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庭球
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『サエぇ―――――』
愛しのあの娘がかけてくる。
満面の笑みを浮かべて。
―キラキララ―
『ハァッ…ハァッ…!ごっごめんねっ…!待たせて…遅れ、ちゃったっ…!』
「うぅん。大丈夫だよ。俺も今来たとこだから。」
そう、今日はマネージャーの小夏とデートだ。
………て言っても、俺がテニス関係のものをいろいろ買いたいから見繕ってって誘っただけ。本人は何とも思ってないんだろうな。
一方の小夏は一人フィーバー中。
待った?―今来たところ
キャァァァ…!
なんだこれっ!恋人同士かッ!さらっと恥ずかしい…!
サエってば、最近急激に爽やかかっこよさが増して!
あぁもう!私服…さ・い・こ・う!!!!!!
サエから誘われた時は嬉しかったなぁっ!
特に深い意味はないんだと思うけどさぁ。
今日は一日サエを独り占めできるんだし、楽しまなきゃッ!
「じゃあ早速だけど行こうか。」
『うん!』
「んっ」
普通に差し出される手に一瞬戸惑う小夏。
「今日休日だし、人多いから、はぐれないように、ね!小夏はちっちゃいから見えなくなっちゃうだろ?」
『ムッ!言ってくれるわね!サエのばぁかっ!』
「あぁごめんごめん。でも、はぐれるのは困るだろ?せっかく…」
『せっかく?』
「デートっぽいのに。」
『!』
「こんなかわいい娘、ほっとく人はいないよきっと。」
『!!』
「今日は部活とは違ってワンピースじゃないか。似合ってるよ。かわいい。」
『!!!!』
なっ…なんでこんなにサラリと恥ずかしい言葉をはけるのか…かっこいい人にクサイ言葉言われたら引くどころかトキメクってこういうことなのね…
『さっ…サエが言っても説得力な―いっ!みんなにいつもいってるじゃない!』
恥ずかしさに顔を背けるとサエが顔を近づけてきた。その態勢は今にもキスをするようで。
「そんなことないと思うけど?俺がかわいいと思うのは小夏だもの。」
『なっ…!』
「だからね、ほら。拐われないように、手、つなごう?」
『…わっわかった!わかったからそんな近づかないで―ッッ!!!!!!』
公衆の面前でそんな態勢をとられたらひとたまりもない。
「だからね、ほら。拐われないように、手、つなごう?」
「フフ!そんな顔もかわいいんだけどね!まぁ許してあげる。じゃあ行こう!」
なんだかんだでやっと出発だ。
『ねッッ今日は何を買いたいんだった?』
「えぇっと…先ずはシューズかな。あとは練習時に着るウェアと…靴下も汚くなってて…普通に文房具もほしいし…」
『へぇ…結構あるなぁ。それなら一日がかりの買い物になるね!』
「……イヤ?」
『へ?そんなわけないじゃん!サエと二人で話すことなんか稀だし、一日いれるなら願ったり叶ったりだよ』
「…その言葉、反則だ…」
『ん?』
「いやっ…こっちの話。ん!でもそれならよかった!」
『うん!』
「あ、そこの店。そこでいつもシューズ買うんだよ。」
『そうなんだ!じゃあ入ろ~!』
それから少し経って。
『だいぶ買い物したねぇ!』
「あぁ。小夏のおかげでいいものがたくさん買えたよ。ありがとう。」
『え~あたしなんか色とか見ただけよ?サエのセンスの良さが光ってたと思うけど?』
「そうかな。でも俺が一人じゃ買わないようなものも手に入ったし!小夏ときてよかったよ。」
『そう言ってもらえてよかった!…あ!そうえば文房具もほしいって言ってたよね?あそこの文房屋さん、大きくてなんでもそろってるの!あそこ行かない?』
「へぇ。そうなんだ。じゃあ入ってみようか。」
その文房店は、小夏が言うように三階建ての吹き抜けになっており、あらゆる文房具が揃えてあるスタイリッシュなお店だった。
「へぇ…すごいな。」
『でしょう?あたしのお気に入りのお店なの!よくここでかわいい文具が見つかるんだぁ…あっ!ほら!あれかわいいッッ!』
言ってダッと駆け出す姿は微笑ましかった。
『ほら!サエみて!このシャープ、上のトコロがプニプ二してる!かわい~!』
「ほんとだ。こんなのあるんだ。」
『ほしいな~…でもシャープはこの前買ったばかりだしな~…どうしよ…』
本格的に悩み始めた小夏から少し視線を上げるとそこにいたのはバネさんとダビデだった。
『!!!!!!??!』
<なっ…!なんであいつらがここに?!
おかしいだろ…ってかその前にあいつらに見つかったら確実に二人でいられなくなる…!!〉
『ね~サエはどう思う?この前はあれを買ったばか…ってワァッ!!!!』
「ちょっとごめん!」
小夏の腕を取って一目散に走り出した。
「んぁ?」
「どうしたバネさん。」
「いや…今マネージャーの声が聞こえた気がしたんだが…」
「…いないな…」
「ま…聞き間違えかな。」
「聞き間違えはき「ダ~ビ~デ~…!!!!」
「ちょっ…!俺まだ何も言ってな………!バネさんここ店の中!ちょっまっ…!」
ぎゃあぁぁぁぁぁあぁぁあ…………………!!!
店からダビデの断末魔が聞こえたのは小夏たちが近くの公園にたどり着いたときだった。
『ハァッ…ハァッ…さっサエ!?ど、どうし、たの?』
「あっいや…なんでもない…!ごめんね…急に走らせたりして!」
『や…それは大丈夫…!伊達にマネージャーやってないよ!人よりは体力あるつもり!』
「それならよか…って小夏!」
『はいぃぃぃいぃ!!!??』
突然真剣な声で話しかけられて奇声を発したあたし。
「…足。」
『え?あっ…あの…これ、は…そ「ミュール、脱いでみて。」
『や…でも…「早く!」
無理矢理ミュールを脱がせると小夏の足は真っ赤で、所々擦りむけていた。
「いつから痛かったの?」
『サエのせいじゃな「いつから?」
有無を言わさぬ調子に答えざるを得なくなった。
『……ウェア買ったあと…。歩いてるときは気づかなかったけど、一度喫茶店に入ったでしょ?あのときに痛いと思って…見たらこうなってた…。でも、なれないミュール履いてきたあたしが悪いだけで、いつも通りスニーカーにTシャツならこんなことには…迷惑かけてごめんなさ、』
「…バカだなぁ小夏は…」
うつ向いて涙をこらえる小夏にむかって発された言葉は今までにないほど優しかった。
『…サエ?』
ふわっと、サエは小夏を抱きしめた。
『サササササささサエ?!!!!!?』
戸惑いを隠せない小夏を他所に佐伯はさらに力を込めて小夏を抱きしめる。
「ねぇ小夏?俺ってそんなに頼りない?」
『そんなことないよッッ!むしろいつも頼りにしてる…ッッ!』
「…それならさ、なんでも言ってよ…俺には何でも言って…。例えばいつもボールとラケット運んでるの…あれは一体なん往復してるのか…。」
『っ!みて、たの?』
「俺がいつも見てるのは小夏だって言ったろ?あれ、結構な回数往復してるよな?あれだって俺らにやらせたらいいんだよ?」
『そんな!部員に負担をかけれるわけない!』
「そうやっていつも断るよね。でも、女の子にやらせるのはいい気分がしないんだよ…特に、好きな子なら尚更ね。」
『!?…す、す…き?サエ、好きな子がいるの?』
「うん。ず―っと俺のアピールに気づいてくれない鈍感な俺の愛しい子なんだ。」
『そう…なんだ…サエに好かれるなんて、うらやましいな…』
楽しかった今日一日が頭の中を駆け巡る。
サエと付き合ったら毎日がこんなに楽しいのかな…
自然に涙がこぼれ落ちる。
「…………そうやって思ってもらえるってことは…多少なりとも脈がある、って捉えてもいいのかな?」
耳に囁かれた言葉はさらに続く。
「愛しの姫は今俺の腕の中にいるんだけどね…?」
その一言が沈む夕日に輝く海を一層キラキラにさせた。
夏休みはまだ
始まったばかり―
(好きという一言は世界をキラキラにする魔法の言葉なの!)
--
後日部活中
「小夏―――!」
『サエっ!』
「会いたかったよ~!」
『なっ…!昨日もあったでしょ?…恥ずかしいから人前でそゆのは…』
「小夏はかわいいから誰かに取られないように事前対処だよ!」
ぎゅっと抱きしめるサエとは正反対にあたしの動悸は早くなる。
サエといるといつも翻弄されっぱなしだ。
「俺をフリーにしておいちゃダメだよ?」
『もうっ!むしろあたしがフリーにされない、でしょ?』
「そうだけどね〜あっそうだ!これこれ!」
言って渡されたかわいい包みのプレゼント。
『?なぁに?あたし、まだ誕生日じゃないよ?』
「いいからいいから。開けてみて?」
『?う、うん…』
シュルッとリボンをとり、中身を取り出すと
そこにはあの日見ていたシャープが入っていた。
『サエ!これっ…!』
「あの時、俺が無理に連れ出しちゃったから…そのお礼。小夏、ほしそうに見てたし。いらなかった…?」
『うぅんっ!!!!本当に本当にありがとう!サエ大好きっ!』
首に手を伸ばし抱きつくと、サエも抱きしめてくれた。
『…で?この手はなに?』
「何って…キスする雰囲気だったかな―って…」
『だ・か・ら―!!公衆の面前ってのを気にしてって言ったでしょ!?』
「いいじゃない。部員の前くら『よくなぁぁぁあいっっ!!!!!!』
サエの普通に慣れるのはまだまだ時間がかかりそうだったのでした。
ーー
「マネージャーとサエさんっていつの間にあんな関係だったんだ?」
「さぁ…知らねぇけど仲良さげだからいいんじゃね?」
「でもマネージャーとしゃべるとサエさんが怖いから困る…」
「まぁ…確かにな」
「あ「ダ―ビ―デ――…」
「ちょ!バネさん!まだ一文字しか言ってな………!!とりあえず落ち着いて…!」
ぎゃぁぁぁあ……………!
愛しのあの娘がかけてくる。
満面の笑みを浮かべて。
―キラキララ―
『ハァッ…ハァッ…!ごっごめんねっ…!待たせて…遅れ、ちゃったっ…!』
「うぅん。大丈夫だよ。俺も今来たとこだから。」
そう、今日はマネージャーの小夏とデートだ。
………て言っても、俺がテニス関係のものをいろいろ買いたいから見繕ってって誘っただけ。本人は何とも思ってないんだろうな。
一方の小夏は一人フィーバー中。
待った?―今来たところ
キャァァァ…!
なんだこれっ!恋人同士かッ!さらっと恥ずかしい…!
サエってば、最近急激に爽やかかっこよさが増して!
あぁもう!私服…さ・い・こ・う!!!!!!
サエから誘われた時は嬉しかったなぁっ!
特に深い意味はないんだと思うけどさぁ。
今日は一日サエを独り占めできるんだし、楽しまなきゃッ!
「じゃあ早速だけど行こうか。」
『うん!』
「んっ」
普通に差し出される手に一瞬戸惑う小夏。
「今日休日だし、人多いから、はぐれないように、ね!小夏はちっちゃいから見えなくなっちゃうだろ?」
『ムッ!言ってくれるわね!サエのばぁかっ!』
「あぁごめんごめん。でも、はぐれるのは困るだろ?せっかく…」
『せっかく?』
「デートっぽいのに。」
『!』
「こんなかわいい娘、ほっとく人はいないよきっと。」
『!!』
「今日は部活とは違ってワンピースじゃないか。似合ってるよ。かわいい。」
『!!!!』
なっ…なんでこんなにサラリと恥ずかしい言葉をはけるのか…かっこいい人にクサイ言葉言われたら引くどころかトキメクってこういうことなのね…
『さっ…サエが言っても説得力な―いっ!みんなにいつもいってるじゃない!』
恥ずかしさに顔を背けるとサエが顔を近づけてきた。その態勢は今にもキスをするようで。
「そんなことないと思うけど?俺がかわいいと思うのは小夏だもの。」
『なっ…!』
「だからね、ほら。拐われないように、手、つなごう?」
『…わっわかった!わかったからそんな近づかないで―ッッ!!!!!!』
公衆の面前でそんな態勢をとられたらひとたまりもない。
「だからね、ほら。拐われないように、手、つなごう?」
「フフ!そんな顔もかわいいんだけどね!まぁ許してあげる。じゃあ行こう!」
なんだかんだでやっと出発だ。
『ねッッ今日は何を買いたいんだった?』
「えぇっと…先ずはシューズかな。あとは練習時に着るウェアと…靴下も汚くなってて…普通に文房具もほしいし…」
『へぇ…結構あるなぁ。それなら一日がかりの買い物になるね!』
「……イヤ?」
『へ?そんなわけないじゃん!サエと二人で話すことなんか稀だし、一日いれるなら願ったり叶ったりだよ』
「…その言葉、反則だ…」
『ん?』
「いやっ…こっちの話。ん!でもそれならよかった!」
『うん!』
「あ、そこの店。そこでいつもシューズ買うんだよ。」
『そうなんだ!じゃあ入ろ~!』
それから少し経って。
『だいぶ買い物したねぇ!』
「あぁ。小夏のおかげでいいものがたくさん買えたよ。ありがとう。」
『え~あたしなんか色とか見ただけよ?サエのセンスの良さが光ってたと思うけど?』
「そうかな。でも俺が一人じゃ買わないようなものも手に入ったし!小夏ときてよかったよ。」
『そう言ってもらえてよかった!…あ!そうえば文房具もほしいって言ってたよね?あそこの文房屋さん、大きくてなんでもそろってるの!あそこ行かない?』
「へぇ。そうなんだ。じゃあ入ってみようか。」
その文房店は、小夏が言うように三階建ての吹き抜けになっており、あらゆる文房具が揃えてあるスタイリッシュなお店だった。
「へぇ…すごいな。」
『でしょう?あたしのお気に入りのお店なの!よくここでかわいい文具が見つかるんだぁ…あっ!ほら!あれかわいいッッ!』
言ってダッと駆け出す姿は微笑ましかった。
『ほら!サエみて!このシャープ、上のトコロがプニプ二してる!かわい~!』
「ほんとだ。こんなのあるんだ。」
『ほしいな~…でもシャープはこの前買ったばかりだしな~…どうしよ…』
本格的に悩み始めた小夏から少し視線を上げるとそこにいたのはバネさんとダビデだった。
『!!!!!!??!』
<なっ…!なんであいつらがここに?!
おかしいだろ…ってかその前にあいつらに見つかったら確実に二人でいられなくなる…!!〉
『ね~サエはどう思う?この前はあれを買ったばか…ってワァッ!!!!』
「ちょっとごめん!」
小夏の腕を取って一目散に走り出した。
「んぁ?」
「どうしたバネさん。」
「いや…今マネージャーの声が聞こえた気がしたんだが…」
「…いないな…」
「ま…聞き間違えかな。」
「聞き間違えはき「ダ~ビ~デ~…!!!!」
「ちょっ…!俺まだ何も言ってな………!バネさんここ店の中!ちょっまっ…!」
ぎゃあぁぁぁぁぁあぁぁあ…………………!!!
店からダビデの断末魔が聞こえたのは小夏たちが近くの公園にたどり着いたときだった。
『ハァッ…ハァッ…さっサエ!?ど、どうし、たの?』
「あっいや…なんでもない…!ごめんね…急に走らせたりして!」
『や…それは大丈夫…!伊達にマネージャーやってないよ!人よりは体力あるつもり!』
「それならよか…って小夏!」
『はいぃぃぃいぃ!!!??』
突然真剣な声で話しかけられて奇声を発したあたし。
「…足。」
『え?あっ…あの…これ、は…そ「ミュール、脱いでみて。」
『や…でも…「早く!」
無理矢理ミュールを脱がせると小夏の足は真っ赤で、所々擦りむけていた。
「いつから痛かったの?」
『サエのせいじゃな「いつから?」
有無を言わさぬ調子に答えざるを得なくなった。
『……ウェア買ったあと…。歩いてるときは気づかなかったけど、一度喫茶店に入ったでしょ?あのときに痛いと思って…見たらこうなってた…。でも、なれないミュール履いてきたあたしが悪いだけで、いつも通りスニーカーにTシャツならこんなことには…迷惑かけてごめんなさ、』
「…バカだなぁ小夏は…」
うつ向いて涙をこらえる小夏にむかって発された言葉は今までにないほど優しかった。
『…サエ?』
ふわっと、サエは小夏を抱きしめた。
『サササササささサエ?!!!!!?』
戸惑いを隠せない小夏を他所に佐伯はさらに力を込めて小夏を抱きしめる。
「ねぇ小夏?俺ってそんなに頼りない?」
『そんなことないよッッ!むしろいつも頼りにしてる…ッッ!』
「…それならさ、なんでも言ってよ…俺には何でも言って…。例えばいつもボールとラケット運んでるの…あれは一体なん往復してるのか…。」
『っ!みて、たの?』
「俺がいつも見てるのは小夏だって言ったろ?あれ、結構な回数往復してるよな?あれだって俺らにやらせたらいいんだよ?」
『そんな!部員に負担をかけれるわけない!』
「そうやっていつも断るよね。でも、女の子にやらせるのはいい気分がしないんだよ…特に、好きな子なら尚更ね。」
『!?…す、す…き?サエ、好きな子がいるの?』
「うん。ず―っと俺のアピールに気づいてくれない鈍感な俺の愛しい子なんだ。」
『そう…なんだ…サエに好かれるなんて、うらやましいな…』
楽しかった今日一日が頭の中を駆け巡る。
サエと付き合ったら毎日がこんなに楽しいのかな…
自然に涙がこぼれ落ちる。
「…………そうやって思ってもらえるってことは…多少なりとも脈がある、って捉えてもいいのかな?」
耳に囁かれた言葉はさらに続く。
「愛しの姫は今俺の腕の中にいるんだけどね…?」
その一言が沈む夕日に輝く海を一層キラキラにさせた。
夏休みはまだ
始まったばかり―
(好きという一言は世界をキラキラにする魔法の言葉なの!)
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後日部活中
「小夏―――!」
『サエっ!』
「会いたかったよ~!」
『なっ…!昨日もあったでしょ?…恥ずかしいから人前でそゆのは…』
「小夏はかわいいから誰かに取られないように事前対処だよ!」
ぎゅっと抱きしめるサエとは正反対にあたしの動悸は早くなる。
サエといるといつも翻弄されっぱなしだ。
「俺をフリーにしておいちゃダメだよ?」
『もうっ!むしろあたしがフリーにされない、でしょ?』
「そうだけどね〜あっそうだ!これこれ!」
言って渡されたかわいい包みのプレゼント。
『?なぁに?あたし、まだ誕生日じゃないよ?』
「いいからいいから。開けてみて?」
『?う、うん…』
シュルッとリボンをとり、中身を取り出すと
そこにはあの日見ていたシャープが入っていた。
『サエ!これっ…!』
「あの時、俺が無理に連れ出しちゃったから…そのお礼。小夏、ほしそうに見てたし。いらなかった…?」
『うぅんっ!!!!本当に本当にありがとう!サエ大好きっ!』
首に手を伸ばし抱きつくと、サエも抱きしめてくれた。
『…で?この手はなに?』
「何って…キスする雰囲気だったかな―って…」
『だ・か・ら―!!公衆の面前ってのを気にしてって言ったでしょ!?』
「いいじゃない。部員の前くら『よくなぁぁぁあいっっ!!!!!!』
サエの普通に慣れるのはまだまだ時間がかかりそうだったのでした。
ーー
「マネージャーとサエさんっていつの間にあんな関係だったんだ?」
「さぁ…知らねぇけど仲良さげだからいいんじゃね?」
「でもマネージャーとしゃべるとサエさんが怖いから困る…」
「まぁ…確かにな」
「あ「ダ―ビ―デ――…」
「ちょ!バネさん!まだ一文字しか言ってな………!!とりあえず落ち着いて…!」
ぎゃぁぁぁあ……………!
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