二番煎じな内容が多いです。
鬼滅の刃 短編
空欄の場合は「納豆」になります。
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それはとある夏の日のこと。いつもは詰め込めるだけ詰め込んでいるバイトの休日と面倒でしかない学校の休日が珍しく重なったその日は、たまには一人でのんびりと出掛けたいという欲求に趣味に思う存分貢ぐ為貯め続けていたお金の一部を持ち、この間友達同士で選んで買った服に着替え、目的のショッピングモールまで電車に揺られること約二十分。これといって買いたい!という衝動に駆られるものは無かったのだが実際に色んな商品を見てみると簡単に刺激された物欲センサーに我ながら呆れる。最近口コミで話題になっている新商品のシャンプーや自分の好みのど真ん中をぶち抜いてくるワンピースにサンダル。こういう時のためにお金を貯めていたのだから買ってしまっても罰は当たらないよね、と誰に言うわけでも無いが心の中で呟き自己完結させて財布から福沢諭吉さんを一枚と樋口一葉さんを一枚抜いて欲しいと思ったものを買い込んだ。
結果として財布は軽くなったがその分心は十分に満たされた。やっぱり買い物は良い。自分で貯めたお金なら好きなことにどれだけ使っても怒られないんだもの。まだ完全な自立には程遠いが、これは親の監視下に居る内にできる精一杯の背伸びだった。歳を重ねるにつれ大人っぽく見られたい、可愛くありたいという気持ちが大きくなっていく。流行りのメイクを覚えたり流行ファッションを取り入れたりして友達同士であっても皆から遅れはとりたくなかった。少しでも手を抜けば「何か今日手抜いてる?ちょっとダサいよ〜!」と笑われる。勿論馬鹿にされたくないから、という理由だけでオシャレをしている訳では無い。自分自身可愛いものは嫌いじゃないし、頑張った分自分が次第に可愛く見えて心の奥が満たされる感覚はむしろ好きだった。でもやっぱりたまには解放されたい時もあって、こうして半年に一度自分の好きなことを誰にも文句言われずにできる時間をご褒美代わりに設けるのだ。今日も頑張ったねって。単なるストレス発散日。本当にただそれだけだった。
気がつけば大分日も落ちている時間帯で、早く帰らなければ両親からお叱りを受けても可笑しくない時刻になってしまうことに気がついた。休憩の為にゆっくり過ごしていた個人的に気に入っているカフェを出る。溜まってたストレスも今日で発散出来たし、また明日から頑張りますかあー……!
そういえば明日の時間割りは何だったっけ、とそんなことを考えながら駅に向かっていた。そのとき。
「ちょっとすみません。少しお聞きしても良いですか?」
いきなり背後から現れた赤みが掛かった髪色で額に痣のあるお兄さん感丸出しの男性が申し訳なさそうな表情で尋ねてきた。内心いきなりのことにとても驚いていた。しかし、そんなことよりも一番驚いたのがそのお兄さんがあまりにも整った顔立ちをしていたこと。あまりの綺麗さに一瞬ポカンと口が空いてしまった。私の通っている高校は県内でも美少年・美少女が多いと噂され、実際顔立ちが整った人達が多いところだが、これほどまでに顔が整った人を私は今までに見たことがない。
……あ、もうこれ、この人に会えただけで今日出かけてきてよかった本当に。こんな美丈夫さんこれからの人生でもう一度会えるか会えないかぐらいのレアさだよ。明日友達にこの話しなきゃだわ。
「ど、どうかしましたか?」
「はい。実はこの場所に行きたいんですけど道がよく分からなくて困っていて……。もし分かるのなら教えて貰いたいんです」
「えっと…ちょっとその紙見せて貰っても良いですか?」
「はい、勿論!」
ふわり、とまるで花が咲いたように優しく笑うお兄さんの笑顔に心臓を鷲掴みにされ、そのまま揺さぶられるような感覚に襲われる。さすが国宝級美丈夫は格が違う……!美少女の友達達のお陰でそれなりに顔が良い人達への体制はついていたとばかり思っていたけど案外そうでも無かったらしい。いや、ただ単にこの人の顔が良すぎるだけなのかもしれないが。
見せてもらった紙に書かれてあった目的地はこの付近にあるどころか、まず降りる駅から違った。もしかしてこの美丈夫さん……方向音痴?見るからに『出来る男感』満載の美丈夫さんに事実を言うには腰が引けるが言わない訳にも行かない。それによく考えたら、この美丈夫さんが行こうとしている目的地は私の家の近くにある高層ビルだということに気がついた。丁度いいからそこまで送って行ってあげよう。道に迷っている人を助けてあげたといえば両親も怒ったりはしないだろうし。
「あの……この場所、私の家から近い所にあるので私でよければ良ければ案内しますよ」
「え、本当ですか!?」
「はい」
「うわぁ!凄く助かります。良かった……これで冨岡さんに怒られずにすむ…」
美丈夫さんはとても安心したようで、ふぅ…と一息つくと私の目をしっかりと見据えてあの国宝級スマイルをぶちかましてくる。「本当にありがとうございます!」と言った美丈夫さんの回りには心なしか薔薇が飛び散っているように見えた。
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ガタン、ゴトン
車両内は空いているにも関わらず隣にゼロ距離で座ってきた美丈夫さん。お陰で美丈夫さんの太ももと私の太もも、そして肩と腕が触れ合っている。果たして気がついているのかいないのか。もしもこれを計算で全てやってのけているのなら末恐ろしい。つい隣に座る美丈夫さんに視線をやると、私の視線にいち早く気がついた美丈夫さんが「ん?」と、コテンと首を傾げる。ああもう本当にこれ素なの!?わざとなの!?どっち!?!?
いっその事聞いてしまおうかと思ってしまうくらいにはあざといその行動は、世の中の一般男性がやったらドン引きされるようなものなのにこの美丈夫さんがやるとご褒美とも取れてしまい顔ってこんなにも大事なんだとその事実が深く胸に刻み込まれた。
「そういえば名前を言っていなかったですね。俺は竈門炭治郎。22歳です。あなたは?」
「あ、私は神崎納豆です。16歳、です」
「………………え?」
私が自分の歳を告げた途端、今までニコニコと微笑んでいた美丈夫さ……竈門さんが、ピシリッと驚いた表情で固まってしまった。その反応に思わず私まで「え?」と声を漏らしてしまう。まずいまずい…相手は六つも上なのに失礼だ。気をつけよう。
竈門さんは「あ、え、」と言葉にならない声を出す。そしてゴクッと唾を飲み込むと、少し震えた声で「もしかして…」と口を開く。
「君、……女子高生?」
その不可解な質問の意図が読めず、私は頭上に?を浮かべながら意味もわからず頷く。その瞬間、竈門さんが物凄い速さで私から離れていった。ゼロだった距離は一瞬にして一メートル程になる。いや、距離を取るってことは近いって自覚あったんかい。
そんなにあからさまに距離をとられるといくら私でも傷つく所がある。もやっとした気持ちになっていると、竈門さんが慌てた様子で「ご、ごめん!」と頭を下げてきた。
美丈夫が電車内で女子高生に頭を下げる光景って傍から見たらどんなものなのだろうか。一種の現実逃避のようなものに走る私を竈門さんの声が正気に戻す。空いているとはいえ人がいないわけじゃない。勿論他にも人は居るんです。あれだけくっ付いたのにいきなり離れ、美丈夫が頭を下げて謝りだすという流れはあまりにも物珍し過ぎるため、電車に乗っている人達の視線を全て集めていた。私は既に顔から火が出そうな思いなのだが、竈門さんは気がついていないのか頭を下げた状態で一度も頭を上げることなく「本当にごめん!」と繰り返し繰り返し謝罪の言葉を紡いでいる。そんな竈門さんに私は純粋な疑問が浮かぶ。
「あの、竈門さん?」
「はい!!」
「どうしてさっきから謝られているんですか?」
「えっ、ど、どうしてって……それは……」
「別に竈門さんは私に道を尋ねてきただけじゃないですか。特に問題になるようなことは何もしていないような……?」
「いや…確かにそうなんだが……これは俺の心の問題で……」
「心の問題?」
更に何が何だか分からなくなるような答えに今度は私が首を傾げる番だった。とりあえず頭を上げてもらうように言うと、渋々頭を上げる竈門さん。私が竈門さんをジッ…と見つめているのとは逆に、竈門さんは私を頑なに見ようとせず視線をあちらこちらに泳がせている。
「よく分からないですけど、なんで私が歳を言った途端にそんなに挙動不審になってしまったんですか?」
「君があまりにも大人びていたから、まさか現役女子高生だとは思っていなくて……。あぁぁ……!どうして俺は長男なのに分からなかったんだ……」
「いや長男かどうかは関係ないと思いますけどね」
「とにかく!俺の気が済むまで謝らせてくれ!!」
「え、えぇ……??」
女子高生に見えなかったというのは私からしてみたら褒め言葉だから本当に気にしなくていいのに。きっと竈門さんは本当に純粋で真っ直ぐな人なんだろうな。
私はこれ以上、頭を下げる竈門さんを止めようとはしなかった。
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□炭治郎side
本当に、本当に気が付かなかっただけ。あまりにも大人びすぎたその子の雰囲気に俺は、その子が俺と同じくらいの歳だとばかり思ってしまっていた。だから道を尋ねたんだ。だってそんな、自分より下の子を頼ってしまうなんて長男としてのプライドがそれを許してくれない。それなのに──!!!
よりにもよって女の子の歳を間違えてしまうなんて!!長男としても、人としても情けない!恥ずかしい!煉獄さん風に言うのなら穴があったら入りたい!!!
今の若い子はデリケートだから接する時は気をつけろと宇髄さんや善逸にも言われていたのに……。
自分が不甲斐なさすぎて必死に頭を下げ続けていたら、その子…納豆ちゃんが俺に、俺は何も悪いことはしていないのだから謝る必要は無いということを言ってきた。……確かに、確かにそうだ。
俺は……席に座る時、ちょっと下心を持ってしまったんだ。
少しだけ、ほんの少しだけ体が触れる距離にわざと俺は座った。……そうしたら納豆ちゃんが意識してくれるかもと思って。
いやっ!!違うんだ!!どうこうなりたかったとかそういうんじゃなくて!!!
……最初に一目見たとき、とても可愛らしい人だと思ったんだ。だから、少しの間だけでも俺のことを覚えて貰えるようにってわざと彼女に触れていた。本当に……それだけで……あぁぁ……っ!穴があったら入りたい!!!!(二度目)
相手が学生とか犯罪じゃないか!!!俺はもう少しで超えてはならないラインを超えてしまうところだった。危なかった……。
……今、16歳ということは高校二年生くらいか?だとしたら卒業まで一年と少しかあ……。
って、この馬鹿炭治郎っ!!俺は一体何を考えているんだ!?!?高校生に手を出しちゃいけないなんてこと、分かっているはずだろう!!!これで手を出したら家族に向ける顔がないッ!!!
「あのー…竈門さん、良ければLI○E交換しませんか?」
…………。
手を出さなければ、大丈夫だろうか?
数十秒後、俺のスマホの画面には納豆ちゃんの連絡先が新しく追加されていた。
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神崎納豆
見た目だけ大人びた現役JK。
炭治郎に道聞かれる→電車乗る→何か謝られる の、現状把握できずに混乱しまくる。
多分炭治郎に軽く一目惚れ(面食い)
もしも告られたらOKするでしょう。
竈門炭治郎
納豆を自分と同じくらいの歳の人だと勘違いしてしまい、軽く手を出しかけてしまいそうな所で真実に気づきギリギリ留まった人。めっちゃイケメン。モテる。
多分この人も一目惚れ。
手を出さなければOKじゃね?→なら卒業するまで待てばいいのでは? という思考に陥ってしまった残念な長男。
多分ここから納豆ちゃんが卒業するまでちょこちょこ会いながら少しづつ関係を深めていく。卒業より半年くらい前に納豆ちゃんは炭治郎へのガチの恋心を自覚するでしょう。多分炭治郎は連絡取り始めた時点で納豆ちゃんにベタ惚れ。お互いに想い合っていることには何となく気がついてるけど卒業まで何も言わないのが暗黙の了解。
卒業した途端に付き合うよ(確信)
それほど甘くもないけどちょっと我慢できない長男が書きたかっただけです。
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