名前変換は小説によってあったりなかったりします。
stsk
名前変換設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
放課後―
星月学園の隠れスポットである、古城のような階段から遠く落ちていく夕日を見ていたら、羊君がひょっこり顔を出してきた。
『羊君!』
「Bonjor.。君を探してたんだ。こんなところにいたんだね」
『そっか、羊君来たばかりだから知らなかったんだね。ごめんね?』
「Non.気にしないで。それに君に気にしてほしいことはもっと他にあって。」
『?なぁに?』
羊君は焦らすようにゆっくりと、階段を一段一段上ってくる。
「僕は君が好き。知ってるよね」
『う、うん。知ってるよ』
羊君が日本に来たその日から、何度も聞いたその言葉。痛いほど、羊君の気持ちはわかってる。
「ね、君は知ってて、いつも哉太や錫也とあんなに仲良くしているの?」
『仲良く?今までと何も変わらないよ?それに羊君も同じように仲良くしてる。』
そう告げると、突然、羊君が階段を上るのを止め、上を、私の方を向いた。
それからすぐにキッと、怒っているような目つきになる。
『え…!?よ、羊君?どうしたの?』
羊君は何も話さない。
そうえば羊君が怒ってるの、見たことがない。
どうしたんだろう。
私の態度が羊君を戸惑わせ、そのうえ怒らせてしまったのだろうか。
「Arretez!」
『キャアッ!』
「捕まえた」
『…え?』
恐る恐る羊君の方を見ると、いつの間に移動したのか、私の立っているところまできていて、バチと目線があう。羊君はそのキレイな赤色の瞳に私を映して、それからニコリと微笑んだ。
「ごめん。驚かせちゃったね」
『あっ…と…?』
「ほら」
見て?と手のひらを見せる。そこには小さな小鳥がいた。
『小鳥?』
「そう。小鳥がね、せっかく咲いていた四葉のクローバーをつつこうとしてたから」
『な…んだぁ…よかった…』
私はほっとして肩を落とす。本当に怒ってしまって、嫌われてしまうのかと、羊君が私の隣からいなくなってしまうのかと、本当にそう…
うまく言葉が出てこない。そんな私に向かって、クローバーを摘み取りながら、羊君は言った。
「好きだよ…僕はどうなっても君が好き。」
『!』
「心配に、なってくれたんだよね?君はわかりやすいから。」
『えっと、その…』
図星をつかれて、顔が赤くなるのがわかった。
「どうしようもないくらいに好きだから、だから少しのことで妬いてる。今すぐには無理でも、いつか君を僕だけで一杯にしてみせるから。」
右手の薬指にクローバーを指輪のようにくるんっと巻き付けて、手の甲にキスを一つ。夕日に照らされ、キラキラと光を受ける羊君はまるで本当の王子様みたい。
もう心は羊君に奪われているんだけど、なんて、どのタイミングで言えばいいんだろう。
お姫様になりたいと、羊君の隣にいれば幸せになれるんだと、そんな気持ちになった、ある日の夕刻。
-王子様に恋をする-
(君に近づけば近づくほど、その心の優しさと、私への愛を感じる。)
20090618
星月学園の隠れスポットである、古城のような階段から遠く落ちていく夕日を見ていたら、羊君がひょっこり顔を出してきた。
『羊君!』
「Bonjor.。君を探してたんだ。こんなところにいたんだね」
『そっか、羊君来たばかりだから知らなかったんだね。ごめんね?』
「Non.気にしないで。それに君に気にしてほしいことはもっと他にあって。」
『?なぁに?』
羊君は焦らすようにゆっくりと、階段を一段一段上ってくる。
「僕は君が好き。知ってるよね」
『う、うん。知ってるよ』
羊君が日本に来たその日から、何度も聞いたその言葉。痛いほど、羊君の気持ちはわかってる。
「ね、君は知ってて、いつも哉太や錫也とあんなに仲良くしているの?」
『仲良く?今までと何も変わらないよ?それに羊君も同じように仲良くしてる。』
そう告げると、突然、羊君が階段を上るのを止め、上を、私の方を向いた。
それからすぐにキッと、怒っているような目つきになる。
『え…!?よ、羊君?どうしたの?』
羊君は何も話さない。
そうえば羊君が怒ってるの、見たことがない。
どうしたんだろう。
私の態度が羊君を戸惑わせ、そのうえ怒らせてしまったのだろうか。
「Arretez!」
『キャアッ!』
「捕まえた」
『…え?』
恐る恐る羊君の方を見ると、いつの間に移動したのか、私の立っているところまできていて、バチと目線があう。羊君はそのキレイな赤色の瞳に私を映して、それからニコリと微笑んだ。
「ごめん。驚かせちゃったね」
『あっ…と…?』
「ほら」
見て?と手のひらを見せる。そこには小さな小鳥がいた。
『小鳥?』
「そう。小鳥がね、せっかく咲いていた四葉のクローバーをつつこうとしてたから」
『な…んだぁ…よかった…』
私はほっとして肩を落とす。本当に怒ってしまって、嫌われてしまうのかと、羊君が私の隣からいなくなってしまうのかと、本当にそう…
うまく言葉が出てこない。そんな私に向かって、クローバーを摘み取りながら、羊君は言った。
「好きだよ…僕はどうなっても君が好き。」
『!』
「心配に、なってくれたんだよね?君はわかりやすいから。」
『えっと、その…』
図星をつかれて、顔が赤くなるのがわかった。
「どうしようもないくらいに好きだから、だから少しのことで妬いてる。今すぐには無理でも、いつか君を僕だけで一杯にしてみせるから。」
右手の薬指にクローバーを指輪のようにくるんっと巻き付けて、手の甲にキスを一つ。夕日に照らされ、キラキラと光を受ける羊君はまるで本当の王子様みたい。
もう心は羊君に奪われているんだけど、なんて、どのタイミングで言えばいいんだろう。
お姫様になりたいと、羊君の隣にいれば幸せになれるんだと、そんな気持ちになった、ある日の夕刻。
-王子様に恋をする-
(君に近づけば近づくほど、その心の優しさと、私への愛を感じる。)
20090618