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『はいっできましたっ』
「ありがとな!」
わしゃっと頭を撫でられて、ぷぅと頬を膨らませば、一樹会長は大きく笑った。
『一樹会長…いい加減に自分で塗って下さいよ』
「だーから言ってんだろ?男がリップなんて持ち歩けねぇ、って」
『だからそれは私が一樹会長に塗る理由にはなりませんって…!』
一度私が一樹会長にリップクリームを塗ってからというもの、時々こうして"塗って"とせがまれるようになった。
男の人がリップを持ち歩かない理由は、まぁ、わからなくもないんだけど…私が塗らなきゃいけない理由は、全くないわけで。
一回なら我慢もできる。
恥ずかしさだって耐えられた。
でも、二回三回ともなれば、塗ってるこっちも気をつかう。
だから、昨日、密かに一樹会長用リップを買ってきた。
会長にリップを塗ったら、自分も唇のカサカサが気になって、それをしまうついでに、自分のを取り出した。
「ん?お前、2つリップ持ってんのか?」
『持ってんのか?、じゃないですよ!一樹会長が私に塗ってって言うばかりだから、会長用のを買ったんですっ!私と同じのを使うなんて、気になるでしょう?』
「……」
一旦、自席に着きかけた会長は、その動作を中断し、私のほうへと歩を進めた。
そして、んっ、と手のひらを差し出すから
ポンっ
と自分の手を乗せた。
「だあああっ!!べたなボケしてんじゃねぇっての!!」
『へっ?えっ、すみません…!』
え?会長、なんでお怒りなの?
意味がわからないよ!
「お前、さっきのリップ、だせ」
『え?一樹会長用の?あ、わかりました!ちょっと待ってください』
ポーチの中から、しまったばかりのリップを取り出し、会長の手の上へと置いた。
すると会長はおもむろに自席へ戻り、机の中にそれをポイ・と投げ入れ、再びこちらへ来て、隣に腰掛けた。
『?やっと自分で塗る気になったんですか?でもリップって、頻繁に塗るものだから、ポケットに入れておいたほうが…』
「お前なぁ…」
言葉とともにおでこに ピリッ とした痛み。デコピンをくらったと気づくのには数秒もかからなかった。
『…っ!!いきなり何するんですかっ!!!』
「…はぁ…気づかないお前が悪いんだろうが…」
『へ?』
つ、と一樹会長の手が伸びてきて、次の瞬間、私は一樹会長の腕の中にいた。
『かっかず、きかいちょ!?』
「"お前の"リップだから、よかったんだよ…新しいリップなんか塗ってもらっても、意味ねぇだろ…察しろよ…」
『!!』
カァッと顔に熱が集まるのがわかって、さらに私の体温があがる。
「ほんっと鈍感なんだから、俺のお姫様はっ」
『…っ!そのっ…』
「罰として、俺が満足するまでキスの刑を受けてもらう!」
『…へっ?!』
身体を少し離し、額がくっつくくらい近くに顔を持ってこられる。視界は全て、一樹会長に、奪われる。
びっくり目を見開いて、しかし恥ずかしさから、目を反らそうとしても時、すでに遅し。
ちゅ
唇までも奪われてしまえば、一樹会長から離れるという選択肢はなくなるわけで。
『ぷ…はっ…!いきなり、は、卑怯で、すっ…!』
「何を言ってる。罰なんだから、一応。まだまだ、足りないからな。飽きるほどに、俺の愛を感じてもらうぞ?あぁ、リップはもういらないな?お互いに潤せあえるから…そうだろ?」
『!!一樹会長の破廉恥!!』
「なんとでも言えっ!言う間もなくなるからな!」
ははは!といつもの、私の大好きな笑顔で、私を安心させたかと思えば、優しい優しいキスの雨が、私をまた包み込む。
やっぱり、もうあのリップは必要ないみたいだ、なんて。
-必要なのは君の潤い-
(も、十分、潤った…でしょ…)
(いいや、まだまだ足りないなっ!)
「ありがとな!」
わしゃっと頭を撫でられて、ぷぅと頬を膨らませば、一樹会長は大きく笑った。
『一樹会長…いい加減に自分で塗って下さいよ』
「だーから言ってんだろ?男がリップなんて持ち歩けねぇ、って」
『だからそれは私が一樹会長に塗る理由にはなりませんって…!』
一度私が一樹会長にリップクリームを塗ってからというもの、時々こうして"塗って"とせがまれるようになった。
男の人がリップを持ち歩かない理由は、まぁ、わからなくもないんだけど…私が塗らなきゃいけない理由は、全くないわけで。
一回なら我慢もできる。
恥ずかしさだって耐えられた。
でも、二回三回ともなれば、塗ってるこっちも気をつかう。
だから、昨日、密かに一樹会長用リップを買ってきた。
会長にリップを塗ったら、自分も唇のカサカサが気になって、それをしまうついでに、自分のを取り出した。
「ん?お前、2つリップ持ってんのか?」
『持ってんのか?、じゃないですよ!一樹会長が私に塗ってって言うばかりだから、会長用のを買ったんですっ!私と同じのを使うなんて、気になるでしょう?』
「……」
一旦、自席に着きかけた会長は、その動作を中断し、私のほうへと歩を進めた。
そして、んっ、と手のひらを差し出すから
ポンっ
と自分の手を乗せた。
「だあああっ!!べたなボケしてんじゃねぇっての!!」
『へっ?えっ、すみません…!』
え?会長、なんでお怒りなの?
意味がわからないよ!
「お前、さっきのリップ、だせ」
『え?一樹会長用の?あ、わかりました!ちょっと待ってください』
ポーチの中から、しまったばかりのリップを取り出し、会長の手の上へと置いた。
すると会長はおもむろに自席へ戻り、机の中にそれをポイ・と投げ入れ、再びこちらへ来て、隣に腰掛けた。
『?やっと自分で塗る気になったんですか?でもリップって、頻繁に塗るものだから、ポケットに入れておいたほうが…』
「お前なぁ…」
言葉とともにおでこに ピリッ とした痛み。デコピンをくらったと気づくのには数秒もかからなかった。
『…っ!!いきなり何するんですかっ!!!』
「…はぁ…気づかないお前が悪いんだろうが…」
『へ?』
つ、と一樹会長の手が伸びてきて、次の瞬間、私は一樹会長の腕の中にいた。
『かっかず、きかいちょ!?』
「"お前の"リップだから、よかったんだよ…新しいリップなんか塗ってもらっても、意味ねぇだろ…察しろよ…」
『!!』
カァッと顔に熱が集まるのがわかって、さらに私の体温があがる。
「ほんっと鈍感なんだから、俺のお姫様はっ」
『…っ!そのっ…』
「罰として、俺が満足するまでキスの刑を受けてもらう!」
『…へっ?!』
身体を少し離し、額がくっつくくらい近くに顔を持ってこられる。視界は全て、一樹会長に、奪われる。
びっくり目を見開いて、しかし恥ずかしさから、目を反らそうとしても時、すでに遅し。
ちゅ
唇までも奪われてしまえば、一樹会長から離れるという選択肢はなくなるわけで。
『ぷ…はっ…!いきなり、は、卑怯で、すっ…!』
「何を言ってる。罰なんだから、一応。まだまだ、足りないからな。飽きるほどに、俺の愛を感じてもらうぞ?あぁ、リップはもういらないな?お互いに潤せあえるから…そうだろ?」
『!!一樹会長の破廉恥!!』
「なんとでも言えっ!言う間もなくなるからな!」
ははは!といつもの、私の大好きな笑顔で、私を安心させたかと思えば、優しい優しいキスの雨が、私をまた包み込む。
やっぱり、もうあのリップは必要ないみたいだ、なんて。
-必要なのは君の潤い-
(も、十分、潤った…でしょ…)
(いいや、まだまだ足りないなっ!)