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隣にいても、ねぇ。何でこんなに不安なの?
ギュッと、フゥ太の手を握ろうとしたけれど、私の手は彼にあと数センチのところで空を切った。
手がかじかんで、うまく動かなかったせいなのに、それがなぜか、私の心をひどく寂しくさせる。
届かない
そんな言葉が連想された。
冷たいコンクリートの上にふわり、落ちているトレードマークのしましまマフラーを指で弄ぶこともままならず、しかし、少しだけ、指先が温まる。
フゥ太が生まれた日、こんなに嬉しい日なのに、なぜ?
君を遠く感じるのは、どうして。
星を見上げるフゥ太の顔を見ていられず、俯き、唇を噛み締める。
「ねぇ小夏姉…どうかした?」
ふと、耳から声が染みいれば、また少し、今度は心が温かくなる。
『あ…なんでも…?それより今日は星がよく見えるね』
「…うん、さっき流れ星見えたもんね。小夏姉は何を願った?」
『いつもと同じだよ?』
「僕はその‘いつも’のお願いをしらないんだけど?」
ふふっと笑うその声に顔を上げたら、フゥ太の顔があまりにも近くにあって、思わず身をきゅっと引いてしまいそうになる。
瞬間、マフラーにくるまれていた私の手をとり、逆に引っ張られた。そのせいでバランスを崩した私は、そのまますっぽりフゥ太の胸のなかへ。
『っ…!ごっごめ、』
「ごめんって…小夏姉は、僕に抱きしめられるのがそんなに嫌なの?」
『え?!ちがっ、うよ!』
「じゃあ、」
今夜は、このまま…
つぶやいて、体制を整えて
後ろから抱き締められる格好になったなら
さっきまで私の手の中にあったマフラーがフゥ太と私を包み込んだ。
でも
『気持ちは嬉しいけど、ふふっ…二人でするにはちょっと短いね?』
「む…、ここはさ、小夏姉が恥ずかしがるところだと思うんだけど。」
『恥ずかしいにきまってるじゃない!でもね、フゥ太もかわいいとこがまだ残ってたんだなって思ったら、なんか嬉しく、て』
そう口に出した瞬間、あの妙な寂しさの正体が、私の中で形になった。
あぁそうか、私はフゥ太が一つ大人になるたびに、遠くなっていくように感じていたんだ。でも大人になったと思っていたフゥ太はこんなにも子供のままな部分を持っていて、手を伸ばせば触れることだってできて。
そんなことを考えていたら、頭の上にあった重みが、スッと肩に移った。
『……っ?!』
「し・か・え・し」
『しっしかっ…?!』
「僕のこと、かわいいって言った」
『それは、だってっ…!』
「それに、抱き締めてるのに顔色も変えないなんて、納得できない…僕、そんなに魅力ない?」
『そんなこと…』
私はずっとずっとドキドキしてるっていうのに。これだけ近い距離にいてわからないはずもないでしょう?
キッと横を向き、にらみつけてもなお続く言葉
「あ と 。さっきはぐらかされちゃったけど、お願い事、まだ聞いてない。僕に言えないこと考えてるお姫様には」
『言えないのはフゥんっ…』
言い返した言葉はフゥ太の唇の中に消えた。
ちゅう、とリップ音を残して、離れた熱から紡がれたのは幸せの音色。
「小夏姉の王子である僕だけができる罰を」
『…罰じゃないよ…嬉しい…』
くるっと後ろを向いて、フゥ太に抱きついた。
「くすっ…あれ?じゃあ強いお姫様には、もっと厳しい罰が必要かな?一生僕から離れられなくしてあげる」
『じゃあ、流れ星にかけた願いは、すぐに叶ったって、みんなに自慢しなくちゃっ!』
「え?」
『私が願ったのはね、フゥ太、フゥ太とずっと一緒にいたいってこと。何年先もずっとずっと、フゥ太が隣にいますようにって!大好きよっ!生まれてきてくれてありがとう、私と、出逢ってくれて、ありがとう!』
「…まいった小夏姉にはかなわない…でもさ、その願いは最初から僕にしてよね!」
『流れ星にするからロマンチックなんだよ』
「僕にしてくれたらもっとロマンチックだよ」
『…?』
「だって僕は、Futa=delle=stelle」
小夏姉限定の
星の王子様なんだから
-君の願いと僕の想い-
そのとき降ってきたのは温かいキスと見たこともない、きれいなきれいな孤を描いた流れ星だった。
2010.01.11
HAPPYBIRTHDAY Futa
ギュッと、フゥ太の手を握ろうとしたけれど、私の手は彼にあと数センチのところで空を切った。
手がかじかんで、うまく動かなかったせいなのに、それがなぜか、私の心をひどく寂しくさせる。
届かない
そんな言葉が連想された。
冷たいコンクリートの上にふわり、落ちているトレードマークのしましまマフラーを指で弄ぶこともままならず、しかし、少しだけ、指先が温まる。
フゥ太が生まれた日、こんなに嬉しい日なのに、なぜ?
君を遠く感じるのは、どうして。
星を見上げるフゥ太の顔を見ていられず、俯き、唇を噛み締める。
「ねぇ小夏姉…どうかした?」
ふと、耳から声が染みいれば、また少し、今度は心が温かくなる。
『あ…なんでも…?それより今日は星がよく見えるね』
「…うん、さっき流れ星見えたもんね。小夏姉は何を願った?」
『いつもと同じだよ?』
「僕はその‘いつも’のお願いをしらないんだけど?」
ふふっと笑うその声に顔を上げたら、フゥ太の顔があまりにも近くにあって、思わず身をきゅっと引いてしまいそうになる。
瞬間、マフラーにくるまれていた私の手をとり、逆に引っ張られた。そのせいでバランスを崩した私は、そのまますっぽりフゥ太の胸のなかへ。
『っ…!ごっごめ、』
「ごめんって…小夏姉は、僕に抱きしめられるのがそんなに嫌なの?」
『え?!ちがっ、うよ!』
「じゃあ、」
今夜は、このまま…
つぶやいて、体制を整えて
後ろから抱き締められる格好になったなら
さっきまで私の手の中にあったマフラーがフゥ太と私を包み込んだ。
でも
『気持ちは嬉しいけど、ふふっ…二人でするにはちょっと短いね?』
「む…、ここはさ、小夏姉が恥ずかしがるところだと思うんだけど。」
『恥ずかしいにきまってるじゃない!でもね、フゥ太もかわいいとこがまだ残ってたんだなって思ったら、なんか嬉しく、て』
そう口に出した瞬間、あの妙な寂しさの正体が、私の中で形になった。
あぁそうか、私はフゥ太が一つ大人になるたびに、遠くなっていくように感じていたんだ。でも大人になったと思っていたフゥ太はこんなにも子供のままな部分を持っていて、手を伸ばせば触れることだってできて。
そんなことを考えていたら、頭の上にあった重みが、スッと肩に移った。
『……っ?!』
「し・か・え・し」
『しっしかっ…?!』
「僕のこと、かわいいって言った」
『それは、だってっ…!』
「それに、抱き締めてるのに顔色も変えないなんて、納得できない…僕、そんなに魅力ない?」
『そんなこと…』
私はずっとずっとドキドキしてるっていうのに。これだけ近い距離にいてわからないはずもないでしょう?
キッと横を向き、にらみつけてもなお続く言葉
「あ と 。さっきはぐらかされちゃったけど、お願い事、まだ聞いてない。僕に言えないこと考えてるお姫様には」
『言えないのはフゥんっ…』
言い返した言葉はフゥ太の唇の中に消えた。
ちゅう、とリップ音を残して、離れた熱から紡がれたのは幸せの音色。
「小夏姉の王子である僕だけができる罰を」
『…罰じゃないよ…嬉しい…』
くるっと後ろを向いて、フゥ太に抱きついた。
「くすっ…あれ?じゃあ強いお姫様には、もっと厳しい罰が必要かな?一生僕から離れられなくしてあげる」
『じゃあ、流れ星にかけた願いは、すぐに叶ったって、みんなに自慢しなくちゃっ!』
「え?」
『私が願ったのはね、フゥ太、フゥ太とずっと一緒にいたいってこと。何年先もずっとずっと、フゥ太が隣にいますようにって!大好きよっ!生まれてきてくれてありがとう、私と、出逢ってくれて、ありがとう!』
「…まいった小夏姉にはかなわない…でもさ、その願いは最初から僕にしてよね!」
『流れ星にするからロマンチックなんだよ』
「僕にしてくれたらもっとロマンチックだよ」
『…?』
「だって僕は、Futa=delle=stelle」
小夏姉限定の
星の王子様なんだから
-君の願いと僕の想い-
そのとき降ってきたのは温かいキスと見たこともない、きれいなきれいな孤を描いた流れ星だった。
2010.01.11
HAPPYBIRTHDAY Futa