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ダージリンの雫

「リュカ、紅茶を淹れたからどうぞ」



ダージリンティーの香りがふわりと鼻を抜ける。



「ありがとう。僕リアムを呼んでくるね」









「リアム?ぼーっとしてどうしたの?」



僕が声をかけると、リアムはにやりと笑った。



「昔のこと思い出してた」



僕も今、思い出してたよ。
やっぱり僕ら、双子なんだ。



そんなことを考えて頬が緩んでしまった。



「変な顔するなよ」



とリアムが笑う。



「変な顔なんて、リアムったら失礼!」



僕が言い返すと舌を出して挑発してくる。



「そうそう、ミザリーちゃんが紅茶を淹れたからおいでって」



昔のことはどうしても心に残っているけれど、忘れなくてもいいんだって、平気なフリはしなくていいんだって、ここに来て知った。



辛い時には、誰かが傍にいてくれるから…



この穏やかな日々が、ずっと続けばいいのにな、なんて…



僕はダージリンティーを啜った。



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