どうして。
こんな風にする予定じゃなかったし、負担もかけたくなかった。
でも
「、んっ、っんん…」
『ん…ふぅ…っ、ン』
また火照りをとりもどしていく身体と、その甘ったるい空気が、容赦なく僕を快楽の底へと堕としていく。
唇が離れると同時に、サイドランプに照らされて卑猥に光ったのは、繋がったままの銀の糸。
荒い呼吸が部屋を満たす。
まだ唇が触れるほどに近い距離で、あなたの蕩けた瞳を覗き込む。
僕の身体で壊してしまわないか心配になるくらい小さな身体だけれど、僕を受け入れられるのもあなただけなのだと。
空いている方の手で頬を撫でてやると困ったような顔をした。
『っはぁ…ハ、ァ…アズール、せ、んぱぃ…もぅ…』
「どうしましょう…またあなたが欲しくなってしまった」
『…先輩はほんと…そんな言い方…ダメです…そんなの、』
うるりと揺れる瞳が細められたと思ったら、小さな声で「私も先輩が欲しいです」と。
その言葉に微笑めば、アズール先輩がカッコ良すぎて困りますと言われたが、僕から言わせれば、あなたが可愛すぎて困りますけどね。
二人分の重みで軋むベットスプリングの音すら、僕たちを煽る材料の一つ。
ほの明るい海の底で、僕とあなただけがシーツの狭間で揺れている。
朝が来てもわからないかもしれませんね。
なんて独り言は、あなたの咥内に消えた。
アズール先輩、アズール先輩…すきっ…
そんな甘い声が脳裏で聞こえてーーー
「ん…」
引き上げられた意識。
うっすら目を開ければ、ぼや、とベッドサイドランプのオレンジ色が目の端に見えた。
一度目蓋を閉じれば、気怠さが自身を襲う。
手を動かそうとした刹那、腕に触れたそれをみて、頬が緩んだ。
「あなた…」
あどけない寝顔を見ると眠りに落ちる前まで行っていた情事が嘘のことのように思えるが、その肌の感触がありありと思い出せるので、全ては現実ということだ。
寝る前に手でも繋いでいたのだろうか。自分の腕に重ねられていた手を静かに持ち上げると、反射的にだと思うが、あなたの指がきゅっと丸まって絡みついてきて悶絶しそうになった。
すんでのところでグッと腹に力を入れて声を上げるのを耐え、ほぅと息をついた。
「…っ本当に…無意識だから困りますね…」
陸に上がってくることは、それ相応の努力が必要だった。呼吸、服を着る、歩く、走る、飛ぶ…挙げればキリがない。
しかしながら、好きな相手と、交尾…もとい性行為という、愛情の育み方があったことを知れただけでも、本当に良かったと思う。
人魚は、基本的な身体のつくりが魚と同じなため、生殖行為に幸せだとかそういう感情が湧かないのが常ではあるのだが、ヒトは違うんだなと。
本で得た知識ではよくわからなかったが、実際に体験すると、それはもう抜け出せない快感やら心を満たす気持ちやらで堪らないものがあった。
「僕は幸運でしたね」
あなたに出会えて想いを通わせられたのだから。
その指にキスを一つ。
それから、自分よりも一回り小さなあなたの身体にかぶさるようにして、その顔を見つめる。
あなたは、一度寝たら滅多なことでは起きない。それを良いことに、さらりと髪を退けて、そのまま首筋に吸い付いてみる。
夜を共にすることも多くなり、このベッドにもあなたの香りがしっかりと染み付いているのに、こうして首筋に顔を埋めれば、その香りは僕のコロンと同じで、愛おしさが増す。
一つついた赤い印。
本当は、このキスマークというものもたくさん付けたいのだけれど、それは内出血の痕なのだと聞いてから控え目にするようになった。
あなたは自分のものだという証に満足するのは自分だけだし、少しでも痛い思いはして欲しくない。あなた自身は、特に気にしていないどころか、もっと付けてくれていいのに、なんて小さい声で呟いていたのも、しっかり聞こえていたのだけれど、だからこそ、大事に大事に付けたいと思うのも事実なのだ。
もう一度、グ、と顔を埋めてその痕に触れるだけの口づけをするのと同時、僕の髪をふわりと撫でる感触がして、次いで聞こえる控え目な笑い声。
『…ふふっ…』
「!」
『おはようございます、にはまだ早いですよね…?アズール先輩、どうしたんです…?』
「珍しい…起きていたんですか…」
『いいえ、今起きました』
身体を重ねて、この距離感。触れ合う素肌は気持ちがいい。
別に何をしているわけでもないのに、無性に恥ずかしくてそこから動けなくなってしまった。
『…先輩?』
「なんですか」
『…恥ずかしがってます?』
「、べ、つに」
『ふふ、今更変なの…』
そっと頭を起こせば、柔らかに笑うあなたの顔がそこにあって、惹かれるままにキスをした。
最初はついばむみたいに。それからどんどん深く。
「ん、はッン…ん…ふ、」
『、ふ…、はっぁ…、ん、ぁ、』
僕の髪で遊んでいた手をそっと掴んで、指を絡めたまま布団に縫い付けた。
本当に、どうして。
こんな風にする予定じゃなかったし、負担もかけたくなかった。
でも
「、んっ、っんん…」
『ん…ふぅ…っ、ン』
また火照りをとりもどしていく身体と、その甘ったるい空気が、容赦なく僕を快楽の底へと堕としていく。
唇が離れると同時に、サイドランプに照らされて卑猥に光ったのは、繋がったままの銀の糸。
荒い呼吸が部屋を満たす。
まだ唇が触れるほどに近い距離で、あなたの蕩けた瞳を覗き込む。
僕の身体で壊してしまわないか心配になるくらい小さな身体だけれど、僕を受け入れられるのもあなただけなのだと。
空いている方の手で頬を撫でてやると困ったような顔をした。
『っはぁ…ハ、ァ…アズール、せ、んぱぃ…もぅ…』
「どうしましょう…またあなたが欲しくなってしまった」
『…先輩はほんと…そんな言い方…ダメです…そんなの、』
うるりと揺れる瞳が細められたと思ったら、小さな声で「私も先輩が欲しいです」と。
その言葉に微笑めば、アズール先輩がカッコ良すぎて困りますと言われたが、僕から言わせれば、あなたが可愛すぎて困りますけどね。
二人分の重みで軋むベットスプリングの音すら、僕たちを煽る材料の一つ。
ほの明るい海の底で、僕とあなただけがシーツの狭間で揺れている。
朝が来てもわからないかもしれませんね。
なんて独り言は、あなたの咥内に消えた。