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ダージリンの雫

「ねぇねぇ、お母さん」



バシッ!!



「やめて、お母さん、やめて!どうして?」



どうしてぶつの?



僕のせい?



いや、わかってる。あの男の人のせい。



あのニヤけた男がいるから、お母さんが変になっちゃったんだ。



隣のリアムを見ると、リアムのほっぺがりんごみたいに赤く腫れていた。



きっと僕のほっぺも同じようになっているんだろう。



ほっぺがヒリヒリする。



「あんた達さえいなかったら!!」



お母さんの口から出るいつもの呪文。



この呪文はほっぺよりも痛い。



"いつも"と違ったのは、お母さんがセリフを吐き捨てて、僕達の前から消えたこと。



お母さんの背中を見つめる。



背中が見えなくなるまで



何も出来ずに…
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