二番煎じな内容が多いです。
リベロな彼に私の才能発掘されました。
空欄の場合は「納豆」になります。
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「山口くん、大丈夫だよ。あんなに練習したんだから!」
「は、はぃ……ッ!」
「ほらほら深呼吸深呼吸!!」
顔を真っ青にしている山口くんを必死に落ち着かせようと奮闘するがいまいち上手くいかず、山口くんの出番だけが近づいていくる。
私達は、攻め方を変えるために山口くんをピンチサーバーとして投入することにした。確かに山口くんのサーブはまだ完全には完成していない。だけど最初の頃に比べたらかなり上達している。十分相手を揺さぶることはできると思うのだが……。山口くん本人が自分自身を信じきれていないのだ。やっぱり私じゃ山口くんをリラックスさせられないよね…。
だがその時、月島くんと入れ替わりでコートに入っていく山口くんに縁下くんが何か言った。すると山口くんはさっきよりも落ち着いたように見えた。
結果から言ってしまおう。山口くんのサーブは一本目はネットインで決まったが二本目は山口くんが怯んでしまい、安全なサーブを打ってしまった。決して悪いプレーという訳では無かったが、サーブは山口くんが日向くん達と対等に戦いたいと磨きだした唯一の武器。それを捨ててしまったら残るのは後悔だけ。
医務室から戻ってきた烏養さんに怒られそうになった山口くんは唇を噛みしめてとても悔しそうだった。恐らく、きっとこの経験が彼の成長に繋がると私はそう信じてやまない。
「お願い、頑張って……!!」
第一セットはこちらがとった。
しかし、第二セットは向こうに取り返されてしまった。仁花ちゃんと潔子先輩と約束したから、ここで負けるわけにはいかないんだ。絶対に勝って春高に行くって決めたんだから。
────負けない、負けられない。
「朝霧、俺ちょっとやってみたいことがあるんだけど…」
「──縁下くん?」
何もできない自分にイライラし始めていた時、タイムアウトで戻ってきた縁下くんが私に覚悟を決めたかのような目でその作戦を話し始めた。それは相手の主将さんがブロックアウトをとろうとしたボールを縁下くんが下がってとるというもの。勿論、その作戦には賛成だが、縁下くんを見ていたらその作戦は縁下くんがコートに自分が立つ意味が欲しいからという風に思え、複雑な気持ちになってしまった。
ねぇ、頑張って。皆も、縁下くんも。
烏野の為に。自分の為に。……私の為にも。
そしてついに烏野が第三セット、20点代に乗り上げた。
何度も続くラリー。息つく間もない。見ている側でさえこんなにも世話しなく目を動かさないとついていけないのだから、プレーをしている選手達の体感はどうなっているのだろうか。縁下くんが徐々に調子をあげていっている。それに吊られて日向くん達の調子も右肩上がりになっていくのが分かる。
……いける、このままいけば勝てる──!
長いラリーが続くなか、ブロックアウトになりかけたボールをギリギリで縁下くんがレシーブをした。まさしくその形は彼が思い描いていた理想のプレーだろう。自分で考え、動き、実行する。恐らくこのプレーがチームに縁下くんを溶け込ませてくれるはずだ。
「縁下、ナイスレシーブ」
「……!!」
夕が縁下くんの肩に手を置き、彼のプレーを称賛した。その直後、縁下の顔付きが変わり体に加わっていた力が抜けていくのがみてとれた。
そしてまた始まりだしたシーソーゲーム。
どちらが勝っても可笑しくないと思われるほどに白熱した試合。観客が息を飲む。誰も彼もの視線がたった一つのコートに集中し、選手達がその視線を一身に受けるのだ。
いつまでも続きそう。そう思われる中で烏野がいよいよマッチポイントになる。
よりいっそうお互いの集中力が増すが、焦りのせいで攻撃のテンポが少しずつ速くなってしまう。なんとか一度、このテンポを落とさなければならない。
そう思い、ベンチから立ち上がった時だ。
「日向ァ!! バタバタしないッ! 『良いジャンプ』は!?」
「『良い助走』から!!」
コートで交わされたその言葉を聞いた私は何も言わずに再びベンチに腰を下ろした。
────きっと大丈夫だ。
澤村先輩が居ないため、確実に守備力はダウンした。私はそれに死ぬほど焦っていたが、怖がる必要なんて無かった。今までの厳しい練習を耐え抜いてきたのは澤村先輩達だけではない。それは縁下くん達も同じ。それに彼は次の主将候補。周りを引っ張ることができなかったら誰も彼の事を主将候補にはしない。
それでも縁下くんは選ばれた。それすなわち彼にその素質があるということ。
烏野は──堕ちないんだから。
そして和久南のコートに日向くんのスパイクが叩きつけられた。
──ピーッ!
セットカウント
烏野2ー1和久南
烏野は準決勝進出を決めた。
「あ、澤村先輩!!」
コートから撤収する準備をしていたら入り口に澤村先輩と潔子先輩、そして仁花ちゃんが笑顔で立っているのが見えた。私は試合に勝った喜びからか、いつもより5割増し機嫌よく澤村先輩の名前を叫んだ。
その私の声で菅原先輩達が「大地ー!!」と、嬉しそうに駆け寄っていく。が、菅原先輩よりもいち早く澤村先輩の元に辿り着いたのは龍で「大地さんっ、だ、だだ、だい!?」とパニックになりながら迫っていた。
「納豆ちゃん」
「潔子先輩! あ、あの、わたし、頑張りました!!!」
私の名前を呼びながら近づいてきた潔子先輩を目にした途端、私は人の事言えないじゃん、と指をさされても可笑しくないぐらいに潔子先輩に迫ってしまう。だけど、そんな私をみて潔子先輩はほんの少し驚きながらも私の頭に手を乗せて優しく撫でてくれた。
こんなにも優しく頭を撫でられるなんて久しぶりで、幼い頃大好きだったおばあちゃんに褒められ度に「偉いね」「頑張ったね」なんて言われながら頭を撫でられていたあの頃を思い出した。
「うん、頑張ってた。ありがとう納豆ちゃん」
「!!!」
潔子先輩があんまり綺麗に笑うものだから、普段は理性が働いてあまり人に対して甘えることが無かったはずなのに、柄にもなく、今は目を瞑って撫でられている頭の感覚を遠慮なく味わうことにした。
(待って!!! これレアだよね!? ね!?)
(落ち着けよ菅……)
(ギャップってやつかな? ちょっとキュンとしちゃったよ俺!!!)
(分かった、菅はもう手遅れだ)
(……納豆ちゃん、髪サラサラだな)
「は、はぃ……ッ!」
「ほらほら深呼吸深呼吸!!」
顔を真っ青にしている山口くんを必死に落ち着かせようと奮闘するがいまいち上手くいかず、山口くんの出番だけが近づいていくる。
私達は、攻め方を変えるために山口くんをピンチサーバーとして投入することにした。確かに山口くんのサーブはまだ完全には完成していない。だけど最初の頃に比べたらかなり上達している。十分相手を揺さぶることはできると思うのだが……。山口くん本人が自分自身を信じきれていないのだ。やっぱり私じゃ山口くんをリラックスさせられないよね…。
だがその時、月島くんと入れ替わりでコートに入っていく山口くんに縁下くんが何か言った。すると山口くんはさっきよりも落ち着いたように見えた。
結果から言ってしまおう。山口くんのサーブは一本目はネットインで決まったが二本目は山口くんが怯んでしまい、安全なサーブを打ってしまった。決して悪いプレーという訳では無かったが、サーブは山口くんが日向くん達と対等に戦いたいと磨きだした唯一の武器。それを捨ててしまったら残るのは後悔だけ。
医務室から戻ってきた烏養さんに怒られそうになった山口くんは唇を噛みしめてとても悔しそうだった。恐らく、きっとこの経験が彼の成長に繋がると私はそう信じてやまない。
「お願い、頑張って……!!」
第一セットはこちらがとった。
しかし、第二セットは向こうに取り返されてしまった。仁花ちゃんと潔子先輩と約束したから、ここで負けるわけにはいかないんだ。絶対に勝って春高に行くって決めたんだから。
────負けない、負けられない。
「朝霧、俺ちょっとやってみたいことがあるんだけど…」
「──縁下くん?」
何もできない自分にイライラし始めていた時、タイムアウトで戻ってきた縁下くんが私に覚悟を決めたかのような目でその作戦を話し始めた。それは相手の主将さんがブロックアウトをとろうとしたボールを縁下くんが下がってとるというもの。勿論、その作戦には賛成だが、縁下くんを見ていたらその作戦は縁下くんがコートに自分が立つ意味が欲しいからという風に思え、複雑な気持ちになってしまった。
ねぇ、頑張って。皆も、縁下くんも。
烏野の為に。自分の為に。……私の為にも。
そしてついに烏野が第三セット、20点代に乗り上げた。
何度も続くラリー。息つく間もない。見ている側でさえこんなにも世話しなく目を動かさないとついていけないのだから、プレーをしている選手達の体感はどうなっているのだろうか。縁下くんが徐々に調子をあげていっている。それに吊られて日向くん達の調子も右肩上がりになっていくのが分かる。
……いける、このままいけば勝てる──!
長いラリーが続くなか、ブロックアウトになりかけたボールをギリギリで縁下くんがレシーブをした。まさしくその形は彼が思い描いていた理想のプレーだろう。自分で考え、動き、実行する。恐らくこのプレーがチームに縁下くんを溶け込ませてくれるはずだ。
「縁下、ナイスレシーブ」
「……!!」
夕が縁下くんの肩に手を置き、彼のプレーを称賛した。その直後、縁下の顔付きが変わり体に加わっていた力が抜けていくのがみてとれた。
そしてまた始まりだしたシーソーゲーム。
どちらが勝っても可笑しくないと思われるほどに白熱した試合。観客が息を飲む。誰も彼もの視線がたった一つのコートに集中し、選手達がその視線を一身に受けるのだ。
いつまでも続きそう。そう思われる中で烏野がいよいよマッチポイントになる。
よりいっそうお互いの集中力が増すが、焦りのせいで攻撃のテンポが少しずつ速くなってしまう。なんとか一度、このテンポを落とさなければならない。
そう思い、ベンチから立ち上がった時だ。
「日向ァ!! バタバタしないッ! 『良いジャンプ』は!?」
「『良い助走』から!!」
コートで交わされたその言葉を聞いた私は何も言わずに再びベンチに腰を下ろした。
────きっと大丈夫だ。
澤村先輩が居ないため、確実に守備力はダウンした。私はそれに死ぬほど焦っていたが、怖がる必要なんて無かった。今までの厳しい練習を耐え抜いてきたのは澤村先輩達だけではない。それは縁下くん達も同じ。それに彼は次の主将候補。周りを引っ張ることができなかったら誰も彼の事を主将候補にはしない。
それでも縁下くんは選ばれた。それすなわち彼にその素質があるということ。
烏野は──堕ちないんだから。
そして和久南のコートに日向くんのスパイクが叩きつけられた。
──ピーッ!
セットカウント
烏野2ー1和久南
烏野は準決勝進出を決めた。
「あ、澤村先輩!!」
コートから撤収する準備をしていたら入り口に澤村先輩と潔子先輩、そして仁花ちゃんが笑顔で立っているのが見えた。私は試合に勝った喜びからか、いつもより5割増し機嫌よく澤村先輩の名前を叫んだ。
その私の声で菅原先輩達が「大地ー!!」と、嬉しそうに駆け寄っていく。が、菅原先輩よりもいち早く澤村先輩の元に辿り着いたのは龍で「大地さんっ、だ、だだ、だい!?」とパニックになりながら迫っていた。
「納豆ちゃん」
「潔子先輩! あ、あの、わたし、頑張りました!!!」
私の名前を呼びながら近づいてきた潔子先輩を目にした途端、私は人の事言えないじゃん、と指をさされても可笑しくないぐらいに潔子先輩に迫ってしまう。だけど、そんな私をみて潔子先輩はほんの少し驚きながらも私の頭に手を乗せて優しく撫でてくれた。
こんなにも優しく頭を撫でられるなんて久しぶりで、幼い頃大好きだったおばあちゃんに褒められ度に「偉いね」「頑張ったね」なんて言われながら頭を撫でられていたあの頃を思い出した。
「うん、頑張ってた。ありがとう納豆ちゃん」
「!!!」
潔子先輩があんまり綺麗に笑うものだから、普段は理性が働いてあまり人に対して甘えることが無かったはずなのに、柄にもなく、今は目を瞑って撫でられている頭の感覚を遠慮なく味わうことにした。
(待って!!! これレアだよね!? ね!?)
(落ち着けよ菅……)
(ギャップってやつかな? ちょっとキュンとしちゃったよ俺!!!)
(分かった、菅はもう手遅れだ)
(……納豆ちゃん、髪サラサラだな)