二番煎じな内容が多いです。
リベロな彼に私の才能発掘されました。
空欄の場合は「納豆」になります。
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こっそりと誰かにバレないように白鳥沢の校門を潜り、恐らくバレー部の体育館であろう場所に移動する。後日、お手伝いに来る予定とはいえ、今日来るとは伝えていないので勿論誰かに見つかってしまったら大変だ。だからパッと見て、パッと帰ろう。うん。
……そういえばたしか、白鳥沢には全国で三本指に入るスパイカーの牛島若利さんがいるんだよね。顔は見たことないけど名前は知っている。どういう人なんだろう……。貫禄のある人かもしれないけど……木兎さんがあんな性格だったからもしかしたら牛島さんって人も……。考えたくないな。
体育館の下の窓を少し開け、中をチラリと覗き見ると、中はバレーのネットとボール、ドリンクやタオルが置かれているだけで誰もいなかった。
「どこにいるんだろう?」
とりあえず帰りますかね。体育館の場所とかは把握できたし。欲を言うならプレーとか見てみたかったけどさ。
私はガクリと肩を落としながら、家に帰ろうと思い踵をかえし、その場を離れようとした。だが、そのとき。
「何をしているんだ」
「……!?」
後ろから聞こえてきた低い声で思わず私は足を止めてしまった。
あぁ、どうしよう……。見つかってしまった──!
「あ、えと、その、」
どうしようどうしようどうしよう……!怒られるのかな、燃やされるのかな、埋められるのかな!?
恐る恐る後ろを振り返ると背の高い男の人が私を見下ろしていた。私を捉えて離さないその眼に惹き付けられ、体が自分のものではないかのように動かなくなってしまう。
誰なんだろう、この人は。教師とかじゃないよね。ジャージ着てるし…。
「お前は誰だ?」
「あ……、烏野高校の朝霧納豆、です」
「……烏野だと?」
烏野、という単語がでた途端にあからさまに反応した男の人。烏野に知り合いでもいるのだろうか。
「あの失礼ですが、あなたは?」
「あぁ、すまない。俺は『牛島若利』だ」
その名前を聞いた瞬間「え!」と、叫んで後ずさってしまった。
神様、どうやらこの男の人がかの有名な全国で三本指の牛島若利さんらしいです。
……なにこの漫画みたいな展開。
「──……というわけで、私は白鳥沢ここに来ました。ほ、本当に怪しいものではありませんし、偵察に来たわけでも無いんです…!ただ、下見に来ただけなんです……!!」
とりあえず牛島さんに体育館の中へと連れられ、その中で土下座をしながら頭を床に擦り付ける勢いで弁解する。果たしてこの言葉が相手に伝わるかは分からないが、とにかく私は今、誤解を解きたい一心で頭を下げていた。
しばらくすると、その様子を終始無言で見ていた牛島さんが「分かった」と、一言私に向かって言い放った。
「何をそんなに焦っているのかは分からないが、俺は最初からお前を怪しい奴とは思ってはいない」
「……ほ、本当ですか?」
「あぁ、嘘はつかない」
ホッとした安心感が一気に私を襲う。牛島さんが警戒深い人じゃなくて良かった……。私が牛島さんの人柄に、心から感謝した瞬間だった。
「ところで、他の部員の皆さんは一体どこちらへ?」
「今はロードワーク中だ」
「え、では牛島さんは……?」
「俺はもう終わった。他の連中が遅いだけだ」
「おぉ……」
「なんか、エースって感じですね」と、考えていたことを声に出してしまうと、牛島さんの眉間に僅かな皺が寄る。えぇ!?き、気分悪くしちゃったかな!?どうしよう……他の部員さんからミンチにされてしまうかも…。
想像するのはボコボコにされる自分の姿。ソゾッとした寒気が背中をかけあがり、肩をすくめる。でも、『エース』ってカッコいいと思うけどな。
そんな事を考えながら頭の隅に思い浮かんだのは烏野の誇るコンビの片割れで、最強の囮でありながらも実はエースを夢見ている小さな少年のこと。
勝利に貪欲で、執着するその姿はとても眩しい。だから私は彼らを応援したいと思ったのかな?それともプレーする姿に魅了されたから?理由は自分でも深くは分からないけれど、それでも、彼らのお陰でバレーボールという一つのスポーツを好きになったのは紛れもない事実。
「朝霧といったな。朝霧、お前はバレーができるのか?」
静かな体育館の中で、牛島さんの言葉は嫌になりそうなほどしっかりと響き渡った。その言葉を言うだけ言って牛島さんはボールの入っている籠に近づき、そこから一つボールを取り、私をしっかりと見据えるのだ。
あぁ、この目、日向くんに似てる────
それは、勝利に貪欲な目。
「どうなんだ?」
牛島さんの言葉が頭の中で繰り返され、悪いことはしていないのに全身から熱が引いていくのを感じる。この目が、この声が、全てが、自分の全てを追求してきているような気がしてならない。それでもバレてはいけない気がして、隠そうとすると今度は見透かされていくような気持ちに陥るのだ。いつか、自分の行動も思考も全て把握されてしまうような恐怖が私の脳を支配する。
「あ、わたし……!」
声が震え、しっかりと発声することができず、途切れ途切れの言葉になってしまい聞き取りにくい。けれど、そんな私を牛島さんは咎めるとこはなく表情を一切変えない。
と、その時──
「どーんッ、若利くん相変わらず速いネ!……ってアレ?その子、どちら様?」
開いたままの体育館の扉の前で、赤髪で長身の男が目をまん丸とさせながら私を見て立ち尽くしていた。男の額を伝う汗が徐々に下に垂れていき、首筋へと伝っていく。その光景が妙に色めかしく、思わず見とれる。
すると、私の考えを読み取ったかのように男はニヤニヤとにやけだし、「えっちー」と、わざとらしく一言。急な男の登場に混乱している私は簡単に乗ってしまい、「違います!」と叫ぶ。
「人の汗だく状態を見て興奮するなんてぇー……変態サンだね!」
「み、見てませんから!!興奮もしてません!」
「まぁ、それは良いとして……君、誰?」
さっきまでふざけていた態度とは一変。いきなり真剣な顔つきへと変わり、品定めをするかのように目を細め、私を見つめてくる。そうだった、本当は私はここにいることをバレてはいけなかったんだ。
一難去ってまた一難。それはこういうことを言うのかな、と思いながら私はゴクリ、と唾を飲み込んだ。ああ、もしかして──私はこの人にフルぼっこにされてしまうのですか!?
「天童」
「なーに若利くん?」
「朝霧は怪しい奴ではない」
「うん、知ってるー」
「……ならどうして疑う必要がある?」
「疑ってる訳じゃ無いよ?ただ……可愛いとイジワルしたくなっちゃうよネ!」
「そういうものなのか?」
「男ってそういうもんだよ」
こんな会話がされていたことに、混乱していた私が気づくことはなかった。
「あ、朝霧納豆と言いますッ!牛島さんには既に自己紹介させて頂きましたが、怪しいものでは無いんです……っ!」
「ウンウン、俺は天童覚ねー!覚って呼んでもいいよっ!」
「いやいやいや、天童さんと呼ばせて頂きます……」
土下座をする私を笑いながら見下ろす天童さん。牛島さんとは真逆と言っても良いほどの性格に圧倒されつつもなんとか言葉を返す。きっと遊ばれているんだろなーとは思っているが、こんな知らない場所に来てまでそれに反抗する勇気を生憎私は持ち合わせていない。牛島さんもそうだけど、この天童さんもなんだか思っていることを見透かしそうで怖いよぉ……!お母さん、助けてぇ……。
「天童、そのぐらいで良いだろう。あまりちょっかいをだすのは止めておけ」
「はいはーい。分かってるよー若利くん!」
「ならいいが」
「ところで、朝霧ちゃんはどうしてココに来たの?何か用でも合ったの?てかその制服烏野だよね!?なら部活はもしかして男子バレー部のマネージャーとか!」
「……」
この人は……(ある意味)本物だ……!もしや、心を読み取る天才とはこういう人のことを言うのだろうか。
ポカンとしている私を見て、天童さんはフフンと鼻で嗤うと「覚ったりぃー」と、自慢気に胸を張った。
ところで今思い出したのだが、元々私、牛島さんに質問されてた身だよね。天童さんの登場ではぐらかす感じになっちゃったけど……。
あの質問には素直に「出来ます」と答えた方が良かったのだろうか?それとも「出来ません」と敢えて隠した方が……。でも、今は天童さんがいるから嘘ついてもバレそうだな。
だったら────
「う、牛島さん」
「なんだ、朝霧」
「……牛島さんが私への質問の返事なんですけど……!」
──レシーブには、自信があります。
私の唸るように紡いだその言葉に、心なしか天童さんと牛島さんが小さく笑ったような気がした。それは声にだして笑う方ではなく興味対象ができたときになってしまう、興奮の笑み。
「えー?なになに、面白そうなこというね!若利くんったら一人だけ楽しんじゃってずるーい!!俺も交ぜてよーっ!」
「別に楽しいことなんてなにも……」
「あぁ、言っている意味がよくわからない」
「ひ、ひどいッ!」
どうやら、私の波乱の夏は始まったばかりらしい──。
……そういえばたしか、白鳥沢には全国で三本指に入るスパイカーの牛島若利さんがいるんだよね。顔は見たことないけど名前は知っている。どういう人なんだろう……。貫禄のある人かもしれないけど……木兎さんがあんな性格だったからもしかしたら牛島さんって人も……。考えたくないな。
体育館の下の窓を少し開け、中をチラリと覗き見ると、中はバレーのネットとボール、ドリンクやタオルが置かれているだけで誰もいなかった。
「どこにいるんだろう?」
とりあえず帰りますかね。体育館の場所とかは把握できたし。欲を言うならプレーとか見てみたかったけどさ。
私はガクリと肩を落としながら、家に帰ろうと思い踵をかえし、その場を離れようとした。だが、そのとき。
「何をしているんだ」
「……!?」
後ろから聞こえてきた低い声で思わず私は足を止めてしまった。
あぁ、どうしよう……。見つかってしまった──!
「あ、えと、その、」
どうしようどうしようどうしよう……!怒られるのかな、燃やされるのかな、埋められるのかな!?
恐る恐る後ろを振り返ると背の高い男の人が私を見下ろしていた。私を捉えて離さないその眼に惹き付けられ、体が自分のものではないかのように動かなくなってしまう。
誰なんだろう、この人は。教師とかじゃないよね。ジャージ着てるし…。
「お前は誰だ?」
「あ……、烏野高校の朝霧納豆、です」
「……烏野だと?」
烏野、という単語がでた途端にあからさまに反応した男の人。烏野に知り合いでもいるのだろうか。
「あの失礼ですが、あなたは?」
「あぁ、すまない。俺は『牛島若利』だ」
その名前を聞いた瞬間「え!」と、叫んで後ずさってしまった。
神様、どうやらこの男の人がかの有名な全国で三本指の牛島若利さんらしいです。
……なにこの漫画みたいな展開。
「──……というわけで、私は白鳥沢ここに来ました。ほ、本当に怪しいものではありませんし、偵察に来たわけでも無いんです…!ただ、下見に来ただけなんです……!!」
とりあえず牛島さんに体育館の中へと連れられ、その中で土下座をしながら頭を床に擦り付ける勢いで弁解する。果たしてこの言葉が相手に伝わるかは分からないが、とにかく私は今、誤解を解きたい一心で頭を下げていた。
しばらくすると、その様子を終始無言で見ていた牛島さんが「分かった」と、一言私に向かって言い放った。
「何をそんなに焦っているのかは分からないが、俺は最初からお前を怪しい奴とは思ってはいない」
「……ほ、本当ですか?」
「あぁ、嘘はつかない」
ホッとした安心感が一気に私を襲う。牛島さんが警戒深い人じゃなくて良かった……。私が牛島さんの人柄に、心から感謝した瞬間だった。
「ところで、他の部員の皆さんは一体どこちらへ?」
「今はロードワーク中だ」
「え、では牛島さんは……?」
「俺はもう終わった。他の連中が遅いだけだ」
「おぉ……」
「なんか、エースって感じですね」と、考えていたことを声に出してしまうと、牛島さんの眉間に僅かな皺が寄る。えぇ!?き、気分悪くしちゃったかな!?どうしよう……他の部員さんからミンチにされてしまうかも…。
想像するのはボコボコにされる自分の姿。ソゾッとした寒気が背中をかけあがり、肩をすくめる。でも、『エース』ってカッコいいと思うけどな。
そんな事を考えながら頭の隅に思い浮かんだのは烏野の誇るコンビの片割れで、最強の囮でありながらも実はエースを夢見ている小さな少年のこと。
勝利に貪欲で、執着するその姿はとても眩しい。だから私は彼らを応援したいと思ったのかな?それともプレーする姿に魅了されたから?理由は自分でも深くは分からないけれど、それでも、彼らのお陰でバレーボールという一つのスポーツを好きになったのは紛れもない事実。
「朝霧といったな。朝霧、お前はバレーができるのか?」
静かな体育館の中で、牛島さんの言葉は嫌になりそうなほどしっかりと響き渡った。その言葉を言うだけ言って牛島さんはボールの入っている籠に近づき、そこから一つボールを取り、私をしっかりと見据えるのだ。
あぁ、この目、日向くんに似てる────
それは、勝利に貪欲な目。
「どうなんだ?」
牛島さんの言葉が頭の中で繰り返され、悪いことはしていないのに全身から熱が引いていくのを感じる。この目が、この声が、全てが、自分の全てを追求してきているような気がしてならない。それでもバレてはいけない気がして、隠そうとすると今度は見透かされていくような気持ちに陥るのだ。いつか、自分の行動も思考も全て把握されてしまうような恐怖が私の脳を支配する。
「あ、わたし……!」
声が震え、しっかりと発声することができず、途切れ途切れの言葉になってしまい聞き取りにくい。けれど、そんな私を牛島さんは咎めるとこはなく表情を一切変えない。
と、その時──
「どーんッ、若利くん相変わらず速いネ!……ってアレ?その子、どちら様?」
開いたままの体育館の扉の前で、赤髪で長身の男が目をまん丸とさせながら私を見て立ち尽くしていた。男の額を伝う汗が徐々に下に垂れていき、首筋へと伝っていく。その光景が妙に色めかしく、思わず見とれる。
すると、私の考えを読み取ったかのように男はニヤニヤとにやけだし、「えっちー」と、わざとらしく一言。急な男の登場に混乱している私は簡単に乗ってしまい、「違います!」と叫ぶ。
「人の汗だく状態を見て興奮するなんてぇー……変態サンだね!」
「み、見てませんから!!興奮もしてません!」
「まぁ、それは良いとして……君、誰?」
さっきまでふざけていた態度とは一変。いきなり真剣な顔つきへと変わり、品定めをするかのように目を細め、私を見つめてくる。そうだった、本当は私はここにいることをバレてはいけなかったんだ。
一難去ってまた一難。それはこういうことを言うのかな、と思いながら私はゴクリ、と唾を飲み込んだ。ああ、もしかして──私はこの人にフルぼっこにされてしまうのですか!?
「天童」
「なーに若利くん?」
「朝霧は怪しい奴ではない」
「うん、知ってるー」
「……ならどうして疑う必要がある?」
「疑ってる訳じゃ無いよ?ただ……可愛いとイジワルしたくなっちゃうよネ!」
「そういうものなのか?」
「男ってそういうもんだよ」
こんな会話がされていたことに、混乱していた私が気づくことはなかった。
「あ、朝霧納豆と言いますッ!牛島さんには既に自己紹介させて頂きましたが、怪しいものでは無いんです……っ!」
「ウンウン、俺は天童覚ねー!覚って呼んでもいいよっ!」
「いやいやいや、天童さんと呼ばせて頂きます……」
土下座をする私を笑いながら見下ろす天童さん。牛島さんとは真逆と言っても良いほどの性格に圧倒されつつもなんとか言葉を返す。きっと遊ばれているんだろなーとは思っているが、こんな知らない場所に来てまでそれに反抗する勇気を生憎私は持ち合わせていない。牛島さんもそうだけど、この天童さんもなんだか思っていることを見透かしそうで怖いよぉ……!お母さん、助けてぇ……。
「天童、そのぐらいで良いだろう。あまりちょっかいをだすのは止めておけ」
「はいはーい。分かってるよー若利くん!」
「ならいいが」
「ところで、朝霧ちゃんはどうしてココに来たの?何か用でも合ったの?てかその制服烏野だよね!?なら部活はもしかして男子バレー部のマネージャーとか!」
「……」
この人は……(ある意味)本物だ……!もしや、心を読み取る天才とはこういう人のことを言うのだろうか。
ポカンとしている私を見て、天童さんはフフンと鼻で嗤うと「覚ったりぃー」と、自慢気に胸を張った。
ところで今思い出したのだが、元々私、牛島さんに質問されてた身だよね。天童さんの登場ではぐらかす感じになっちゃったけど……。
あの質問には素直に「出来ます」と答えた方が良かったのだろうか?それとも「出来ません」と敢えて隠した方が……。でも、今は天童さんがいるから嘘ついてもバレそうだな。
だったら────
「う、牛島さん」
「なんだ、朝霧」
「……牛島さんが私への質問の返事なんですけど……!」
──レシーブには、自信があります。
私の唸るように紡いだその言葉に、心なしか天童さんと牛島さんが小さく笑ったような気がした。それは声にだして笑う方ではなく興味対象ができたときになってしまう、興奮の笑み。
「えー?なになに、面白そうなこというね!若利くんったら一人だけ楽しんじゃってずるーい!!俺も交ぜてよーっ!」
「別に楽しいことなんてなにも……」
「あぁ、言っている意味がよくわからない」
「ひ、ひどいッ!」
どうやら、私の波乱の夏は始まったばかりらしい──。