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<赤面 800文字シリーズ1 アズール>
週末。お決まりのように先輩のお部屋にお邪魔することになった私。
部屋に足を踏み入れた途端、腕を引かれて抱き留められ、首筋に熱い吐息を感じる。
それだけで私の身体はブルリと反応してしまう。けれど今日は、理性が行為を止めにかかった。
「あ、あの、ンんっ」
「…っふ、なんですか」
吐息交じりに耳元で囁くのは反則だ。こちらはすでに立っているのがやっとなのだから。
自分の足を叱咤しながら『お風呂に入りたい、です』と小さく告げれば、ふむ、と言いつつ私の髪に指が絡んだ。
「一緒に入りますか?」
「はい…え、一緒!?」
「バスタイムはご一緒したことありませんから。どうです?」
髪を撫でていた手が、ツ、と頬を滑ったと思ったら私の顎を捉えて上を向かされる。
唇の下のほくろに楽しそうに上がる口元。少しだけ染まった頬。そして合わさった視線。
一つ一つ視線で追ううちに、私の方がボンっと顔を真っ赤にしてしまった。
いつからだろう、こんなに翻弄されるようになったのは。
最初は同じくらい真っ赤になっていたはずだったのに。
「無理、ですっ!!」
「どうして?いつもそれ以上のことをしているのに」
「だ、だって、お風呂は、明るい、ですしっ」
「暗くたって見えてますけれど」
「気持ちの問題です!」
そういえば、それは残念だ、とクスクス笑われてしまった。
その様になんだか歳の差を感じてチクリと胸が痛む。
「アズール先輩だけどんどん大人になっちゃう…」
「そう見えるなら嬉しいですが…実際は…」
先輩の寮服を握っていた手をそっとその胸に当てられて、びくりとするよりも先にドクドクと心臓が打つ音が掌に響いてハッとする。
「!」
「割と頑張っているんですよ、僕も」
告げられた本音に喜んでしまうなんて。
「…アズール先輩の、仰せのままに…」
「対価に、とびきりの時間を、貴女に」
私はもう、逃れられない。
ーーー
<赤面 800文字シリーズ2 ジェイド>
「僕、貴女の赤く染まったその顔が好きなんですよね」
「?!」
「最近はスキンシップにも慣れてきたようですので、その表情があまり見られなくて残念です」
ジェイド先輩といわゆる恋人らしいことをするのは、決まってオンボロ寮の私の部屋。
先輩のお部屋はフロイド先輩がいるので無理だと拒否し続けていたら、いつの間にかそういうルールができていた。
強引だけれど、私が本当に嫌だということは絶対にしない。先輩は、根は紳士できっと優しいのだ。
そうはいってもこういうことに慣れた訳では、決してない。
「ン…ッ…!じぇ、いど、先輩、待って…!」
当たり前のように服の下から差し込まれた大きな掌で腹を撫でられて、身体を捩ると頭の上から笑い声がした。
私は真っ赤なのに先輩は涼やかな顔でただただ楽しそうで、とてもずるい。
「ふふっ…やはりその表情、たまりませんね…」
「ぁっ…!」
身長差も物ともせずグッと身体を折り曲げたジェイド先輩は、シャツから覗く私の首筋をはむはむと啄ばんだ。
歯型をつけるでもなく、キスをするでもなく。しかしそれはそれで感じてしまって恥ずかしい。
「そんな声を聞くと、なかなかどうして…可愛がって差し上げたいのに、虐めたくもなってしまいますね」
「せ、んぱいの場合、かわいがるも、いじ、めるのも、同じ、でしょうっ」
「おや、よくご存知で」
「も…今日は一緒に寝てくれるって、言ってたじゃないですか…!これじゃ…」
「ですがこうしたらもっと暖かくなって、ぐっすり眠れるかもしれませんよ?」
「疲れが溜まってぐっすり眠れる、の間違いでしょう!んっ!」
「ふふっ…冗談ですよ。貴女の仰せのままに」
そう言って私を解放し、広げられた腕。
そこに自分から飛び込んでしまうあたり、私はもう捕らわれているのだろう。
先輩の腕の檻は暖かくて心地よい。
おやすみなさいジェイド先輩と、小さな声で呟いた。
ーーー
<赤面 800文字シリーズ3 フロイド>
ぽつり、ぽつり
その色から降るだろうことは想像できたが、これほど早く降ってくるとは思わなかった。
空が泣き始めたら、地上にいるものたちはそれを身に受ける以外の道はない。
「あー、降ってきたぁ」
「フロイド先輩っ!ほら早く!」
「えー?別に濡れてもよくね?」
「ダメですよ!人間はっ、身体を冷やすと風邪を引くんですよ!」
「オレ人魚」
「今は!人型です!」
『パルクール見せたげる』と言われて、中庭を走り回っていた先輩をなんとか廊下に引き戻したときには、私までびしょ濡れ。
早く部屋に帰って暖かいシャワーを浴びて紅茶の一杯でも飲まないと、私とて風邪を引くことは免れないだろう。
夏の終わりの今日この頃は、自分が考えるよりも寒さが厳しい時期なのだから。
「ひゃー…びちゃびちゃ!」
「あはー!ニンゲンでも動きにくくなるときがあ…っ、」
「?」
「小エビちゃん!」
「ひっ?!」
突然フロイド先輩の胸に抱きかかえられ、私はバランスを崩す。勢い、先輩の首に手を巻きつけた。
そんな私の慌てっぷりには目もくれず、先輩はそのまま廊下を駆け出した。
「なんでっ…」
「へ?」
「普通は下着とか…キャミソールとか着るもんでしょっ?!」
そのセリフから連想されるのはたった一つ。
私の制服はびしょ濡れで。
さすればそれは肌にピタリとくっつく。
つまりは、ブラジャーが透けている。
薄青の花柄が、丸見えだ。
「ご、めんなさぃ…!」
「…別の奴と一緒だったらそいつ締め上げるとこだった」
「でもっ、フロイド先輩も同罪ですよ…雨降りそうって言っても止めなかったんですもん」
「それとこれとは話が別〜っ」
「そんなぁっ…!」
「だから、罰としてぇ」
『小エビちゃんには、オレの抱き枕してもらいまぁーす!寮についたら、お風呂入って、明日までゆーっくりしようね!』と、嬉しそうな先輩の声が、ゆっくりと雨に吸い込まれた。
週末。お決まりのように先輩のお部屋にお邪魔することになった私。
部屋に足を踏み入れた途端、腕を引かれて抱き留められ、首筋に熱い吐息を感じる。
それだけで私の身体はブルリと反応してしまう。けれど今日は、理性が行為を止めにかかった。
「あ、あの、ンんっ」
「…っふ、なんですか」
吐息交じりに耳元で囁くのは反則だ。こちらはすでに立っているのがやっとなのだから。
自分の足を叱咤しながら『お風呂に入りたい、です』と小さく告げれば、ふむ、と言いつつ私の髪に指が絡んだ。
「一緒に入りますか?」
「はい…え、一緒!?」
「バスタイムはご一緒したことありませんから。どうです?」
髪を撫でていた手が、ツ、と頬を滑ったと思ったら私の顎を捉えて上を向かされる。
唇の下のほくろに楽しそうに上がる口元。少しだけ染まった頬。そして合わさった視線。
一つ一つ視線で追ううちに、私の方がボンっと顔を真っ赤にしてしまった。
いつからだろう、こんなに翻弄されるようになったのは。
最初は同じくらい真っ赤になっていたはずだったのに。
「無理、ですっ!!」
「どうして?いつもそれ以上のことをしているのに」
「だ、だって、お風呂は、明るい、ですしっ」
「暗くたって見えてますけれど」
「気持ちの問題です!」
そういえば、それは残念だ、とクスクス笑われてしまった。
その様になんだか歳の差を感じてチクリと胸が痛む。
「アズール先輩だけどんどん大人になっちゃう…」
「そう見えるなら嬉しいですが…実際は…」
先輩の寮服を握っていた手をそっとその胸に当てられて、びくりとするよりも先にドクドクと心臓が打つ音が掌に響いてハッとする。
「!」
「割と頑張っているんですよ、僕も」
告げられた本音に喜んでしまうなんて。
「…アズール先輩の、仰せのままに…」
「対価に、とびきりの時間を、貴女に」
私はもう、逃れられない。
ーーー
<赤面 800文字シリーズ2 ジェイド>
「僕、貴女の赤く染まったその顔が好きなんですよね」
「?!」
「最近はスキンシップにも慣れてきたようですので、その表情があまり見られなくて残念です」
ジェイド先輩といわゆる恋人らしいことをするのは、決まってオンボロ寮の私の部屋。
先輩のお部屋はフロイド先輩がいるので無理だと拒否し続けていたら、いつの間にかそういうルールができていた。
強引だけれど、私が本当に嫌だということは絶対にしない。先輩は、根は紳士できっと優しいのだ。
そうはいってもこういうことに慣れた訳では、決してない。
「ン…ッ…!じぇ、いど、先輩、待って…!」
当たり前のように服の下から差し込まれた大きな掌で腹を撫でられて、身体を捩ると頭の上から笑い声がした。
私は真っ赤なのに先輩は涼やかな顔でただただ楽しそうで、とてもずるい。
「ふふっ…やはりその表情、たまりませんね…」
「ぁっ…!」
身長差も物ともせずグッと身体を折り曲げたジェイド先輩は、シャツから覗く私の首筋をはむはむと啄ばんだ。
歯型をつけるでもなく、キスをするでもなく。しかしそれはそれで感じてしまって恥ずかしい。
「そんな声を聞くと、なかなかどうして…可愛がって差し上げたいのに、虐めたくもなってしまいますね」
「せ、んぱいの場合、かわいがるも、いじ、めるのも、同じ、でしょうっ」
「おや、よくご存知で」
「も…今日は一緒に寝てくれるって、言ってたじゃないですか…!これじゃ…」
「ですがこうしたらもっと暖かくなって、ぐっすり眠れるかもしれませんよ?」
「疲れが溜まってぐっすり眠れる、の間違いでしょう!んっ!」
「ふふっ…冗談ですよ。貴女の仰せのままに」
そう言って私を解放し、広げられた腕。
そこに自分から飛び込んでしまうあたり、私はもう捕らわれているのだろう。
先輩の腕の檻は暖かくて心地よい。
おやすみなさいジェイド先輩と、小さな声で呟いた。
ーーー
<赤面 800文字シリーズ3 フロイド>
ぽつり、ぽつり
その色から降るだろうことは想像できたが、これほど早く降ってくるとは思わなかった。
空が泣き始めたら、地上にいるものたちはそれを身に受ける以外の道はない。
「あー、降ってきたぁ」
「フロイド先輩っ!ほら早く!」
「えー?別に濡れてもよくね?」
「ダメですよ!人間はっ、身体を冷やすと風邪を引くんですよ!」
「オレ人魚」
「今は!人型です!」
『パルクール見せたげる』と言われて、中庭を走り回っていた先輩をなんとか廊下に引き戻したときには、私までびしょ濡れ。
早く部屋に帰って暖かいシャワーを浴びて紅茶の一杯でも飲まないと、私とて風邪を引くことは免れないだろう。
夏の終わりの今日この頃は、自分が考えるよりも寒さが厳しい時期なのだから。
「ひゃー…びちゃびちゃ!」
「あはー!ニンゲンでも動きにくくなるときがあ…っ、」
「?」
「小エビちゃん!」
「ひっ?!」
突然フロイド先輩の胸に抱きかかえられ、私はバランスを崩す。勢い、先輩の首に手を巻きつけた。
そんな私の慌てっぷりには目もくれず、先輩はそのまま廊下を駆け出した。
「なんでっ…」
「へ?」
「普通は下着とか…キャミソールとか着るもんでしょっ?!」
そのセリフから連想されるのはたった一つ。
私の制服はびしょ濡れで。
さすればそれは肌にピタリとくっつく。
つまりは、ブラジャーが透けている。
薄青の花柄が、丸見えだ。
「ご、めんなさぃ…!」
「…別の奴と一緒だったらそいつ締め上げるとこだった」
「でもっ、フロイド先輩も同罪ですよ…雨降りそうって言っても止めなかったんですもん」
「それとこれとは話が別〜っ」
「そんなぁっ…!」
「だから、罰としてぇ」
『小エビちゃんには、オレの抱き枕してもらいまぁーす!寮についたら、お風呂入って、明日までゆーっくりしようね!』と、嬉しそうな先輩の声が、ゆっくりと雨に吸い込まれた。