二番煎じな内容が多いです。
門出ノ章
空欄の場合は「納豆」になります。
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私達の寝る場所は右から順に伊之助、善逸、私、炭治郎となった。最初は伊之助は寝相がヤバそうだから隣は避けたいなと思い、更に善逸の隣になると万が一のことが起こるかもしれないと思ったから一番左の炭治郎の隣で寝ようかと思ったんだけど、そうしたら善逸が「うっっっそでしょおおおお!?!?」と夜中にも関わらず大声で騒ぎ出したので仕方なく二人の間で寝ることにした。伊之助が「うるせえ!!」と言って善逸の顔面に枕を投げつけるのを横目で見ながら私は自分の布団へと向かう。隣の布団では既に炭治郎が布団の中に潜り込もうとしている所。
そういえば昔、禰豆子ちゃんと一緒に炭治郎の家の前で遊んでいたらいつの間にか日が暮れてしまい、このまま帰るのは危ないということでお泊まりさせてもらったことがあったなあ。そのときは確か、今みたいに炭治郎と禰豆子ちゃんの間で挟まれて寝たんだっけ。
そういえばずっと気になっていたんだけど、会った時からずっと炭治郎が背負っていたあの木箱はなんだろう。何か入っているのかな?
疑問に思いつつも、騒いでいた善逸と伊之助がようやく落ち着いてそれぞれ布団の中に入ったので私もふかふかの布団の中に急いで入った。今日も干していたのか布団は何だか温かくて、お日様の温かさを感じる。何だかもう眠くなってきたなぁ……。うとうと…と瞼が重くなるのを感じていたとき、隣で善逸が「なぁ、炭治郎」と私を挟んだ向こう側にいる炭治郎に声をかけた。既に半分意識が落ちかけている私はその善逸の言葉がぼんやりにとしか聞こえない。なんか喋ってるねぐらいの感覚だった。
「……誰も聞かないから俺が聞くけどさ、
────今、善逸はなんて言ったの?
ほとんど沈みかかっていた意識が無理やり覚醒させられる。なんか今、「鬼を連れている」とかなんとか言わなかった?え、私が知ってる限り炭治郎がわざわざ隊律違反をしてまで連れてくる鬼は生憎一人しか知らないんだけど?でも待って、私それについてまだ炭治郎から説明受けてないよ?え???
「善逸……。分かっててかばってくれたんだな……。善逸は本当にいい奴だな。ありがとう」
「おまっ!そんな褒めても仕方ねぇぞ!!うふふっ」
いやめっちゃ喜んでるじゃーん!というのは置いといて……。……え、本当に?本当に今、
思い出したのは最終選別を終えた後の私と炭治郎の長い会話。
あの日、私が炭治郎から教えてもらったのは────
「納豆、起きてくれ。まず誰よりも先に納豆に会って貰いたいんだ」
「…………ぇ、」
「会わせてあげるのにこんなに時間がかかってしまった。ごめんな……納豆、
その名前を聞いたとき、この約二年半閉じ込められていた私の中のナニカが一気に溢れ出した。炭治郎の優しい瞳が木箱の方へ向いた途端に木箱からカタカタ…と物音が聞こえてくる。その音に驚いた善逸が「うわっ!うわっ!!」と叫びながら押し入れの方へと逃げていく。それとは逆に、私は布団から立ち上がると震えの止まらない足を動かして木箱の方へと歩く。そんな私の行動を見て善逸が「あ、あああ、危ないよ納豆ちゃん!!戻ってきてええええ!!!」と、後ろから必死に呼び止めてくるが私は見向きもせず木箱へと向かった。そしてギィイイイ…と木箱の扉がゆっくり開かれた。
あのね、私、凄く貴女に会いたかったんだよ。勿論炭治郎にも凄く会いたかったけど、炭治郎から貴女の話を聞いた時から誰よりも一番貴女に会いたかった。ごめんね。もっともっと、遊んでいればよかったよね。私があの日もう少し速く駆けつけていれば、何か変わっていたかもしれない。
不甲斐ない友達で本当にごめん、
木箱の中から這い出てきた禰豆子ちゃんは以前よりもとても小さくなっていた。
「あ、あれ、禰豆子ちゃん……?」
出てきた瞬間に飛びつこうと思っていたのに、想像していなかったそのサイズ感に私はさっきまでのしんみりとした気分はどこに行ったのかと思うくらいには戸惑ってしまった。禰豆子ちゃん(小)は私の足元辺りまで這い出てくると、なんと以前の大きさと同じくらいにまで
そして、お返しと言わんばかりに私も禰豆子ちゃんを抱き締め返す。
「きっと禰豆子は納豆に会えて嬉しかったんだろうなぁ。良かったな、禰豆子」
「ムー!」
「ようやく会えたね、禰豆子ちゃん……!」
そう言うと、禰豆子ちゃんが私の胸元辺りに頭をグリグリと押し付けてきた。まるで甘えるかのようなそれに私は思わず意識が飛びかけてしまった。こうして再び私たちを会わせてくれた炭治郎にお礼を言おうと、禰豆子ちゃんの頭を撫でた状態で後ろを振り向いたそのとき、私の視界に飛び込んできたのはこちらを見て微笑む炭治郎の背後で、怒りから顔面崩壊した善逸が鋭い剣幕で炭治郎を睨みつけている光景だった。今にも炭治郎に飛びかかりそうな勢いの善逸に私は「えっ、あの、ぜ、善逸……?」と挙動不審になっていると、ようやく異変に気がついた炭治郎が不思議そうな表情で後ろを振り向いた。勿論そこには顔面崩壊した善逸がいる訳で。
「いいご身分だな……!!!」
「えっ?」
「こんな可愛い女の子連れてたのか……。こんな可愛い女の子連れてうきうきうきうき旅してたんだな……。俺の流した血を返せよ!!!」
ボロボロと悔し涙を流す善逸が炭治郎に向かって指をさして早口でまくしたてる。炭治郎は急な善逸の変わりように戸惑いを隠せない。
「俺は!俺はな!お前が毎日アハハのウフフで女の子とイチャつくために頑張ったわけじゃない!!そんなことのために俺は変な猪に殴られ蹴られたのか!?」
「ぜ、善逸落ち着け!どうしたんだ急に……」
「しかもその癖俺から納豆ちゃんを奪い取ろうとしてくるし!!ふざけんなこの天然人たらし!!お兄ちゃん力使って可愛い女の子を独り占めしようとしてんじゃねぇよ!!!」
「ひ、人たらし!?俺は別にそんなつもりは……!それに納豆だって……俺にとっては妹みたいな……感じで……」
「鬼殺隊はなぁ!お遊び気分で入るところじゃねぇ!お前のような奴は粛清だよ即粛清!鬼殺隊を舐めるんじゃねぇえええ!!!」
刀を抜いた善逸と丸腰の炭治郎が乱闘を始めた(一方的)。そんな中既に眠りについている伊之助を見て、私は禰豆子ちゃんに「私達も寝よっか」と言うと禰豆子ちゃんもウンウンと頷いたので二人でいそいそと一緒の布団に潜り込み騒がしい中共に眠りについた。そして禰豆子ちゃんが隣にいるからか、いつもより温かい体温に私はあっという間に眠りについてしまったみたいだ。
次の日の朝、目の下の隈を作ってボロボロになった炭治郎が私に「どうして助けてくれなかったんだ……?」と、すがり付いてきた時は珍しく炭治郎相手に少しだけ身の危険を感じた。