二番煎じな内容が多いです。
リベロな彼に私の才能発掘されました。
空欄の場合は「納豆」になります。
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「ごめんね、待たせちゃって」
「あ、いやっ!俺達の方こそこんな時間なのに無理言っちゃって……」
「ううん。いいよ。マネージャーだもの」
「あざっす!」
「あざーっす!」
そして日向くんと影山くんの練習に付き合うべく、再び体育館に戻ってきた。仁花ちゃんは終始不満そうな表情だったが、許してほしい。
影山くんの頭上にボールをあげながらそんなことを考える。と、その時、何度目かのボールをあげたときに影山くんがそのボールを手でキャッチし、私に向かって口を開いた。
「あの朝霧先輩、俺が先輩に向かってボール打つんでそれレシーブして俺の頭上にあげてくんないっすか?」
その言葉は、私にとって衝撃以外の他ならなかった。
「おい影山ァ!何いってんだよ、お前馬鹿力なんだから朝霧先輩の腕もげんだろ!」
「あ″ぁ″?先輩だったらできると思ったから言ってんだろーがこのボゲッ!」
「なんだとー!?」
ギャアギャアと、目の前で言い争い始める二人。だが、今私の頭の中にあるのは合宿の時に気づけた私の才能(?)について。もしかして、その才能を活かすことができるのは今なのではないか。だとしたら私が今することはただ一つ。
影山くん達の望むことを一つでも多く実現させてあげること。
「分かった」
覚悟を決めたような私の瞳に、影山くんと日向くんはぴたりと言い争いを止め、「お願いシャース!」と、二人揃って声をあげた。今、自分が一歩、『チーム』へと踏み出せたような気がした。
「うおおっ!朝霧先輩スゲェッ!」
「あはは…このぐらいどうってことないよ」
「次、いきます」
休む暇もほとんど与えられずに次へと進められていくレシーブ。私は別にきつくはないのだが、さっきから跳びっぱなしの日向くんは疲れが目に見えはじめだした。私のレシーブと影山くんのトスはさっきから一切のブレも生じない。上手く繋いだ──と、思った瞬間から一本、日向くんと影山くんのコンビミスによって崩れていく。でも私はこれでいい。私は影山くんがトスをあげやすいレシーブをするだけ。そして、影山くんは日向くんが『打ちやすい』トスをあげる。
それで日向くんが──ってあれ……?
今、私が思うに、スパイカー(日向くん)が打ちやすい以上に最高のトスはないと思うのだ。
だが、この二人の速攻は違う。影山くんが持っていく、つまり影山くんが主導権を握っている。もしかしてここから日向くんと影山くんは食い違っているのかもしれない…。
「ねぇ二人とも、ちょっと言いたいことが…」
私は、真っ先にその事を二人に言おうとした。しかし、どうやら少し遅かったようだ。
「──春高予選は来月だ。そんとき使えるのは完成された速攻と、使えない速攻どっちだよ!」
「──でも、それじゃあ俺は強くなれないままだ!」
止めようとした。
──でも、止められなかった。
二人ともちゃんと考えた上でのお互いの意見のぶつかり合いで、それを無理に止める権利は私には無いと思ってしまったからだ。私はプレーする側じゃないから……。選手達の意見とかそういうのは完全に把握できる訳じゃない。なら、……なんで、なんで私はここにいるの?
「かげやまああああ!!!」
「っ!?」
ハッとしたときには、日向くんが影山くんの腰あたりに飛び付いていて、体を使った喧嘩が始まってしまった。
「影山くんっ、日向くんっ落ち着いて!」
私の声も二人には届いていないようで、影山くんは日向くんを投げ飛ばした。それでも日向くんは再び影山くんに掴みかかる。もうここまで来てしまったら、私には止められない。そう判断した私はまだ近くに誰か残っていることを祈って体育館を飛び出した。
……いた。見つけた。
「龍!」
「うおっ、どうした納豆!?」
「お願い、来て……ッ」
いつもだったら顔を真っ赤にしながらテンパる龍も、さすがに私の異変に気づいたらしく真面目な顔つきになっていた。ここで長々と放していることもできないので龍の手を握ると、体育館へ全速力で走り出す。おいっ! という龍の言葉も無視をしてひたすら走る。
そしてようやく目的地の体育館へと辿り着く。外からでも聞こえる二人の揉める声に龍も全てを察したようで、血相を変えながら中に入っていった。私は走りすぎた疲れでその場に座り込んでしまう。体育館の中で何かを殴ったような音が聞こえた。でも今は中を見に行けるような体力は残っていない。とりあえずここで休んでいよう……と、考えていたら龍が体育館から出てきた。
「おい納豆、大丈夫か!?」
「うん、大丈夫……ありがとう……」
「いや、むしろお前がいて良かったぜ……。アイツら二人だけだったら今頃どうなってたんだろうな……」
確かにそうだ。もし私がいなかったら今頃二人は殴り合いにでも発展していただろう。
そう考えるとゾッとする。
そして、私は龍に家まで送って貰い、その日は幕を閉じた。
「おっす、納豆ー!龍に聞いたぜ、昨日翔陽達が喧嘩したんだってな!」
「……おはよう夕。なんでそんなに笑顔なのさ」
「だってアイツらは常にぶつかり合ってねぇと逆にこえーしな!」
「そんなにあの二人は喧嘩ばかりなの?」
「俺が初めて見たときから喧嘩してたぞ?」
「そうなの!?」
次の日の朝、廊下で偶然会った夕から衝撃的な話を聞かされ、さっきまでの心配が段々と薄れゆくような気がした。どうやら二人は入部当時からそんな感じだったようだ。夕も龍から聞かされた話だそうで。喧嘩するほど仲が良いとは言ったものの、回りで見ている人はヒヤヒヤしっぱなしだ。龍や夕はそろそろ慣れてきたらしいけれど。
昨日、仁花ちゃんを先に帰しておいて正解だったな。あんな喧嘩場面を仁花ちゃんが見てたら泣いていたかもしれないしね……。今日は部活がお休みだから二人が喧嘩することは無いと思うけど……私は何をしようかな?
「あ、そういえば…夕!」
「なんだ?」
「私、次の合宿行けないから」
「…………え、」
「用件は終わり。それじゃ」
次の瞬間、二学年の廊下に夕の絶叫が響き渡ったとか渡らなかったとか……。
──と、いうわけで皆が合宿の時に私がお手伝いに行く所の下見に来ました。
えぇ、せっかくの部活オフなので。それにお手伝いの時に変な恥は欠きたくないので!?
「にしても、やっぱり大きいなー
──……『白鳥沢学園』って」
私の目の前には、予想していたもの以上に大きい校舎がそびえ建っている。そしてここが、今の烏野が、私達が、打倒を掲げている『王者白鳥沢』なんだ……。ドクドク、と胸の鼓動がどんどん速くなり、自分が今まで以上に興奮しているのが分かる。……あぁ、きっと今の私は、白鳥沢と戦うのを楽しみにしているんだ。
思わずにやけてしまう表情を押さえることはできなかった。
「あ、いやっ!俺達の方こそこんな時間なのに無理言っちゃって……」
「ううん。いいよ。マネージャーだもの」
「あざっす!」
「あざーっす!」
そして日向くんと影山くんの練習に付き合うべく、再び体育館に戻ってきた。仁花ちゃんは終始不満そうな表情だったが、許してほしい。
影山くんの頭上にボールをあげながらそんなことを考える。と、その時、何度目かのボールをあげたときに影山くんがそのボールを手でキャッチし、私に向かって口を開いた。
「あの朝霧先輩、俺が先輩に向かってボール打つんでそれレシーブして俺の頭上にあげてくんないっすか?」
その言葉は、私にとって衝撃以外の他ならなかった。
「おい影山ァ!何いってんだよ、お前馬鹿力なんだから朝霧先輩の腕もげんだろ!」
「あ″ぁ″?先輩だったらできると思ったから言ってんだろーがこのボゲッ!」
「なんだとー!?」
ギャアギャアと、目の前で言い争い始める二人。だが、今私の頭の中にあるのは合宿の時に気づけた私の才能(?)について。もしかして、その才能を活かすことができるのは今なのではないか。だとしたら私が今することはただ一つ。
影山くん達の望むことを一つでも多く実現させてあげること。
「分かった」
覚悟を決めたような私の瞳に、影山くんと日向くんはぴたりと言い争いを止め、「お願いシャース!」と、二人揃って声をあげた。今、自分が一歩、『チーム』へと踏み出せたような気がした。
「うおおっ!朝霧先輩スゲェッ!」
「あはは…このぐらいどうってことないよ」
「次、いきます」
休む暇もほとんど与えられずに次へと進められていくレシーブ。私は別にきつくはないのだが、さっきから跳びっぱなしの日向くんは疲れが目に見えはじめだした。私のレシーブと影山くんのトスはさっきから一切のブレも生じない。上手く繋いだ──と、思った瞬間から一本、日向くんと影山くんのコンビミスによって崩れていく。でも私はこれでいい。私は影山くんがトスをあげやすいレシーブをするだけ。そして、影山くんは日向くんが『打ちやすい』トスをあげる。
それで日向くんが──ってあれ……?
今、私が思うに、スパイカー(日向くん)が打ちやすい以上に最高のトスはないと思うのだ。
だが、この二人の速攻は違う。影山くんが持っていく、つまり影山くんが主導権を握っている。もしかしてここから日向くんと影山くんは食い違っているのかもしれない…。
「ねぇ二人とも、ちょっと言いたいことが…」
私は、真っ先にその事を二人に言おうとした。しかし、どうやら少し遅かったようだ。
「──春高予選は来月だ。そんとき使えるのは完成された速攻と、使えない速攻どっちだよ!」
「──でも、それじゃあ俺は強くなれないままだ!」
止めようとした。
──でも、止められなかった。
二人ともちゃんと考えた上でのお互いの意見のぶつかり合いで、それを無理に止める権利は私には無いと思ってしまったからだ。私はプレーする側じゃないから……。選手達の意見とかそういうのは完全に把握できる訳じゃない。なら、……なんで、なんで私はここにいるの?
「かげやまああああ!!!」
「っ!?」
ハッとしたときには、日向くんが影山くんの腰あたりに飛び付いていて、体を使った喧嘩が始まってしまった。
「影山くんっ、日向くんっ落ち着いて!」
私の声も二人には届いていないようで、影山くんは日向くんを投げ飛ばした。それでも日向くんは再び影山くんに掴みかかる。もうここまで来てしまったら、私には止められない。そう判断した私はまだ近くに誰か残っていることを祈って体育館を飛び出した。
……いた。見つけた。
「龍!」
「うおっ、どうした納豆!?」
「お願い、来て……ッ」
いつもだったら顔を真っ赤にしながらテンパる龍も、さすがに私の異変に気づいたらしく真面目な顔つきになっていた。ここで長々と放していることもできないので龍の手を握ると、体育館へ全速力で走り出す。おいっ! という龍の言葉も無視をしてひたすら走る。
そしてようやく目的地の体育館へと辿り着く。外からでも聞こえる二人の揉める声に龍も全てを察したようで、血相を変えながら中に入っていった。私は走りすぎた疲れでその場に座り込んでしまう。体育館の中で何かを殴ったような音が聞こえた。でも今は中を見に行けるような体力は残っていない。とりあえずここで休んでいよう……と、考えていたら龍が体育館から出てきた。
「おい納豆、大丈夫か!?」
「うん、大丈夫……ありがとう……」
「いや、むしろお前がいて良かったぜ……。アイツら二人だけだったら今頃どうなってたんだろうな……」
確かにそうだ。もし私がいなかったら今頃二人は殴り合いにでも発展していただろう。
そう考えるとゾッとする。
そして、私は龍に家まで送って貰い、その日は幕を閉じた。
「おっす、納豆ー!龍に聞いたぜ、昨日翔陽達が喧嘩したんだってな!」
「……おはよう夕。なんでそんなに笑顔なのさ」
「だってアイツらは常にぶつかり合ってねぇと逆にこえーしな!」
「そんなにあの二人は喧嘩ばかりなの?」
「俺が初めて見たときから喧嘩してたぞ?」
「そうなの!?」
次の日の朝、廊下で偶然会った夕から衝撃的な話を聞かされ、さっきまでの心配が段々と薄れゆくような気がした。どうやら二人は入部当時からそんな感じだったようだ。夕も龍から聞かされた話だそうで。喧嘩するほど仲が良いとは言ったものの、回りで見ている人はヒヤヒヤしっぱなしだ。龍や夕はそろそろ慣れてきたらしいけれど。
昨日、仁花ちゃんを先に帰しておいて正解だったな。あんな喧嘩場面を仁花ちゃんが見てたら泣いていたかもしれないしね……。今日は部活がお休みだから二人が喧嘩することは無いと思うけど……私は何をしようかな?
「あ、そういえば…夕!」
「なんだ?」
「私、次の合宿行けないから」
「…………え、」
「用件は終わり。それじゃ」
次の瞬間、二学年の廊下に夕の絶叫が響き渡ったとか渡らなかったとか……。
──と、いうわけで皆が合宿の時に私がお手伝いに行く所の下見に来ました。
えぇ、せっかくの部活オフなので。それにお手伝いの時に変な恥は欠きたくないので!?
「にしても、やっぱり大きいなー
──……『白鳥沢学園』って」
私の目の前には、予想していたもの以上に大きい校舎がそびえ建っている。そしてここが、今の烏野が、私達が、打倒を掲げている『王者白鳥沢』なんだ……。ドクドク、と胸の鼓動がどんどん速くなり、自分が今まで以上に興奮しているのが分かる。……あぁ、きっと今の私は、白鳥沢と戦うのを楽しみにしているんだ。
思わずにやけてしまう表情を押さえることはできなかった。