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庭球
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「お前彼氏いないだろ」
その答えが唯一俺を安心させる手立て。
『…ブン太…毎日毎日、よく飽きないねぇ…』
「そりゃあもう、日課ですから。」
『そんな日課、本気でやめてほしいんですけどねこっちは。』
そんな風にコイツを、小夏をからかって、’いない’ってな事実にほっとする。
決まって返される「ブン太だっていないでしょ、モテるくせに」の一言に少し嬉しかったりして。
まぁ、俺が小夏しか見てねぇとか、誰も知らねーだろうしな…つーか知られてたら困るんだけどよぃ。
だけど
だから
安心しすぎた結果、なのか?
ある日早く来すぎた部室にて。
ベタな現場を目撃した俺。
「好きなんだよ」
『私も前から好き、です』
幸村君と向かい合わせで小夏が立っていたのが見えた。
え?ナニコレ。俺でもわかる、もしかして、アレか。
アレ。こくはく、ってやつ?
「っ、」
開きかけた扉が音を立てたのは辛うじてわかった。
だけどそれ以上のことなんて
「わかりたくも、ねぇっての!!」
はぁっ、はぁっ…
肩で息をするくらい全力疾走したのっていつぶりだ?
バンッ!
朝イチの誰もいない教室に駆け込んで、心を落ち着かせる。
そ、か。
彼氏いないからって、好きなヤツがいねぇわけじゃねぇってか。
そりゃ、そうだわな。俺だって彼女いねぇけど、アイツが
「小夏が、好きな、わけだし、な…ははっ…」
『そ、それ、ホント…?』
「―っ!?」
突然聞こえた声に耳を疑う。
え、
『ねぇ、ブン太、答えて、』
「ちょ、え?お前、いつから、ソコいたの…てかどうやって入ったんだよぃ!?」
『え?普通に、後ろの扉から入った、けど』
「っちぃっ!」
『舌打ち!?わ、私そんな酷いことした覚えないけどっ!』
「人の独り言聞くことがひでぇことじゃねぇっーわけ?!」
『そ、それは不可抗力ってやつでしょー!?むかつくーっ!!』
「んだよっ!俺のせいっつーわけ!へぇ?!もういい!部活戻るっ」
俺のアホ!と心のなかで叫ぶけど、口が勝手に動いてどうにもならない。
今はダメだ。
俺が落ち着いてないことなんかっ、自分が一番わかってるっつの!!
「ん?」
出て行こうとした俺の横をすり抜けて、ドアの前に立ちはだかるのは、やっぱりコイツ。
「…なに…」
今しゃべったって、楽しいことも、いつものノリも、出てこねぇんだよ…本当、これ以上俺を惨めにさせんな馬鹿。
好きなんだよ、好きなんだ。ほんとに好きだから、笑っていてほしくて、笑顔にさせたくて、その役目は俺に頂戴、と思ってた。
だけどそれが叶わないなら、今はそっとしといてくれよ。
ぐるぐると俺らしくない考えが頭ん中をめぐる。
相変わらず小夏は俺の目をじっと見つめるだけ。
「…今日の午後か、明日かあさってか、ずっと先かはわかんねーけど、努力すっから…、な?別にお前を避けたりしねぇよ。ただ、びっくりしただけだっつの。誰でも告白現場みりゃ、びっくりするだろぃ?」
『…がう、もん』
「は?」
『違うもんっ!!私と幸村が話してたのは、告白とかじゃないもん!ひまわりが…咲いたから』
「…え、と」
『私も幸村も、ひまわり好きだね、って話してたんだよ!』
「あー…ちょいまち…えーと?じゃあ?俺の盛大な一人カンチガイっつー、こと、」
『そゆ、こと、デス…』
お互い冷静になって、だんだん熱くなる、体温。紅くなる、頬。逸らされる瞳。
これ、気温のせいじゃねぇよな。気のせい、じゃないって言ってくれよぃ?
「な、なぁ…聞いていいか?」
『な、によ』
「今、俺が、好きか?、って聞いたらよぃ…お前、好きって、答える、か、とか…」
『…なに、を好き、かによる…かな、』
もう一度、目が合う。
小夏がはにかむ。
あ、コレ、いけんじゃね?
「そんなん決まってんだろぃ!」
答えを聞く前に、もう一度問う前に。
この手でその存在を抱きしめて。
お前、彼氏いないだろ?
(俺のこと、好き、なんだろ!)(うんっ!)
王道好きですみません…!
20100719
Dear 桜雅様
Thanks request!
その答えが唯一俺を安心させる手立て。
『…ブン太…毎日毎日、よく飽きないねぇ…』
「そりゃあもう、日課ですから。」
『そんな日課、本気でやめてほしいんですけどねこっちは。』
そんな風にコイツを、小夏をからかって、’いない’ってな事実にほっとする。
決まって返される「ブン太だっていないでしょ、モテるくせに」の一言に少し嬉しかったりして。
まぁ、俺が小夏しか見てねぇとか、誰も知らねーだろうしな…つーか知られてたら困るんだけどよぃ。
だけど
だから
安心しすぎた結果、なのか?
ある日早く来すぎた部室にて。
ベタな現場を目撃した俺。
「好きなんだよ」
『私も前から好き、です』
幸村君と向かい合わせで小夏が立っていたのが見えた。
え?ナニコレ。俺でもわかる、もしかして、アレか。
アレ。こくはく、ってやつ?
「っ、」
開きかけた扉が音を立てたのは辛うじてわかった。
だけどそれ以上のことなんて
「わかりたくも、ねぇっての!!」
はぁっ、はぁっ…
肩で息をするくらい全力疾走したのっていつぶりだ?
バンッ!
朝イチの誰もいない教室に駆け込んで、心を落ち着かせる。
そ、か。
彼氏いないからって、好きなヤツがいねぇわけじゃねぇってか。
そりゃ、そうだわな。俺だって彼女いねぇけど、アイツが
「小夏が、好きな、わけだし、な…ははっ…」
『そ、それ、ホント…?』
「―っ!?」
突然聞こえた声に耳を疑う。
え、
『ねぇ、ブン太、答えて、』
「ちょ、え?お前、いつから、ソコいたの…てかどうやって入ったんだよぃ!?」
『え?普通に、後ろの扉から入った、けど』
「っちぃっ!」
『舌打ち!?わ、私そんな酷いことした覚えないけどっ!』
「人の独り言聞くことがひでぇことじゃねぇっーわけ?!」
『そ、それは不可抗力ってやつでしょー!?むかつくーっ!!』
「んだよっ!俺のせいっつーわけ!へぇ?!もういい!部活戻るっ」
俺のアホ!と心のなかで叫ぶけど、口が勝手に動いてどうにもならない。
今はダメだ。
俺が落ち着いてないことなんかっ、自分が一番わかってるっつの!!
「ん?」
出て行こうとした俺の横をすり抜けて、ドアの前に立ちはだかるのは、やっぱりコイツ。
「…なに…」
今しゃべったって、楽しいことも、いつものノリも、出てこねぇんだよ…本当、これ以上俺を惨めにさせんな馬鹿。
好きなんだよ、好きなんだ。ほんとに好きだから、笑っていてほしくて、笑顔にさせたくて、その役目は俺に頂戴、と思ってた。
だけどそれが叶わないなら、今はそっとしといてくれよ。
ぐるぐると俺らしくない考えが頭ん中をめぐる。
相変わらず小夏は俺の目をじっと見つめるだけ。
「…今日の午後か、明日かあさってか、ずっと先かはわかんねーけど、努力すっから…、な?別にお前を避けたりしねぇよ。ただ、びっくりしただけだっつの。誰でも告白現場みりゃ、びっくりするだろぃ?」
『…がう、もん』
「は?」
『違うもんっ!!私と幸村が話してたのは、告白とかじゃないもん!ひまわりが…咲いたから』
「…え、と」
『私も幸村も、ひまわり好きだね、って話してたんだよ!』
「あー…ちょいまち…えーと?じゃあ?俺の盛大な一人カンチガイっつー、こと、」
『そゆ、こと、デス…』
お互い冷静になって、だんだん熱くなる、体温。紅くなる、頬。逸らされる瞳。
これ、気温のせいじゃねぇよな。気のせい、じゃないって言ってくれよぃ?
「な、なぁ…聞いていいか?」
『な、によ』
「今、俺が、好きか?、って聞いたらよぃ…お前、好きって、答える、か、とか…」
『…なに、を好き、かによる…かな、』
もう一度、目が合う。
小夏がはにかむ。
あ、コレ、いけんじゃね?
「そんなん決まってんだろぃ!」
答えを聞く前に、もう一度問う前に。
この手でその存在を抱きしめて。
お前、彼氏いないだろ?
(俺のこと、好き、なんだろ!)(うんっ!)
王道好きですみません…!
20100719
Dear 桜雅様
Thanks request!