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ダージリンの雫

しばらくして、橋の上で僕が彼女に会っているのが明るみになり、恋仲と勘違いした女性達は、彼女に危害を加えようとしたり、殺し屋を雇ったりした。



彼女とこのまま居たら、彼女が殺されてしまう、もう一緒には居られない、と彼女に伝えようとした夜だった。



「私の家族にならない?」



彼女は僕に会うなり、そう言った。



結婚しましょうと言う意味だと思ったけれど、違った。



彼女は、親のいない人や、事情のある人と、家族として暮らしているのだと言った。



「嬉しいけど、リアムを置いてはいけないよ」



「もちろん、リアムくんも一緒に暮らすの」



親のいない子や、事情のある人と家族になれるか不安もあったけれど、彼女の言う「性別や年齢、肌の色、過去関係なく個人として尊重される居場所」を見てみたくなった。



そこでなら、幸せを手に入れられる気がした。



ここにいたって、永遠に籠の鳥。



毎日、女の人を抱いて、お金をもらって、生活するだけ。



そこには快楽はあるけれど、自由と幸せは見当たらなそうだ。




「リアム、この人と暮らそう」



僕がそう言い出した時、リアムは最初は渋い顔をしていたけれど、僕が何とか説得して、僕らは彼女達と一緒に暮らし始めた。
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