二番煎じな内容が多いです。
リベロな彼に私の才能発掘されました。
空欄の場合は「納豆」になります。
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──ピーッ
そして始まった角川VS烏野の試合。最初のサーブは月島くんから。いつもだったら仁花ちゃんと上から見下ろしていた試合が今は目の前に広がっている。
上を見上げれば仁花ちゃんと潔子さんが私の方を見ながら「頑張って」と、エールを送ってくる。
「……よし。私も頑張らなきゃね」
コートで角川のセッターがあの二メートルの選手にトスを上げるのを視界に捉えながら、私の姿勢はどんどゆ前のめりになっていった。
きっと今、私は楽しんでるんだ。
「ブロック三枚!」
二メートルの人を止めようと日向くんたちがブロック三枚で対抗する。──だが
「え、うそ……」
二メートルの人のスパイクはブロックの上から難なくコートに叩きつけられてしまった。
あれではブロックの意味が無い。『シンプルで純粋な力』って、このことか。
一定のレベルを越えると常人では敵わなくなってしまうようなそんな力。以前、烏養さんから教えて貰ったことがある。「俺もじじいから教えて貰った話だけどな」と、その時の烏養さんはそう言っていた。
私は単純にパワーが桁外れな牛島さんとかを想像していたけれど、高さもここまで来てしまうとジャンプ力が並外れている日向くんすらも空中戦じゃ敵わないのかも。まだまだ日向くんも発展途上だしね。
二メートルの壁をどう越えるか、そんな問題を掻い潜る為に日向くんはフェイントを使ったりだとかしたがそれすらもあの高さに阻まれてしまう。…………やっぱり敵わないのかもしれない。
「〝真っ向勝負〟では、ね?」
烏野の真骨頂はこれからなんだから。
「う~ん?」
日向くん達のあの速攻はまだ隠していくらしい。後半で相手を圧倒するために温存しておくのではないか。まあ、それはそうとして、あの二メートルさん。
さっきからスパイクを決めていく様子を見ている限りあの人はコースの打ち分けができなさそう。いやまだ私がなんとなくそう見えるだけの話だからなんとも言えませんがね……。
でも、ここで何も言わずにいたら私のここにいる価値は無くなるんだ。潔子さんからバトンタッチされたこの立ち位置で、私のできることをするって決めたんだから。
「烏養さん」
「おう、どうした朝霧。何か気づいたか?」
「確信とかでは無いんですけど……あの二メートルさんってコースの打ち分けできないように見えるんです」
私がそう言うと、烏養さんもそれに頷き「俺もそう思う」と言って、タイムアウトをとった。
「う、上から打たれるの一体どうすればっ……!?」
タイムアウトに入るなりドリンクを飲みながら慌てる日向くん。それはそうだろう。二メートルとマッチアップされているのは日向くんなのだから。
話によるとまだ私がいないときの試合で伊達工業という高校の191センチの選手と互角にやりあったからだそう。それがどのような試合だったからは知らないが、東峰先輩が完全復活した試合だとか。
「まあまあ落ち着いてよ日向くん」
「そうだぞ! 空中戦だけがバレーボールじゃないんだぜ翔陽」
夕と澤村先輩が顔を見合わせ、ニッと笑った。……あ、この二人も気づいてたんだ。あの二メートルの人の打ち分けについて。その予想は合っていたらしく澤村先輩と夕はそのことを皆に話し出した。
「納豆も気づいてただろ?」
ふいに夕が私にそう言った。私は頷いてそれに答えると夕は満足そうに笑って「さすがだなっ」と私の背中をバシバシと叩く。……痛いんだけど。
「あの二メートルさんが打ってくる時はストレートを捨てればきっと拾える。……少なくとも、牛島さんのスパイクよりかは絶対に拾えるからまずここを越えないとですね」
「おっ! まさしく経験者は語るだなぁ~」
横から乱入してきた菅原先輩に少し驚きながらも苦笑しながらはい、と頷く。自分に対する〝謙遜〟とかよりも〝拾った〟という事実は大きな自信となるんだから。
「ダッシャアアイ!」
作戦は見事ハマり、二メートルさんの攻撃をしのげるようになり始める。
なら、次は──攻撃。
影山くんの「今日は調子がいい」発言によって日向くん影山くんの新しい速攻をすることが許可された。なんだかんだ言って二人の新しい速攻を私はあまり沢山見られていない。だから試合で使うということになるとどうもテンションが上がってしまう。しかもそれを上からじゃなくて、こんな間近で見られるとなると更に。
夕が二メートルさんのスパイクをレシーブし、綺麗にセッターの所に返る。二メートルさんはひたすらブロックの時はボールを追っているみたいだけど……
あの二人の速攻は、いくら身長が高かったとしてもリエーフ君みたいなスピードと器用さが無いとあの二メートルの人には止められない!
──ドドッ
セッターが触れるのは一瞬。
少しでも遅れたらもう、届かない。
「うおおおお!」
「IHでやってた超速攻!!」
二人の速攻に歓声がわきあがる。
新星烏野……ここからが新しい烏野の始まり。
「うわぁ……すっごいなぁ。あの二メートルさん」
試合が進んでいくにつれ序盤よりもブロックの圧が増していく二メートルさんに驚き、思っていたことがポロッと口から出てしまった。日向くん達の速攻も勿論決まっている。だが、とてもやりづらそう……。
こんなことを言ってしまうのはアレかもしれないが、あの二メートルさんがまだバレー初心者で本当に良かったと思う。もしも二メートルさんが初心者じゃなくてコースの打ち分けや安定したレシーブ、的確なサーブができていたら──今頃かなりの苦戦を強いられていたんだろうな。
そして第二セット、烏野のマッチポイント。
日向くんに上げられたトス。向こうは三枚ブロック。圧倒的に不利な状況。思わず唇を噛み締めたその瞬間、日向くんの打ったボールは二メートルさんの指先を掠めてコートの外側へと落ちていった。
角川の人達がそのボールを追いかけて飛び付くもあと一歩及ばず、烏野の勝利を告げる笛が鳴らされた。
「「よっしゃあああ!!」」
コートから日向くん達の歓喜の声が上がり、ワアアッと沢山の歓声が飛び交う。一瞬勝利への実感がいまいち湧かなかったが隣にいる烏養さんや武田先生の雄叫びのお陰でようやく試合に勝ったのだと実感することができた。
……自分の役目を果たせた。
……チームの役に立てた。
いや、実際そこまで立てていないのかもしれないが私にとっては多きな前進の一歩。これが、皆のために私ができる唯一の事。私にだってできることがある。チームの役に立てる。
──そのことを自分の手で証明できたことが何よりも嬉しかった。
「朝霧先輩! おれ、やりましたっ」
「お疲れ様、日向くん。最後ナイスだったよ」
「あざっす!」
「後で仁花ちゃんや潔子先輩にも言いに行かないとね」
仁花ちゃんと潔子先輩が居るであろう二階を見上げると、そこには烏野を応援に来ていた大人や子供達しか居ず、二人が下に降りてきているのだと悟った。「私も頑張ったよ」って、まずは仁花ちゃんと潔子先輩に褒めて貰いたいな……。
そして始まった角川VS烏野の試合。最初のサーブは月島くんから。いつもだったら仁花ちゃんと上から見下ろしていた試合が今は目の前に広がっている。
上を見上げれば仁花ちゃんと潔子さんが私の方を見ながら「頑張って」と、エールを送ってくる。
「……よし。私も頑張らなきゃね」
コートで角川のセッターがあの二メートルの選手にトスを上げるのを視界に捉えながら、私の姿勢はどんどゆ前のめりになっていった。
きっと今、私は楽しんでるんだ。
「ブロック三枚!」
二メートルの人を止めようと日向くんたちがブロック三枚で対抗する。──だが
「え、うそ……」
二メートルの人のスパイクはブロックの上から難なくコートに叩きつけられてしまった。
あれではブロックの意味が無い。『シンプルで純粋な力』って、このことか。
一定のレベルを越えると常人では敵わなくなってしまうようなそんな力。以前、烏養さんから教えて貰ったことがある。「俺もじじいから教えて貰った話だけどな」と、その時の烏養さんはそう言っていた。
私は単純にパワーが桁外れな牛島さんとかを想像していたけれど、高さもここまで来てしまうとジャンプ力が並外れている日向くんすらも空中戦じゃ敵わないのかも。まだまだ日向くんも発展途上だしね。
二メートルの壁をどう越えるか、そんな問題を掻い潜る為に日向くんはフェイントを使ったりだとかしたがそれすらもあの高さに阻まれてしまう。…………やっぱり敵わないのかもしれない。
「〝真っ向勝負〟では、ね?」
烏野の真骨頂はこれからなんだから。
「う~ん?」
日向くん達のあの速攻はまだ隠していくらしい。後半で相手を圧倒するために温存しておくのではないか。まあ、それはそうとして、あの二メートルさん。
さっきからスパイクを決めていく様子を見ている限りあの人はコースの打ち分けができなさそう。いやまだ私がなんとなくそう見えるだけの話だからなんとも言えませんがね……。
でも、ここで何も言わずにいたら私のここにいる価値は無くなるんだ。潔子さんからバトンタッチされたこの立ち位置で、私のできることをするって決めたんだから。
「烏養さん」
「おう、どうした朝霧。何か気づいたか?」
「確信とかでは無いんですけど……あの二メートルさんってコースの打ち分けできないように見えるんです」
私がそう言うと、烏養さんもそれに頷き「俺もそう思う」と言って、タイムアウトをとった。
「う、上から打たれるの一体どうすればっ……!?」
タイムアウトに入るなりドリンクを飲みながら慌てる日向くん。それはそうだろう。二メートルとマッチアップされているのは日向くんなのだから。
話によるとまだ私がいないときの試合で伊達工業という高校の191センチの選手と互角にやりあったからだそう。それがどのような試合だったからは知らないが、東峰先輩が完全復活した試合だとか。
「まあまあ落ち着いてよ日向くん」
「そうだぞ! 空中戦だけがバレーボールじゃないんだぜ翔陽」
夕と澤村先輩が顔を見合わせ、ニッと笑った。……あ、この二人も気づいてたんだ。あの二メートルの人の打ち分けについて。その予想は合っていたらしく澤村先輩と夕はそのことを皆に話し出した。
「納豆も気づいてただろ?」
ふいに夕が私にそう言った。私は頷いてそれに答えると夕は満足そうに笑って「さすがだなっ」と私の背中をバシバシと叩く。……痛いんだけど。
「あの二メートルさんが打ってくる時はストレートを捨てればきっと拾える。……少なくとも、牛島さんのスパイクよりかは絶対に拾えるからまずここを越えないとですね」
「おっ! まさしく経験者は語るだなぁ~」
横から乱入してきた菅原先輩に少し驚きながらも苦笑しながらはい、と頷く。自分に対する〝謙遜〟とかよりも〝拾った〟という事実は大きな自信となるんだから。
「ダッシャアアイ!」
作戦は見事ハマり、二メートルさんの攻撃をしのげるようになり始める。
なら、次は──攻撃。
影山くんの「今日は調子がいい」発言によって日向くん影山くんの新しい速攻をすることが許可された。なんだかんだ言って二人の新しい速攻を私はあまり沢山見られていない。だから試合で使うということになるとどうもテンションが上がってしまう。しかもそれを上からじゃなくて、こんな間近で見られるとなると更に。
夕が二メートルさんのスパイクをレシーブし、綺麗にセッターの所に返る。二メートルさんはひたすらブロックの時はボールを追っているみたいだけど……
あの二人の速攻は、いくら身長が高かったとしてもリエーフ君みたいなスピードと器用さが無いとあの二メートルの人には止められない!
──ドドッ
セッターが触れるのは一瞬。
少しでも遅れたらもう、届かない。
「うおおおお!」
「IHでやってた超速攻!!」
二人の速攻に歓声がわきあがる。
新星烏野……ここからが新しい烏野の始まり。
「うわぁ……すっごいなぁ。あの二メートルさん」
試合が進んでいくにつれ序盤よりもブロックの圧が増していく二メートルさんに驚き、思っていたことがポロッと口から出てしまった。日向くん達の速攻も勿論決まっている。だが、とてもやりづらそう……。
こんなことを言ってしまうのはアレかもしれないが、あの二メートルさんがまだバレー初心者で本当に良かったと思う。もしも二メートルさんが初心者じゃなくてコースの打ち分けや安定したレシーブ、的確なサーブができていたら──今頃かなりの苦戦を強いられていたんだろうな。
そして第二セット、烏野のマッチポイント。
日向くんに上げられたトス。向こうは三枚ブロック。圧倒的に不利な状況。思わず唇を噛み締めたその瞬間、日向くんの打ったボールは二メートルさんの指先を掠めてコートの外側へと落ちていった。
角川の人達がそのボールを追いかけて飛び付くもあと一歩及ばず、烏野の勝利を告げる笛が鳴らされた。
「「よっしゃあああ!!」」
コートから日向くん達の歓喜の声が上がり、ワアアッと沢山の歓声が飛び交う。一瞬勝利への実感がいまいち湧かなかったが隣にいる烏養さんや武田先生の雄叫びのお陰でようやく試合に勝ったのだと実感することができた。
……自分の役目を果たせた。
……チームの役に立てた。
いや、実際そこまで立てていないのかもしれないが私にとっては多きな前進の一歩。これが、皆のために私ができる唯一の事。私にだってできることがある。チームの役に立てる。
──そのことを自分の手で証明できたことが何よりも嬉しかった。
「朝霧先輩! おれ、やりましたっ」
「お疲れ様、日向くん。最後ナイスだったよ」
「あざっす!」
「後で仁花ちゃんや潔子先輩にも言いに行かないとね」
仁花ちゃんと潔子先輩が居るであろう二階を見上げると、そこには烏野を応援に来ていた大人や子供達しか居ず、二人が下に降りてきているのだと悟った。「私も頑張ったよ」って、まずは仁花ちゃんと潔子先輩に褒めて貰いたいな……。