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庭球
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意外とびっくり。
精市は独占欲が強いみたいだ。
放課ごとにうちのクラスに遊びにくるから、バレバレすぎて恥ずかしくなくなってしまった。
「小夏~」
『……また来た…』
「心中察するぜよ。」
「今からでも遅くなか。俺にしときんしゃい」
「あっ!仁王なに言って!俺にしな?な?」
『……素直に首を振れない自分がいる…』
はぁ、とため息をついたら、後ろからりぼんをひっぱられ首が絞まった。
『ぐええええっ!!!!』
「何か言った?」
『いいいえ!!!?滅相もありませんけどぉぉ!!!』
「小夏は思ってもいないことよく言うね?」
『そっそっそうかな!?アハハ~…』
怖い…マジで怖い…ドSが好きだなんてなんで口にしちゃったんだか…あたし…
『ところで今度は何用?』
「…気にくわない言い方するね。また覚えさせる必要があるかな?」
『うそだよ!!?来てくれてめっちゃ嬉しいよ!?もうぜんぜん大丈夫!まったく大丈夫!』
「そう?じゃあうちのクラスに移動させてあげようか?そうすればずっと一緒『冗談に聞こえないからやめてくれるかな!?』…ふぅ。」
あああ神様…どうか精市を止めてください…!
「ま、いいけど。とりあえずもうお昼だし、ご飯食べよう。」
『あれ?そっかもう4時間目か!』
「学活って一時間に感じねぇもんな。」
「今日はこんなもん書くだけじゃったしの。」
『ね~かったるいよね~』
「それは何?」
ピラピラと、仁王が持っていた紙を精市に見せる。それは先ほど授業中に書かされていた進路の紙だった。
「へぇ?これ、うちのクラスはまだやってないな。」
『そう?精市のクラスの担任、やること早そうなのに。』
「やることは早くても抜けてるんだよねアイツ。まぁいいや。それよりご飯食べよう?」
『あ、うん。…そうえば精市はどうすんの?…ってまぁうちの学校エスカレーターだし、聞く意味ないけど。』
「あぁ…」
『まさかどっか行ったりしないよね?』
俺がいなくなっても大丈夫だな
この間尋ねられた言葉を反芻して、すこしだけ、すごく怖くなった。
『あたしは進級もなんとかなりそうだから、そのまま上がるけど。』
「危なかったよな俺ら!ま、俺はテニスの実績あるしぃ?心配してなかったけどな!」
『ムカつくわ…でもそれも多大な努力の成果だもんね?お疲れ様!』
「俺は心配は何もなかったからのう。」
『仁王は才色兼備スポーツ万能すぎんの!』
「…お前さんに言われると、褒められてても貶されてるように感じるのはなんでじゃ?」
『何てこと言うの。褒めてる褒めてる!』
「才能に嫉妬してる凡人を苛めんなよぃ」
『ブン太?一言余計!』
「俺にモノを尋ねておいて無視とはいい度胸だね小夏?」
『ぐはっ!ちょ!ギブギブ!ごめんっ!許しぐぁっ!!』
さっきから離されないリボンがまた絞殺に使われるなんて!!!!気づかないあたしがバカだったのかあああ…………!?
『おまっちょっ!マジで死ぬ!離せアホ!!!!鬼畜!』
「最高級の誉め言葉をありがとう小夏!」
キラキラの笑顔を返された。
どうしたら…いいかな…あ、諦めるのがいいかしら。そうですね。知ってたわ。
『え、ちょ、じゃもう一回聞くけど、精市の進路は?』
「うん。じゃあ屋上でご飯にしようか!今日は天気がいいし、久しぶりに暖かい。」
『は?今聞けって言ったばっか…ってちょ!精市!?』
あたしを置いて、スタスタ廊下に出ていく精市。
こんな展開は日常茶飯事すぎて、あたしもお弁当を引っ付かんで廊下に走り出た。
屋上に出ると、春のように暖かい、気持ちのいい空気があたしたちを出迎えてくれた。
フェンスに走りより、校庭を見回す。昼休みが始まったばかりというのに、すでにグラウンドの真ん中にぽつりぽつりと疎らに生徒がいる。
『ふあ…!本当いい天気!』
「だろ?」
『あ~ぁ!ここでこうやっていられるのもあとちょっとかぁ!』
「高校も似たような場所じゃないか」
『で、も!ここには入れなくなるでしょ?』
腕を目一杯伸ばして、空気を吸い込んだ。
背伸び!
突然後ろから抱き締められた。
『うげぁっ!!!!』
「いやだから、ここはキャアッとか言うとこであって、奇声をあげるところじゃない」
『いやいやいやだからここ、こんなことする場面だった?ご飯食べるとこだよね?てか奇声って何』
「え?何か言った?」
『………』
無言の圧力。
強制的に黙らされた。
『………』
「………」
『………あの…幸村さ~ん…?』
反応がない会話が何分続いただろうか。
さすがに緊張も何もなくなって、ふぅ…と筋肉を緩めたときだった。
「小夏は…俺が、いなくなったらどうする?」
『…いなくなるっていうの?』
「……」
『精市が入院してただけでも、毎日生きた心地がしなかったんだけど。』
「病院来るたび泣いてたしね」
『ったくそういうことだけは絶対忘れないんだね』
「そりゃあ、小夏いじりの貴重な材料だから」
『ふふ…もうなんとでも言って………!?』
「じゃあ遠慮な『やっぱ今のなし』「なしになるとでも?」『…だよね…』
精市がいなくなるなんて話、反らしたい一心なのに、聞かなきゃと思う自分もいる。
『……あ…のさ…』
「…うん」
『あの頃とは……精市が入院してたころとは…違うから…』
「違う?」
『……りょ…両想い…ていうかあたしが精市のこと好きとか…あやや…!』
「……ふ…」
『い~や~!!!!うそう…いや嘘じゃないけどっああ!』
恥ずかしくて混乱するあたしをよそに、精市の満足そうな溜め息がきこえ、視界一杯にきれいな顔が広がった。
おでこをこつんとあてられて、呟かれる。
「ちょっと安心した。」
『え?』
「俺ばっかり好きって、小夏からはあまり聞かないし。本当はそんなに好かれてないんじゃないか、とか」
『…だ、だって…恥ずかしい…し…!』
「それから俺がいなくなったら、って話だけれど。」
来た
一番聞きたくない話を、だからこそ脳が勝手に考える。
ギュッと目を瞑って、次の言葉を待った。
「やめたんだ。」
『…は、い?』
「だから、いなくなるのをね、やめたんだ。」
『本当にいなくなるつもりだった…ってこと?』
「ま、ね。」
『な、なんで?どうして!?精市は本当にそれでいいの!!?』
「外部受験を勧められて…それも海外。誰にも言ってなかったけれど、辛すぎる片思いをし続ける自信も、勇気もなかった俺の弱さ、かな。」
『でも!テニス、もっとテニスができる環境なんでしょ!!?あた、あたしのせ…いで…』
「たしかに小夏と離れるために受け入れた推薦だった。でももうその必要もないし。小夏がそばにいないなら、そんな環境で俺は生きていたくない。」
しっかりとした目で、精市は言った。精市の目には、どうしていつも迷いがないのだろうか。
『あたしだって…精市がいないのはやだよ…。でもね、精市の将来を潰すのはもっとイヤ…』
「…じゃあついてくる?」
『無理』
「じゃあ仕方ない。」
『そんな簡単なもの?』
「小夏のほうが大切なんだ。」
『………素で照れる…から…』
「照れればいい。かわいい。」
『え!?ちょ!みなさああああんん!!!!!!?精市のデレ期がきt「うるさい」すみません黙りますね!』
「さ…じゃあ昼休み終わる前にご飯食べよう。」
『突然!?あ、うん、でもそうだよね!食べよ!』
そうやって、普通を装っても、精市の言ったことが頭から離れなかった。
あたしは精市についていけない
だけど精市にはやりたいことをやってほしい。
本当の気持ちはどうしたら聞き出せるのかな。
いや、精市のことだから全部本気なんだろうけど……あたしが納得できない…んだよなぁ
どうしたらいいのかなぁ…
end
精市は独占欲が強いみたいだ。
放課ごとにうちのクラスに遊びにくるから、バレバレすぎて恥ずかしくなくなってしまった。
「小夏~」
『……また来た…』
「心中察するぜよ。」
「今からでも遅くなか。俺にしときんしゃい」
「あっ!仁王なに言って!俺にしな?な?」
『……素直に首を振れない自分がいる…』
はぁ、とため息をついたら、後ろからりぼんをひっぱられ首が絞まった。
『ぐええええっ!!!!』
「何か言った?」
『いいいえ!!!?滅相もありませんけどぉぉ!!!』
「小夏は思ってもいないことよく言うね?」
『そっそっそうかな!?アハハ~…』
怖い…マジで怖い…ドSが好きだなんてなんで口にしちゃったんだか…あたし…
『ところで今度は何用?』
「…気にくわない言い方するね。また覚えさせる必要があるかな?」
『うそだよ!!?来てくれてめっちゃ嬉しいよ!?もうぜんぜん大丈夫!まったく大丈夫!』
「そう?じゃあうちのクラスに移動させてあげようか?そうすればずっと一緒『冗談に聞こえないからやめてくれるかな!?』…ふぅ。」
あああ神様…どうか精市を止めてください…!
「ま、いいけど。とりあえずもうお昼だし、ご飯食べよう。」
『あれ?そっかもう4時間目か!』
「学活って一時間に感じねぇもんな。」
「今日はこんなもん書くだけじゃったしの。」
『ね~かったるいよね~』
「それは何?」
ピラピラと、仁王が持っていた紙を精市に見せる。それは先ほど授業中に書かされていた進路の紙だった。
「へぇ?これ、うちのクラスはまだやってないな。」
『そう?精市のクラスの担任、やること早そうなのに。』
「やることは早くても抜けてるんだよねアイツ。まぁいいや。それよりご飯食べよう?」
『あ、うん。…そうえば精市はどうすんの?…ってまぁうちの学校エスカレーターだし、聞く意味ないけど。』
「あぁ…」
『まさかどっか行ったりしないよね?』
俺がいなくなっても大丈夫だな
この間尋ねられた言葉を反芻して、すこしだけ、すごく怖くなった。
『あたしは進級もなんとかなりそうだから、そのまま上がるけど。』
「危なかったよな俺ら!ま、俺はテニスの実績あるしぃ?心配してなかったけどな!」
『ムカつくわ…でもそれも多大な努力の成果だもんね?お疲れ様!』
「俺は心配は何もなかったからのう。」
『仁王は才色兼備スポーツ万能すぎんの!』
「…お前さんに言われると、褒められてても貶されてるように感じるのはなんでじゃ?」
『何てこと言うの。褒めてる褒めてる!』
「才能に嫉妬してる凡人を苛めんなよぃ」
『ブン太?一言余計!』
「俺にモノを尋ねておいて無視とはいい度胸だね小夏?」
『ぐはっ!ちょ!ギブギブ!ごめんっ!許しぐぁっ!!』
さっきから離されないリボンがまた絞殺に使われるなんて!!!!気づかないあたしがバカだったのかあああ…………!?
『おまっちょっ!マジで死ぬ!離せアホ!!!!鬼畜!』
「最高級の誉め言葉をありがとう小夏!」
キラキラの笑顔を返された。
どうしたら…いいかな…あ、諦めるのがいいかしら。そうですね。知ってたわ。
『え、ちょ、じゃもう一回聞くけど、精市の進路は?』
「うん。じゃあ屋上でご飯にしようか!今日は天気がいいし、久しぶりに暖かい。」
『は?今聞けって言ったばっか…ってちょ!精市!?』
あたしを置いて、スタスタ廊下に出ていく精市。
こんな展開は日常茶飯事すぎて、あたしもお弁当を引っ付かんで廊下に走り出た。
屋上に出ると、春のように暖かい、気持ちのいい空気があたしたちを出迎えてくれた。
フェンスに走りより、校庭を見回す。昼休みが始まったばかりというのに、すでにグラウンドの真ん中にぽつりぽつりと疎らに生徒がいる。
『ふあ…!本当いい天気!』
「だろ?」
『あ~ぁ!ここでこうやっていられるのもあとちょっとかぁ!』
「高校も似たような場所じゃないか」
『で、も!ここには入れなくなるでしょ?』
腕を目一杯伸ばして、空気を吸い込んだ。
背伸び!
突然後ろから抱き締められた。
『うげぁっ!!!!』
「いやだから、ここはキャアッとか言うとこであって、奇声をあげるところじゃない」
『いやいやいやだからここ、こんなことする場面だった?ご飯食べるとこだよね?てか奇声って何』
「え?何か言った?」
『………』
無言の圧力。
強制的に黙らされた。
『………』
「………」
『………あの…幸村さ~ん…?』
反応がない会話が何分続いただろうか。
さすがに緊張も何もなくなって、ふぅ…と筋肉を緩めたときだった。
「小夏は…俺が、いなくなったらどうする?」
『…いなくなるっていうの?』
「……」
『精市が入院してただけでも、毎日生きた心地がしなかったんだけど。』
「病院来るたび泣いてたしね」
『ったくそういうことだけは絶対忘れないんだね』
「そりゃあ、小夏いじりの貴重な材料だから」
『ふふ…もうなんとでも言って………!?』
「じゃあ遠慮な『やっぱ今のなし』「なしになるとでも?」『…だよね…』
精市がいなくなるなんて話、反らしたい一心なのに、聞かなきゃと思う自分もいる。
『……あ…のさ…』
「…うん」
『あの頃とは……精市が入院してたころとは…違うから…』
「違う?」
『……りょ…両想い…ていうかあたしが精市のこと好きとか…あやや…!』
「……ふ…」
『い~や~!!!!うそう…いや嘘じゃないけどっああ!』
恥ずかしくて混乱するあたしをよそに、精市の満足そうな溜め息がきこえ、視界一杯にきれいな顔が広がった。
おでこをこつんとあてられて、呟かれる。
「ちょっと安心した。」
『え?』
「俺ばっかり好きって、小夏からはあまり聞かないし。本当はそんなに好かれてないんじゃないか、とか」
『…だ、だって…恥ずかしい…し…!』
「それから俺がいなくなったら、って話だけれど。」
来た
一番聞きたくない話を、だからこそ脳が勝手に考える。
ギュッと目を瞑って、次の言葉を待った。
「やめたんだ。」
『…は、い?』
「だから、いなくなるのをね、やめたんだ。」
『本当にいなくなるつもりだった…ってこと?』
「ま、ね。」
『な、なんで?どうして!?精市は本当にそれでいいの!!?』
「外部受験を勧められて…それも海外。誰にも言ってなかったけれど、辛すぎる片思いをし続ける自信も、勇気もなかった俺の弱さ、かな。」
『でも!テニス、もっとテニスができる環境なんでしょ!!?あた、あたしのせ…いで…』
「たしかに小夏と離れるために受け入れた推薦だった。でももうその必要もないし。小夏がそばにいないなら、そんな環境で俺は生きていたくない。」
しっかりとした目で、精市は言った。精市の目には、どうしていつも迷いがないのだろうか。
『あたしだって…精市がいないのはやだよ…。でもね、精市の将来を潰すのはもっとイヤ…』
「…じゃあついてくる?」
『無理』
「じゃあ仕方ない。」
『そんな簡単なもの?』
「小夏のほうが大切なんだ。」
『………素で照れる…から…』
「照れればいい。かわいい。」
『え!?ちょ!みなさああああんん!!!!!!?精市のデレ期がきt「うるさい」すみません黙りますね!』
「さ…じゃあ昼休み終わる前にご飯食べよう。」
『突然!?あ、うん、でもそうだよね!食べよ!』
そうやって、普通を装っても、精市の言ったことが頭から離れなかった。
あたしは精市についていけない
だけど精市にはやりたいことをやってほしい。
本当の気持ちはどうしたら聞き出せるのかな。
いや、精市のことだから全部本気なんだろうけど……あたしが納得できない…んだよなぁ
どうしたらいいのかなぁ…
end