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庭球
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「んじゃ、しっかり掴まってろぃ?」
『う、うん…』
なぜ。
なぜなの。
こんなシュチュエーション、ドキドキしないわけがない。
えっと……ど、どこに掴まってればいいのかな…肩…とか…
「!!?オマッ、バランス取りにくいだろ!腰を掴め腰を!」
『うぇっ!?りょ、了解!』
こ、腰!!?そんなん…アレじゃん!憧れの恋人乗りってやつじゃん……!!
まさか初めての二人乗りが丸井とになるなんて思ってもみなかった。
う~ん…丸井とはずーっと友達でやってきたし、今更…な気もするけど、一応聞いてみるかな…
『ね~丸井』
「あ?」
『丸井ってモテるよね?』
「なんで疑問系なんだよっ!お前見てきたろずっと!」
『…そうだね~バレンタインは告白ラッシュ大変そうだったって聞いたし。食すのは一日だったみたいだけど。』
「一言多い!」
『全部にお返しすんの?』
「しねぇよ。」
『え!?マジで?』
「は?だってアイツら“丸井君、仁王君!ハッピーバレンタイン(ハート)キャッ!”って持ってくるんだぜ?なんでそんなんにお返しなんかいるんだよ。」
『……まぁそれは…でもさ、そんなかでもマジ恋な子もいるわけじゃん?かわいい子とか…って、丸井のタイプって食べ物くれる子だよね?』
「語弊ありまくりだろ!俺は確かに食い物くれるヤツは好きだけど、それだけがタイプじゃねぇし!」
『え!?そうなの!』
「うざっうざっ!もう知らね!しゃべんなてめぇ!」
丸井がぷくっと頬を膨らませたのが後ろからでもわかったから、掴まっていた手を腰に回して、ギュッとお腹を締め付けてやる。
『丸井ご~め~んっ!』
「グエッ!ちょっ!はっ離せ!」
『許して丸井~!丸井に嫌われたらあたし、生きていけない~!』
「苦…苦しっ!!わかった!許す!離せっ!」
グラグラ自転車が揺れ始めたので、若干の危険を感じ、腕をもとの位置に戻した。
「カハッ…!!小夏っ!殺す気かよッ!」
『そんなことあるわけないじゃんっ☆』
「…キモッ」
『…前言撤回を要求する!』
「あ~あ~わぁったわぁった!……つかさ、さっきの話だけどよ。」
『さっき?』
「自分から振っといて忘れんな!好きなタイプの話。」
『ん?あぁ、そういやそんな話してたね!』
「……お前ってこの手の話嫌いじゃなかったか?」
『うん!嫌いってか、うっとおしいっ。あたしはあんま興味なかったから。』
「ふぅん…過去形ってことは、今は興味あるんだな」
痛いところをつかれた…かも。うん。丸井って、いいとこに食いつくんだよな。
『ま、間違いではないかな。あたしは』
「イケメン好きなんだろ?わかってるわかってる。三年目だからな。すごかったもんな、大会ついてくるたび、“ちょっと!丸井、あの学校どこ?”って。氷帝のときなんか、鼻血出してなかったか?」
『四天宝寺もね。』
「そうだっけか?ハハッ…わざわざ加える辺りが小夏らしいぜぃ!」
『だってここであたしが“ヤダ丸井!そんなことないって~”って言った「キモい」でしょ?』
「間違いねぇ。ま、そんなトコが俺は好きだけどさ。」
『え?』
「あ!いやっ!なんだっそのっ!!男子はぶりッ子に騙されやすいが、俺はぶりッ子は嫌いって話だ!」
『余計なお世話~!どうせあたしは素だよ!』
ちょっとビックリしたなんて、内緒。一年のとき、最初に目をつけたのは丸井だったなんて内緒。嬉しかったなんて、内緒。
「……っ…なんだ…あ、それでさ、お前、メンクイのクセに好きとかってあんまり言わねぇよな?俺が見る限り、彼氏できたことなさそうだしよ。」
『うん。そだね。カッコイイと好きは違うと思ってるからあたし。イケメンは観察できればいいの。』
「小夏の場合、視姦だろぃ?」
『また絞められたかった?』
「勘弁してくれぃ」
『無駄なことは言わない。…で、観察ね、観察。目の保養だよね。別に付き合ってもらえるわけもないし、だったら最初から諦めた方がラクじゃん?無駄な労力は避けたいし、恥もかきたくない。友達になれればいいなとは思うけど。』
「なんか長かったが、ようは告白は面倒ってこと?」
『面倒ってのも間違いはないけど、簡単に言えば気持ちに自信がないんだよね。好きってなんなのかな?愛してるって何?丸井はどう思う?』
「う~ん?そこまで深く考えたことねぇな…。俺も自分から告ったことねぇし。付き合うっても一週間とかで、丸井君はあたしに構ってくれない!本当に好きなのっ、て…あ。」
『ほら、それなのさ。』
「…気持ち、ねぇ…俺も、始めッから長く続くとか考えてねぇからな。くれたものが美味かったから、“またくれ”って言ったら、付き合ってることになってたとか、ザラだし。」
『あ~ないわぁ~。でもわからなくもないな。女としちゃ、嬉しいから勘違いとか、あり得る。』
「ふぅん…まぁ、お前の言いたいこと、なんとなくわかった気ぃするわ。」
『でしょ』
話をしているうちに、普通に腰に手を回せるようになったあたしは、緩んだ腕をまたしっかり繋ぎ止めた。
「そう考えるとさ、なんなんだろうな、恋愛って。」
『所詮あたしらは子供ってことかな~』
「柳生に聞いたら面白れぇ反応見れそうだよな!」
『ジャッカルとかも笑えそう!』
「『あと真田!』」
あっ…またそろっ…
「『…ぷっ!!』」
丸井の背中が震えたのと、あたしが吹き出したのが同時だったのがさらに笑いを増強させて、結局二人で大笑いになっていた。
『あはははははっ!!!!』
「ハハハハッッ!!!!」
『あ~っもうっ!なんでこんな爆笑っ!!』
「小夏といると知らねぇうちに笑ってんだよなぁっ!!」
『だねっ!つかさ、どうする?真田が普通にちゅーとかしてたら!なんか想像つかないんだけど!』
「あぁいうのはな、意外にムッツリだったりすんだぜ!仁王とかより案外…!」
『ちょっ!これ以上あたしを笑わせてどーすんのっ!』
「だなっ!ハハッ!しっかしなんで俺らこんなタイミング合うんだろうな。一年ん時から似てるってよく言われたよな~」
『夫婦漫才とかね!』
「林間学校で出し物やらされるなんて思っちゃっいなかったな!」
『あの日、あたし、丸井のファンに殺されかけたんだからね?“どんな手使ってブン太君に取り入ったの~!!”ってね。』
「は!?それ初耳だぜ?」
『ッたり前。そんなこと丸井には関係ないっしょ?自分でなんとかしたし、迷惑かけたくなかったし。』
「お前なぁ…もしかして一時期俺と話さなかったのそれのせい?」
『そんなことあったっけ』
しらばっくれておくけど、バッチリ覚えてた。あの頃は丸井と一緒にいるのが楽しくて仕方なくて、スッゴいヘコンだから。
ま、結局精市が何かやってくれたみたいで助かったけど。
女の子って怖いよね。あたし、対人恐怖症にでもなるかと思っちゃったし。
「女子って怖ぇよな~。男子も嫉妬するヤツはひでえみたいだが、ダチ同士なら正々堂々勝負するからな。」
『いいよね~あたしも男子に生まれたかったなぁ。ちょ~ラクそう!』
「ハハッでもさ、小夏なら男子でもやってけそうじゃね?お前のダチ、男のが多いだろぃ?」
『いや~小学生のころに比べたら少ないほうだよ?虫取、鬼ごっこ、ゲーム、木登り…何するにも男子男子だったしね。』
「お前それ、普通の男子より男らしくねぇか」
『ま、否定はしないよ?女番長とまで言われてたし。んでも今はそんなことないよ。友達も広く浅く付き合うようにしてるし。』
「そういやそうか。俺らと南とくらいしか一緒にいねぇもんな。メンクイのクセに。」
『また!関係ないしそこ!』
「だってお前告られたりしねぇの?」
『…え…ないけど?』
「なんだそれ。別にお前、見た目はかわいいんだからよ、もったいないかなって思ったりするぜ俺は。」
………ん?
「俺らテニス部ならさ、もう小夏のことわかりきってるわけだし、幻滅もしねぇじゃん?誰かと付き合うとか考えたことねぇの?」
うん?
「お前、告ったら100%成功する気がするけどよ。」
『……それは…丸井も?』
「…試してみるか?別に付き合うって経験してもいいんじゃねぇの?」
目的地まであと数分。
丸井のガムが音をたてて膨らんだ。
あたしの心が決まるまで
あと
何秒?
end
『う、うん…』
なぜ。
なぜなの。
こんなシュチュエーション、ドキドキしないわけがない。
えっと……ど、どこに掴まってればいいのかな…肩…とか…
「!!?オマッ、バランス取りにくいだろ!腰を掴め腰を!」
『うぇっ!?りょ、了解!』
こ、腰!!?そんなん…アレじゃん!憧れの恋人乗りってやつじゃん……!!
まさか初めての二人乗りが丸井とになるなんて思ってもみなかった。
う~ん…丸井とはずーっと友達でやってきたし、今更…な気もするけど、一応聞いてみるかな…
『ね~丸井』
「あ?」
『丸井ってモテるよね?』
「なんで疑問系なんだよっ!お前見てきたろずっと!」
『…そうだね~バレンタインは告白ラッシュ大変そうだったって聞いたし。食すのは一日だったみたいだけど。』
「一言多い!」
『全部にお返しすんの?』
「しねぇよ。」
『え!?マジで?』
「は?だってアイツら“丸井君、仁王君!ハッピーバレンタイン(ハート)キャッ!”って持ってくるんだぜ?なんでそんなんにお返しなんかいるんだよ。」
『……まぁそれは…でもさ、そんなかでもマジ恋な子もいるわけじゃん?かわいい子とか…って、丸井のタイプって食べ物くれる子だよね?』
「語弊ありまくりだろ!俺は確かに食い物くれるヤツは好きだけど、それだけがタイプじゃねぇし!」
『え!?そうなの!』
「うざっうざっ!もう知らね!しゃべんなてめぇ!」
丸井がぷくっと頬を膨らませたのが後ろからでもわかったから、掴まっていた手を腰に回して、ギュッとお腹を締め付けてやる。
『丸井ご~め~んっ!』
「グエッ!ちょっ!はっ離せ!」
『許して丸井~!丸井に嫌われたらあたし、生きていけない~!』
「苦…苦しっ!!わかった!許す!離せっ!」
グラグラ自転車が揺れ始めたので、若干の危険を感じ、腕をもとの位置に戻した。
「カハッ…!!小夏っ!殺す気かよッ!」
『そんなことあるわけないじゃんっ☆』
「…キモッ」
『…前言撤回を要求する!』
「あ~あ~わぁったわぁった!……つかさ、さっきの話だけどよ。」
『さっき?』
「自分から振っといて忘れんな!好きなタイプの話。」
『ん?あぁ、そういやそんな話してたね!』
「……お前ってこの手の話嫌いじゃなかったか?」
『うん!嫌いってか、うっとおしいっ。あたしはあんま興味なかったから。』
「ふぅん…過去形ってことは、今は興味あるんだな」
痛いところをつかれた…かも。うん。丸井って、いいとこに食いつくんだよな。
『ま、間違いではないかな。あたしは』
「イケメン好きなんだろ?わかってるわかってる。三年目だからな。すごかったもんな、大会ついてくるたび、“ちょっと!丸井、あの学校どこ?”って。氷帝のときなんか、鼻血出してなかったか?」
『四天宝寺もね。』
「そうだっけか?ハハッ…わざわざ加える辺りが小夏らしいぜぃ!」
『だってここであたしが“ヤダ丸井!そんなことないって~”って言った「キモい」でしょ?』
「間違いねぇ。ま、そんなトコが俺は好きだけどさ。」
『え?』
「あ!いやっ!なんだっそのっ!!男子はぶりッ子に騙されやすいが、俺はぶりッ子は嫌いって話だ!」
『余計なお世話~!どうせあたしは素だよ!』
ちょっとビックリしたなんて、内緒。一年のとき、最初に目をつけたのは丸井だったなんて内緒。嬉しかったなんて、内緒。
「……っ…なんだ…あ、それでさ、お前、メンクイのクセに好きとかってあんまり言わねぇよな?俺が見る限り、彼氏できたことなさそうだしよ。」
『うん。そだね。カッコイイと好きは違うと思ってるからあたし。イケメンは観察できればいいの。』
「小夏の場合、視姦だろぃ?」
『また絞められたかった?』
「勘弁してくれぃ」
『無駄なことは言わない。…で、観察ね、観察。目の保養だよね。別に付き合ってもらえるわけもないし、だったら最初から諦めた方がラクじゃん?無駄な労力は避けたいし、恥もかきたくない。友達になれればいいなとは思うけど。』
「なんか長かったが、ようは告白は面倒ってこと?」
『面倒ってのも間違いはないけど、簡単に言えば気持ちに自信がないんだよね。好きってなんなのかな?愛してるって何?丸井はどう思う?』
「う~ん?そこまで深く考えたことねぇな…。俺も自分から告ったことねぇし。付き合うっても一週間とかで、丸井君はあたしに構ってくれない!本当に好きなのっ、て…あ。」
『ほら、それなのさ。』
「…気持ち、ねぇ…俺も、始めッから長く続くとか考えてねぇからな。くれたものが美味かったから、“またくれ”って言ったら、付き合ってることになってたとか、ザラだし。」
『あ~ないわぁ~。でもわからなくもないな。女としちゃ、嬉しいから勘違いとか、あり得る。』
「ふぅん…まぁ、お前の言いたいこと、なんとなくわかった気ぃするわ。」
『でしょ』
話をしているうちに、普通に腰に手を回せるようになったあたしは、緩んだ腕をまたしっかり繋ぎ止めた。
「そう考えるとさ、なんなんだろうな、恋愛って。」
『所詮あたしらは子供ってことかな~』
「柳生に聞いたら面白れぇ反応見れそうだよな!」
『ジャッカルとかも笑えそう!』
「『あと真田!』」
あっ…またそろっ…
「『…ぷっ!!』」
丸井の背中が震えたのと、あたしが吹き出したのが同時だったのがさらに笑いを増強させて、結局二人で大笑いになっていた。
『あはははははっ!!!!』
「ハハハハッッ!!!!」
『あ~っもうっ!なんでこんな爆笑っ!!』
「小夏といると知らねぇうちに笑ってんだよなぁっ!!」
『だねっ!つかさ、どうする?真田が普通にちゅーとかしてたら!なんか想像つかないんだけど!』
「あぁいうのはな、意外にムッツリだったりすんだぜ!仁王とかより案外…!」
『ちょっ!これ以上あたしを笑わせてどーすんのっ!』
「だなっ!ハハッ!しっかしなんで俺らこんなタイミング合うんだろうな。一年ん時から似てるってよく言われたよな~」
『夫婦漫才とかね!』
「林間学校で出し物やらされるなんて思っちゃっいなかったな!」
『あの日、あたし、丸井のファンに殺されかけたんだからね?“どんな手使ってブン太君に取り入ったの~!!”ってね。』
「は!?それ初耳だぜ?」
『ッたり前。そんなこと丸井には関係ないっしょ?自分でなんとかしたし、迷惑かけたくなかったし。』
「お前なぁ…もしかして一時期俺と話さなかったのそれのせい?」
『そんなことあったっけ』
しらばっくれておくけど、バッチリ覚えてた。あの頃は丸井と一緒にいるのが楽しくて仕方なくて、スッゴいヘコンだから。
ま、結局精市が何かやってくれたみたいで助かったけど。
女の子って怖いよね。あたし、対人恐怖症にでもなるかと思っちゃったし。
「女子って怖ぇよな~。男子も嫉妬するヤツはひでえみたいだが、ダチ同士なら正々堂々勝負するからな。」
『いいよね~あたしも男子に生まれたかったなぁ。ちょ~ラクそう!』
「ハハッでもさ、小夏なら男子でもやってけそうじゃね?お前のダチ、男のが多いだろぃ?」
『いや~小学生のころに比べたら少ないほうだよ?虫取、鬼ごっこ、ゲーム、木登り…何するにも男子男子だったしね。』
「お前それ、普通の男子より男らしくねぇか」
『ま、否定はしないよ?女番長とまで言われてたし。んでも今はそんなことないよ。友達も広く浅く付き合うようにしてるし。』
「そういやそうか。俺らと南とくらいしか一緒にいねぇもんな。メンクイのクセに。」
『また!関係ないしそこ!』
「だってお前告られたりしねぇの?」
『…え…ないけど?』
「なんだそれ。別にお前、見た目はかわいいんだからよ、もったいないかなって思ったりするぜ俺は。」
………ん?
「俺らテニス部ならさ、もう小夏のことわかりきってるわけだし、幻滅もしねぇじゃん?誰かと付き合うとか考えたことねぇの?」
うん?
「お前、告ったら100%成功する気がするけどよ。」
『……それは…丸井も?』
「…試してみるか?別に付き合うって経験してもいいんじゃねぇの?」
目的地まであと数分。
丸井のガムが音をたてて膨らんだ。
あたしの心が決まるまで
あと
何秒?
end