二番煎じな内容が多いです。
輪廻転生ノ章
空欄の場合は「納豆」になります。
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炭治郎の家には何度も自分で行ったことがあったため、迷うことなく進むことができる。やっぱり
急ぎ足で何時間か歩いていると、ようやく炭治郎の家が見えた。やっと着いた…と安堵したそのとき、ふわりと炭治郎の家の方から血の臭いが漂ってきた。どくり、と心臓が嫌な音をたてる。その血の臭いは炭治郎の家に近づけば近づくほど濃くなっていく。そして炭治郎の家の前に着くと、そこには血に濡れた雪と、五つのナニカが土に埋められた形跡、そして肝心の家の中は思わず目を逸らしてしまうほどの血の量が部屋のほとんどを埋め尽くしていた。
今にも吐いても可笑しくない惨状を目の前に私が溢したのは嘔吐物ではなく涙だった。あれだけ優しくしてくれた炭治郎の家族が、炭治郎や禰豆子が大切にしていた家族が、
「……お母さん達に言わなきゃ、」
全部伝えて、ちゃんと供養してもらおう。
私は
家に帰ると家の外にはお父さんとお母さんが居て、私を見るなり「見つけた!」と叫んで駆け寄ってきた。どうやら朝起きたらいなくなっていた私を心配していたらしい。なんの言伝てもなく出てきたのはやっぱりまずかった。お父さんはカンカンに怒っており、珍しくお母さんも「心配したのよ!」と怒鳴ってきた。普段あまり怒らない母だっただけに私はその迫力が凄まじく私はボロボロと涙を溢してしまう。……多分、お母さんやお父さんが怖かったからというだけで泣いた訳ではないと思う。今の私にはこうして心配して怒ってくれて愛情を注いでくれる両親が、家族がいる。でももう炭治郎や禰豆子ちゃんにはその家族がいないんだ。そう思うと泣かずにはいられなかった。前世で両親を亡くした経験があったせいで、炭治郎達が抱いたであろう悲しみがどれほど大きいかが分かってしまったから。
家族の遺体を見て炭治郎はどうしたんだろう。何を思って禰豆子ちゃんを連れて私達に頼ることなく出ていってしまったんだろう。私達は頼りなかったのか。「またね」と言ってくれたあの言葉はもう叶わないのか。そう思うと悲しくてたまらない。でも炭治郎たちが悪い訳じゃないから、この悲しみをどこにぶつけたらいいのか私には分からなかった。
炭治郎の家に行ったこと、そこで見たもの、そして炭治郎・禰豆子ちゃんがいなくなったこと、全てを両親に話した。最初は「嘘だ」と言いたげな表情だった両親だが、最終的に泣き出した私を見て本当だと判断したのか、お父さんが村の医者の元に行き私・お父さん・お母さん・お医者さんの四人で炭治郎の家に向かった。お父さんは私を家に置いていこうとしたが、私がそれを嫌がったため渋々一緒に行くことを許してくれた。ちゃんと供養するというのなら、私だってそれを見届けたい。両親の次にお世話になった人達だから。道中で花売りの人から五束の花を買った。炭治郎の家族に花を手向けるためだ。
炭治郎の家に着くと、その惨状を見たお母さん達は泣き崩れた。お母さん達もお母さん達で炭治郎の家族にはお世話になっていたから尚更辛かったのだろう。私だってこの惨状には耐えられなかった。お医者さんが念のための確認のために手を合わせてから少しだけ土を掘り起こし、そこに眠っているのが炭治郎の家族だということを確認する。「確かにこれは竈門家のご家族です」と言ったお医者さんはとても辛そうに顔を歪めた。
いつの時代でもそうだ。前世の時だって、誰かが死んだら泣き崩れる人がいて、それを見て顔を歪める人がいて、さらにそれを見てボーッとしている自分がいるんだ。自分は自分で勝手に悲しんで、泣いて。そうやって人はいつの時代も亡くなった人達の死を乗り越えようとしてきた。……私には乗り越えられなかったけど。
私にとっては二度目のこの人生。今こうして新たに人の死を目の当たりにして思った。人はいつ死ぬのか本当に分からないのだ。だとしたら私はこの二度目の人生を色んなことで溢れかえるような人生にさせたい。ただのんびりと平穏に生きる人生じゃなくて、自分にできるかできないか分からないようなそんな難しいことを成し遂げられるような人生を送りたい。ただ、そう漠然と思った。
炭治郎がいなくなったということは何か理由があるはずだ。それはきっと困難なもので炭治郎自身これからいくつも壁にぶつかることがあるかもしれない。だけどきっと「長男だから」と言って耐えることのできる炭治郎は色んな人の協力を受けて、最後には乗り越えてしまうんだろうな。
だとしたら、私はこれからどうしよう。私も先に進みたい。新しいことを探したい。
そしていつかは炭治郎と禰豆子ちゃんにもう一度だけでも会いたいんだ。
そして私の第二の人生がゆっくりと動き出した。