名前変換は小説によってあったりなかったりします。
庭球
名前変換設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
抱きしめたくてもあなたはそこにいなくて
抱きしめてほしくてもそこに姿は見えなくて
そんな悲しみはもういらないの
だって今年の今日という日に
精市はここに立っている。
-you are our best lover-
朝起きて、少し早い時間、いつもどおりの道を通う。
そんな日常にもしあわせを感じる自分。
今日は少し早めに出てきたにも関わらず、後ろから聞こえたのは赤也の大きな声。
「小夏先輩~っ!!!」
『赤也!おはよう!今日はちゃんと早いね』
「そりゃあもう!気合い、入ってんッスから!」
『しくじんなよ~っ?』
「うぁっ!信用ねぇな俺~」
「日頃の行いだろぃ?」
がっ、と赤也の首根っこに飛びついたのは見慣れた赤髪。その後ろからは優しい静止のセリフ。
「やめてやれよブン太、赤也すでに死にかかってるぜ?」
『かわいい後輩いじめんなブン太っ!おはよ、ジャッカル』
「はよ、二人ともそわそわしてんな?ブン太も朝からえらいテンション高くてよ…はは、」
「なっ!!ジャッカル!!そういうのは黙ってりゃいいんだよ!」
『あら、自白。』
「バレバレッス!」
「っ!!ちっげーよっ!!!小夏も、赤也も黙ってろぃッ」
「ま、あとは真田がボロを出さんか、それだけじゃな」
突然、前を歩いていた知らない学生がこちらを向いた
かと思えば瞬間、さらり、朝日に照らされ輝く銀髪。
『…え?』
「おはようさん、小夏」
「仁王かよ!お前朝からよくやるぜぃ…」
「だな。完璧すぎるぜ、本当」
「お褒めに預かり光栄じゃき」
「でも、副部長、まさかやらかしてませんよねぇ…?俺、心配になってきたッス…」
「おやおや、二人とも?縁起の悪いことは口に出さないのが得策ですよ?」
一同唖然。
今度は仁王の口から柳生の声がする。
え?なにが本当でなにがうそ?
「仁王くん?!お黙まんなさい!」
すると前から本物と思われる柳生が逆走してきた。
『柳生でもあんな顔するんだね…』
「似非紳士とは上手く言ったもんだな」
『私、レギュラーの中で一番紳士なのはジャッカルだと思う』
「はは、サンキューな。」
よし!幸村を目一杯驚かせてやろうぜ・と大きな手で励まされたなら、我然やる気が漲ってくる。
こうして通学路で集まってしまった私たちに残された課題は、朝練が始まるまでに部室を飾り付けることだけになった…はずだった。
◇
「丸井先輩おっせぇなぁ~まじ途中で自作ケーキ食ってんじゃねぇッスか?」
「さすがにそれはないじゃろ…」
「ジャッカル君がついてますしね」
『あ~もうっ!!みんな手を動かして手をっ!精市がきちゃ…』
「呼んだ?」
「そうッス!あと30分くらいで朝練が始ま…」
「赤也もいつもこのくらい早いと嬉しいんだけどなぁ」
『「「「…………」」」』
「何?急に黙って」
だだだだだだだだ…バンっ
「すまん!!!弦一郎がボロを…って…あぁ…遅かったようだな…」
柳の慌てる声なんて、珍しすぎて、耳にも届かない。
「ヒドいなぁ俺を欺けるとでも思ってたの?」
『「「「!!!!!!」」」』
「おーい!ケーキのトッピング終わ…って、えぇぇぇぇえ¨!!!?」
「精市はいるか!」
「真田?!おせぇよ」
『あぁあもぅ!!!計画は台無しだけどこの際仕方ないよ!!!みんな!とっておきは成功させるよ!』
「おぅ!」
「任せんしゃい」
「ッス!」
『せーのっ』
パンパンパパン!!!
『精市!誕生日おめでとうっ!』
朝靄の静けさの中、鳴り響く6つのクラッカーの音と重なる6つの声。
きっとみんな予想していたんだろう。精市より一歩先にゆくなんてできないってことを。
そして
「みんなありがとう!」
いつもの凛とした表情も、作ったような感情も、なにもかも抜け落ちた、精市のありのままの笑顔を。
『精市っ!生まれてきてくれて、今この瞬間に、この立海テニス部にいてくれて、支えてくれてありがとう!大好きだよっ!私も、みんな、も』
ちゅ
…………………………………?
ややあって、華やかな空気が固まる。
私の思考も同時にとまる。
、え?
なに、が…いま、くちに、
ナンデセイイチノカオガメノマエニ
『――っっ!!?』
「俺も、小夏が好き。こういう意味でね」
『―っん―!』
今度はご丁寧に頭を固定されて、先ほどよりも少し…ううん、私には永遠と思えるほど長く、唇を、瞳を、奪われる。
しばらく唇が離れれば、問いかける愛しいアイツの声が耳に届く。
「小夏からのプレゼントはこのキスと、今から貰える返事ってことでいいよ?」
『――ッ!それってもう、一つしか答えは残ってない…ッ!!』
「え?当たり前じゃないか。それとも小夏は俺のこと、嫌いだったの?」
『そ、それはっ』
突然のことで頭は沸騰状態だけれど、答えはわかりきっていて。されども現実に引き戻してくれたのは、やっぱり仲間の声でした。
「見せつけんなよぃ!」
「小夏先ぱあぁあぁい…!部長としあわせにッス…!」
「今ならいい詩が書けそうですよ」
「柳生、泣くんじゃねぇよ」
「さぁて?姫サマの答えを待つとするかのぅ?」
「なっなんだこの展開は」
「弦一郎、心配するな。お前の処罰はなしになりそうだぞ?」
ハッと我に返れば、自信ありげな精市が私を見つめていて。
素直になるのは癪だけど、この気持ちに嘘なんかつけないから。
去年叶わなかったこの願い、叶えさせていただきましょう。
その身体がここにあることを確かめるように、ぎゅっと抱きついて
『私だって、心から精市を…愛しいと思ってる…!』
どこか遠くで鳴く、小鳥のさえずりが、祝福の歌に聞こえたような気がしたの。
今日という日にありがとう。
HappyBirthDay!20100305
抱きしめてほしくてもそこに姿は見えなくて
そんな悲しみはもういらないの
だって今年の今日という日に
精市はここに立っている。
-you are our best lover-
朝起きて、少し早い時間、いつもどおりの道を通う。
そんな日常にもしあわせを感じる自分。
今日は少し早めに出てきたにも関わらず、後ろから聞こえたのは赤也の大きな声。
「小夏先輩~っ!!!」
『赤也!おはよう!今日はちゃんと早いね』
「そりゃあもう!気合い、入ってんッスから!」
『しくじんなよ~っ?』
「うぁっ!信用ねぇな俺~」
「日頃の行いだろぃ?」
がっ、と赤也の首根っこに飛びついたのは見慣れた赤髪。その後ろからは優しい静止のセリフ。
「やめてやれよブン太、赤也すでに死にかかってるぜ?」
『かわいい後輩いじめんなブン太っ!おはよ、ジャッカル』
「はよ、二人ともそわそわしてんな?ブン太も朝からえらいテンション高くてよ…はは、」
「なっ!!ジャッカル!!そういうのは黙ってりゃいいんだよ!」
『あら、自白。』
「バレバレッス!」
「っ!!ちっげーよっ!!!小夏も、赤也も黙ってろぃッ」
「ま、あとは真田がボロを出さんか、それだけじゃな」
突然、前を歩いていた知らない学生がこちらを向いた
かと思えば瞬間、さらり、朝日に照らされ輝く銀髪。
『…え?』
「おはようさん、小夏」
「仁王かよ!お前朝からよくやるぜぃ…」
「だな。完璧すぎるぜ、本当」
「お褒めに預かり光栄じゃき」
「でも、副部長、まさかやらかしてませんよねぇ…?俺、心配になってきたッス…」
「おやおや、二人とも?縁起の悪いことは口に出さないのが得策ですよ?」
一同唖然。
今度は仁王の口から柳生の声がする。
え?なにが本当でなにがうそ?
「仁王くん?!お黙まんなさい!」
すると前から本物と思われる柳生が逆走してきた。
『柳生でもあんな顔するんだね…』
「似非紳士とは上手く言ったもんだな」
『私、レギュラーの中で一番紳士なのはジャッカルだと思う』
「はは、サンキューな。」
よし!幸村を目一杯驚かせてやろうぜ・と大きな手で励まされたなら、我然やる気が漲ってくる。
こうして通学路で集まってしまった私たちに残された課題は、朝練が始まるまでに部室を飾り付けることだけになった…はずだった。
◇
「丸井先輩おっせぇなぁ~まじ途中で自作ケーキ食ってんじゃねぇッスか?」
「さすがにそれはないじゃろ…」
「ジャッカル君がついてますしね」
『あ~もうっ!!みんな手を動かして手をっ!精市がきちゃ…』
「呼んだ?」
「そうッス!あと30分くらいで朝練が始ま…」
「赤也もいつもこのくらい早いと嬉しいんだけどなぁ」
『「「「…………」」」』
「何?急に黙って」
だだだだだだだだ…バンっ
「すまん!!!弦一郎がボロを…って…あぁ…遅かったようだな…」
柳の慌てる声なんて、珍しすぎて、耳にも届かない。
「ヒドいなぁ俺を欺けるとでも思ってたの?」
『「「「!!!!!!」」」』
「おーい!ケーキのトッピング終わ…って、えぇぇぇぇえ¨!!!?」
「精市はいるか!」
「真田?!おせぇよ」
『あぁあもぅ!!!計画は台無しだけどこの際仕方ないよ!!!みんな!とっておきは成功させるよ!』
「おぅ!」
「任せんしゃい」
「ッス!」
『せーのっ』
パンパンパパン!!!
『精市!誕生日おめでとうっ!』
朝靄の静けさの中、鳴り響く6つのクラッカーの音と重なる6つの声。
きっとみんな予想していたんだろう。精市より一歩先にゆくなんてできないってことを。
そして
「みんなありがとう!」
いつもの凛とした表情も、作ったような感情も、なにもかも抜け落ちた、精市のありのままの笑顔を。
『精市っ!生まれてきてくれて、今この瞬間に、この立海テニス部にいてくれて、支えてくれてありがとう!大好きだよっ!私も、みんな、も』
ちゅ
…………………………………?
ややあって、華やかな空気が固まる。
私の思考も同時にとまる。
、え?
なに、が…いま、くちに、
ナンデセイイチノカオガメノマエニ
『――っっ!!?』
「俺も、小夏が好き。こういう意味でね」
『―っん―!』
今度はご丁寧に頭を固定されて、先ほどよりも少し…ううん、私には永遠と思えるほど長く、唇を、瞳を、奪われる。
しばらく唇が離れれば、問いかける愛しいアイツの声が耳に届く。
「小夏からのプレゼントはこのキスと、今から貰える返事ってことでいいよ?」
『――ッ!それってもう、一つしか答えは残ってない…ッ!!』
「え?当たり前じゃないか。それとも小夏は俺のこと、嫌いだったの?」
『そ、それはっ』
突然のことで頭は沸騰状態だけれど、答えはわかりきっていて。されども現実に引き戻してくれたのは、やっぱり仲間の声でした。
「見せつけんなよぃ!」
「小夏先ぱあぁあぁい…!部長としあわせにッス…!」
「今ならいい詩が書けそうですよ」
「柳生、泣くんじゃねぇよ」
「さぁて?姫サマの答えを待つとするかのぅ?」
「なっなんだこの展開は」
「弦一郎、心配するな。お前の処罰はなしになりそうだぞ?」
ハッと我に返れば、自信ありげな精市が私を見つめていて。
素直になるのは癪だけど、この気持ちに嘘なんかつけないから。
去年叶わなかったこの願い、叶えさせていただきましょう。
その身体がここにあることを確かめるように、ぎゅっと抱きついて
『私だって、心から精市を…愛しいと思ってる…!』
どこか遠くで鳴く、小鳥のさえずりが、祝福の歌に聞こえたような気がしたの。
今日という日にありがとう。
HappyBirthDay!20100305