二番煎じな内容が多いです。
リベロな彼に私の才能発掘されました。
空欄の場合は「納豆」になります。
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「やべ、タオル忘れた!!」
「あ、じゃあ私取ってくるから先バス行ってて!」
「悪ぃ納豆!」
青城に勝った喜びを噛み締める間もなく私達はバスへと戻ることになったのだが、途中で夕がエナメルバッグの中を探り、タオルが無いことに気づいた為私は夕の変わりにタオルを取りに行くことにした。「すみません」と言いながらいそいそと体育館の中に入るとベンチの近くに夕のタオルが落ちているのを見つけた。私はすかさずそれを掴み、急いで体育館を出た。
速くバスに戻らなきゃ、と駆け足気味に歩いていると通路のど真ん中でなにやら会話をしている牛島さんと及川さんを見つけた。どうやら取り込み中らしく会話こそ聞こえないものの二人の雰囲気からただならぬものを感じる。どうしようかと動けずにいると、二人の会話が終わったようで及川さんがこちらに歩いてきた。
「あれ納豆ちゃん?」
「あー…えっと、お疲れ様です」
速く会話が終われば良いなとは思ったけれど、だからと言ってこの人と話したかった訳ではない。
「いやー納豆ちゃんには驚かされたよ。まさか俺のサーブとっちゃうなんて」
「でも、及川さんの本気のサーブじゃ無かったですよ」
「そりゃあ女の子に本気サーブなんて向けらんないよ。後とられても困るだけなんだけど」
「ですよね~…」
牛島さんは私に気づかず行ってしまった。そのせいで及川さんは遠慮なく私に構ってくる。バスに速く戻りたいのもあるけど、さっき負かした相手と話すって言うのも中々勇気がいるものだ。
これは私の勝手な想像だが、及川さんは〝天才〟という人間が嫌いなのではないかと思う。影山くんに牛島さん。あと、これを自分で言うのはちょっと嫌だけど、私が青城さん達のサーブをレシーブした時から及川さんはどこか私に対しても圧をかけてきているように思える。嫌われてしまったのかな。
「俺さ〝天才〟が嫌いなんだ」
急に始まった及川さんの話にやっぱり、と思った。
「なんとなくそうかなって思いました」
「じゃあ勘づいてるかもだけど、今は俺納豆ちゃんもちょっと生意気だって思ってるんだ」
「はい」
「でもさ納豆ちゃんってばまだぜーんぜんその才能生かしきれてないんだよね」
「は?」
「だからまだ嫌いじゃない」
「え、あの」
「それに未来ある若者を切り捨てる程俺は残酷じゃない。納豆ちゃん、才能は開花させるもの。でもセンスは磨くものだよ」
よく考えてね、及川さんはそう言って歩いていった。
バスに戻り、夕にタオルを渡すと「ありがとな!」と眩しい笑顔を向けられた。私は曖昧にそれを受け流し、丁度良いので空いていた夕の隣に座る。
さっき及川さんに言われた言葉の意味を考える。「才能は開花させるもの。センスは磨くもの」。たしかにそうだ。でも、だからなんなんだろう。私自身まだ全然レシーブができていないことなんて自覚している。だからレシーブだって時々夕達に交ぜてもらって練習している。これ以上伸ばしようなんてない。
……じゃあなんだ、私には他にも隠れた才能があるというのだろうか。または今ある才能を更に別のことに転換して活用する技が、他にもあるとでも言いたいの? ……わからないよ、そんなの。ここから先にどうやって進めば良いのか私には分からない。私は皆みたく自分の課題を見つけられるような人間じゃない。
ねえ、なんだっていうんですか。及川さん。
バスの中はいやに物静かだった。
「お前らちゃんと休めよー」
「「ウィーッス!」」
武田先生から色々と話を聞き、私達マネージャーが分析した白鳥沢の情報を皆に伝えて、円陣を組んでから皆解散。
実感が湧きづらいけど、今日私達はあの青葉城西に勝ったんだ……。それで次の相手はあの『絶対王者』こと『白鳥沢学園』。つまり……牛島さんだ。
白鳥沢にお手伝いに行ったとき、私は牛島さんのスパイクをたったの一本しか取ることができなかった。きっとあの時よりも牛島さんは強くなっているはず。白鳥沢戦……要になってくるのはリベロの夕とブロッカーの月島くんと日向くんだ。
「おーい納豆ー! 一緒に帰ろうぜ!」
「あれ、皆……」
後ろから呼び止められ、振り向くと二年生全員が勢揃いしていた。そして皆でバス停まで向かう。
「今日試合中さ、納豆の声聞こえてよ~めっちゃ頑張れたぜ!!」
「それな龍! 俺も〝やべえ、落とす!〟って思ったときに納豆の声が聞こえてギリギリ拾えたぜ!」
「西谷も田中も朝霧さんが応援するたびに分かりやすくニヤついてたしな~」
「「してたしてた!」」
「……そうなの?」
龍と夕がべた褒めしてきたと思ったら縁下くんがじとーっとした目で二人を見つめだし、その言葉に成田くんと木下くんも大きく頷きながら賛同した。
「い、いや! だってよ、嬉しいじゃねえか!」
「そうだそうだ!」
「ふ~ん?」
「「なんだよ……!」」
バス停に着くまでそんなことを喋りながら歩いた。
──白鳥沢戦までの私達の僅かな休息時間。
side 烏養
あの青葉城西に勝った。次は決勝。相手は大エース牛島若利率いる王者白鳥沢。ここから先は俺達には未知の領域。俺達が一人一人持った力を一つに集結させた力が白鳥沢の〝個の力〟にどこまで対抗していけるかが決勝での鍵。
……月島のブロックがどうなるか。日向影山の変人速攻、西谷澤村のレシーブ、東峰田中のスパイク、烏野ウチの全ての力を120%出しきらないと白鳥沢には勝てない。
そしてもう一つ気掛かりな事がある。朝霧の事だ。朝霧には才能がある。レシーブ……つまりはリベロとしての才能が。ただ、ここ最近のアイツの練習中や試合中の反応を見ていたら何かが違うように見えた。……本当にアイツの〝才能〟とはリベロとしての〝レシーブ技術〟なのだろうか。
いや、確かにレシーブ技術も才能の一部なのかもしれない。だが何かが変だ。根拠は何一つとして無い。俺は今まで朝霧は西谷と同じタイプの奴だと思っていた。同じ〝天才型〟だと。でも朝霧には西谷や俺達とは違う〝別な物〟が見えているように感じる。
選手ならともかく、マネージャーであんなヤツ見たことねえからどうしたらいいのか俺には全く分からねぇ。選手じゃねえからむやみやたらに練習に参加させられる訳でもねぇし。かといってほったらかしにしておくのも、勿体無い。
朝霧にはもっと俺とは違う、『そっち向き』のちゃんとした指導者が必要なのかもしれない。
「…っんと、最近のヤツは才能に溢れたヤツが多くて参っちまうな……」
「……そうですね烏養君。彼らは本当に見ていて楽しい」
「あぁ…………選手に限らず、な」
「ですね~」
全国行って、必ず〝ゴミ捨て場の決戦〟実現させんぞ、お前ら。
「あ、じゃあ私取ってくるから先バス行ってて!」
「悪ぃ納豆!」
青城に勝った喜びを噛み締める間もなく私達はバスへと戻ることになったのだが、途中で夕がエナメルバッグの中を探り、タオルが無いことに気づいた為私は夕の変わりにタオルを取りに行くことにした。「すみません」と言いながらいそいそと体育館の中に入るとベンチの近くに夕のタオルが落ちているのを見つけた。私はすかさずそれを掴み、急いで体育館を出た。
速くバスに戻らなきゃ、と駆け足気味に歩いていると通路のど真ん中でなにやら会話をしている牛島さんと及川さんを見つけた。どうやら取り込み中らしく会話こそ聞こえないものの二人の雰囲気からただならぬものを感じる。どうしようかと動けずにいると、二人の会話が終わったようで及川さんがこちらに歩いてきた。
「あれ納豆ちゃん?」
「あー…えっと、お疲れ様です」
速く会話が終われば良いなとは思ったけれど、だからと言ってこの人と話したかった訳ではない。
「いやー納豆ちゃんには驚かされたよ。まさか俺のサーブとっちゃうなんて」
「でも、及川さんの本気のサーブじゃ無かったですよ」
「そりゃあ女の子に本気サーブなんて向けらんないよ。後とられても困るだけなんだけど」
「ですよね~…」
牛島さんは私に気づかず行ってしまった。そのせいで及川さんは遠慮なく私に構ってくる。バスに速く戻りたいのもあるけど、さっき負かした相手と話すって言うのも中々勇気がいるものだ。
これは私の勝手な想像だが、及川さんは〝天才〟という人間が嫌いなのではないかと思う。影山くんに牛島さん。あと、これを自分で言うのはちょっと嫌だけど、私が青城さん達のサーブをレシーブした時から及川さんはどこか私に対しても圧をかけてきているように思える。嫌われてしまったのかな。
「俺さ〝天才〟が嫌いなんだ」
急に始まった及川さんの話にやっぱり、と思った。
「なんとなくそうかなって思いました」
「じゃあ勘づいてるかもだけど、今は俺納豆ちゃんもちょっと生意気だって思ってるんだ」
「はい」
「でもさ納豆ちゃんってばまだぜーんぜんその才能生かしきれてないんだよね」
「は?」
「だからまだ嫌いじゃない」
「え、あの」
「それに未来ある若者を切り捨てる程俺は残酷じゃない。納豆ちゃん、才能は開花させるもの。でもセンスは磨くものだよ」
よく考えてね、及川さんはそう言って歩いていった。
バスに戻り、夕にタオルを渡すと「ありがとな!」と眩しい笑顔を向けられた。私は曖昧にそれを受け流し、丁度良いので空いていた夕の隣に座る。
さっき及川さんに言われた言葉の意味を考える。「才能は開花させるもの。センスは磨くもの」。たしかにそうだ。でも、だからなんなんだろう。私自身まだ全然レシーブができていないことなんて自覚している。だからレシーブだって時々夕達に交ぜてもらって練習している。これ以上伸ばしようなんてない。
……じゃあなんだ、私には他にも隠れた才能があるというのだろうか。または今ある才能を更に別のことに転換して活用する技が、他にもあるとでも言いたいの? ……わからないよ、そんなの。ここから先にどうやって進めば良いのか私には分からない。私は皆みたく自分の課題を見つけられるような人間じゃない。
ねえ、なんだっていうんですか。及川さん。
バスの中はいやに物静かだった。
「お前らちゃんと休めよー」
「「ウィーッス!」」
武田先生から色々と話を聞き、私達マネージャーが分析した白鳥沢の情報を皆に伝えて、円陣を組んでから皆解散。
実感が湧きづらいけど、今日私達はあの青葉城西に勝ったんだ……。それで次の相手はあの『絶対王者』こと『白鳥沢学園』。つまり……牛島さんだ。
白鳥沢にお手伝いに行ったとき、私は牛島さんのスパイクをたったの一本しか取ることができなかった。きっとあの時よりも牛島さんは強くなっているはず。白鳥沢戦……要になってくるのはリベロの夕とブロッカーの月島くんと日向くんだ。
「おーい納豆ー! 一緒に帰ろうぜ!」
「あれ、皆……」
後ろから呼び止められ、振り向くと二年生全員が勢揃いしていた。そして皆でバス停まで向かう。
「今日試合中さ、納豆の声聞こえてよ~めっちゃ頑張れたぜ!!」
「それな龍! 俺も〝やべえ、落とす!〟って思ったときに納豆の声が聞こえてギリギリ拾えたぜ!」
「西谷も田中も朝霧さんが応援するたびに分かりやすくニヤついてたしな~」
「「してたしてた!」」
「……そうなの?」
龍と夕がべた褒めしてきたと思ったら縁下くんがじとーっとした目で二人を見つめだし、その言葉に成田くんと木下くんも大きく頷きながら賛同した。
「い、いや! だってよ、嬉しいじゃねえか!」
「そうだそうだ!」
「ふ~ん?」
「「なんだよ……!」」
バス停に着くまでそんなことを喋りながら歩いた。
──白鳥沢戦までの私達の僅かな休息時間。
side 烏養
あの青葉城西に勝った。次は決勝。相手は大エース牛島若利率いる王者白鳥沢。ここから先は俺達には未知の領域。俺達が一人一人持った力を一つに集結させた力が白鳥沢の〝個の力〟にどこまで対抗していけるかが決勝での鍵。
……月島のブロックがどうなるか。日向影山の変人速攻、西谷澤村のレシーブ、東峰田中のスパイク、烏野ウチの全ての力を120%出しきらないと白鳥沢には勝てない。
そしてもう一つ気掛かりな事がある。朝霧の事だ。朝霧には才能がある。レシーブ……つまりはリベロとしての才能が。ただ、ここ最近のアイツの練習中や試合中の反応を見ていたら何かが違うように見えた。……本当にアイツの〝才能〟とはリベロとしての〝レシーブ技術〟なのだろうか。
いや、確かにレシーブ技術も才能の一部なのかもしれない。だが何かが変だ。根拠は何一つとして無い。俺は今まで朝霧は西谷と同じタイプの奴だと思っていた。同じ〝天才型〟だと。でも朝霧には西谷や俺達とは違う〝別な物〟が見えているように感じる。
選手ならともかく、マネージャーであんなヤツ見たことねえからどうしたらいいのか俺には全く分からねぇ。選手じゃねえからむやみやたらに練習に参加させられる訳でもねぇし。かといってほったらかしにしておくのも、勿体無い。
朝霧にはもっと俺とは違う、『そっち向き』のちゃんとした指導者が必要なのかもしれない。
「…っんと、最近のヤツは才能に溢れたヤツが多くて参っちまうな……」
「……そうですね烏養君。彼らは本当に見ていて楽しい」
「あぁ…………選手に限らず、な」
「ですね~」
全国行って、必ず〝ゴミ捨て場の決戦〟実現させんぞ、お前ら。