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二月二十三日 午後二十三時五十五分。
ぐっすり眠っているグリムを部屋に置いて、私はベッドを抜け出した。
あと五分で二月二十四日になってしまうこの時に、私は相変わらず逃げの理由を探している。
「…バカの一つ覚えって思われるのが関の山だな…はぁ…」
自分の誕生日にも私をもらってくださいと言ったのに、先輩の誕生日には私がプレゼントです、なんて、安直だったと後悔の嵐。そもそも一体何をどうしたら自分がプレゼントになるのだ?今考えると烏滸がましいしお粗末すぎる。
向かった先のお風呂場でピラリと裾を翻したのは、色こそ純白で清楚なもののあらゆる場所で布が不足している、全体的に透明な服。
そうそれは、俗に言うベビードールである。
先輩は欲しいものなんて全部自分で手に入れてしまう。
その上食べ物は必要以上に食べてはくれない。
それじゃあ何が渡せるかって?そんなの私自身以外にはない!そうだそれしかない!それにそう約束済みだし!
…と言いながら、勢いで買ったベビードール以外何も用意しなかった自分を恨むがもう遅い。
『あらやだ!前リボンで可愛い!解いたら、そう中身の私がプレゼント!』
…私はバカなのか?こんな売り文句にコロリと騙されたのだ。
この時間、サムさんのお店はもう開いていないし通販では今すぐには届かない。
「腹を…括るしか…ない…か」
今は渡せるものがないのだ。
明日の朝にしよう。
そうだそうだ。そもそもこんな夜に押しかけたりするのも迷惑だ。
今日は寝よう、それがよい。明日は明日の風が吹く。
よしそうと決めたら着替えようと、ベビードールに手をかけたときだった。
ピロンピロン…ピロンピロン…
聞き慣れないメロディーラインが耳に届いて、一瞬何の音かと心臓を落っことしそうになったが、冷静に考えればそれは私のスマホの音に違いない。
鳴り止まないということは電話か?こんな時間に?メッセでよくない?
疑問ばかりを浮かべながらもディスプレイに目をやると、信じられないことに『アズール先輩』と表示されているではないか。
スマホを落としそうになりながらもなんとか通話ボタンをタップする。
「っあっハイ!コンバンハ!」
『…こんばんは。出ないので寝ているのかと思いました』
「遅くなってすみません!こんな時間に電話がくるとは思いもよらず!」
『いえ、構いません。こちらも不躾な時刻に連絡したと思っています』
「?じゃあどうして、」
『理由、わかりませんか?』
わからない、とは言わせない雰囲気。当たり前だけど、言わせたいんだろうなぁ。
さっき先輩の名前表示を見たときには、すでに0時となっていた。
別に言い渋ることでもないけれど、かかってきた電話で言うのもなんだかおかしな話だ。
「えっと…お誕生日おめでとうございます、アズール先輩」
『ありがとうございます』
少しだけ上擦った声。
そっか、最初から今夜はメッセージを送るだけにしておけばよかったと、自分の慌て具合に苦笑した。
日を跨ぐと同時に会おうとしていたなんて、と、カァッと顔が熱くなる。
「おめでとう、私が一番ですか?」
『いいえ、先にジェイドとフロイドに一頻り騒がれました。明日は…いや今日は、もっと煩くしてくれるらしいです。今から頭が痛い』
「ふふ、それは残念!でもさすがリーチ兄弟ですね!それに寮のみんなと楽しめる素敵な一日になりそうで良かった」
『…貴女は』
「ん?」
『貴女は、祝ってくださらないんですか』
「行っていいならもちろん私も行きますよ!いいんですか?」
『そうじゃなくて、』
暫しの沈黙。
それで先輩の意図を汲み取れる私は中々なものだと褒めてもらいたいのだけど、一番を幼馴染に取られた彼女にそんな権利はない。
「ふ、二人でのお祝いも、もちろん、させてください!お昼とかなら時間大丈夫ですか?」
『…』
「アズール先輩?」
『今』
「へ?いま?」
『今から、会いたいです』
「え!?!?!?」
自分の状況を思い出してハッとする。
今はまずい今は。
こんな服で、こんなボサボサ頭で、こんな夜中に。
準備してから出たらもっと夜更かしになってしまう。
そう慌てていて、つい、いつもの言葉が飛び出した。
「は、爆ぜました!」
『は?』
「監督生はオンボロ寮ごと爆ぜました!なので今からは無理です!おめでとうございます、また明日!ボカン!」
『まっ、』
我ながらバカな発言をしたと思った。
でも私もアズール先輩と似て、突然の事態には弱いんだ。
何も言わずに切らなかっただけでも偉かったということにしてください!
「あっ、待っ、て、どうしよう、一言くらいメッセージいれる?でもなんて?爆ぜましたさようなら?バカ!そんなんない方がマシ!じゃあ、えっと、おやすみ?」
だめだこれ。早く寝よう。それで昼じゃなくて朝一番にオクタヴィネルに向かって、顔を合わせてお祝いの言葉を言おう!
そう考えながらさっとパジャマをひっかけて風呂場を後にし、自室へ向かおうと廊下に繰り出せば、そんなまさか、あり得ない。迷ってたのたかが三分じゃん。
バンっとエントランスの扉が開け放たれた音に驚いて足が止まる。
そこから顔を覗かせたのは、当たり前だがアズール先輩だった。
走ってきたのかコートはなんだかヨレヨレだし、ストールや帽子は置いてきてしまったようでいつもよりも物足りない。
けど、見た目がどうあれ、それはまごうことなきアズール先輩だ。
先輩の姿をぽけっと見つめていると、雪崩れ込むように中に入ってきて、だんっ、と、壁に追いやって囲われた私。
どうやってこんなに早く、と聞こうとしたら、その前に大きく息を吸い込んで先輩の方が先に声を発した。
「プレゼントはっ!」
「へ?」
「プレゼントは、私、じゃないんですか!」
「!?」
真っ赤な顔で、眼鏡の奥からキッと私を見据えるその目。
そこから瞳を外せない。
「忘れたとは言わせない。くれると言ったから夜更かしも厭わず待っていたのに、貴女はメッセージをよこしもせず、部屋にも来ない。仕方なくこちらからコールすれば爆ぜましたと言うし…」
そう言ってからコテンと私の肩に落ちてきた頭。
爆ぜましたは封印してくださいと言ったでしょう、と、吐かれた溜め息が思ったよりも熱く肌を掠めて、ふるり、身体が震えた。
「ん、」
「それで」
「ふぇ…」
「この下着を見る限り、準備は整っていると言うことでよろしいですか」
パジャマから覗く下着の紐を引っ張ってそんなことを言うので心臓を口から落としそうになる。
「!?っちょ、だめ、です…!ここではグリムも寝てるんですよ…!」
「僕が何も知らないとでも?」
「へ?」
「オンボロ寮には余っている部屋がたくさんあって、いくつかはVDCのときに皆さんに提供していた…つまり、清掃済み、ということです」
「ッ!」
「図星ですね」
ニヤリと笑うその自信気な顔には、到底敵うわけがない。そのまま手を引かれて、自室とは別の部屋へと当たり前のように連れて行かれた。
先輩、ここ、私の寮なんですが?そんな勝手に…と言える雰囲気にはない。
パタリとドアが閉まれば、やけに静かになった気がしたので、恐らくついでに何らかの魔法が使われたのだろう。
「あ、あのぉ…」
「おや、このプレゼントは言葉を話すようですね」
「ッ!!茶化さないでくださいよっ!」
「ふっ…冗談ですよ。それで?今になって恥ずかしくでもなりました?真っ赤ですが」
さぁこちらへ、と座らされたベッドの上。
私の肩をトスッと押して、軽々と跨ってくるアズール先輩の身体。
とっくの昔に肌蹴てしまったパジャマの中。胸の中央にある最後の砦の頼りないリボンに手をかけるものだから、アワッとそれを止めた。
「ちょっ!何してるんですか!」
「おかしなことを言いますね。プレゼントをもらったら最初にやることは、リボンをほどくことでしょう?」
心底楽しそうに笑うものだからタチが悪い。
自分が仕掛けた罠なのに、相手にいいように扱われるのが悔しくて、言葉を絞り出す。
「っでも、開けたら返品はできないですからね!?」
「もらったプレゼントは開けたら僕のものだ。返品どころか、誰にも渡すつもりはありません」
もっともなことを言われては、もう、ぱくぱくと唇を動かすことしかできない。
その唇すらもチュッと吸われたら、私など俎板の鯉だ。
「まっ…!ぷ、プレゼントからのお願いが!!」
「この期に及んでまだ言いたいことが?…ですがまぁいいでしょう。慈悲の心で聞いて差し上げます」
「こ、ここまできたら、その、好きにしてもらって構わないですが、あの、ゆっくり、味わってください、よ…?」
「元よりそのつもりです。夜は長いし僕はモストロ・ラウンジの支配人ですよ?指の先までじっくり味わわせてもらいます。それではもう、黙ってくださいね」
おしゃべりなプレゼントは嫌われちゃうかもと、口を噤んで愛撫に耐えれば、そういう声は出してくれても構わないと言うもので。
もうどうにでもして!とバースデーボーイの身体を抱きしめて、こう願うに留めた。
「アズール先輩がこの一年、幸せいっぱいでいられますように!」
明日は平日なんですから、ほどほどにしてくださいね。
ぐっすり眠っているグリムを部屋に置いて、私はベッドを抜け出した。
あと五分で二月二十四日になってしまうこの時に、私は相変わらず逃げの理由を探している。
「…バカの一つ覚えって思われるのが関の山だな…はぁ…」
自分の誕生日にも私をもらってくださいと言ったのに、先輩の誕生日には私がプレゼントです、なんて、安直だったと後悔の嵐。そもそも一体何をどうしたら自分がプレゼントになるのだ?今考えると烏滸がましいしお粗末すぎる。
向かった先のお風呂場でピラリと裾を翻したのは、色こそ純白で清楚なもののあらゆる場所で布が不足している、全体的に透明な服。
そうそれは、俗に言うベビードールである。
先輩は欲しいものなんて全部自分で手に入れてしまう。
その上食べ物は必要以上に食べてはくれない。
それじゃあ何が渡せるかって?そんなの私自身以外にはない!そうだそれしかない!それにそう約束済みだし!
…と言いながら、勢いで買ったベビードール以外何も用意しなかった自分を恨むがもう遅い。
『あらやだ!前リボンで可愛い!解いたら、そう中身の私がプレゼント!』
…私はバカなのか?こんな売り文句にコロリと騙されたのだ。
この時間、サムさんのお店はもう開いていないし通販では今すぐには届かない。
「腹を…括るしか…ない…か」
今は渡せるものがないのだ。
明日の朝にしよう。
そうだそうだ。そもそもこんな夜に押しかけたりするのも迷惑だ。
今日は寝よう、それがよい。明日は明日の風が吹く。
よしそうと決めたら着替えようと、ベビードールに手をかけたときだった。
ピロンピロン…ピロンピロン…
聞き慣れないメロディーラインが耳に届いて、一瞬何の音かと心臓を落っことしそうになったが、冷静に考えればそれは私のスマホの音に違いない。
鳴り止まないということは電話か?こんな時間に?メッセでよくない?
疑問ばかりを浮かべながらもディスプレイに目をやると、信じられないことに『アズール先輩』と表示されているではないか。
スマホを落としそうになりながらもなんとか通話ボタンをタップする。
「っあっハイ!コンバンハ!」
『…こんばんは。出ないので寝ているのかと思いました』
「遅くなってすみません!こんな時間に電話がくるとは思いもよらず!」
『いえ、構いません。こちらも不躾な時刻に連絡したと思っています』
「?じゃあどうして、」
『理由、わかりませんか?』
わからない、とは言わせない雰囲気。当たり前だけど、言わせたいんだろうなぁ。
さっき先輩の名前表示を見たときには、すでに0時となっていた。
別に言い渋ることでもないけれど、かかってきた電話で言うのもなんだかおかしな話だ。
「えっと…お誕生日おめでとうございます、アズール先輩」
『ありがとうございます』
少しだけ上擦った声。
そっか、最初から今夜はメッセージを送るだけにしておけばよかったと、自分の慌て具合に苦笑した。
日を跨ぐと同時に会おうとしていたなんて、と、カァッと顔が熱くなる。
「おめでとう、私が一番ですか?」
『いいえ、先にジェイドとフロイドに一頻り騒がれました。明日は…いや今日は、もっと煩くしてくれるらしいです。今から頭が痛い』
「ふふ、それは残念!でもさすがリーチ兄弟ですね!それに寮のみんなと楽しめる素敵な一日になりそうで良かった」
『…貴女は』
「ん?」
『貴女は、祝ってくださらないんですか』
「行っていいならもちろん私も行きますよ!いいんですか?」
『そうじゃなくて、』
暫しの沈黙。
それで先輩の意図を汲み取れる私は中々なものだと褒めてもらいたいのだけど、一番を幼馴染に取られた彼女にそんな権利はない。
「ふ、二人でのお祝いも、もちろん、させてください!お昼とかなら時間大丈夫ですか?」
『…』
「アズール先輩?」
『今』
「へ?いま?」
『今から、会いたいです』
「え!?!?!?」
自分の状況を思い出してハッとする。
今はまずい今は。
こんな服で、こんなボサボサ頭で、こんな夜中に。
準備してから出たらもっと夜更かしになってしまう。
そう慌てていて、つい、いつもの言葉が飛び出した。
「は、爆ぜました!」
『は?』
「監督生はオンボロ寮ごと爆ぜました!なので今からは無理です!おめでとうございます、また明日!ボカン!」
『まっ、』
我ながらバカな発言をしたと思った。
でも私もアズール先輩と似て、突然の事態には弱いんだ。
何も言わずに切らなかっただけでも偉かったということにしてください!
「あっ、待っ、て、どうしよう、一言くらいメッセージいれる?でもなんて?爆ぜましたさようなら?バカ!そんなんない方がマシ!じゃあ、えっと、おやすみ?」
だめだこれ。早く寝よう。それで昼じゃなくて朝一番にオクタヴィネルに向かって、顔を合わせてお祝いの言葉を言おう!
そう考えながらさっとパジャマをひっかけて風呂場を後にし、自室へ向かおうと廊下に繰り出せば、そんなまさか、あり得ない。迷ってたのたかが三分じゃん。
バンっとエントランスの扉が開け放たれた音に驚いて足が止まる。
そこから顔を覗かせたのは、当たり前だがアズール先輩だった。
走ってきたのかコートはなんだかヨレヨレだし、ストールや帽子は置いてきてしまったようでいつもよりも物足りない。
けど、見た目がどうあれ、それはまごうことなきアズール先輩だ。
先輩の姿をぽけっと見つめていると、雪崩れ込むように中に入ってきて、だんっ、と、壁に追いやって囲われた私。
どうやってこんなに早く、と聞こうとしたら、その前に大きく息を吸い込んで先輩の方が先に声を発した。
「プレゼントはっ!」
「へ?」
「プレゼントは、私、じゃないんですか!」
「!?」
真っ赤な顔で、眼鏡の奥からキッと私を見据えるその目。
そこから瞳を外せない。
「忘れたとは言わせない。くれると言ったから夜更かしも厭わず待っていたのに、貴女はメッセージをよこしもせず、部屋にも来ない。仕方なくこちらからコールすれば爆ぜましたと言うし…」
そう言ってからコテンと私の肩に落ちてきた頭。
爆ぜましたは封印してくださいと言ったでしょう、と、吐かれた溜め息が思ったよりも熱く肌を掠めて、ふるり、身体が震えた。
「ん、」
「それで」
「ふぇ…」
「この下着を見る限り、準備は整っていると言うことでよろしいですか」
パジャマから覗く下着の紐を引っ張ってそんなことを言うので心臓を口から落としそうになる。
「!?っちょ、だめ、です…!ここではグリムも寝てるんですよ…!」
「僕が何も知らないとでも?」
「へ?」
「オンボロ寮には余っている部屋がたくさんあって、いくつかはVDCのときに皆さんに提供していた…つまり、清掃済み、ということです」
「ッ!」
「図星ですね」
ニヤリと笑うその自信気な顔には、到底敵うわけがない。そのまま手を引かれて、自室とは別の部屋へと当たり前のように連れて行かれた。
先輩、ここ、私の寮なんですが?そんな勝手に…と言える雰囲気にはない。
パタリとドアが閉まれば、やけに静かになった気がしたので、恐らくついでに何らかの魔法が使われたのだろう。
「あ、あのぉ…」
「おや、このプレゼントは言葉を話すようですね」
「ッ!!茶化さないでくださいよっ!」
「ふっ…冗談ですよ。それで?今になって恥ずかしくでもなりました?真っ赤ですが」
さぁこちらへ、と座らされたベッドの上。
私の肩をトスッと押して、軽々と跨ってくるアズール先輩の身体。
とっくの昔に肌蹴てしまったパジャマの中。胸の中央にある最後の砦の頼りないリボンに手をかけるものだから、アワッとそれを止めた。
「ちょっ!何してるんですか!」
「おかしなことを言いますね。プレゼントをもらったら最初にやることは、リボンをほどくことでしょう?」
心底楽しそうに笑うものだからタチが悪い。
自分が仕掛けた罠なのに、相手にいいように扱われるのが悔しくて、言葉を絞り出す。
「っでも、開けたら返品はできないですからね!?」
「もらったプレゼントは開けたら僕のものだ。返品どころか、誰にも渡すつもりはありません」
もっともなことを言われては、もう、ぱくぱくと唇を動かすことしかできない。
その唇すらもチュッと吸われたら、私など俎板の鯉だ。
「まっ…!ぷ、プレゼントからのお願いが!!」
「この期に及んでまだ言いたいことが?…ですがまぁいいでしょう。慈悲の心で聞いて差し上げます」
「こ、ここまできたら、その、好きにしてもらって構わないですが、あの、ゆっくり、味わってください、よ…?」
「元よりそのつもりです。夜は長いし僕はモストロ・ラウンジの支配人ですよ?指の先までじっくり味わわせてもらいます。それではもう、黙ってくださいね」
おしゃべりなプレゼントは嫌われちゃうかもと、口を噤んで愛撫に耐えれば、そういう声は出してくれても構わないと言うもので。
もうどうにでもして!とバースデーボーイの身体を抱きしめて、こう願うに留めた。
「アズール先輩がこの一年、幸せいっぱいでいられますように!」
明日は平日なんですから、ほどほどにしてくださいね。