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庭球
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好きだったら、そいつのために何ができるか考えてしまうのは当然でしょう。
友達だって、家族にだって…それは彼氏だって同じこと。
離ればなれよりも何よりも、自分がお荷物になるのが一番辛いんだってば…
わかって…
「……それで?」
『…いやだから…』
「話の内容は理解した。だが、小夏の考えがわからん。」
『うー…だから悩んでるんだってばぁぁ…』
「私はわかりますよ。他人を思いやる小夏さんの気持ち。」
「お前って本当…人中心に動くんだな。そういうの、尊敬だぜ。」
『うわぁん!柳生もジャッカルも優しいっ!』
あたしは今、柳、柳生、ジャッカルの三人に相談をもちかけていた。
内容はもちろん精市の進路のこと。
ちなみに真田は精市に近すぎるから却下。黙っていられるタイプじゃなさそうだし。他の三人にも、気軽に話せる内容じゃなかったから。
「わかるわからんの問題ではないだろう。」
『…それはそうだけどさ…』
「柳君、恋の病ですよ。細かいことは気にしなくていいんです。今読んでいるラブポエムを読み終わり次第お貸「遠慮しておく。」…そうですか…」
『…柳の開眼、久しぶりにみた…』
「まぁでもな…幸村はここに残るってはっきり言ってんだろ。そこは意見として受け入れてやりゃいいと俺は思うぜ?」
『うー…』
わかってる。
わかってる…つもり。
精市の人生だもん。あたしに口出しする権利はない。
けど…けどね?
あたしが告白しなければ、精市の世界が広がったんだと思うと、やっぱり居たたまれないんだよね。
「精市は、軽率な考えを言うこともなければ、簡単に意見を変えることもない。お前が考えているようなことはないと思うが?」
「そうですね…幸村君の意思の強さは誰もが認めていますし」
『それは…まぁ…』
「……そんな小夏の気持ちを知っての行動かもしれんな…」
『?柳?』
「いや…なんでもない。気にするな」
『ふん?』
はっきり言ってもらわないとバカなあたしは理解できないんだけどな。
まぁいいか。
そもそも参謀の頭の中を読むのが不可能なんだ。
参謀でなくともテニス部の奴等の頭の中なんて、あの赤也が相手でも、無理だ。
何手先まで読まれてる。
いつだってあたしには一つか、多くても二つしか道は残されていないんだ。
………あれ?これって結果的に理不尽ってやつじゃね?
また一人、難しい顔をしていたのだろう。
ジャッカルが目の前でひらひら手をかざしてるのに気づかなかった。
柳にぺちんとデコピンされてハッと我にかえる。
『ハッ』
「一人で考えこむな。この問題に答えはないぞ。」
「小夏さんは顔に出やすいタイプですよ」
「考えるならバレないようにしろよな」
『……そんなにバレやすいかな…あ!ごめんね三人とも!もう行かなきゃ!ありがと!』
「おぉ?待ち合わせか?」
「礼には及ばん」
「聞くだけならいつでもできますから」
『わぁぁん!ありがとう!じゃあまた!』
三人にお礼を言って、あたしはカバンをひっつかみ、昇降口へと急いだ。
*
『ぎゃっふあ!』
ドスッ
「やぁ小夏遅れてくるなんていい度胸じゃないか。ありがたく思いなよ。迎えに来てあげたんだよ?」
『――っ!!精市……!』
昇降口に向かって、(自分なりに)廊下を全力疾走していたら、足を引っかけられて転びそうになった…が、運よく反対の足を床に叩き付けれて立ち止まる。
振り返るまでもなく、その足の先にいるのは、幸村精市様だった。
『わ―ありがとうございます―』
「なにその棒読み。いらっとくるんだけど。いらっと。彼氏に迎えに来てもらえる彼女。理想の恋人だろ?」
『足さえなければね』
「一言多い。俺の愛情表現がわかってもらえないなんて…愛想もつきるよまったく」
と、突然くるり背中を向けて歩き始めた精市。
あたしは呆れ、少しだけ怒っていたはず…なのに
なのにいつもよりアッサリしたやり取りに不安を覚えて、普段ならしないような行動を起こしていた。
「……なに」
『えっあっなんでも!!!?』
前を行く、精市の制服の裾を掴んでた。
パッと手を離して、立ち止まる。
口ではいろいろ言ったって、近くにいてほしい。そんな気持ちが勝手に行動にでた……かな。
『い、今のなし!いこ!帰ろ!』
照れ隠しでおもむろに歩き始めたあたしだったけど、
「ねぇ、小夏。」
優しく名前を呼ぶ声と、それとは対象的に、強く抱きしめる腕に、引き留められてしまった。
『なぁああ!!!?』
「いちいち大袈裟。今から言う質問に答えて。」
『質問?』
「回答は二択。はいかyes」
『仕方な………ん?はいかyes………あれ?あたしに選択権ないよね?あれ?』
「では一問目。」
あぁ、そうですよね。言われた直後にカラクリに気づかないと(気づいても流されるだろうけど)拒否権はおろか選択権もないなんてわかってたさ…!?
はぁ…と溜め息を吹き、巡る理不尽への不満を吐き出す。
スルーする大人の力ってこうやって身につけるんだね真田……いやお父さあああん!
「賭けのこと、覚えてるよね」
『そりゃまぁ……でもあれは、引き分けでしょ?二人とも見つけたじゃん、相手』
「あれは俺の勝ち」
『は?』
「そりゃそうでしょ。好きな子を振り向かせたんだから。本当の恋ってのに気づかせてあげたんだし?勝ち負けはしっかりつけなきゃね」
『いやいやちょっと待ってくれるかな精市さ「2択」………yes sir……!!!』
「罰ゲーム決めるのには苦労した…校庭10000周とか」
『ゼロが二つ多いけど、それさえ除けば普通だって却下したよね!』
「屋上から負けました。幸村の下僕です・って小夏が叫ぶとかね」
『あたしが負けること前提の罰ゲームだったね、却下』
「で、最終的に決まったのが一番普通だけど一番おもしろい」
「『負けた方が勝ったほうの言うことを聞く』」
「よく覚えていたね。」
『このくらい忘れないっての!』
一言余計はお互い様だっつーの!!
「だから今から言うことを聞くこと。」
『………逆らえないのはいつもと変わらない気がするのは私だけですかね?』
「………あぁ、たしかに」
『わかってんなら譲れよ』
「嫌だよ」
くそっ…もうどうでもよくなってきた……自分が負けたことは認めたくないけど、このまま平行線でもどーせ現状は変わらないなら
『も、いいよ…言うこと聞くから。言って?』
「じゃあ遠慮なく。今から俺の言うことを3つ聞くこと。」
『へ?』
「1つ。ずっと俺の隣にいること。2つ。卒業式では俺の指示に従がうこと。3つ目は…もったいないから取っておく。」
『いやいやいや。精市くん?おかしいよねまず一つだけのハズが増えた時点でおかしいよね』
「別に変なことは一つもない。どんなことでもいい約束だっただろ?」
『え、そ…そう言われると…』
「変なことは何一つ言ってない。一つ目で権利を三つに増やしたいだけじゃないか。」
まともな意見過ぎて、反論できない……くぅ……しかも一つ目のお願い。軽く言ってたけど、結構…ううん、かなり嬉しい…
「だからね、もう心配しなくていいんだ。俺は、前にも言ったように、日本を離れるつもりはない。日本のテニス界が弱いとも思っていないし、日本で学べないことが海外で全部できるとも思っていない。それに小夏がいる。だから心配しないで。負担とか、小夏のせいとか、全く思ってないから。」
何もかも見透かされているわけね…じゃああたしは受け入れよう。精市の彼女として、精市が決めたことを受け入れよう。胸を張って、隣に立っていられるように。
『……わかった。』
「ふふっ…。ききわけが良くなったね」
『余計なお世話~』
「俺にとってはどっちの小夏でも魅力的だから心配しないで?」
『…………自分で言うのもなんだけど』
「ん?」
あたしの手を引いて歩き出した精市の背中にぽつり呟いた。
幸せなことに、愛されてる自信だけはあるから
満面の笑顔なんていう、精市はそうそうしないスペシャルショットを見ながら、あたしは帰路についた。
(あ、質問その2。今日は何の日か)
(………)
(え、まさか知らないの?)
(し…ってる…けど…)
(何?)
(誕生日…精市の)
(よくできました!プレゼントは小夏でいいよ)
(はぁっ!!!?)
HappyBirthday!
友達だって、家族にだって…それは彼氏だって同じこと。
離ればなれよりも何よりも、自分がお荷物になるのが一番辛いんだってば…
わかって…
「……それで?」
『…いやだから…』
「話の内容は理解した。だが、小夏の考えがわからん。」
『うー…だから悩んでるんだってばぁぁ…』
「私はわかりますよ。他人を思いやる小夏さんの気持ち。」
「お前って本当…人中心に動くんだな。そういうの、尊敬だぜ。」
『うわぁん!柳生もジャッカルも優しいっ!』
あたしは今、柳、柳生、ジャッカルの三人に相談をもちかけていた。
内容はもちろん精市の進路のこと。
ちなみに真田は精市に近すぎるから却下。黙っていられるタイプじゃなさそうだし。他の三人にも、気軽に話せる内容じゃなかったから。
「わかるわからんの問題ではないだろう。」
『…それはそうだけどさ…』
「柳君、恋の病ですよ。細かいことは気にしなくていいんです。今読んでいるラブポエムを読み終わり次第お貸「遠慮しておく。」…そうですか…」
『…柳の開眼、久しぶりにみた…』
「まぁでもな…幸村はここに残るってはっきり言ってんだろ。そこは意見として受け入れてやりゃいいと俺は思うぜ?」
『うー…』
わかってる。
わかってる…つもり。
精市の人生だもん。あたしに口出しする権利はない。
けど…けどね?
あたしが告白しなければ、精市の世界が広がったんだと思うと、やっぱり居たたまれないんだよね。
「精市は、軽率な考えを言うこともなければ、簡単に意見を変えることもない。お前が考えているようなことはないと思うが?」
「そうですね…幸村君の意思の強さは誰もが認めていますし」
『それは…まぁ…』
「……そんな小夏の気持ちを知っての行動かもしれんな…」
『?柳?』
「いや…なんでもない。気にするな」
『ふん?』
はっきり言ってもらわないとバカなあたしは理解できないんだけどな。
まぁいいか。
そもそも参謀の頭の中を読むのが不可能なんだ。
参謀でなくともテニス部の奴等の頭の中なんて、あの赤也が相手でも、無理だ。
何手先まで読まれてる。
いつだってあたしには一つか、多くても二つしか道は残されていないんだ。
………あれ?これって結果的に理不尽ってやつじゃね?
また一人、難しい顔をしていたのだろう。
ジャッカルが目の前でひらひら手をかざしてるのに気づかなかった。
柳にぺちんとデコピンされてハッと我にかえる。
『ハッ』
「一人で考えこむな。この問題に答えはないぞ。」
「小夏さんは顔に出やすいタイプですよ」
「考えるならバレないようにしろよな」
『……そんなにバレやすいかな…あ!ごめんね三人とも!もう行かなきゃ!ありがと!』
「おぉ?待ち合わせか?」
「礼には及ばん」
「聞くだけならいつでもできますから」
『わぁぁん!ありがとう!じゃあまた!』
三人にお礼を言って、あたしはカバンをひっつかみ、昇降口へと急いだ。
*
『ぎゃっふあ!』
ドスッ
「やぁ小夏遅れてくるなんていい度胸じゃないか。ありがたく思いなよ。迎えに来てあげたんだよ?」
『――っ!!精市……!』
昇降口に向かって、(自分なりに)廊下を全力疾走していたら、足を引っかけられて転びそうになった…が、運よく反対の足を床に叩き付けれて立ち止まる。
振り返るまでもなく、その足の先にいるのは、幸村精市様だった。
『わ―ありがとうございます―』
「なにその棒読み。いらっとくるんだけど。いらっと。彼氏に迎えに来てもらえる彼女。理想の恋人だろ?」
『足さえなければね』
「一言多い。俺の愛情表現がわかってもらえないなんて…愛想もつきるよまったく」
と、突然くるり背中を向けて歩き始めた精市。
あたしは呆れ、少しだけ怒っていたはず…なのに
なのにいつもよりアッサリしたやり取りに不安を覚えて、普段ならしないような行動を起こしていた。
「……なに」
『えっあっなんでも!!!?』
前を行く、精市の制服の裾を掴んでた。
パッと手を離して、立ち止まる。
口ではいろいろ言ったって、近くにいてほしい。そんな気持ちが勝手に行動にでた……かな。
『い、今のなし!いこ!帰ろ!』
照れ隠しでおもむろに歩き始めたあたしだったけど、
「ねぇ、小夏。」
優しく名前を呼ぶ声と、それとは対象的に、強く抱きしめる腕に、引き留められてしまった。
『なぁああ!!!?』
「いちいち大袈裟。今から言う質問に答えて。」
『質問?』
「回答は二択。はいかyes」
『仕方な………ん?はいかyes………あれ?あたしに選択権ないよね?あれ?』
「では一問目。」
あぁ、そうですよね。言われた直後にカラクリに気づかないと(気づいても流されるだろうけど)拒否権はおろか選択権もないなんてわかってたさ…!?
はぁ…と溜め息を吹き、巡る理不尽への不満を吐き出す。
スルーする大人の力ってこうやって身につけるんだね真田……いやお父さあああん!
「賭けのこと、覚えてるよね」
『そりゃまぁ……でもあれは、引き分けでしょ?二人とも見つけたじゃん、相手』
「あれは俺の勝ち」
『は?』
「そりゃそうでしょ。好きな子を振り向かせたんだから。本当の恋ってのに気づかせてあげたんだし?勝ち負けはしっかりつけなきゃね」
『いやいやちょっと待ってくれるかな精市さ「2択」………yes sir……!!!』
「罰ゲーム決めるのには苦労した…校庭10000周とか」
『ゼロが二つ多いけど、それさえ除けば普通だって却下したよね!』
「屋上から負けました。幸村の下僕です・って小夏が叫ぶとかね」
『あたしが負けること前提の罰ゲームだったね、却下』
「で、最終的に決まったのが一番普通だけど一番おもしろい」
「『負けた方が勝ったほうの言うことを聞く』」
「よく覚えていたね。」
『このくらい忘れないっての!』
一言余計はお互い様だっつーの!!
「だから今から言うことを聞くこと。」
『………逆らえないのはいつもと変わらない気がするのは私だけですかね?』
「………あぁ、たしかに」
『わかってんなら譲れよ』
「嫌だよ」
くそっ…もうどうでもよくなってきた……自分が負けたことは認めたくないけど、このまま平行線でもどーせ現状は変わらないなら
『も、いいよ…言うこと聞くから。言って?』
「じゃあ遠慮なく。今から俺の言うことを3つ聞くこと。」
『へ?』
「1つ。ずっと俺の隣にいること。2つ。卒業式では俺の指示に従がうこと。3つ目は…もったいないから取っておく。」
『いやいやいや。精市くん?おかしいよねまず一つだけのハズが増えた時点でおかしいよね』
「別に変なことは一つもない。どんなことでもいい約束だっただろ?」
『え、そ…そう言われると…』
「変なことは何一つ言ってない。一つ目で権利を三つに増やしたいだけじゃないか。」
まともな意見過ぎて、反論できない……くぅ……しかも一つ目のお願い。軽く言ってたけど、結構…ううん、かなり嬉しい…
「だからね、もう心配しなくていいんだ。俺は、前にも言ったように、日本を離れるつもりはない。日本のテニス界が弱いとも思っていないし、日本で学べないことが海外で全部できるとも思っていない。それに小夏がいる。だから心配しないで。負担とか、小夏のせいとか、全く思ってないから。」
何もかも見透かされているわけね…じゃああたしは受け入れよう。精市の彼女として、精市が決めたことを受け入れよう。胸を張って、隣に立っていられるように。
『……わかった。』
「ふふっ…。ききわけが良くなったね」
『余計なお世話~』
「俺にとってはどっちの小夏でも魅力的だから心配しないで?」
『…………自分で言うのもなんだけど』
「ん?」
あたしの手を引いて歩き出した精市の背中にぽつり呟いた。
幸せなことに、愛されてる自信だけはあるから
満面の笑顔なんていう、精市はそうそうしないスペシャルショットを見ながら、あたしは帰路についた。
(あ、質問その2。今日は何の日か)
(………)
(え、まさか知らないの?)
(し…ってる…けど…)
(何?)
(誕生日…精市の)
(よくできました!プレゼントは小夏でいいよ)
(はぁっ!!!?)
HappyBirthday!