未入力の場合は、あなた、が設定されます
Azul
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「っ、ふは…」
「ンッ、ぁ…んぅ、」
ずるりと胎内から抜けていった熱を身体の中に留めておけないことが胸を焦がした。
後処理のために離れていく身体を力の入らない腕でくんっと引き寄せると、「おっと…」と驚いた声が耳に届く。
「…?どうしました。珍しいですね…甘えるなんて」
「……だめ、ですか?」
「いいえまさか、そんなことあるわけないでしょう。ですが理由は聞きたいですね。せっかく可愛いことをしてくれたんですから」
「む。普段が可愛くないように言う」
「言葉尻だけ掬わないでください。いつでもかわいいですよ。普段は可愛いって言うと否定するくせに」
「っ…だって、恥ずかしいから…随分、歳もとったし」
「妻のことを可愛いって言うのは一生です」
「ふ、ふふっ…そっか、アズールさんですもんね」
少しだけ腕を緩めて、愛しの旦那様の肩口から顔を上げたら、チョンっと触れるだけのキスをされた。
アズールさんもずーっとずーっとかっこいいですよ、といえば、それはそれで恥ずかしがるんだから、お互い様というものだ。
彼の身体に擦り寄ってみせれば、忘れられていなかった疑問がもう一度問いかけられる。
「それで?理由は?」
「…忘れられてなかった…」
「残念ながら忘れませんね。はぐらかされたら困るので」
「忘れてて欲しかったんですけどね…ふふっ…まぁ、なんて言うか、戯言として聞き流して欲しいんですけど」
「内容によりますね」
「…じゃあ言わないですよ?」
「それは無理ですね。あなたに断る権限はありません」
茶化してもなんでも、結局言わされるんだから。
どっちが可愛いんだか、とはいつも思わされることだけど、いつでも苦笑してしまう。
ただ、今から言うことは、その内容が内容なので、まずは一旦深呼吸。
それから言葉をゆっくりと紡いだ。
「ちょっと、ね。ちょっとだけですね、私の中に何も残らないのって、こんなに寂しかったかな、って思って」
「?残らない?どう言うことです?」
「んも…言わせないでくださいよ…!」
「??」
「本当にわからないんですか!?…っ…だから、ナカ、に……その、避妊、いる、でしょう…、今すぐは産めない…から、」
「んん!?」
お得意のカエルの潰れたような声を発して、瞬時にボンっと顔を真っ赤にしたアズールさんは、かけてもいないのに鼻の頭に手をやって、エア眼鏡ブリッジに触れてクイっとした。
そうなのだ。先日かわいいかわいい双子をこの世に誕生させた私は、当たり前だけれどこれまでずっと彼の熱を体内にもらっていたので、久しぶりに一枚の壁を隔てた感覚が、どうにも不思議というか寂しいというか、そんな風に思えてしまった。
計画通りというと聞こえが悪いのだけれど、子供を産み、育てるというのには責任も体力も時間も、それからお金だって必要で、したいからして好き勝手産むなど、いい大人ができるはずもないしやってはいけないと、私もアズールさんも思っている。
一人のわがままで無責任なことはしない。当たり前のことだ。
まぁ…スヤスヤ眠る天使は二人。その横で喘ぎ声を聞かせるというのも教育に悪いのだが、それだけは仕方ないこととして許してほしい。
私もだけど、アズールさんだって随分我慢してくれてるはず。
たまには愛し合わせてほしいと思う。これはわがままではないって思いたい。
「ぼ、ぼく、は、僕の、が、っ……………はぁ…貴女…本当に…、僕のこと好きですね…」
「!?な、」
「……無責任なことはできないので…そのお願いを聞くことはできませんが、」
「わかってます。大丈夫…それに、今また子供を授かったら、もっとアズールさんとの時間が減っちゃいますしね」
あっ、と思った時にはもう遅い。
飛び出た言葉は口の中に戻ることはないし、時間も巻き戻ることはないのだ。
そろ…と、アズールさんの方に視線を戻すと、キョトンとした表情の中にも少しずつ嬉しさのようなものが混じり始めていた。
「あなたは、僕にもっと構って欲しかったんですか…?」
「っ…!!」
「そうですか!それなら今日はたっぷり可愛がって差し上げないと!」
「っちが!?、まっ、も、ふゃ!」
「夜は短し始めよ夫婦生活、ですよ」
「んもぉ何ですそれ!変な言葉作らないでっ、ぁ、ゃ…っン!」
「…寂しくないように何度でも抱きますから」
「…!」
突然、ふっとトーンを落とした優しい声で囁くものだから、なんだか胸がいっぱいになってしまった。
こうなっては私はアズールさんに身を委ねるしかない。
なんだかんだ、愛される幸せを知ってしまっては、もうこの愛しさを手放す術はあるはずないから、好きですよ、と囁いて。
愛の形はたくさんあるの。そうね、こうしてこれからも、どんどん変わっていく愛で、私を満たしてくれるんでしょう。
代わりに私も、貴方の心を満たすから、ずっと一緒にいてくださいね。
「ンッ、ぁ…んぅ、」
ずるりと胎内から抜けていった熱を身体の中に留めておけないことが胸を焦がした。
後処理のために離れていく身体を力の入らない腕でくんっと引き寄せると、「おっと…」と驚いた声が耳に届く。
「…?どうしました。珍しいですね…甘えるなんて」
「……だめ、ですか?」
「いいえまさか、そんなことあるわけないでしょう。ですが理由は聞きたいですね。せっかく可愛いことをしてくれたんですから」
「む。普段が可愛くないように言う」
「言葉尻だけ掬わないでください。いつでもかわいいですよ。普段は可愛いって言うと否定するくせに」
「っ…だって、恥ずかしいから…随分、歳もとったし」
「妻のことを可愛いって言うのは一生です」
「ふ、ふふっ…そっか、アズールさんですもんね」
少しだけ腕を緩めて、愛しの旦那様の肩口から顔を上げたら、チョンっと触れるだけのキスをされた。
アズールさんもずーっとずーっとかっこいいですよ、といえば、それはそれで恥ずかしがるんだから、お互い様というものだ。
彼の身体に擦り寄ってみせれば、忘れられていなかった疑問がもう一度問いかけられる。
「それで?理由は?」
「…忘れられてなかった…」
「残念ながら忘れませんね。はぐらかされたら困るので」
「忘れてて欲しかったんですけどね…ふふっ…まぁ、なんて言うか、戯言として聞き流して欲しいんですけど」
「内容によりますね」
「…じゃあ言わないですよ?」
「それは無理ですね。あなたに断る権限はありません」
茶化してもなんでも、結局言わされるんだから。
どっちが可愛いんだか、とはいつも思わされることだけど、いつでも苦笑してしまう。
ただ、今から言うことは、その内容が内容なので、まずは一旦深呼吸。
それから言葉をゆっくりと紡いだ。
「ちょっと、ね。ちょっとだけですね、私の中に何も残らないのって、こんなに寂しかったかな、って思って」
「?残らない?どう言うことです?」
「んも…言わせないでくださいよ…!」
「??」
「本当にわからないんですか!?…っ…だから、ナカ、に……その、避妊、いる、でしょう…、今すぐは産めない…から、」
「んん!?」
お得意のカエルの潰れたような声を発して、瞬時にボンっと顔を真っ赤にしたアズールさんは、かけてもいないのに鼻の頭に手をやって、エア眼鏡ブリッジに触れてクイっとした。
そうなのだ。先日かわいいかわいい双子をこの世に誕生させた私は、当たり前だけれどこれまでずっと彼の熱を体内にもらっていたので、久しぶりに一枚の壁を隔てた感覚が、どうにも不思議というか寂しいというか、そんな風に思えてしまった。
計画通りというと聞こえが悪いのだけれど、子供を産み、育てるというのには責任も体力も時間も、それからお金だって必要で、したいからして好き勝手産むなど、いい大人ができるはずもないしやってはいけないと、私もアズールさんも思っている。
一人のわがままで無責任なことはしない。当たり前のことだ。
まぁ…スヤスヤ眠る天使は二人。その横で喘ぎ声を聞かせるというのも教育に悪いのだが、それだけは仕方ないこととして許してほしい。
私もだけど、アズールさんだって随分我慢してくれてるはず。
たまには愛し合わせてほしいと思う。これはわがままではないって思いたい。
「ぼ、ぼく、は、僕の、が、っ……………はぁ…貴女…本当に…、僕のこと好きですね…」
「!?な、」
「……無責任なことはできないので…そのお願いを聞くことはできませんが、」
「わかってます。大丈夫…それに、今また子供を授かったら、もっとアズールさんとの時間が減っちゃいますしね」
あっ、と思った時にはもう遅い。
飛び出た言葉は口の中に戻ることはないし、時間も巻き戻ることはないのだ。
そろ…と、アズールさんの方に視線を戻すと、キョトンとした表情の中にも少しずつ嬉しさのようなものが混じり始めていた。
「あなたは、僕にもっと構って欲しかったんですか…?」
「っ…!!」
「そうですか!それなら今日はたっぷり可愛がって差し上げないと!」
「っちが!?、まっ、も、ふゃ!」
「夜は短し始めよ夫婦生活、ですよ」
「んもぉ何ですそれ!変な言葉作らないでっ、ぁ、ゃ…っン!」
「…寂しくないように何度でも抱きますから」
「…!」
突然、ふっとトーンを落とした優しい声で囁くものだから、なんだか胸がいっぱいになってしまった。
こうなっては私はアズールさんに身を委ねるしかない。
なんだかんだ、愛される幸せを知ってしまっては、もうこの愛しさを手放す術はあるはずないから、好きですよ、と囁いて。
愛の形はたくさんあるの。そうね、こうしてこれからも、どんどん変わっていく愛で、私を満たしてくれるんでしょう。
代わりに私も、貴方の心を満たすから、ずっと一緒にいてくださいね。