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ダージリンの雫

でもそんな生活はそう長くは続かない。



リアムがいつものように出かけて、夜遅くに帰ってきた。



僕がどんなに訊いても、どうしたのか答えてはくれなかった。



「パン屋の親父が仕事をくれるっていうんだ。毎日安心して飯が食えるくらいには金が手に入る。仕事ができるまでは飯がもらえる」



それしか言ってくれなかった。



その遅くなった日から、リアムは僕に隠して、何かコソコソしていたけれど、僕は教えてもらえないことに腹が立っていて、気づかないふりをした。



毎日毎日いつも通り物乞いをしながら街を徘徊するだけで、リアムを待っているのは、罪悪感が僕の身体を、心を蝕んでいった。
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