名前変換は小説によってあったりなかったりします。
庭球
名前変換設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
やっと体育祭が終わったってのに、次はすぐ文化祭ってど―ゆ―ことっ!!?
あたしは面倒なことは嫌いなんだからね……!!
中高合わせての毎年恒例海原祭。
高校生が模擬店OKのせいもあり、偏らせないためにも中学生は出し物と決められている。
そして今年のうちのクラスの出し物は
タップダンスだ。
『で―き―な―い―…』
「あ~もう!さっきからそればっかだろぃ!?」
『できないものはできないんだよ丸井。』
「お前ちょっとは向上心ってものを見せろよな…ι」
うちのタップダンスはクラスをグループに分けて4曲と、全員で踊るのが1曲に決まっていた。
私はHR中に寝ていたせいで勝手にペアダンスをやることに。
私の相手は丸井。ちなみに仁王もペアダンスで、こちらは私の友人、ななみがパートナーを務めている。
コイツらのパートナーになりたいオナゴはすげー騒ぎでその権利を奪い合っていたって話。(丸井と仁王は強制でペアダンスになったって言ってた。)
そりゃ何て言ってもあのテニス部員だからね。
先生は困った挙句、本人たちにパートナーを選ばせるという強行手段を行使。
結果、一緒に踊ってもユデタコにならなそうな私たちが選ばれたらしい。
「仕方なか、なんたって小夏じゃから。」
『は?どういう意味か言ってみろ仁王。』
「そのまんまの意味じゃ。」
『あん?だからその意味を言ってみろってい「もうやめろって!」
『止めるな丸井!』
「本当のことを言ったまでじゃき。」
「練習は何回でもやってやるから!落ち着け玖渚!」
『ていうかさ、じゃあ仁王、あんたはできるわけ?やってみなよ!』
「ほぉ。そうきたか。…じゃあ、」
スッと私の前に手を出して言った
「Shall we dance?」
『…yes,of cource.』
え?なに今あたしとやるの?ってちょっとビックリしたけどあたしも負けずに言い返す。
突然のことに、隣にいた丸井が笑いを殺しながら音楽を流し始めた。
私たちは手をとった。
~♪~~♪……
『!』
「なんじゃ?」
私の型の崩れを敏感に読み取りつつ仁王は、それでもワンステップも崩すことなく完璧にカバーしてくれた。
~♪~~
(認めたくないけど…!)
~♪♪
タンッ!
最後のステップを踏み終え、ポーズが決まる。
「……ブッ……ブラボー!」
丸井が大げさに拍手をする。
仁王はいかにもなお礼をしてから、ニヤリと嫌な笑顔を私に向けた。
「さて、感想を聞こうかのぅ?」
「仁王!マジで完璧だろぃ!流石だな!」
「お前さんの意見をききたいんじゃが?」
『……完敗だよ…悔しいけどね。こりゃあ皆が組みたいって言うわけだ!』
「はぁ?何かそれ、俺を貶してるようにしか聞こえねぇんだけど?」
『うん。』
「あぁ!?ケンカ売ってんのか!」
『だって仁王のがフォローがうま「うるせぇぞお前ら!」
ガンッ
と音がして短いスカートと長い白い足がお目見えした。
『あ…ななみぃぃ……!!ななみのパートナーと丸井交換してよぉぉ!』
「お断りだ。」
この麗しいほどの容姿からは想像できないハスキーボイス。
美貌を生かさない男前女子。
それがあたしの友達のこの南ななみである。
『ひどっっ!』
「ったりめぇだろうが!仁王は上手いからな。お前にはもったいねぇんだよ。丸井くらいで充分だぜ。」
「くらいって何なんだよ!」
『そうだよ!丸井なりにがんばってんじゃん!』
「それお前が言えるセリフじゃねぇだろぃ!つかもともと、玖渚がちゃんと練習してこなかったのがワリィし!」
『はぁ!?男が女に責任押しつけるなんてありえない!』
「それとこれとは話が別だろぃ?!」
「あ~もう、やめんしゃい。」
「あぁ、そのへんにしな。じゃねぇと幸村召喚すっぞ。」
「『スミマセンデシタι』」
「ブン太と小夏はなんだかんだ言って気があっちょるから、いいパートナーになりそなのにのぅ……漫才的な意味で。」
「アッハッハ!違ぇねぇ!」
「『変なこと言うな!……あ。』」
「じゃろ?」
『……照れんな丸井』
「……ばっ…!お前こそ…」
だっ、だから恥ずかしいっつぅの…!そういう反応を返されるとこま…
「ハイハイ~そこまで~…。てめぇら見てると歯痒いんだよ。一年の時から仲良しこよしなクセによぉ……ブチュッといっちまえ。そしたら気になんなくなるぜ。」
「『!!?』」
「南はデリカシーってもんがないのぅ……そういうときは……」
スッと前にきた仁王はあたしの目を見つめてきた。
『な、なに…っっ!』
ふわりと身体を捕まれたと思ったら抱き締められていた。
「なぁ、好ぃとぉよ?俺と付き合わ「やめっ「何してるのかな仁王?」!!!!!!!?」
仁王の肩越しに見た廊下にいる人。
それは紛れもなく
『せせせせ…精市…っっ!?』
「やぁ小夏、仁王、丸井に南。」
バッと、丸井があたしを、ななみが仁王を引き剥がして、背中におしやった。
「何してるの?」
「と、特に何も!?なぁ、南?」
「ばっ…!こっちに振るんじゃねぇよ!…幸村こそ何してんだよ。お前クラス違ぇだろ!」
「あぁ、ちょっと小夏に用事があって。」
『あたしに?』
丸井の背中から顔を半分だけ覗かせて聞き返した。
「うん。調子はどうかなって思ってね?」
『う゛…ま、まだ始まったばっかりじゃん!』
「そうだけどね、がんばってね、みたいな。」
『せっ精市こそどうなのさっ!』
「ふっ…俺の心配するくらいなら、自分の心配したほうがいいんじゃないかな?」
じゃね、とひらひら手を振って去ってゆく精市は悔しいけど軽やかで、かっこよかった。確かにヤツの心配はいらないよな。
「……調子って、何?お前、どっかワリィの?」
はっと我に返り、顔を見下ろす丸井に返した。
『え、あ、いや…別に…っていうか!ね、丸井!』
「!なっなんだよ!」
照れる丸井の手をとって話を進める。
『仁王ペアに教えてもらって、練習しよう!二グループしかないんだから、舞台上で比べられて恥かかないようにしよ!ね!』
「…癪だけどしかたねぇよな…」
「ま、教えてやらんこともないが…」
「もうすぐ完全下校の時間だから、場所移動が必要だな。」
『あ…ななみも…気づいてたか…』
「こんなかで、一番近いのはうちだから…そこまで連れてってもらえりゃ、駐車場でやるといいけど。」
「南とブン太がチャリで来てたんかの?」
『じゃあ二人乗り?ななみ、乗せてよ。』
「は?ヤダよ。」
『なぜッ!普通にその組合せでしょっ!』
「お前は丸井に乗せてもらえ。バランスとる練習!とにかく息を合わせるところからなってねぇんだから」
『むっ…』
「観念しんしゃい。」
「仕方ねぇか…」
「決まりだな、行くぞ」
強引に押しきられ、結局その組合せで行くことになった。
自転車組がチャリを取りにいっている間、聞きたかった質問をしてみることにした。
『ねぇ仁王、テニス部員ってさモテるよね。』
「なにか急に。」
『ちょっと、ね。』
「まぁ…そりゃあ。バレンタインはあのブン太でも鼻血出すくらいな感じには。」
『…わかりやすい説明ありがとうございます…ι』
「ん。で?それが何?」
『ん~…仁王にとって恋愛って何かなって?』
「どうも的を得ん質問じゃな。」
『たしかに。』
う~ん…なんて言えば通じるかな……
「恋愛に発展するために必要なものってトコか?」
『そうそれ!』
「難しい質問じゃき。幸村が言っとったのはそれに関してのことか。お前、赤也にも似たような質問したじゃろ?」
『あ…筒抜けってヤツですか?ハハハ……』
「俺は、今まで付き合った女子からは“仁王君は何考えてるのかわからない”って言われることが多いのぅ。つか、もともと言われたから付き合ったっとるだけなのにな。じゃけん、相手んこと考える気持がいるんじゃなか?」
『へ~…仁王にしてはマトモないいこと言ったね今。』
「お前んなかで俺のポジションどうなっとぅか」
『相手を考えるかぁ…確かにあたしみたいに“かっこいいっ”て思うだけとは違うかもなぁ』
「メンクイはなかなか治らんぜよ?お前は勿体無い性格しちょる。」
『ムカチーン。性格のことまで言いますか。仁王に言われたくないし!』
「悪い意味じゃのぅて、少なくともテニス部員はみんなお前をす「「お待たせ~」」……」
「仁王がこげよ?」
「小夏、乗れよ!」
仁王の言葉はそこで途切れた。
続きは気になったけど、あんまり大人数の前で話すのも恥ずかしいから、触れないでおこう。
end
---
テニス部員は最初からみんなお前しゃんに目をつけとったヤツが多かったなんて、知ってるのは俺だけじゃき。
あるいは幸村も……
あんときの俺の一言も、結構本気だったんじゃが…
たしかに変なヤツだが、そこもかわいいって、本人は気づかんのか…天然なのかなんなのか…
ま、今はまだ。
あたしは面倒なことは嫌いなんだからね……!!
中高合わせての毎年恒例海原祭。
高校生が模擬店OKのせいもあり、偏らせないためにも中学生は出し物と決められている。
そして今年のうちのクラスの出し物は
タップダンスだ。
『で―き―な―い―…』
「あ~もう!さっきからそればっかだろぃ!?」
『できないものはできないんだよ丸井。』
「お前ちょっとは向上心ってものを見せろよな…ι」
うちのタップダンスはクラスをグループに分けて4曲と、全員で踊るのが1曲に決まっていた。
私はHR中に寝ていたせいで勝手にペアダンスをやることに。
私の相手は丸井。ちなみに仁王もペアダンスで、こちらは私の友人、ななみがパートナーを務めている。
コイツらのパートナーになりたいオナゴはすげー騒ぎでその権利を奪い合っていたって話。(丸井と仁王は強制でペアダンスになったって言ってた。)
そりゃ何て言ってもあのテニス部員だからね。
先生は困った挙句、本人たちにパートナーを選ばせるという強行手段を行使。
結果、一緒に踊ってもユデタコにならなそうな私たちが選ばれたらしい。
「仕方なか、なんたって小夏じゃから。」
『は?どういう意味か言ってみろ仁王。』
「そのまんまの意味じゃ。」
『あん?だからその意味を言ってみろってい「もうやめろって!」
『止めるな丸井!』
「本当のことを言ったまでじゃき。」
「練習は何回でもやってやるから!落ち着け玖渚!」
『ていうかさ、じゃあ仁王、あんたはできるわけ?やってみなよ!』
「ほぉ。そうきたか。…じゃあ、」
スッと私の前に手を出して言った
「Shall we dance?」
『…yes,of cource.』
え?なに今あたしとやるの?ってちょっとビックリしたけどあたしも負けずに言い返す。
突然のことに、隣にいた丸井が笑いを殺しながら音楽を流し始めた。
私たちは手をとった。
~♪~~♪……
『!』
「なんじゃ?」
私の型の崩れを敏感に読み取りつつ仁王は、それでもワンステップも崩すことなく完璧にカバーしてくれた。
~♪~~
(認めたくないけど…!)
~♪♪
タンッ!
最後のステップを踏み終え、ポーズが決まる。
「……ブッ……ブラボー!」
丸井が大げさに拍手をする。
仁王はいかにもなお礼をしてから、ニヤリと嫌な笑顔を私に向けた。
「さて、感想を聞こうかのぅ?」
「仁王!マジで完璧だろぃ!流石だな!」
「お前さんの意見をききたいんじゃが?」
『……完敗だよ…悔しいけどね。こりゃあ皆が組みたいって言うわけだ!』
「はぁ?何かそれ、俺を貶してるようにしか聞こえねぇんだけど?」
『うん。』
「あぁ!?ケンカ売ってんのか!」
『だって仁王のがフォローがうま「うるせぇぞお前ら!」
ガンッ
と音がして短いスカートと長い白い足がお目見えした。
『あ…ななみぃぃ……!!ななみのパートナーと丸井交換してよぉぉ!』
「お断りだ。」
この麗しいほどの容姿からは想像できないハスキーボイス。
美貌を生かさない男前女子。
それがあたしの友達のこの南ななみである。
『ひどっっ!』
「ったりめぇだろうが!仁王は上手いからな。お前にはもったいねぇんだよ。丸井くらいで充分だぜ。」
「くらいって何なんだよ!」
『そうだよ!丸井なりにがんばってんじゃん!』
「それお前が言えるセリフじゃねぇだろぃ!つかもともと、玖渚がちゃんと練習してこなかったのがワリィし!」
『はぁ!?男が女に責任押しつけるなんてありえない!』
「それとこれとは話が別だろぃ?!」
「あ~もう、やめんしゃい。」
「あぁ、そのへんにしな。じゃねぇと幸村召喚すっぞ。」
「『スミマセンデシタι』」
「ブン太と小夏はなんだかんだ言って気があっちょるから、いいパートナーになりそなのにのぅ……漫才的な意味で。」
「アッハッハ!違ぇねぇ!」
「『変なこと言うな!……あ。』」
「じゃろ?」
『……照れんな丸井』
「……ばっ…!お前こそ…」
だっ、だから恥ずかしいっつぅの…!そういう反応を返されるとこま…
「ハイハイ~そこまで~…。てめぇら見てると歯痒いんだよ。一年の時から仲良しこよしなクセによぉ……ブチュッといっちまえ。そしたら気になんなくなるぜ。」
「『!!?』」
「南はデリカシーってもんがないのぅ……そういうときは……」
スッと前にきた仁王はあたしの目を見つめてきた。
『な、なに…っっ!』
ふわりと身体を捕まれたと思ったら抱き締められていた。
「なぁ、好ぃとぉよ?俺と付き合わ「やめっ「何してるのかな仁王?」!!!!!!!?」
仁王の肩越しに見た廊下にいる人。
それは紛れもなく
『せせせせ…精市…っっ!?』
「やぁ小夏、仁王、丸井に南。」
バッと、丸井があたしを、ななみが仁王を引き剥がして、背中におしやった。
「何してるの?」
「と、特に何も!?なぁ、南?」
「ばっ…!こっちに振るんじゃねぇよ!…幸村こそ何してんだよ。お前クラス違ぇだろ!」
「あぁ、ちょっと小夏に用事があって。」
『あたしに?』
丸井の背中から顔を半分だけ覗かせて聞き返した。
「うん。調子はどうかなって思ってね?」
『う゛…ま、まだ始まったばっかりじゃん!』
「そうだけどね、がんばってね、みたいな。」
『せっ精市こそどうなのさっ!』
「ふっ…俺の心配するくらいなら、自分の心配したほうがいいんじゃないかな?」
じゃね、とひらひら手を振って去ってゆく精市は悔しいけど軽やかで、かっこよかった。確かにヤツの心配はいらないよな。
「……調子って、何?お前、どっかワリィの?」
はっと我に返り、顔を見下ろす丸井に返した。
『え、あ、いや…別に…っていうか!ね、丸井!』
「!なっなんだよ!」
照れる丸井の手をとって話を進める。
『仁王ペアに教えてもらって、練習しよう!二グループしかないんだから、舞台上で比べられて恥かかないようにしよ!ね!』
「…癪だけどしかたねぇよな…」
「ま、教えてやらんこともないが…」
「もうすぐ完全下校の時間だから、場所移動が必要だな。」
『あ…ななみも…気づいてたか…』
「こんなかで、一番近いのはうちだから…そこまで連れてってもらえりゃ、駐車場でやるといいけど。」
「南とブン太がチャリで来てたんかの?」
『じゃあ二人乗り?ななみ、乗せてよ。』
「は?ヤダよ。」
『なぜッ!普通にその組合せでしょっ!』
「お前は丸井に乗せてもらえ。バランスとる練習!とにかく息を合わせるところからなってねぇんだから」
『むっ…』
「観念しんしゃい。」
「仕方ねぇか…」
「決まりだな、行くぞ」
強引に押しきられ、結局その組合せで行くことになった。
自転車組がチャリを取りにいっている間、聞きたかった質問をしてみることにした。
『ねぇ仁王、テニス部員ってさモテるよね。』
「なにか急に。」
『ちょっと、ね。』
「まぁ…そりゃあ。バレンタインはあのブン太でも鼻血出すくらいな感じには。」
『…わかりやすい説明ありがとうございます…ι』
「ん。で?それが何?」
『ん~…仁王にとって恋愛って何かなって?』
「どうも的を得ん質問じゃな。」
『たしかに。』
う~ん…なんて言えば通じるかな……
「恋愛に発展するために必要なものってトコか?」
『そうそれ!』
「難しい質問じゃき。幸村が言っとったのはそれに関してのことか。お前、赤也にも似たような質問したじゃろ?」
『あ…筒抜けってヤツですか?ハハハ……』
「俺は、今まで付き合った女子からは“仁王君は何考えてるのかわからない”って言われることが多いのぅ。つか、もともと言われたから付き合ったっとるだけなのにな。じゃけん、相手んこと考える気持がいるんじゃなか?」
『へ~…仁王にしてはマトモないいこと言ったね今。』
「お前んなかで俺のポジションどうなっとぅか」
『相手を考えるかぁ…確かにあたしみたいに“かっこいいっ”て思うだけとは違うかもなぁ』
「メンクイはなかなか治らんぜよ?お前は勿体無い性格しちょる。」
『ムカチーン。性格のことまで言いますか。仁王に言われたくないし!』
「悪い意味じゃのぅて、少なくともテニス部員はみんなお前をす「「お待たせ~」」……」
「仁王がこげよ?」
「小夏、乗れよ!」
仁王の言葉はそこで途切れた。
続きは気になったけど、あんまり大人数の前で話すのも恥ずかしいから、触れないでおこう。
end
---
テニス部員は最初からみんなお前しゃんに目をつけとったヤツが多かったなんて、知ってるのは俺だけじゃき。
あるいは幸村も……
あんときの俺の一言も、結構本気だったんじゃが…
たしかに変なヤツだが、そこもかわいいって、本人は気づかんのか…天然なのかなんなのか…
ま、今はまだ。