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「俺の卒業祝いに一緒に旅行してくれよ」
そんな一言のお願い。
私は二つ返事でゴーサインを出した。
*
淀みなく進む旅行。
増えるのは楽しい思い出。
でも
確実に現実味を帯びた「その時間」は近づいてきて。
《どっ…どうしよう…ッ!》
お料理は最高、お風呂だって文句なし。
だけどこればかりは…っ
今更気づくなんて抜けてるにもほどがある。
この扉を開けたら、ぬいがいる。
それだけのことが私を煽る。
《違うっ…違うっ!私が意識してどうするの!なにもない、からっ、堂々としてればいいんだっ》
よし…、何の気合いかわからない意気込みで喝を入れ、ノブを回して中に入る。
『…っ!』
なっ、なんてことだっ…!
私みたいな妄想好きにはたまらんシチュエーションじゃないっ!お風呂上がりで少し濡れた髪、赤みを帯びた頬、そんなぬいが、浴衣で、布団の上に寝そべって、
極めつけの一言は想像もしないほどに私の心を揺さぶるの。
「お?お帰り。思ったより早かったな?風呂、どうだった?」
『―ッ…!う、うんっ…すごい良かった、よっ』
同棲しているような感覚に軽く眩暈。
…何も意識しなくていいのに、
いつもと同じじゃない。
生徒会室でも教室でも、二人でいることなんかザラにある。
動揺を悟られないように、2つ並んだ布団の端っこに座って
荷物を片付けるフリをして、ぬいに背をむける。
少し沈む。空気が沈む。
『あっ、明日っ、明日はどこ行くっ?』
「…小夏」
『ん?』
習慣とは恐ろしいもので。名前を呼ばれると振り向いてしまう。
むくり、ぬいが起き上がったかと思えば、その手に腕を引かれ、気づけば私は、ぬいの腕の中に収まっていた。
『―ッ』
「はいはーい何を想像したか知らねぇが、そういう態度を取られると余計に構いたくなるだろ?」
『なっ…!なんも想像なんかしてない~っ!!』
「ははっ、慌てすぎ!だけど、お前をこうやってすぐに抱きしめられる距離にいられるのもあと少し、なんだな…」
『…!』
ふと蘇るのは旅行の趣旨。
気にしないでいたのに。
来学期からぬいがあの学園にいないだなんて、そんな。
「大学、遠いしな…」
『うん…』
「耐えられるかな、俺…」
『学園は家みたいなものだったからね…ホームシック?』
ふふっと笑って、ぬいの顔を見上げれば、真面目な顔でこちらを見つめ、言葉をおとす。
「小夏シック、だな」
『!!―な…っん、』
空は晴天、輝く星達
だけれど私には
キスの雨が降り注ぐ
貪るように求められ
縋るように抱きしめられ
悲しみよりも幸せが勝ってしまうのは、愛されているという実感があるから。
しばらく、離れた唇に、名残惜しさを感じながら、ぬいを見つめる。
そこにはもう先ほどの憂いはなく、ニヤリと笑ってもう一度額に軽くキス。
「幸せそうな顔しやがって」
『―っっ…!だっ、だって…ぬいが…』
「俺が?」
『ぬいが居れば、私は幸せ、なんだもんっ…!』
いつもなら言えない、こんなこと。
でも今日は。
今日これを伝えなきゃ、いつ伝えるっていうの
「俺も、幸せ」
『ぬいが学園にいなくなるのは寂しいよ…でもね』
さよならは、なしだよ
いつでもすぐに会いに行くから
あなたが私の全てであるように
私もあなたの全てを支える存在になりたい
さよならは言わない
(今日はこのまま)(抱きしめていて)
そんな一言のお願い。
私は二つ返事でゴーサインを出した。
*
淀みなく進む旅行。
増えるのは楽しい思い出。
でも
確実に現実味を帯びた「その時間」は近づいてきて。
《どっ…どうしよう…ッ!》
お料理は最高、お風呂だって文句なし。
だけどこればかりは…っ
今更気づくなんて抜けてるにもほどがある。
この扉を開けたら、ぬいがいる。
それだけのことが私を煽る。
《違うっ…違うっ!私が意識してどうするの!なにもない、からっ、堂々としてればいいんだっ》
よし…、何の気合いかわからない意気込みで喝を入れ、ノブを回して中に入る。
『…っ!』
なっ、なんてことだっ…!
私みたいな妄想好きにはたまらんシチュエーションじゃないっ!お風呂上がりで少し濡れた髪、赤みを帯びた頬、そんなぬいが、浴衣で、布団の上に寝そべって、
極めつけの一言は想像もしないほどに私の心を揺さぶるの。
「お?お帰り。思ったより早かったな?風呂、どうだった?」
『―ッ…!う、うんっ…すごい良かった、よっ』
同棲しているような感覚に軽く眩暈。
…何も意識しなくていいのに、
いつもと同じじゃない。
生徒会室でも教室でも、二人でいることなんかザラにある。
動揺を悟られないように、2つ並んだ布団の端っこに座って
荷物を片付けるフリをして、ぬいに背をむける。
少し沈む。空気が沈む。
『あっ、明日っ、明日はどこ行くっ?』
「…小夏」
『ん?』
習慣とは恐ろしいもので。名前を呼ばれると振り向いてしまう。
むくり、ぬいが起き上がったかと思えば、その手に腕を引かれ、気づけば私は、ぬいの腕の中に収まっていた。
『―ッ』
「はいはーい何を想像したか知らねぇが、そういう態度を取られると余計に構いたくなるだろ?」
『なっ…!なんも想像なんかしてない~っ!!』
「ははっ、慌てすぎ!だけど、お前をこうやってすぐに抱きしめられる距離にいられるのもあと少し、なんだな…」
『…!』
ふと蘇るのは旅行の趣旨。
気にしないでいたのに。
来学期からぬいがあの学園にいないだなんて、そんな。
「大学、遠いしな…」
『うん…』
「耐えられるかな、俺…」
『学園は家みたいなものだったからね…ホームシック?』
ふふっと笑って、ぬいの顔を見上げれば、真面目な顔でこちらを見つめ、言葉をおとす。
「小夏シック、だな」
『!!―な…っん、』
空は晴天、輝く星達
だけれど私には
キスの雨が降り注ぐ
貪るように求められ
縋るように抱きしめられ
悲しみよりも幸せが勝ってしまうのは、愛されているという実感があるから。
しばらく、離れた唇に、名残惜しさを感じながら、ぬいを見つめる。
そこにはもう先ほどの憂いはなく、ニヤリと笑ってもう一度額に軽くキス。
「幸せそうな顔しやがって」
『―っっ…!だっ、だって…ぬいが…』
「俺が?」
『ぬいが居れば、私は幸せ、なんだもんっ…!』
いつもなら言えない、こんなこと。
でも今日は。
今日これを伝えなきゃ、いつ伝えるっていうの
「俺も、幸せ」
『ぬいが学園にいなくなるのは寂しいよ…でもね』
さよならは、なしだよ
いつでもすぐに会いに行くから
あなたが私の全てであるように
私もあなたの全てを支える存在になりたい
さよならは言わない
(今日はこのまま)(抱きしめていて)